Devil May Cry -Russian Roulette-   作:パン粉

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Mission 4 - Machine Head-
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 メディアルームのドアを蹴破り、周りに敵がいないことを確認してから、アルトレア達は戦車格納庫へと向かう。

 

 コシュマグラード・中央棟地下一階は、基地としては破格の量の戦車を保有している。一台でも手に入れられれば、相当な戦力になるであろう。操縦はアルトレアがすればいい。

 

「ギブソンさん、ヘリはどこに?」

「北棟だったはずだ」

「北か……。ペトロフの部屋もそこにあった、とするなら、敵も北にいるかもしれねェな」

「一気に頭を叩くという手段もなくはないですね」

 

 この三人ではあまりにも無謀なことであると思うが、アルトレア一人なら可能だろう。ギブソンもサーシャもそれは疑わなかった。いくら戦力があるのかはわからないが。

 

 補給をしても、残弾は気になる所である。なるべく節約をしながら進まなければならないが、得体の知れない敵に何をどうすれば効率良く倒せるかはわからない。逃げるのが鉄策とするべきだが、アルトレアが突っ込んで行くなら彼を盾にすれば良い。

 

 突き当たりのセクションに入ると、背中の剣を抜き、アルトレアが壁に突き刺した。それを後ろに抜くと、壁が一気に崩れ、巨大なサーバーが出て来た。

 

「なんだこれ」

「ここのセキュリティの中枢。カードロックは面倒臭ェし、ナンバーロックも全部覚えてるわけじゃねェ。なら――」

 

 花鳥風月を抜き、サーバーに思い切り乱射する。壁の頑丈さとサーバーのアーマーを頼りにしていたが、花鳥風月の桁外れのパワーの前には成す術無く蜂の巣になる。

 

 なぜこんなことをアルトレアは知っているのだろうか?恐らく、幹部の人間しか知らない機密情報だろう。ペトロフのお気に入りであったとしても、彼が機密をそうペラペラと話すはずがない。

 

「ゴミ共の侵入も防げなくなるが、その分非常用の隔壁が落ちるから心配はない」

「壁はどうやって壊すんだ」

「俺がブチ破りゃいいだろ」

 

 言っている間に、奥の部屋の隔壁が落ちた。奥は戦車格納庫であり、一番分厚い隔壁だった覚えがある、とアルトレアは言う。だが、全く心配ないとも豪語した。

 

 ゆっくりした足取りで隔壁前に辿り着く。アルトレアが左拳を握り、ニヤリと不適に笑いながら、その隔壁を思い切り殴りつけた。

 シャッターごとブチ抜かれ、奥の戦車に瓦礫がぶつかる。それでも大した損傷がないのが、戦車の装甲の厚さを表している。

 

「戦車より硬いんじゃねえか、お前の拳」

「鉄の塊なんかと比べンな。俺の方が強ェし硬ェ」

 

 ずらりと並べられた戦車。隣にある戦車を試しに殴り、装甲に穴を開けた。アルトレアのパワーは、人間ではない。実証された途端、ギブソンが引いて彼を警戒し始めるも、サーシャは彼を更に頼りに思った。

 

「戦車は大体2人乗りだが、動かせるのは……」

「車と同じだよ、戦車は。ギブソン、お前にも動かせる。お前とお嬢ちゃんが乗りな。俺は銃座がわりになってやる」

 

 T-95戦車の上に乗り、ハッチを開けて、ギブソンとサーシャを乗り込ませた。レシーバーでサーシャと通信し、操作方法を伝える。

 

 花鳥風月を抜いてしゃがみ、体勢を保つ。戦車が動き始めた途端、他の戦車が一斉にこちらに機銃を向け、発射してきた。

 

「オートマティックか?」

 

 

 装甲が厚いお陰で戦車はかなり持ちそうだ。だが、ダメージは最小限に抑えたい。

 

 サーシャに突っ走れとレシーバーで話し、花鳥風月で他の戦車の機銃を正確に撃ち壊す。途中アルトレアを狙う弾丸があったが、それをも撃ち落とした。

 

 楽をするか、といい、アルトレアはヴェルギリウスをブーメランの様に投げ飛ばした。それに弾丸を当てて跳ねさせて、四方八方に飛ばす。それに加え、アルトレアは自分の周りに、黒くて透き通ったヴェルギリウスを15本ほど生成し、展開した。それを戦車に向けて機銃に放ちながら、その場を後にする。

 

「くせェ……。こいつら、やはり悪魔か」

 

 口走った言葉は、子供の夢やアニメのような話。だが、アルトレアは、その存在が現実であることを知っていた。長年狩り続け、今も相手にしている敵。自分の血にも、色濃く流れている。

 

 ここに悪魔がいる。としたら、覇王を名乗るヴェス・ズィヴルは、悪魔を操っているのか。もしくは、その力を使おうとしているのか。

 

「ペトロフが死んだ、ってのも胡散臭ェ。推理は出来るが、あいつが黒幕ってのは……」

 

◆◇◆◇◆◇

 

 

 格納庫から外へと続くシャッターを戦車の大砲でこじ開け、暗い外に出る。未だ追ってくる戦車にアルトレアは飛び乗ると、コクピットのハッチをヴェルギリウスで突き、中にいるであろう操縦士を突き殺そうとした。だが、刺した感触は、硬い肉そのものであるが、中一杯にそれが詰まっているような感覚であった。

 

 剣を引き抜いてもそれは止まることが無い。ならば、と、アルトレアは一段降りて、砲身を腋に挟んで思い切り持ち上げた。ブチブチと繊維が引き裂かれる音。血が滴り、それを完全に引き離し、後続の戦車に投げつけた。

 

 大事故が起こり、爆発や横転で戦車を止めさせた。乗っている戦車も止まり、それから飛び降りて、更にキャタピラ部の方を駄目押しとばかりに投げつけた。

 

「これで大分持つだろ」

 

 足止めはした。だが、空中や地上からの攻撃が無い訳ではない。それをも警戒し、走ってサーシャ達の乗っている戦車に向かって走り始めた。

 

 それを狙ったかのように、空からの機銃掃射がアルトレアと戦車を分断する。咄嗟に後ろに飛び退き、それのダメージを避ける。上を見れば、カサッカがアルトレアを狙っていた。

 

「そう来ると思ったぜ、クソったれが」

 

 再び機銃を撃ってくるが、走ってそれを避けながら、先程の黒い剣――幻影剣を放つ。しかし、大したダメージが与えられない。

 

 ――出番か。

アルトレアが咄嗟にセンチュリオンを展開し、機銃の弾丸ごと空を斬った。毒の刃が飛び、カサッカを斬り付けるも、こちらが思った以上に装甲が硬い。

 

 いきなり狂ったように、カサッカは地上のアルトレア目掛けて突撃してきた。跳んで、すれ違い様にプロペラにセンチュリオンを引っ掻け、それをもぎ取った。噴水の様にそこから湧き出る血。コンクリートに墜落して、機関部が爆発し、その爆風でアルトレアを更に上へと飛ばした。

 

 敵の応援であろう、更に15機のカサッカがどこからともなく現れる。ちょうどいいや、とアルトレアは、口角を吊り上げながら言った。花鳥風月を抜いて、鉄の塊に乱射する。ベコベコと外装は凹み、そこから赤い血と炎が漏れ出すが、すぐに中に詰まっている身体がそこを塞いだ。

 

 プロペラが刃の様になり、アルトレアに斬り掛かって来る。しかし、センチュリオンを上手く引っ掛けてプロペラを止め、1機を他のカサッカに投げつけた。

 追撃の手を休めるアルトレアではない。ウェザビーを取り出して、花鳥風月の数倍の速度と威力を誇る弾丸を発射した。象やサイを一撃で葬るその衝撃に、ヘリごときが耐えられる筈も無い。マズルブレーキすらついていないのにも関わらず、片腕で反動を抹殺するアルトレアの剛力。いくら内面が強化されようと、ウェザビーの威力は殺せまい。

 

「Kiss the ground!!(地面にキスしな!!)」

 

 次々と堕ちていくカサッカ。空中で機銃を放つも、未だ地上に降りないアルトレアはそれを瞬間的に移動して避け、機体の下に潜り込んだ。そこにウェザビーを撃ち込めば、大爆発する花火が至近距離で見られるだろう。

 

 しかし、そう上手くも行かず、カサッカは触手と化した梯子でアルトレアの脚を掴んだ。

 

「あらら、空中ブランコ状態か」

 

 笑いを絶やさず、ヴェルギリウスで触手を斬り飛ばそうとした時、砲弾がカサッカを直撃する。その衝撃でカサッカが爆発し、アルトレアを地上に叩き落とした。

 

 猫の様に空中で体勢を立て直す。着地し、レシーバーでサーシャと連絡を取り、礼を言った。

 

「流石狙撃手、上手く当てるじゃねェか」

『怪我はありませんか?』

「ねェよ。そっちこそ大丈夫か?」

『機銃でセンサーがいくつかイカれたらしいです』

「んなモンに頼るな。動けるのか?」

『装甲は問題は無いです。ただ、砲弾はあと5発しかないです』

「ドコドコブッ放すモンじゃねェからな」

 

 アルトレア以外に最強の武器であろう戦車の主砲。確かに、自分の援護に撃ったのはありがたかった。しかし、これごときで簡単に死ぬアルトレアではない。いくらでも脱出パターンはあったのだ。それでも礼は忘れないのがアルトレアだ。

 

 バラバラとヘリのローターの音がまだ聞こえる。いくら来ても、全て落とすし、倒すから、全く問題無いのだが、サーシャやギブソンのリスクは考えなければなるまい。

 

「お嬢ちゃん、援護は機銃だけでいい。なるべく逃げ回りな」

『あ、はい。熱源センサーは生きてますか?』

『ダメだ。ちゃんと見て確認するしかないな』

「最新型のクセに、なんちゅう脆いセンサーだよ。ったく……」

 

 それならば、戦車を狙う前に前機を落とすしかない。こちらに狙いを集中させ、ウェザビーで纏めてカサッカを落とそうと考えた。しかし、来たのはカサッカではなく、ハインドであった。

 

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