これは一人のプロデューサーと、一人のアイドルの物語。

バースデー記念です

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北条加蓮、誕生日おめでとう。


P「俺の育てたアイドル」

それは、春。桜が綺麗に咲いていた頃に私は出会った。

 

多くの人々が行き交う街中の中で、人目見たときから彼女の美しさは、一際際立っていたが、私は━━━━

 

『ナンパならどっかいってよ。そーゆーの、興味ないから』

 

━━━━どこか儚げで、触れれば消えてしまいそうな、寂しそうな目に心を奪われてしまい、声をかけたのであった。

 

名刺を手に取り、アイドルについて考える彼女は、とても楽しそうで、憧れを抱いているように感じた。

 

しかし

 

『━━━だから、バイバイ。悪いけど他探して』

 

良い夢が見れたとでもいいそうな笑顔で、そう言い残し去っていく姿に、無理矢理諦めとしているように思えた。

 

数日後

 

以前と変わらぬ場所に彼女はいた。

 

『またアンタ……しつこいな。嫌って言ったら嫌なんだってば!アイドルなんて、なれるわけないでしょ!?アタシはそんな人間じゃないんだから……』

 

そう言って拒絶するそんな姿が、なんだか気に入らなかった。

 

『━━━アタシのこと、何にも知らないのに』

 

確かに彼女の過去を私は知らない。

 

だけどそれが、過去に囚われ、何もかもを無理矢理諦めようとする理由にはならない、だから私は━━━━

 

「うん。君に何があったのか、僕にはわからない。だから、君の事を教えて欲しい」

━━━素直に聞くことした。

 

そう言うと彼女は、何故か笑いだした。そして、ぽつりぽつりと話し始めてくれた。

 

彼女は、加蓮は幼い頃から、病弱で長く入院していたこと、そのせいで学校も休みがちで、友達が少なかったこと、何かに真面目に取り組んだことがなかったということを話してくれた。

 

『アイドルになるなんて、テレビの中だけの夢物語。報われない努力なんて、するだけ無駄でしょ。それに、アタシは、その価値も素質も実力も、何もないから……』

 

『それとも、アンタがそんなアタシをアイドルにしてくれるの? アタシ、本当に何にもないよ。できるっていうの?』

 

どこまでも真剣な眼差しで、こちらを見つめてくる加蓮。

 

「なれるさ。信じれば夢は叶う。約束する君を最高のアイドルにするよ」

 

こうして、私と加蓮のアイドル活動は始まった。

 

初めてのプロデュースに、初めてのアイドル、お互い初めて同士の二人。

 

大変だったことは色々あった。

 

意見が合わなくて喧嘩することもあったし

 

初レッスンで貧血になったこと

 

初LIVEで歌い終わった後に倒れてしまったこと

 

CDデビューのラジオ番組の途中に倒れてしまったこと

 

等々……色んな事があったけど

 

でも、一歩一歩二人で進んでいくことで、乗り越えて行けた。

 

体力はついたし、貧血を起こすことも少なくなった。

 

それに大変だった事だけじゃなくて、楽しいこともいっぱいあった。

 

宣材写真の撮影の時は最高の笑顔が見れたし

 

二人で縁日を冷やかしに行ったり

 

ウェディングドレスを着たときなんて、泣きそうになってしまった

 

そうやって積み重ねてきた思い出が、

 

『わかった。わかったよ。でもアタシさぁ、特訓とか練習とか、下積みとか努力とか、気合いとか根性とか、そーゆーキャラじゃないんだよね。体力ないし。それでもいい?』

 

『たしかにアタシ、根性も体力もないけど、人一倍、意地っ張りだし。プロデューサーもそんなアタシをアイドルにするって誓ったもんね。だったら、やっぱアイドルにならなくちゃ、か』

 

『じゃあ撮影、頑張ってくるから! アタシがアイドルになる姿、ちゃんと見守っててよね!』

 

『この先の私を見ていて。信じられるもの、ひとつずつ増やしていくから。これまで、あんまり信じられなかった分、ひとつずつ……!』

 

時間が、

 

『だから見てほしいんだ……アタシの輝いている姿……!』

 

『北条加蓮のリサイタル、聴いてくれる? 歌う方もソロで、お客様もソロ。ふふ、たまには、こんなのもいいよね』

 

『━━━━アイドルの夢……かなえたくて。神様が時間をくれるなんて思ってなかった。でも小さな奇跡が起きて、続くことになった。』

 

俺たちを成長させてくれた。

 

そして……

 

『そして……あなたに出会えたしね。真っ白な部屋からじゃ見えなかった未来が、プロデューサーさんと一緒なら……見えるから!』

 

……

…………

 

満員の大歓声の中、アイドル北条加蓮は━━━━

 

『またそれ~?ちょっとは信用してほしいな』

 

『……大丈夫。貴方が育てたアイドルだよ』

━━━━━トップアイドルへと至ったのであった。

 

 

 

 

 

 

 




「どうもプロデューサーです」

「約束通り加蓮の小説を書き終えましたので、投稿致しますので、お楽しみ下さいませ」

「どうして、短編で書いているんですか? 『24時』で書けばいいですのに?」

「短編の方が読んでくれる人が多いと思ったからです」

「きたねぇっス、本当に汚ねぇっス!!」

「前書きでやらないで、後書きに書くとか、最低だな」

「前書きコレやったら、本編読まないで帰る人もいるかもだからね、是非もないよね」

「ちなみに、この小説には、加蓮サイドのヤンデレバージョンとかいうものも存在するみたいだけど、あれは出すのか?」

「ヤンデレ加蓮に需要があれば投稿しますね」

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