「へー、そんなに私に良く似た人が居るんだ……名前も同じだなんて、すっごい偶然! 一度会ってみたいなあ……」
ごめん、そんな人間は存在しないんだ。だから、君がその人に会う可能性は0だと思う。
嘘を吐いてしまったことに罪悪感を感じながらも、無事に誤魔化すことが出来てよかった、と思う。
トウコ曰く、僕は一番道路のど真ん中に倒れていたらしい。
テンガン山の山頂にいたハズなのに、気付けばイッシュの一番道路。
何をどうすれば一瞬で別の地方に行けるのかと悩んだが、ひょっとしたら僕はディアルガの攻撃を受けて死んだのかもしれないと言う答えに辿り着いた。
しかし、前とは違い赤ん坊になってないし、見た目もコウキのままだし。
兎に角この謎を解くべく、べくトウコにポケモンセンターまで案内をして貰うことにした。
トウコの案内によって無事ポケモンセンターに着いた僕は、早速設置されているパソコンにトレーナーカードをスキャンする。
すると、ピッ、という機械音と共にパソコンの画面に僕の情報が表示された。
「……良かった。トレーナーカード、ちゃんと使えるみたいだ」
この結果に僕は心底ほっとした。もし使用不可だった場合、僕は路頭に迷っていたかもしれないのだ。
トレーナーカードはただのカードではない。身分証や電子マネーなど、トレーナーにとって必要な物を殆ど兼ね備えている超重要アイテムなのだ。
これがなければポケモンリーグに出場することは愚か、ポケモンセンターやパソコンの利用、買い物、他のトレーナーとのバトルなどが一切出来なくなってしまう。
使用不可だった場合どれだけ恐ろしいことになっていたことか。
そしてトレーナーカードが使用可能だったことで、もう一つ判明したことがある。
このパソコンで僕のトレーナーカードが使用可能だと言うことは、この世界は僕がここに飛ばされる前にいた世界と同じ世界である可能性が高いということだ。
目の前のパソコンには僕が殿堂入りした時の記録がしっかりと残っており、この世界に僕が存在していたことがハッキリとわかる。
しかし、殿堂入りした日付が画面の右下に表示されている現在の日付の数年前となっており、おそらく僕は未来へと飛ばされたのだろう。
原因はおそらく、僕の受けたディアルガの攻撃。
おそらくあれは時の咆哮。
時間を歪める程のエネルギーを発射するあの技う受けた僕は、歪んだ時の中に放り込まれたのだと推測できる。
それが原因で僕は未来へと送られてしまったと言う訳だ。
なんともSFでファンタジーでオカルトな話だが、僕がこの世界に転生している時点で色々とありえないので、ありえない話ではないハズだ。
なんだ、蓋を開けてみれば大したことが無い。
時間は数年経過しているが、結局は同じ世界な訳だし、シンオウにさえ戻れば皆にもう一度会えると言う事だ。
そうと決まれば早速シンオウに戻るプランを立てよう。
僕はパソコンを終了し、とりあえず歩きながらシンオウを目指すプランを立てようとポケモンセンターを後に――
ぐう
――しようとした所で、僕の腹が喋った。
幸い音が小さかったので他の人には聞こえていない様子。
そう言えば朝から何も食べていないんだった。
腹が減ってはなんとやらと言うし、一先ず腹ごしらえをする為に食堂を目指す。
「ち、ちょっとコウキ!? パソコンとにらめっこしていたと思ったら何処に行くの!?」
トウコが何かを言っている気がするが、話を聞くのは飯を食ってからだと決め、無視する僕だった。
短いけどキリがいいので投稿
続きは明日以降上げます