もしもオリ主がRoseliaと出会ったら?   作:フユニャン

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やっと2話投稿出来たー。


薔薇との出会い

引っ越して来てから1週間が経ち、今日から9月。パパは新しい職場へと向かい、俺は家でのんびりと過ごしていた。

少ししてから掃除機掛けたり、洗濯機回したり、食器洗ったり……家ではママがやっていたことを一通りやった。思った程苦痛でもなく、歌を歌いながら楽しく終わらせた。

 

「家事ってそこまでつまらんもんでもないなぁー」

 

そんなことを呟きながら再びのんびりしていると、ふとあのライブハウスを思い出した。

 

「ライブハウス……か。そういやぁ今は大ガールズバンド時代とか言うとったなぁ」

 

4月頃から度々ニュースで聞いている「大ガールズバンド時代」。どうやらここ最近ガールズバンドを始めた中高生の女子が多いらしく、今年の春先にはガールズバンドががっと増えたらしい。それは俺の住んでいる京都も例外ではなく、以前関西ローカルのニュース番組で和をイメージしたバンドが特集で何組か紹介されていた。

そんな俺自身はドラムをやってはいるものの、バンドを組む気は毛頭ない。理由は至って単純で「人と話すのが苦手」やから。これからもマイペースにやっていくつもりだ。

因みにライブハウスには行ったことはあるものの、ライブではなく謎解きイベントで行ったことがあるだけだ。

 

「そういえば……あの日見たあいつらもバンドやってたんかな……」

 

ふと1週間前に見た5人の女集団を思い出す。単純にライブを見に来た客だとも考えられるが、会話の内容からしてどうやら5人の内の1人に誕生日プレゼントを中で渡したらしく、ただの客ならわざわざあそこで渡す理由がないので恐らく普段からバンド活動で利用してるんやろう。

 

「暇やしまた見に行ってみようかなー」

 

余りにも暇なので俺は支度をして外に出た。

 

 

 

 

 

「取り敢えず来てもうたけど……特にすることもないしなぁ」

 

暇過ぎて取り敢えず来てしまったが、正直特に用なんてない。かといってずっと立ってたらカフェテリアの店員とかに話し掛けられそうやしなぁ……。

目立たない所から悩みながら見ていたその時、入り口から誰かが出て来た。よく見るとあの時見た5人やった。だが別に話し掛けるようなことはしない。そんな勇気ないしな。

 

「あっ!Roseliaだ!」

 

「ほんとだ!あのっ、すみません!」

 

「どうしたの?」

 

「私達、Roseliaのファンなんです!握手とサインと、写真良いですか?」

 

「もっちろん♪応援してくれてありがとねー」

 

ロゼリア……?その言葉を聞いた途端、赤と青の薔薇を持つモンスターが浮かんだが恐らく違うやろうな。

試しに検索してみる。「ロゼリア バンド」と検索してみた結果、どうやらあの5人はここ新宿でそこそこ有名なガールズバンドらしく、少し調べるといつもCiRCLEを使っている常連やということも分かった。調べる過程で全員高校生やということも分かった。何と5人中4人が高3で俺と同い年らしく、1人だけ2つ下で最年少みたいやった。

 

「あいつら俺と同い年やったんや……大人っぽいなぁ……」

 

東京在住の女子高生が全員そうとは限らんのやろうけど、何故こうも大人っぽく見えるんやろうか。正直大学生と言っても信じられそうな見た目だ。俺の同級生の女子にはこんな奴1人もおらんかったなぁ(決して同級生をディスっている訳ではない)。

俺は暫くRoseliaとファンのやり取りを見た後、両者の会話が終わったタイミングでそそくさと後にした。

 

 

 

 

 

「また来てもうた……」

 

次の日、またまた来てしまった俺は今日も前をうろついて目立たない様に観察していた。

が、今日は思い切って敷地内に入ってみようと意を決して足を踏み入れた。カフェテリアを見渡すと奥にベンチがあったのでそこに座ってふぅと息を吐く。特に何も言われることなく入れたから良かった……。

 

「あ、またあいつら来とる」

 

入り口から制服姿のRoseliaが出て来た。プレゼントを貰っていた茶髪と水色髪だけ真っ黒なケースを背負っており、少し威圧感がある。多分あの2人が竿隊やろうな。

見つからないように身を屈めて暫く5人を観察し、通りに出て向こうへと行った後は俺も帰った。

この不審者感満載の様子をCiRCLEの中からとある人物に見られていたが、俺は知る由もなかった。

 

 

 

 

観察開始から8日目

 

「ねぇみんな、ちょっといいかな?」

 

「どうしたんですかまりなさん?」

 

練習を終え、予約を済ませて出ようとしたアタシ達はまりなさんに呼び止められた。

 

「ここ最近、カフェテリアにあるベンチに座っている人がいるのには気付いているかな?」

 

「そんな人いたかしら?」

 

「さぁ……」

 

「そういえば、最近あそこのベンチに誰か座ってたような……」

 

「そうなの?あこちゃん?」

 

「うん!最近ずっとあそこに座ってる人いるよ!」

 

確かに思い返してみれば、いつもキャップを被った人がいたような気がする。でもそれがどうしたっていうんだろう。

 

「この前、ふと外を見たらベンチからじっと通りに出て歩いて行くみんなを見てたから、何だか気になっちゃって……変なことに巻き込まれたりしたら大変だからね」

 

「えっ、あの人見てたんだ!?あこ全然気が付かなかったよ!」

 

「気付かれない様にしゃがんでたから、分からなくても仕方がないよ。言いたいことはそれだけ、帰り道は気を付けてね」

 

「は、はい……」

 

「分かったわ」

 

「分かりました」

 

「はーい!」

 

「分かりました……」

 

思わぬ不審者情報にアタシ達は少し不安になりながら帰るのだった。

 

 

 

 

 

あの後2日、3日、4日、5日と毎日様子を見に行き、14日目の今日もまた来てしまった。

正直こんなことやっててどうかしとるとは思っているが、最近はちょっと楽しくなってきているので来てしまうのだ。

今日も定位置にてスタンバイしぼーっと空を眺める。空を眺めていると、足音がこちらに向かっているのが分かり、音の方を向くと20代半ば位の女が近寄って来た。

 

「あの、ちょっと良いかな?」

 

俺は女を見る。

 

「君、最近Roseliaをずっと見ているみたいだけど、何か用でもあるのかな?」

 

「いや……特には。ただ人間観察をしているだけやけど……」

 

「そっか……じゃあ特に何かしようとは思ってないんだね?」

 

「何か?別にそんなこと微塵も思ってへんけど……」

 

そこまで言って俺はふと思った。ここ最近ずっと観察をしていて思ったことがある。それは、あいつらと話してみたいという思いやった。じゃあ話し掛けたらええやんって思うかもしれんが、俺は超が付く程の人見知りでとてもじゃないが初対面相手にそんなことは出来ない。けど、観察をして行く内に5人の楽しそうな雰囲気を好きになり、話してみたいという思いが芽生えたのだった。

 

「どうしたの?」

 

「……何か、というか……。ただ、話してみたいなぁというか……。でも、そんな勇気ないからただ見てるだけで十分やし……あっでも、もし気付いてて怖がらせてるならもう来うへんけど……」

 

目を逸らしながらぽつぽつと正直な思いを告げる。初対面の人間相手に何言うてるんやろと思ったけど、気付いたら思ってたこと全部言っていた。

 

「そっか……Roseliaのみんなと話したかったんだね。実はね、数日前から君のことには気付いてて、私からみんなには君のことを話しちゃってるんだ。そしたらみんな帰る時不安そうにしちゃって……」

 

「マジか……悪いことしたな……」

 

「あはは……まぁじっと見られてるのは確かに怖いね。だからさ、不安をなくすために一度会って説明したらどうかな?」

 

「えっ?まぁ、そうか……それ位はせなあかんか……」

 

よくよく考えたら、ここ最近の俺の行動は変質者と捉えられても可笑しくない。そんなつもりはなかったけど、俺の行動で恐怖を感じさせていたと思うと、申し訳ない気持ちで一杯になった。

 

「丁度もう直ぐ時間になってみんな出て来ると思うから、一回話してみない?」

 

「うーん……まぁ、謝りたいしなぁ……会うわ」

 

「じゃあ中に入ろうか……って、噂をすればみんな来たね」

 

入口の方を見ると、カウンターの前にRoseliaの5人がいつの間にか居た。

……よし、腹括るか。

 

 

 

 

 

練習を終えて生産しようとカウンターに向かうと、外にまりなさんがいるのが見えた。

 

「あれ?まりなさん、あんな所で何してるんだろ……」

 

よーく見ると、もう1人誰かいるみたいでその人と話してるみたいだけど……。

そう思っていると、まりなさんがこっちに気付いて話していた人と一緒に歩いて来た。

 

「みんなお疲れさまー!」

 

「お、お疲れ様ですまりなさん……。ところで、その後ろにいるのは……」

 

「この子、Roseliaのことが気になってずっと見てたんだって。それで、みんなが不安がってることを話したら謝りたいって言ったから、連れて来たんだ」

 

キャップを目深に被ったその人は、まりなさんの後ろから少し離れた位置に立っていた。

 

「ほら、こっちに来なよ」

 

「…………」

 

ゆっくりとアタシ達の前に来たキャップの人は、ちょっとキャップを上げて一瞬目を合わせたかと思うと、深々と頭を下げた。

 

「……怖い思いさせて、ごめん」

 

ちょっと声を振るえさせながら、絞り出すようにそう言って頭を上げ、またキャップを目深に被った。

 

「よく出来ました!あ、それとこの子みんなと話してみたいらしいんだ!良かったら一度話してみてくれないかな?」

 

「え、ちょっと……」

 

「どうかした?」

 

「いや……別に話さなくても……」

 

「でもさっき話してみたいって言ってたよね?」

 

「うーん……いやでも……」

 

「恥ずかしがることないよ!Roseliaのみんなは優しいから大丈夫!だよね?」

 

慌てるキャップの人に対して、まりなさんはアタシ達の方を向いて笑顔でそう言った。

そうだなぁ……まぁ、悪い人ではなさそうだし……。

 

「良いですよ!友希那はどう?」

 

「別に構わないわ」

 

「湊さんがそう言うなら私も構いません」

 

「わたしも……大丈夫です……」

 

「あこも良いよ!」

 

「良かった!じゃあ私は仕事に戻るから、後は若いみんなでごゆっくりー」

 

「えっ!?」

 

まりなさんはそう言うと仕事に戻って行き、キャップの人は何故か驚いていた。

 

「それじゃ、いつものファミレスに行こっか!ついて来て!」

 

「…………」

 

キャップの人は何も言わずに、黙ってアタシ達の後ろを歩き始める。

大丈夫かな、この人……?

 

 

 

 

 

注文を終えて漸く落ち着き、アタシはキャップの人に自己紹介をした。

 

「まずは自己紹介しようか。アタシは今井リサ!ベース担当だよ!よろしくー☆」

 

「ボーカルの湊友希那よ」

 

「ギターの氷川紗夜です」

 

「ドラムの宇田川あこだよ!」

 

「キーボードの……白金燐子です……」

 

「…………」

 

一通り自己紹介をし終えたが、キャップの人は黙ったまま固まっている。

 

「おーい、大丈夫……?」

 

「……!?」

 

「あっ、ごめん」

 

肩に触れるとビクッとして更に身を固くしてしまった。これはかなり緊張してるみたいだなぁ……。

 

「そんなに固くならなくても大丈夫だって!別に取って食わないからさ!」

 

膝に置かれた握り拳を両手で包んで、怖がらないように明るくそう言う。

すると、拳の力が緩んだ感じがし、手を広げていた。ちょっとは安心してくれたかな。

 

「君の名前、教えて?」

 

「……工藤、快」

 

「カイって言うんだね。あっ、さっきからアタシタメ口で話してるけど、何歳なの?」

 

「……18」

 

「18ってことは……高校3年生?」

 

「……うん」

 

「じゃあアタシ達と同い年だね!」

 

良かったー、これで年上だったら失礼なことしちゃってたよ。

安心していると、あこがカイをじっと見ていることに気付く。

 

「あこ?そんなにじっと見てどうしたの?」

 

「あの……もしかして動画投稿してます?」

 

「えっ……うん」

 

「ドラムの動画とか?」

 

「……俺のこと知ってんの?」

 

「はい!いつも見てます!」

 

えっ、どういうこと?全く分かんないんだけど……。

 

「もしかして……あこちゃんが最近よく見てるあの人……?」

 

「うん!実況者のカイさん!ゲーム実況の動画とかドラムの動画とか、あと最近は歌ってみたの動画も投稿してるんだよ!」

 

「そうなんだ!凄いじゃんカイ!」

 

「…………」

 

アタシが褒めると、カイはキャップを更に深く被った。

恥ずかしがってるのかな?

 

「ドラムの動画も投稿しているということは、クドウさんはドラムが出来るんですか?」

 

「まぁ、ちょっとだけ……」

 

「何でドラムを始めたの?」

 

「中2の頃……好きなアーティストの曲を聴いてる内に、何故かドラムの音が気になり出して、そっから始めた……」

 

そこからそこそこ話は盛り上がり、カイに詳しいあこの補足説明も交えてカイのことを知っていった。

男っぽい見た目だけど、一応体は「女性」であること。中学時代に人間関係で色々あって、高校は行っていないこととか、軽くだけどカイのことを教えて貰った。

少し落ち着いた所で、ここまで仲良くなったんなら連絡先を交換することにした。

 

「カイってこう書くんだ」

 

新たに追加された連絡先には「工藤快」と書かれていた。成る程、カイは「快」って書くんだ。

 

「……うん」

 

「カッコいい名前だね!」

 

「……有難う」

 

快は、またキャップを深く被った。

 

 

 

 

 

「信じられん……」

 

Roseliaと別れた後の夜道で、俺はそう呟いた。

まさか連絡先を交換する程に仲良くなるとは思わんかった……。

出会いはええもんではなかったけど、誤解が解けて良かった……。

 

「とはいえ、どうせそこまで仲良くならんまま帰るんやろうなぁ」

 

ちょっと悲観的になりながら、俺は家へと向かって行った。

やけど、俺の予想に反してこれからRoseliaとは生涯付き合って行くことになるとは、この時はまだ知らんかった……。

 

 

 




これからものろのろやってくけど、よろしゅうなぁ。
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