鬼滅の刃~星屑の光は遥か遠き陽の光~   作:不動さん

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ふと、妄想したことを書いてみました。
殴り書きですので、キャラの口調が違うかもしれません。

それでも、最後まで読んでいただけたなら幸いです。


プロローグ
鬼斬り、現る


大正時代

 

明治政府によって、二百五十年以上も続いた徳川幕府は崩壊し海の外より多くの文化が日本に流れ込んだ。

古きものは淘汰され、人々の生活にも華やかさが生まれた時代。

 

それと同じくして、古から伝わる魑魅魍魎や言い伝えも廃れる中、未だ「神隠し」などの不可思議な現象もあったそんな時代のお話ある。

 

鬼、古くには平安時代からいたとされる妖と呼ばれる存在。

しかし、それは決して言い伝えではなく実在し、夜の闇に紛れて人を喰らう。

 

鬼は人よりも力があり、並大抵では敵わずに嬲り殺しにされてしまう。

この時代の「神隠し」には鬼が存在していたことによって行方が分からなくなった人間が少なくない。

 

だが、人間も鬼に殺されてばかりではない。

鬼を滅するべくして生まれた組織も在る。

 

 

 

 

――『鬼殺隊』――

鬼殺剣士や鬼狩りとも呼ばれる。

その起源は遡ること千年以上続くとされ、隊士の数は数百とも云われる。

鬼に対する場には隊士は鬼を斬る為に特殊な刀と呼吸を用いてこれを屠るとされる。

隊士には階級が存在し、最高位の称号として「柱」と呼ばれる剣士が数名存在し、並の鬼では太刀打ちできない程の力を保有する。

 

しかし、鬼にも鬼殺隊士の階級と同じく実力を持つ十二体の鬼『十二鬼月』がおり、鬼殺隊士と遭遇する確率は低く遭遇したとしても生還できるものは少ない。

これが大正の時代になっても鬼との闘争に終止符を打つことの出来ない理由の一つである。

 

 

 

世の中は広い。

鬼と戦うものは何も鬼殺隊士だけではないのだ。

鬼と成りながらもその業に逆らう者もいる。

 

これは、時代に翻弄されながらも鬼と戦う一人の男の話である。

 

 

 

 

チリリーン

日の出前の薄暗い森の中で小さく響く鈴の音。

 

「・・・・・まいったな。これは完全に道に迷った」

何がいけなかったんだろうか?と考える男。

そもそも、近道といって獣道ともいえるであろう道に入り込んだことが全ての原因であるのは誰が見ても明らかだ。

「もうすぐ夜明けだし、大人しくしておくか」

竹の水筒を取り出し中の水を口に含もうとしたその瞬間、彼の荷物からカタカタと音を立て始めたのだ。

「ったく、人が休みたい時に限ってこうなんだよ・・・・。空気読めよな」

 

荷物の中から長細い棒の様なものを取り出し、それに導かれるかの様に駆け出した。

 

 

 

 

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

森の中でも少し拓けた場に対峙する2つの人影。

一つは服装から見て鬼殺隊士。それも女性だ。

もう一方は、生者とは思えない肌色をした扇と思しきものを持つ男。

 

そうこれが、人と鬼との戦いの場なのである。

 

「よく頑張るね~。でもそろそろ終わりにして君を救ってあげるよ」

 

「・・・・・お断りよ。」

 

状況は誰が見ても傷だらけの鬼殺隊士が劣勢であると分かる。

逆に鬼は無傷で余裕の笑みを浮かべ隊士に歩み寄る。

 

「でも、もう呼吸は出来ない。それは君が一番良くわかってるんじゃないかな?」

「ッツ!?」

「安心して、痛くないように苦しまずに喰べてあげるからさ」

追い詰められた隊士と鬼との距離が縮まり、あと数センチの距離で鬼の手が顔に触れようとした瞬間

 

 

一つの竹で出来た水筒が鬼の後頭部を目掛けて飛んできたのだった。

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

~隊士サイド~

今宵、私は上弦の弐と遭遇し、戦いを挑んだが結果は惨敗。

自分でも分かる。きっとここで死んじゃうんだろなって・・・・・。

体から力が抜けていく、指先の感覚すら麻痺している。

息が出来ない、視界も霞んでもう逃げる気力すら湧いてこない。

 

「(ごめんなさい。皆、鬼の情報持って帰れそうにないわ。)」

「(そして、しのぶ・カナヲ。ごめんね悲しませることになってしまって。出来ることならあなた達はどうか幸せになって・・・・生きて)」

 

上弦の弐の手がぼやけた視界の前まで伸びてきている。

私はゆっくりと目を閉じた。

次の瞬間カランっという乾いた音が私たちのいる場に響いた――――。

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

カランッ!!

音が発せられたのは真っ二つに切られた竹の水筒であった。

鬼の手には得物である扇。

 

「誰だい?今良いところなんだよ。俺は今からこの娘を救わなきゃいけないのに」

 

薄暗い茂みから現れたのはは六尺はあるであろう長身で肩まで伸びる茶色い髪の男であった。

 

「そこまでにしとけ。お前の中では人を痛めつけるのが救いなのか?」

「まぁ、邪魔をする様な君には理解できないだろうね。でも安心していいよ。そんな君を俺は救ってあげる」

鬼との対話から少し考え込んだ男は口を開いた。

「・・・・・そうか。」

「なら決まりだね。女の子じゃないけどまずは君を救「いらねぇよ。そんなもん!」っ?」

「俺の救いはただ一つ。だけどな、それはお前じゃ叶えられない。」

 

男の答えに鬼はニヤリと笑みを浮かべる。

 

「残念だなぁ。でも君見たところ鬼殺の剣士じゃないよね?そんなので俺に勝てると思ってる?」

そう、男の姿恰好は鬼殺隊士の隊服どころか鬼を殺すのに必要な日輪刀すら持ち合わせていないのである。

「・・・・て。・・逃、げて!!あなただけでも・・・・隊士でもない貴方が・・・私を助けるためだけに死ぬ必要なんてなぃ・・・・・・・。」

女性隊士は残った力を振り絞り男に逃げるようにと必死に伝える。

 

「勘違いしてるんじゃないか?」

男は左手に持った荷物を解いていく。

「別に鬼殺隊だけが、お前ら【鬼】を狩ってる訳じゃねーってことだよ」

解かれた先にあったものは白鞘の刀であった。

 

「なるほどぉ、じゃあお手並み拝見!」

刀を鞘から抜く前に、鬼は男に迫り、鉄扇は確実に喉元を捉えていた。

 

 

ガキィィィィィィィィィィィンッ!!

 

次の瞬間、物と物がぶつかり合う音がその場に響き渡りその脅威は鞘に納められた刀によって防がれたのだ。

鬼は、攻撃を防がれたことに驚くも、体制を直す為に男から距離を取り、次の一手に備える。

 

「・・・・・・・。どうやら、口だけではないみたいだ。だけど、日の出まで待ち堪えられるかな」

「それは、どっちのセリフだろうな?」

「は?何を言って(ボトっ)るn・・・・う、うう腕が!!」

 

言葉を交わす最中、鬼の足元で音を立てたそれは鬼の腕だった。

 

「(いつの間にぃっ!?もしや、先ほどの奴の攻撃を防いだ時にか?見えなかった・・・上弦の弐である俺が全くそれに、今になって痛みが)っどうしてだい!君のそれは日輪刀じゃないのに!!?」

 

鬼は今現在、自分に一太刀をもって傷を負わせた正体不明の男に恐怖すら感じながらも問う。

 

鬼を斬る為に必要とされる『日輪刀』とは通称『色変わりの刀』とも呼ばれ使い手によって刀身の色が異なるものである。

しかし、男が持つ刀は通常のものと同じ見た目をしているが、一際異彩を放っているのはその刀身から切っ先までに刻まれた文字だ。

 

文字は夜明け前ということもあり、何かが書かれていることだけは確認出来るが、正確に読み取ることは出来ない。

 

 

「けど、十二鬼月であればこんな傷直ぐに・・・・・・・っつ!?腕が再生しない!!」

「さっきまでの余裕はどうしたんだ?まさか、これだけで驚いて何も言えなくなったんじゃないよな」

 

通常、鬼は生命力が強く、日輪刀でも急所である頸を落とさない場合鬼の実力にもあるが腕だろうが脚だろうが再生させてしまうのだ。

 

「悪いがこっちは時間がないんだよ。逃げるのか掛かってくるのか早く決めろ」

「(今はこちらの分が悪い。もっと力を付けなければこの男には勝てない。なんとかこの場を切り抜け撤退しなければっ!!)」

 

予想外の事態によって撤退を決意した鬼であるが、この場から逃げ切る算段が立たない。

恐らくだが、鬼が何らかの行動を起こす前に男はその刃を持って頸を落とすことが可能であることを鬼は感じていた。

 

次に起こす自分の行動で、自身の生死を握られている鬼は額から次から次へと冷や汗が珠の様に溢れ出てくる。

「(一瞬で良い。何か策は・・・・・。そうだ、彼女を食べさえすれば回復もできるし、逃げ切りさえできる!その為には囮が必要だ。)」

 

日の出まで残された時間はあと僅か、このまま男に首を堕とされるか太陽によって消滅するかのどちらかだ。

追い詰められた鬼は行動を早くに起こす必要があった。

 

「血鬼術・結晶ノ御子」

鬼は氷人形を5体出現させ、男に襲いかけさせると同時に、好機は今だと自身は女性を喰らおうと男に眼も向けずに襲い掛かった。

 

 

次の瞬間、それは儚い絵空事と化したのだ。

自分が襲い掛かろうとした女性は目の前から消え、視線が低くなると錯覚した。

否、錯覚ではなく鬼は上半身と下半身に切断されたのだ。・・・・・女性を抱え片手に刀を持った男によって。

 

その背後には無様にも砕け散っていく氷人形たち。

先ほどまで鬼は女性を喜びながら弄んでいた。まるで、猫が鼠で戯れるかの様に。

しかし、それは一遍し蹂躙される立場の者となったのだ。

あれだけ、弱いと思っていた人間に。

 

「(このままじゃあ、確実に殺される。あの男に俺の血鬼術は通じない)」

鬼の体が地面へと叩きつけられる。受け身を取ろうにも体を真っ二つに切られているためそれも出来ない。

 

眼に映る光景は女性を近場の樹へともたれかけさせた男がこちらへと昇りくる太陽を背に向かってくる光景だった。

 

そして、その白刃は鬼の首を堕とすことはなかった、琵琶の音が周囲に木霊するかの様に響き渡ると同時に鬼は男の前から姿を消したのだ。

 

「・・・・・・・・・・逃がしたか。仕方ない、こっちにも怪我人がいる命あって物種だ。」

男は刀を鞘に納めると、女性の元へと歩み寄る。

 

「もう大丈夫だ。夜は明けた、時期に助けがくるだろう。それとその呼吸はしばらく控えたほうが良い」

「待って・・・あなたは一体?」

 

先ほど鬼と対峙してた時の気迫は何処へやら、男は女性に目線を合わせると。

「まっ、鬼を倒す目的を持った同志だと思ってくれ。」

「それって、どういうk「姉さーーーん!!」しのぶ?」

 

遠くから女性の妹だろうか、姉を呼ぶ声が聞こえてくる。

その声は男の耳にも入り、振り返り女性に対して笑みを浮かべた。

 

「じゃあな、妹を悲しませるなよ?大切なんだろ?」

「あ・・・あの?名前、教えて・・・くれる?」

「・・・・・・・・・・・ヤスツナだ」

ヤスツナと名乗った彼はゆっくりとその場を立ち去っていった。

 

日は昇り、小鳥や虫たちが泣きはじめ朝が訪れたことを教えてくれる。

 

「姉さん!!大丈夫?怪我は!?」

「うん、酷くやられちゃった。・・・・・でも、生きてるよ。しのぶ」

 

女性は妹であるしのぶに笑顔を向けた。

しのぶは、傷だらけの姿でありながら、それでも生きていてくれた姉を見て涙が溢れ出た。

 

「っ良かった・・・。姉さん、姉さん!姉さん!!」

「うん、うん。しのぶ、私はここにいるよ」

泣きじゃくる妹の頭をゆっくりと女性は撫でながらヤスツナが去っていった方向を見る。

「ありがとう。」

 

 

その日、鬼殺隊は上弦の鬼の情報を1人の犠牲なしに手にする事ができた。

これは、ここ数百年以来に鬼を根絶することへの大きな一歩となるのだった。

 

しかし、突如として現れたヤスツナと呼ばれた青年剣士。

彼が何者なのかは誰も知ることが出来ぬまま、鬼殺隊の一部の者のみが知る極秘事項として扱われることとなった。




最後まで拙い文章をお読みいただきありがとうございました。

この小説は読み切りなのですが、私の妄想の中ではこの『ヤスツナ』という青年のキャラ設定はかなり深くまで出来上がっており、私が今まで多くの作品を読んできてインスパイアされたキャラでもあります。

ただ、俺TUEEEEEEが書けてもどうしても、そこに力の根源を考えてしまうが故に重くなってしまうのが私の書く小説の難点でしょうか。

分かりやすくいうのであれば、ごく一部のヒーローものの影響が強く出てます。
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