変なポケモンに懐かれたと思ったら『SCP-682(不死身の爬虫類)』だった件   作:BOMBデライオン

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作者です。よろしくお願いします。
ポケモンもSCPもにわかですが投稿がんばります。
ちなみに好きなポケモンはカクレオン、好きなSCPは『SCP-022 死体安置所』です。


第1話:出会い

 私とそのモンスターの出会いは突然であった。

 誤解の無いように言っておくが、それらは縮めてポケモンと呼ばれるようなポケットモンスターの類ではない。

 

 そいつらは正真正銘の〝モンスター(怪物)〟だった。

 

 

 

 

 まず私とそいつらの関係がどうなったかを語る前に、事の発端を話そう。

 それは私が10歳の時、生まれ育ったマサラタウンを離れて旅に出る日のことだった──

 

 ──ガシャーン!! 

 

 その日は確か…有名なポケモン研究者であるオーキド博士の研究室を訪れていたはず。

 そうだ、思い出した。最初にもらうポケモンを3匹のうちから選んでいる時だった。

 

 オーキド研究所のすぐ近くにある池から巨大な何かが飛び出たような音がしたかと思うと、何かが壁を突き破って私の前に出現したのだ。

 

 ワニノコを進化させずにそのまま大きくしたような禍々しい見た目のモンスターだ。

 その存在が少なくともポケモンではない事は、その場にいる誰もが瞬時に理解したと思う。

 だって、そいつはどんなゴーストタイプのポケモンよりも怖い見た目をしていたのだから。

 

「うわああああ!!!」

 

「きゃああああ!!」

 

 逃げずにその場に残ったのは、私とオーキド博士の2人だけだったような気がする。

 このポケモン大好き爺さんが未知のモンスター(怪物)を前に、目を輝かせていたのは今でも印象深い。少なくとも、明らかにポケモンではない生物に向ける目では無かった。

 

 そして私が逃げなかった理由は他でもない。

 私はこのワニのような怪物に睨まれていたからである。蛇に睨まれた蛙が動けなくなると言うのは本当の事らしく、私も圧倒的な体格差の怪物に睨まれたまま動けなくなっていたのだ。

 

 やばい、喰われる。

 私は本能的に直感した。

 

 その怪物の口らしき部位がゆっくりと私に迫り、心臓が拍動を強める。

 それでも身体は思うように動いてくれない。

 

 咄嗟にオーキド博士に助けを求めたが、オーキドはこの怪物に見惚れて相変わらず動いていなかった。

 

 いや助けろよ。

 

 ツッコミを入れるといくらか冷静になり、私は生き延びる方法を必死に模索した。

 走って逃げるか、徹底抗戦か。それともジジイを囮にするかだ。

 

 まず徹底抗戦についてだが、もちろん私は己の拳以外に抵抗する手段がない。

 この怪物の外皮は見る限りかなり分厚そうであり、人間のしかも子供の力ではビクともしないのは目に見えていたので却下。

 

 次に走って逃げる案だが、これだけでは確度は低い。

 か弱い私を助けてくれない先の短いクソジジイの命よりも、私の命が優先だろう。私は帽子を投げて怪物の意識をオーキドの野郎へと向けさせ、全速力で研究所を飛び出した。

 

 ジジイも大好きなポケモン(あれをポケモンと呼べるのかは怪しいが)に喰われて死ぬのなら本望だろう。

 そう思いながら、私は出せる限りの速度で森へと走った。木々が生い茂る森の中なら、あの怪物の図体ではなかなか追っては来れまい。

 

 そう思ってた時期が私にもありました。

 

 ──バキバキバキィ!! 

 

「うううううそでしょ?!」

 

 怪物は障害物をガン無視で森の中を突き進み、私のいる地点へと真っ直ぐ向かって来ていた。

 自身の胴体ほどもある太い木々を容易く捻じ曲げて根元から折り、巨岩も避ける事なく破壊するという脳筋っぷりだ。

 

 あの怪物が私に拘る理由は全く不明だが、何が何でも私を食おうとしているのだろう。私はそう思っていた。

 

 今思うとそれはまあ、誤解だったのだが。

 

 こいつが私を追っ掛けて来るのは言わば…野生のポケモンが一目惚れ(?)したトレーナーを追い掛けるような行為だったという。

 だがそれを知っていても「可愛いやつめ、私のポケモンにしてやろう」とはならない。

 

 なぜかって? あの見た目だぞ? 

 

 あれならまだルージュラやモジャンボのほうが可愛い。

 いやそいつらも生理的に無理だが、どちらがマシかと言われたら私は断然そちらを選ぶ。

 

「逃げ…るな…!」

 

 あとこの怪物は鳴き声がめちゃくちゃ怖い。

 怪我で喉がグチャグチャになっているのにも関わらず平然と声を発するし、普通に人語で喋りかけて来る。

 

 こんなのもはや鳴き声とは言えないな。

 人語を使える辺り、お前は伝説か幻のポケモンか? 

 

 …どう見ても違いそうだ。

 人と会話が出来るポケモンは大体がテレパシーで意思疎通をする。

 私が知る限りでは、口から人語を発するポケモンは存在しない。

 

 そうこうしているうちに私は追い付かれ、そいつの長い胴体と尻尾で全周を囲まれて完全に逃げられなくなった。

 見た目の割に近くにいても不快な臭いはせず、見た目が怖いだけで案外大人しい。

 

「ポケモン…トレーナー……」

 

 そいつは低く唸り、私を見た。

 

「連れて行ってくれ…」

 

 は???? 

 

 頭が真っ白になる。

 お前、私に連れて行ってほしくて研究所の壁ぶっ壊して入ってきたんか? 

 

「そう…だ」

 

 最初の3匹のポケモン以外であるお前を連れて行けと? 

 そもそもお前ポケモンじゃないだろ? 

 

「クソッタレの財団野郎はオレを『SCP-682』や『不死身の爬虫類』等と呼ぶ…。巷では『クソトカゲ』とも呼ばれているが…」

 

「 あ だ 名 が ひ ど い 」

 

 確かにこいつは『クソトカゲ』に間違いないのだろうけども。

 

 このトカゲが通った後を見てみろ。

 木は根こそぎ掘り起こされ、地面が平らに(なら)されている。道中の岩は全てが粉々に破壊されて塵と化し、巻き添えを喰らったポケモンが弱々しく倒れている。

 あいにく私は『キズぐすり』を持っていないため、後でポケモンセンターに通わなければならなさそうだ。

 

「…………え、お前何してんの?」

 

 変な音がするなと気になって振り向くと、私は自分の目を疑った。

 この怪物は自らの鋭利な爪で地面を掘り起こし、土を喰っていた。

 

 そう、『(地面)』だ。

 

 ボリボリと土砂に混ざった岩石が口内で砕ける音を立てながら、怪物は特に何の問題も無さそうに答えた。

 

「見ての通り〝食事〟だが?」

 

 私は今度は自分の耳を疑った。

 

 土を食う行為は〝食事〟ではない。

 一部のポケモン──ヨーギラスとかにとっては食事なのだろうが、どう見てもお前はヨーギラスではない。

 ましてやバンギラス(ヨーギラスの進化系)でもないし、そもそもポケモンですらない。

 

 だがあちこちに出来た傷が急速に治っていくのを見ると、あながち間違いでもないようだ。見間違えかもしれないが身体も大きくなっている気がするし…。

 私が知る限り、土を食って回復する『ワザ』など存在しないが。

 

「それなんて名前の『技』?」

 

「技? 何だそれは?」

 

「あれだよ、『10万ボルト』とか『自己再生』とか…」

 

「貴様は電気の発生を御所望か? やれなくもないが…」

 

 やっぱこいつ絶対ポケモンじゃないわ。

 私はそう確信した。

 

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