東方幻想無限連鎖   作:にけ・リューノ

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暴怨霊の異変

 視点 レミリア

 

「禁忌 レーヴァテイン」

 

「あはは、もっと壊れろー」

 

 物騒な妹がただひたすら炎の剣を振り回していた

 

 しかし、レーヴァテインが触れる瞬間に分裂して被害を減らしている

 

 (おかしいわね。怨霊にしては連携をとれる上に合体したり分裂したりする普通の怨霊もそれなりに強い…それに知能と技術が高い…あり得るのは……)

 

「咲夜、司令官的な存在を探してくれないかしら」

 

「かしこまりました」

 

 刹那、

 

「発見及び確認しました」

 

「分かったわ。今からいくわ」

 

 ◇ ◇ ◇

 

 現在霊夢と戦っている怨霊(本体)の能力は『怨霊を操る程度の能力』

 

 効果は怨霊の強化、知能の上昇、そして操作である

 

 操作の仕方はコード形式。本体に最上位コードを持たせ、下級のコードを司令官的な存在の部下に持たせる。結果、自信は戦闘に集中し、地上の制圧は部下に任せる事が出来る

 

 ◇ ◇ ◇

 

「神槍 スピア・ザ・グングニル」

 

 レミリアは手に持った二本の紅い槍を放つ

 

「痛ったいなー」

 

 その怨霊はグングニルを両手で防いでいた

 

 無論、両手は消し飛んでいたが

 

「あら、ずいぶん硬いじゃない」

 

 近くの怨霊を集めて再生している彼に向かってそう言った

 

「コード2:金髪の吸血鬼を無視して進行、制圧を開始」

 

 小声でそう言った

 

「あっごめん、名乗り遅れた」

 

 彼は少し笑った

 

「俺はコード2―A、地上制圧部隊の隊長、怨霊としての強さは第3位だな」

 

「私は永遠に紅い幼い月、レミリアスカーレットよろしく、怨霊Aさん」

 

「いや、村人Aみたいに言わないでくれ、そしてよろしく」

 

「じゃあA(エース)?」

 

「以外といけてる!!」

 

 お互い状況を確認する

 

 フランによる人里の防衛という名の蹂躙

 

 咲夜による人命救助

 

 その程度の情報はレミリアにもエースにも入ってきていた

 

 二人とも地下での霊夢と本体の決闘や、クロノの暴走については知らなかった

 

「紅符 レッドマジック」

 

 ──しかし、本人達はそんなこと一切気にしていなかったが……

 

 ◇ ◇ ◇

 

 紅色の弾幕、大玉から小玉までの様々な大きさの弾幕がエースに向かう

 

 もともとスペルカードルールによって回避が出来る弾幕。

 

 ん?お前守っているかって?知るか!!

 

 話を戻す!!

 

 サイズが小さくなっているエースには当たらない

 

 しかし、あるスペルとの並列起動なら話は違う。それは……

 

「紅符 不夜城レッド」

 

 太く紅い十字のレーザー。さすがに逃げ場を失なったエースは──

 

「強い攻撃だな。相手が俺でなければ被弾していたのに」

 

 ──レミリアの真後ろに出ていた

 

「えっ?」

 

 まさに神出鬼没、目の前から消えたことに動揺を隠せないレミリア

 

「俺は昔、学者だった。ある時、ちょっとした大発見をしてしまってな」「ちょっとした大発見って何?」「聞くな」「嫌だ(≧□≦)」「はぁ、」

 

 攻撃をやめていることに気付いていなかったが答えた

 

「物理的瞬間移動」

 

「……え?」

 

「詳しいことは省くけど超高速で動き、物質をすり抜ける存在が出来るようになる」

 

「その能力を得たマウスがエサの中に入ったこともあったな」

 

 懐かしむようにエースは笑う

 

「デメリットはDNAや細胞をいじりまくって寿命が短くなってそのマウスは三日で死んことだな」

 

「まぁ、そこもなんとかして発表しようとした」

 

「もしかして……」

 

 レミリアは自分の頭の中に入った最悪の答え、『大発見してしまって(・・・・)な』

 

「エースが死んだ理由は……」

 

 実験で死んだのならこんなに強い怨霊にはならないはずだ

 

「手柄の一人占めの為の裏切り」

 

 自分の存在を強く見せる為、報酬を一人占めするため、そんなバカなことをする人間は存在する

 

「……そうね、あなたはこれから上司に気をつけなさい」

 

「……何で?」

 

 エースは純粋な疑問をレミリアに聞く

 

「運命がそう告げている」

 

「……そっか」

 

 納得はしていないが、信頼できると考える

 

「長話したな、そろそろ再開するか」

 

「そうね」

 

 刹那、レミリアの背後に現れたエースが──

 

「神槍 スピア・ザ・グングニル」

 

 ──否、エース()直撃した

 

 (何で!?)

 

 とっさに出した両腕が心臓部分にあるコード2を守る

 

 (運命…か……)

 

 先の言葉が理由でレミリアの能力が分かる

 

 (分かったところで脅威が変わらないタイプの能力か……)

 

 例えば、《姿を消す》や、《能力を無効化する》などの能力は、分かった瞬間に脅威が半減する。

 

 しかし、《運命を操る》というのは、分かっても対処が出来ない。

 

 (ちょっと本気を出すか)

 

 両腕を再生し、ひたすら修行した力を解放する

 

「妖術 覇霊連弾」

 

《復讐シリーズ》で集めた膨大な妖力を圧縮し、13発の弾丸に変える。

 

 効果は完全追尾式の超高速弾

 

 怨霊は負の感情や存在を力に出来る。13は、不吉な数字の代表のような物だ。

 

 ターゲットを追尾し、ターゲットに触れた瞬間に妖力を解放する。

 

 大妖怪でも、だいたい2,3発ぐらいで死ぬ。

 

「ぐふっ、くっはっ、」

 

 2発命中する。

 

 解放された妖力により、コウモリになった体が弾ける。

 

 また2発、レミリアは耐えきった

 

 (なぜ死なない)

 

 己の切り札の25%をくらっても耐えきったレミリア対して若干の恐怖を感じる

 

 今度は3発、

 

 (さすがにおかしい)

 

 少しずつ放っても意味が無いと考え、残りの6発を放つ

 

 しかし──

 

「何で?」

 

 ──煙が晴れたその場には、全身血まみれのレミリアが立っていた

 

 驚きのあまり動けなかったエースはとあることに気付く

 

 (出血が止まっ…て……)

 

「私は永遠に紅い幼い月、吸血鬼(・・・)、レミリアスカーレット」

 

 (超速再生…か……)

 

 吸血鬼の特性の一つ、超速再生で耐えきったのだった

 

 (レミリアにもう魔力は残ってないか)

 

 勝利は確定した。だが、

 

「降参、完敗だ」

 

「えっ?」

 

 そんな満身創痍のレミリアを無視し、

 

「コード2:全地上制圧部隊に命令する。早急に撤退せよ」

 

 直後、全ての怨霊が撤退し初めた

 

「じゃあなまた殺ろうぜ、レミリア」

 

 そうしてエースはどこかへ消えた

 

 ◇ ◇ ◇

 

 視点変換 レミリア→咲夜

 

「終わりましたか…お嬢様は無事でしょうか」

 

 彼女の前には、一人の少女がいた

 

 銀髪で水色の目の、普通の少女だった

 

 強いて言えば、オオカミミミとシッポがついていた事ぐらいだ

 

「どうしたの?」

 

 その少女は端から見ても泣いている事が分かった

 

 振り返った少女の奥には、文字が書かれた直方体の石があった

 

「お姉さん、誰?」

 

「私は十六夜 咲夜、あなたは?」

 

 自己紹介と共に名前を聞いた

 

「わたしは…フェル……」

 

 とても悲しそうな声で言った

 

「何があったの?」

 

 咲夜は優しく聞いた

 

「たくさんの変なヤツに襲われて、友達も皆死んで……」

 

 (やっぱり)

 

 咲夜は心から同情した

 

「さみしいの?」

 

「…うん」

 

 (これならいける)

 

「あなた、私と一緒に働かない?」

 

「えっ?」

 

「今、人手不足なの」

 

 嘘をつきながら

 

「あなたについて少し知りたいし、ほってられないもの」

 

「…いいの?」

 

「いいわよ」

 

「それじゃあ行くわよ」

 

「うん」

 

 (たぶん)最後のオリキャラが参加した瞬間だった




 次回は妖夢の活躍が見れることに喜びを感じる、作者です

「謎の少女役のアリカです☆」

「この作品最強の黒月だ」

 残念お前と鬼龍は同レベでした~

「無駄に腹立つ 」

「面倒くさいので、それでは☆」

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