両者は同時に動いた
(やっぱり一撃一撃が重い)
クロノはフェル相手が苦手だった
理由はフェルが技術と身体能力で戦ういわゆる二流だったからだ
鎖は速度と再生能力に特化している為、強度はそう高くない
その上、《能力を無効化する程度の能力》であるため、効果がない二流は苦手だった
そう、クロノの弱点は純粋な身体能力だ
一方フェルは…
(隙がない…)
鎖は破壊されようと三秒で再生する
三対六本のため、理論上0.5秒に一回攻撃すればいい
逆にその条件の中、近接戦で攻めているフェルの方が異常だろう
「はあっ!!」
音速で背後に回り、得意技の右回転の回し蹴りがきまる
一方フェルは、
(肋骨が何本かいきましたか…)
戦闘をまだ続けられる余裕があった
「私はフェルです。あなたの名前を教えて下さい」
(唐突な自己紹介だな…)
(まぁいいか)
「僕はクロノです」
端的に済ませた
「そうですか…引き続きお願いします」
(こいつ、何がしたかった?)
直後、フェルの爪が伸びた
(なるほど、時間稼ぎか)
「それでは、行きます!!」
フェルが伸ばした爪を振った
「!!」
咄嗟の判断でクロノは左に避けた
(うわ~)
自分がリーチに入っていない時に相手が攻撃を振った時、斬撃による中距離攻撃を警戒しなければいけない
これまでの経験から回避したが、右腕が千切りになった
フェルの能力、《コミュニケーションを操る程度の能力》は、超高速で相手に情報を霊力を使って送ることができる
神獣との融合により、霊力を斬撃に変え、攻撃に使うことができるようになった
再生しながら鎖を立体○動装置のように使い、回避に専念する(勿論壁には穴があく)
(ここは魔力を温存しないと)
クロノの能力、《能力を無効化する程度の能力》なら、簡単に防げる
しかし、先日の異変のために魔力はほとんどなかった
(三日月蹴り)
相手の足をなぎ、体制を崩す。格闘技の基本技術である
対処はそれなりに簡単で、ジャンプでかわせる
(この程度なら…)
回避し、カウンターで斬撃をおみまいする──
──はずだった
「オーバーバーサーク」
さっきまで魔力を温存していたクロノが、魔力を雑に消費するまでは…
「……っ!!」
必ず当たる軌道にあった斬撃を易々と回避し、
(1…2…3…)
「はぁっ!!」
ライ○ーキックを連想する飛び蹴りが炸裂する
基本的に飛び蹴りは防御が難しく、火力も高い
「こっはっ…」
その為衝撃を受け流すには後ろに飛ぶ必要があり、壁は半壊していた
(すみません、一瞬だけ使います)
「!!」
たった一瞬だけ、フェルの中にあった《何か》をクロノは感じた
たった一瞬でも、威圧が凄まじかった
(解けて…いる!?)
気が付けばオーバーバーサークが解けていた
(なるほど……)
「同類か……」
彼は咄嗟にアリカを思い浮かべた
(それなら、
「来い、ソルス」
彼の
フェルが斬撃を放つ
「生命探査 人物指定『レミリア スカーレット』」
「!?」
この発言だけで察しただろう
人によっては卑怯と言うだろう
しかし違った
クロノが求めた物は──
「火力『現エネルギー内で最大』対象『フェル・レミリア』」
「天翔閃」
(これは、私の責任です)
フェルが自ら天翔閃の軌道に入った
『すみません、メイド長』
「合格だな」
全身の血液が沸騰していた
「TYPE:アームズ」
クロノは《箱》から薬品と《血流再生》の付いた包帯を取り出し、応急措置をする
「…っく」
フェルは斬撃を放つ
「何で?」
自分の攻撃を受けても無傷なクロノに疑問を抱いた
「動かないで下さい。けっこうひどい傷ですから」
(能力の事は黙っておこう)
「危な!!」
クロノは
「幻符 殺人チェックメイト」
大量のナイフが周りを囲む
(ヤバいな…取り返しが付かない……)
鎖で全てのナイフを弾く
「お嬢様からは客人と聞いていたけれど、この光景なら敵と見なしていいようね」 「客人!?」 「っえ?」 「敵と聞いていました」 「「何で!?」」
◇ ◇ ◇
「「「
美鈴さんが言っていた通り、挨拶に行った
「あら、いらっしゃい」
「お邪魔しています」
奥に白衣を着た黒髪で目も黒い、莫大な妖力を感じる男性…めっちゃイケメンの人がいた
「「「
さっきから僕だけ違うことを言っている(ハモったら面白い)
「( ゚д゚)ハッ!もしかして…」
「
「お嬢様…とうとう……」
「「
図星か、確信と来た(クズ顔)
「うわぁ、我が使徒ながらひどい…黒月だ」
「自覚のない破壊神を影から見てクスリと笑う、アリカだよ~☆」
「さて、今日の解説は──」
「CMの後で☆」
「は?」
「それでは☆」
「また俺一人かよ」
「今回は《記憶》について」
「あの時にさとりが連れて来たペット、九話目で出てきた人工竜の分身だ」
「よく、かたずけをしている時に写真を見て思い出が脳裏をよぎるような事があるだろ、あれだ」
「あいつの場合、3000回の死によってトラウマが復活し、脳の精神保護機能が作動して感情が一時的になくなった」
「感情がないと体は本能だけで行動する」
「その本能が《戦闘本能》だ」
「要するにあいつが脳筋で戦闘教でごり押し戦術になった理由だ」
「『そういうところ、お前にそっくりだな』だと、正論をぶつけるな」
「長くなったな、じゃあな」