「これだから管理者は嫌いだよ」
「一応聞くけど、クロノを戦力として数えていい?」
「別にいいぞ」
「換わりに、《呪い》を解くのを手伝え」
「はいはい」
◇ ◇ ◇
(あれは楽しかったな~)
彼の頭に浮かんだ光景は、復讐を済ませる時だった
「どうして殺ったのですか。理由によっては入学出来ませんよ」
「本当の親の存在を知り、暴行や虐待を繰り返す偽りの親に復讐をしたかったからです」
「じゃあ寮の紹介をします」
(ここの基準おかしいな)
「ルールを説明します」
カットですね
まとめるとランクが高い順から0~5まであり、授業、依頼を受ける
学費がなく、逆に給料がもらえる
依頼、テストでいい成績を出すとランクが上がる、以上だ!!
◇ ◇ ◇
「君はランク5から出ない方がいいですね」
「?」
「目立ち過ぎるからですね。君の右目の紋章は封印です、依頼を受ける時は『黒月』と名乗って下さい、クロノさん」
「分かりました」
◇ ◇ ◇
部屋はランク5なのにキレイで一人部屋だった
「親切だな~」
その瞬間、ベッドの布団がモゾリと動いた
「!?」
その警戒はすぐに解いた。何故なら、
「ふきゅ~」
そんな、かわいらしい声が聞こえたからだ
「人口竜?」
「ふきゅ?」
(めっちゃかわいいは、和む~)
「すみませーん」
ドアの方からそんな声がした
「こんにちは」
「はじめまして、ランク5リーダーの唯、今日からよろしく、クロノ君」
「はじめまして、唯さん、質問したいのですがあの人口竜は何ですか?」
「ふきゅ?」
やっぱかわいいは
「それは人を選ぶ竜だよ。主の行動で世界が変わる確率が高いとやってくる」
「きゅ~」
元気だな~
「少し、テストがしたい…ついて来てくれ」
「分かりました」
◇ ◇ ◇
「あのゴーレムに攻撃してください」
身体強化でぶん殴った
「能力は何ですか?」
「身体強化です、右目の紋章でもう少し強くなりますが危険なのでやめます」
嘘である、前回見てこい
「ついでに唯さんの能力は?」
「結界操作です」
「ふきゅ~」
あれ、いたの?
「ついでにその子は主と同等の力を使えます」
「スゲー」
「一つ、依頼を一緒に受けませんか?」
「分かりましたオケです」
◇ ◇ ◇
それから3ヶ月が過ぎた
高難易度の依頼を受け、『黒月』の名前でランク4にならないようにする
お金はランク5の為にこっそり使っている
具体的には古い電化製品や魔力製品を能力でかたずけ、高級な物と交換する
逆に何で誰もきずかないのだろう?
基本的にランクは簡単に上がるような物ではない
そんな話はどうでもいい
今は気楽に買い物中だ。外が騒がしいがどうでもいい──
そう思っていると
『UGGGGGA』
後ろに鉈を振り下ろす悪魔がいた
「うるさい。今レジに並んでいるから黙って」
「きゅ~」
鉈が触れる直前、その悪魔はバラバラになって消えた
周りから生暖かい視線が向けられる
その直後、さっきよりデカイ悪魔が壁を破って入った時──
「断存」
──それは消えた
それは金色の瞳で青い髪の《無名》と呼ばれた長剣を持った者だった
「お前らの安全は保証され──」
歓声があがる
カッコいいけどさ~カッコいいけどここスーパーだぞ恥ずかしくないのか
外に出てさっさと悪魔を殺そ……
いや、何で悪魔がいるんだ?
先導型の能力でテロか……
まあ、いいや潰そう
右目の紋章に触れ、大量の悪魔が消えた
それはいいが、問題は勇者がこれを見ていたことだ
幸い、消えたのは遠くの悪魔だけだったから良かった
その瞬間、上から光に照らされ、
「多重結界300」
300の結界が簡単に破られた
この火力は『生け贄シリーズ』か『復讐シリーズ』だろう…多分復讐……
「ウィンドイー──」
双剣の風魔法をぶつけようとしたが、
「断罪の鉄槌」
聖属性最上位魔法で終わった
光の先にいたのは…
「さすがにこれはキモい」
悪魔の顔でムキムキの全身ボディを持った天使の羽と輪がついたヤツだった
「少し、手伝ってくれるか?」
「いいですよ」
時間稼ぎ…勇者の必殺の為だ
「黒死流」
黒い風があの変なヤツに向かう
風属性しか使えないため、自分で作った
エネルギー弾が来る
これでヘイトはかえた。後は任せた
◇ ◇ ◇
視点変換
『クロノ(黒月)→勇者』
「──我が復讐、ここに来たる」
「──生と死」
「──安楽と苦痛」
「──聖と闇」
「──己の罪を全て数えよ」
「──万象に刻め」
『復讐の時』
詠唱が完成すると、黒い玉ができ、少しずつ明るい色になっていく
全ての属性を含んだソレは速度を上げながら飛翔する
天使とも悪魔とも言える怪物に触れた瞬間、花火のように爆発した
◇ ◇ ◇
視点変換
勇者→???
「1号が殺られたか……」
ソレはもはや死地とも言えるランク5の殲滅された土地にいた
「見た目をのぞけばそれなりに良かったのだがな……」
「どうでもいいか」
◇ ◇ ◇
視点変換
???→クロノ(黒月)
後日、呼び出しをうけた
「君をランク2にする」
「全力で断ります」
「何でだ?」
「落ち着かないから」
「ランク2の方が予算も多いし部屋も広いしその他もろもろいいんだぞ」
「予算は自分で何とか出来るし部屋は高級な電化製品や魔力製品を全員のところに配置しましたし差別がないし友達は多いし授業はしっかり受けれます」
「あれお前だったのか」
「?」
何言ってんだろコイツ
「ランク5の寮がランク3より豪華だって噂が流れてるんだよ」
「……」
「まあ良い、指名依頼だ」
「何の?」
「俺の所属する組織であるレギ──」
「世界最高じゃねーか」
「そこのグレゴ──」
「決闘王者じゃねーか」
「決闘だ、三ヶ月後、それまでに準備してろ」
「拒否券はないですね分かりました」
◇ ◇ ◇
(クンクンクン、これは罠の匂いがします)
(実際似たよーなことで親が死にました)
五歳の頃、無実の罪を擦り付けられ、先代勇者に両親が殺された
両親は優しく、クロノの能力の暴走で命をかけて右目の紋章で封印した
その勇者の息子が今の勇者であり、俺は今の勇者の親の
(とりあえず、武器を集めますか)
◇ ◇ ◇
「本当にあいつが犯罪者とは思えない……」
(上からあいつには殺人、奴隷売買、その他もろもろあると言われているがな)
(今度の決闘で分かるだろう)
クロノも勇者も知らなかった。今、ランク4以上の依頼でクロノの暗殺が提示されていたことを……
◇ ◇ ◇
(最近よく襲われるな……)
買い物していたら狙撃されたり、武器を試していたらナイフがとんできたりしていた
(実験出来たからいいけど……)
無論、誰も殺していない
今の装備は羽型の鎖、瑠璃色の双剣に空色の大剣とただ硬いだけのナイフ、最後に結界銃だった
(明日の決闘、大丈夫かな……)
◇ ◇ ◇
『まずは、東門、決闘において最強の男、グレゴリー』
拍手、歓声が起こる
『西門、ファイブの光、黒月』
『それでは試合、開始』
「天翔閃」
初撃奇襲の一撃、光の柱に対してグレゴリーは魔力の三割を使った結界で防ぐ
「中々やりおるな、少年」
「ありがとよ」
グレゴリーの持った空間拡張つきの箱から槍先のようなものが大量に出てくる
「サイコキネシス…か……」
背中に鎖、両手にナイフをもつ
「暗闇の瘴気」
黒い霧が広がる
「ホーミング、開始」
「TYPE:インフィニットブレイカー」
超音速の絶対破壊の鎖は、槍先を破壊しながらグレゴリーに近付く
槍先は鎖を破壊しながら防御にまわる
インフィニットブレイカーがきれる頃には、槍先は全てなくなっていた
「ウィンドイーター」
双剣から放たれる風の刃は当たる直前に金属の粉によって防がれた
「第二ラウンド開始、だ」
大量の粉はクロノを囲い、襲った
「いえ、問題ないですね」
能力を隠し続けた結果だ
(約束の、人に対して使わないのは守っているし大丈夫かな)
「ふっ、その余裕はどこから来るのかね」
「発言が悪役っぽいですよ」
粉がクロノに触れる瞬間、
粉が消滅した
「ここからは殴り合いですね」
「驚いたがその様だな」
「
二分後、一つの影が倒れた
結果は分かりきっているだろう
◇ ◇ ◇
「何とか勝った~」
その言葉の直後、無数の攻撃が飛んできた
「ないわ~。暴力反対~」
そんな言葉を無視するように攻撃が来る
観客席では約八割の人が攻撃する
(魔術で攻撃すると他の人を殺しかねない)
「風壁、多重結界」
圧縮空気の壁、無数の攻撃を防ぐ為の結界、防御は出来る。だが、
(じり貧だな……能力を使うか否か……)
簡単な話だ
能力を使えば何とかなる。しかし、約束を破ることになる
「今だ、やれ!あいつは防御に集中している。集中攻撃だ」
そんな声が聞こえた
(そうだな、やるなら正々堂々とやるか)
(やられてばかりじゃ居られね~よな)
(設定は自信を敵対している者全員でいいな)
「一方的な暴力をやめてくれませんか?じゃないと死にますよ」
「ハッ、そんな軽い脅迫、どうでもいいな」
脅迫じゃないんだけどな~と思いながらべらべらうるさいヤツらを殺す準備をした
(みんな、消えちゃえ)
残り二割の者は何が起きたか分からなかっただろう
未知、という名の恐怖を叩きつけられたという事実だけが残る
「気分も悪いし、そろそろ帰るか……」
一名を除いて
「ック」
彼は試合終了から起きた出来事に怒りを抑えては居られなかった
「何で、こんなことをした?」
闘技場の中央に降りた彼はそういった
ソレは紛れもない、本当の怒りだった
「正当防衛」
「じゃあお前の罪は?」
「?」
「殺人、奴隷売買など」
「またあいつのか……」
「あいつ?」
「偽りの父」
「ちょっとした昔話を聞いてくれ」
「わかった」
◇ ◇ ◇
本当の両親は優しかった
偽りの父の能力、《罪を操る程度の能力》、これのせいで先代勇者に殺された
その後、両親の仇に引き取られた
最悪だった
偽りの父からは強制労働、母からは虐待、兄からは差別、本当に最悪だった
ある日の事だった
母からの虐待を受けても痛覚を感じなかった
気が付けば、手に血がついていた
「アハッアハハハハハハハハハ」
気が付けば笑っていた
その体は目が失くなり、血塗れだった
ドアの隙間から覗いていた彼にこう言った
「次は君だよ、罪を数えろ、偽りのとーさん」
◇ ◇ ◇
「という事だ」
「なるほど……」
「まあ良い、今から始めるぞ」
「少し待て」
「オッケー」
「かる!」
「この試合、ルールは?」
「タイムアタック、1分以内にお前は俺を殺せ」
「殺せなかったら?」
右目の紋章にクロノは触れる
「これを完全解放するのに1分かかる」
ま、完全解放したら世界が消滅するがな、とクロノは呟く
「そうか……」
「どのみち、お前は死ぬのだな」
「そうだが?」
「何で食いぎみなんだよ」
その瞬間、《無名》が光った
そして、クロノに大量のエネルギーが入った
「これ、なんだ?」
「転生の術式、これから何度でもやり直せる。お前のそのふざけた人生、見返してやれ」
「……ありがとう……」
本当に嫌いだった勇者が「今から世界を滅ぼす」と言っているヤツを止めようとせず、正面から向き合っているのだ
「ソレはお前が本当に満足した時だけ消える」
「……」
「長くなったな、始めるか」
「そうだな」
「「
◇ ◇ ◇
「転生、という素晴らしい力は俺には勿体ないな」
精神世界で彼は考えた
この世界は昔、黒月が過ごした希望の存在しない世界と似ていた
しかし、この力を使えるのは自分だけだった
この力を使える
「あれ、これ簡単じゃね」
仮想人格、自分と同じ、そして違う人間
「名前は……」
その時、『依頼を受ける時は《黒月》と名乗って下さい』頭の中にその言葉がまわった
「助けてくれたヤツの言ったことだ。俺は黒月、と名乗ろう」
黒月は苦笑し、
「お前の名は《クロノ》俺が掴めなかった未来を掴め」
この瞬間、仮想人格《クロノ》が生まれた
◇ ◇ ◇
「ごめんアリカ、久しぶりに能力使ったから1ヶ月は寝ていたクロノはどうだ?」
「ヤバいの☆」
「何があった」
「感情(を失って)暴走(した)☆」
「それ、ヤバくね」
物語は1ヶ月前に遡る
「クロノの製作者、黒月です」
「今回やっと出番をもらったアリカです☆」
黒妖夢かっけー、あけおめことよろ作者です
「ファイブの光(笑)」
こういうこと苦手なんです
「次回予告、始めるよ~☆」
「次回、東方幻想無限連鎖第十話 白い世界」