鎧武者の神   作:仮面ライダー ダーク

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どうも皆さま!仮面ライダーダークです!


不定期更新とは言え、もう鎧武の配信が終わった頃に更新するうという……

仕方ないネ!忙しかったりどうオリジナル展開入れようかすぐ悩んじゃうし!



というわけで久しぶりの緋弾のアリア小説です!




第弐弾 逆鱗抵触

始業式に間に合わなかったキンジは、疲れ果てた社畜の様な足取りで教室にやってきた。

俺に見捨てられてバスに遅刻、自転車で間に合わせようとしてもまさかのチャリジャック。

アリアによる救出の後に自動走行セグウェイ(UZIを添えて)による銃撃だ。無理もない。

 

「ようキンジ。始業式に出れないなんて何かあったか?」

 

「黑紅……お前、俺の護衛の仕事はどうした!」

 

恨みを込めた目線を俺に向けるキンジ。

 

「言った筈だぞキンジ、お前は少々不用心だとな。守ってやるとは言ったがお前が弱くなっては困る。

護衛の人間が安全確認でいなくなった場合に備えてわざと突き放したんだ」

 

「だとしても、武偵憲章2条の『依頼人との契約は絶対守れ』を破ってることになるだろ?!」

 

絶対言うと思った。だがキンジよ、大事なことを忘れているな。

 

「無事卒業出来るまで守るといったが、お前が腑抜けになるのは別問題だ。武偵憲章を出すのなら4条の『武偵は自立せよ。要請無き手出しは無用』はどうなる。自立できてるといえるのか?」

 

「そ、それは……」

 

言葉に詰まるキンジ。論点のすり替えとなるがキンジの現状は俺に依存気味だし、今回の事件は要請が『出来ない』状況だったとは言え『しなかった』事に変わりはない。

 

「兎も角、何があったかわからんがお前にも落ち度はある。そんなことでは目的は達成できないぞ」

 

「…分かったよ……その…悪かったな。お前に当たって……」

 

「気にするな。ほら、席に座ろう」

 

 

 

 

「先生、あたしはアイツの隣に座りたい」

 

さて、教師(高天原だったか?)が「うふふ。じゃあ去年の3学期から転入してきたカーワイイ子から自己紹介してもらっちゃいますよー」という前置きにより察してはいたが、キンジの死角の席にいた事によりアリアの存在にやっと気付いたキンジは、椅子からずりっと転げ落ちていた。お前同じクラスなの初めて気づいただろ。

 

「な、なんでだよ……!」

 

そう呟くキンジ。余程驚いてる様だ。

 

「よ……良かったなキンジ!なんか知らんがお前にも春が来たみたいだぞ!先生!オレ、転入生と席代わりますよ!」

 

満面の笑みで立ち上がるキンジの右隣の武藤剛気(むとうごうき)

キンジの親友とも呼べる存在で、こいつがスクーターからロケットまで乗りこなす天才騎手だ。身長190間近らしい。「馬車も馬も法律では乗り物だが乗れるのか?」と聞いてみたら「実物に乗るまで分からんが、何とかなるだろ」と言い返された。これが天才……いや、若さか……。

因みに性格がガサツなため、女性にはまったくモテない。

 

 

言い忘れてたな、俺はキンジの左前の席だ。

 

「あらあら、最近の女子高生は積極的ねぇー。じゃあ武藤くん、席を代わってあげて」

 

明らかに男女の恋仲と勘違いした教師はアリアとキンジを交互に見て、武藤の提案を許可した。教室は拍手喝采になったので便乗しようと思う。というか煽ろう(謎の使命感)。

 

「良いぞー武藤!!お前は歴史を変えたぞ!!」

 

「黑紅…!お前もか!」

 

そんな大声を出してると

 

「キンジ、これ。さっきのベルト」

 

と、いきなりベルトをキンジに放り投げてきた。

 

「理子分かった!わかっちゃった!──これ、フラグばっきばきに立ってるよ!」

 

キンジの左隣にいた理子がガタン!と立ち上がった。

 

「一体何が分かったんだ理子!」

 

面白そうなので目配せして合わせる。にぃっ、と笑う理子の目は「分かってるじゃん」とでも言ってそうだ。

 

「キーくん、ベルトしてない!そしてそのベルトをツインテールさんが持ってた!これ、謎でしょ謎でしょ⁉︎でも理子には推理できた!できちゃった!」

 

「理子!一体どういう事なんだ!その推理を聞かせてくれ!」

「おい黑紅お前ワザトだろ!!」

 

チッ、キンジにバレた。だがそんな事で止まる理子ではない。

 

「キーくんは彼女の前でベルトを取るような何らかの行為をした!そして彼女の部屋にベルトを忘れてきた!つまり2人は──熱い熱い、恋愛の真っ最中なんだよ!」

 

その言葉を聞いたクラスはさらに盛り上がった。

 

「キ、キンジがこんなカワイイ子といつの間に⁉︎」「影の薄いヤツだと思ってたのに!」「女子どころか他人に興味なさそうなくせに、裏でそんなことを⁉︎」「フケツ!」

 

おうおうおう、言いたい放題だな貴様ら。我ちょっとカチンと来たぞ?

理子に「物申す」とマバタキ信号を送る。OKサインを出されたので立ち上がる。

 

 

 

 

 

 

「おい待てお前ら!忘れてるだろ!キンジは女嫌いという渾名があるんだぞ!それにキンジには幼馴染の通い妻がいるんだぞ!毎朝弁当持って朝も昼も用意してくれる奴が!」

 

 

 

 

 

 

 

「なん…だと…!」「幼馴染だと⁉︎羨ましい!」

「キンジにそんな良くしくれる女子がいるだと⁈」

「いや待て!つまりこのツインテールさんがキンジをNTRしたのか!」「なんて大胆なの!」

 

良い感じに混沌を招いた。満足だ。

 

「お、お前らなぁ……!」

 

キンジが頭を抱え、机に突っ伏した時──アリアが二丁のガバメントを抜きざまに発砲してクラスを黙らせた。左右の壁に穴が空いたな。

 

 

「れ、恋愛なんて……くっだらない!」

 

顔を真っ赤にしながらアリアはそう断言した。

 

 

 

…………あ゛?

 

「全員覚えておきなさい!そういうバカなことを言うヤツには……

 

    風穴開けるわよ!     」

 

……ほぉーん。くだらない。くだらないと片付けたか。

 

さて……どう説明してやろうか…。

 

「……神崎・H・アリア……貴様言ってはならない事を言ったな?」

 

そう言って我はアリアに顔を向ける。

 

キンジが『げぇっ!孔明!』みたいな顔して、アリアは少し驚く程度に顔を変えた。

 

「ちょ…ちょっとコー君?一旦座ろ?ね?」

 

そう言って止めようとする理子は若干怯えてる様にも見える。

まぁ此処で驚いてる奴らは全員知ってるからな。仕方ない。

 

「良いかアリア。恋愛はくだらない物ではない。

 

謂わば糧だ。その人間の為ならば通常以上の力を出す。

 

謂わば枷だ。その人間の為ならば通常以下の能力と化す。

 

謂わば奇跡だ。自分という存在を認めてくれるという証だ。

 

良いか。恋愛はくだらなくない。恋愛しなければ人は増えん。

絶滅するんだ。

 

 

恋愛は…くだらなくない。良いな?」

 

 

 

話してる間に顔を近づけてた様で、カタカタカタと震えて何度も頷くアリア。周りを見渡すと目に映ったクラスメイトがビクッと震えた。教師も震えて教壇に隠れてる。やり過ぎたか?

だが去年もこんなもんだっただろ。

 

「…ったく…どれだけ素晴らしいか、専門科目授業の時に教えてやるよ」

 

「…アンタ、強襲科(アサルト)なの?」

 

「あぁ。装備科(アムド)*1と強襲科もSランクだ*2。そういや3学期は目を合わせた事も無かったな。次の強襲科の授業、模擬戦しろよ」

 

「……そう…手加減しないでね」

 

「そいつは無理だな。手加減しないと新学期早々松葉杖で過ごす事になる」

 

「安心して。アタシだってSランクだから」

 

「…期待しないでいるよ」

 

 

 

 

昼休みになり、質問攻めに遭ったキンジを救い出して我々2人は屋上へと避難した。

 

「想像以上に聞きに来たな奴ら」

 

「こっちは今朝初めて会っただけだってのに…」

 

「初めて会ったやつにベルト渡したのは何故だ?」

 

「あれは……ホックが壊れたから貸しただけだ」

 

「成る程。そんな紳士的な行動をするって事は、ヒステリアが発動したか」

 

「おい!普段は紳士じゃないみたいな言い方やめろ!」

 

「事実だろ?」

 

ヒステリア。 ヒステリア・サヴァン・シンドローム(Histeria Savant Syndrome)というのは、遠山家に代々受け継がれる特異体質だ。

性的興奮、というより恋愛時脳内物質βエンドルフィン*3を一定量分泌出来れば常人の30倍脳がフル回転して、銃弾を意図的に狙った場所まで跳弾させる事も出来る。

 

 

因みに俺も出来る()。人類よ、これが神特権だ!

 

「…はぁ…不幸だ…」

 

「しょぼくれてるなぁ…」

 

そう言ってると、屋上に何人かの女子が喋りながらやってきた。

キンジはこそっと物陰に隠れた。情けない…聞き覚えのある強襲科の者だったので俺は無視してそこに居座る事にした。

 

「さっき教務科(マスターズ)*4から出てた周知メールさ、2年生の男子が自転車を爆破されたってやつ。あれ、キンジじゃない?」

 

「あ。あたしもそれ思った。始業式に出てなかったもんね」

 

「うわ。今日のキンジってば不幸。チャリ爆破されて、しかもアリア?」

 

どうやら今日の奴が教務科から流れたみたいだ。

 

「あ、黑紅だ!」「今日は奥さんと一緒じゃ無いのー?」

「1人なんて珍しい」

 

「おぅ、今日は忙しいらしくてな。キンジも見失ったしな」

 

女嫌いのキンジの為に、此処は一芝居うっておくか。

後で軽いものを要求するが。

 

「面白そうな話をしてるじゃないか。俺も混ぜてくれよ」

 

「いいよー」「黑紅くんだしね」「刀子ちゃんとの奴も聞きたいし」

 

そう言いながら3人は金網の脇に座る。俺も隙間を開けて女子達の隣に座る。

 

「さっきのキンジ、ちょっとカワイソーだったねー」

 

「だったねー。アリア、朝からキンジのこと探って回ってたし」

 

「あ。あたしもアリアにいきなり聞かれた。キンジってどんな武偵なのとか、実績とか。『昔は強襲科で凄かったんだけどねー』って、適当に答えといたけど」

 

「アリア、さっきは教務科の前にいたよ。きっとキンジの資料漁ってるんだよ」

 

「うっわー。ガチでラブなんだ」

 

「……キンジにそこまで執着する理由が気になるな…」

 

ヒステリアを使う様なハプニングが起きて、あの数のUZIを倒したからか?それで自分の願い(・・・・)を叶えるつもりか。だがそれは…キンジの心を傷つける行為だな。

 

「キンジがカワイソー。女嫌いなのに、よりによってアリアにだもんねぇ。アリアってさ、ヨーロッパ育ちかなんか知らないけどさ、空気読めてないよねー」

 

「奴はイギリス出身だ。ヨーロッパ系統という線は合ってる」

 

「でもでも、アリアって、なにげに男子の間では人気あるみたいだよ?」

 

「あーそうそう。3学期に転校してきてすぐファンクラブができたんだって。写真部が盗撮した体育の写真とか、高値で取引されてるみたい」

 

「それ知ってる。フィギュアスケートとかチアリーディングの授業のポラ写真なんか、万単位の値段だってさ。あと新体操の写真も」

 

「よくもまぁそんな事を…」

 

何を取引してるんだ貴様ら。恥じれ。かく言う俺も、写真部に刀子の色々な姿を収めるように頼みはしたが、あくまで個人アルバム用だ。ほかの人間に渡らないよう元データやバックアップは全て削除している。

 

「ていうかあの子さ、トモダチいないよね。しょっちゅう休んでるし」

 

「お昼も一人でお弁当食べてたよ。教室の隅っこでぽつーんって」

 

「……新天地に驚いて友も作れない状態か……ありがとうな。いくつか有益な情報があった」

 

そう言って俺は立ち上がる。

 

「こんな話でも有益情報になるの?」

 

「あぁ。情報は受け方を変えればどんな情報にもなる。これは餞別だ、受け取ってくれ」

 

女子三人に一人ずつ5千円を渡した。

 

「いいの?!」「太っ腹…!」「こんなに?」

 

「気にするな。お前らはいつも装備科の俺にメンテナンスを依頼するから、その礼も兼ねてだ」

 

強襲科と装備科の二つを中心に授業を受けてるからか、強襲科の生徒がよく来る。ただでさえ弾を撃ちまくって装備科のカモにされてるというのに、自分の装備に俺の手を加えたいとたくさん来るのだ。メンテナンスついでに無駄遣いするもんだから、心が痛む。

 

「じゃ、大事に使えよー」

 

「「「ありがとう~!!」」」

 

 

さて、そろそろ動き出すかな?

*1
武偵活動における装備品の調達、カスタマイズ、メンテナンス方法を習得する学科。装備科はその性質上、機材の一括買い付けを行なっているため、他よりも安価で他学科の生徒へ弾薬などを販売している生徒もいる。腕のいい生徒は、高額で武器の改造やメンテナンスを請負い、かなりの利益をあげている。

*2
強襲科Sランクの生徒は、特殊部隊1個中隊と同等と評価される。

*3
脳内で働く神経伝達物質の一種。鎮痛効果や気分の高揚・幸福感などが得られるため、脳内麻薬とも呼ばれる。

*4
その名の通り教職員が所属している。前歴が自衛隊、警察OB、特殊部隊、傭兵、マフィア、殺し屋らしき人物が多数在籍しており、強襲科、地下倉庫と並ぶ東京武偵高の「3大危険地域」と呼ばれている。民間からの依頼の仲介は、教務科が行っている。




いかがでしょうか!



今までとは明らかに文字数が多いですが、他の投稿者さんの小説は平均8000超えでしたので、5000前後を目安に投稿していこうと思います!



それでは、また永い時間をかけて更新することになるかもしれませんが、良かったら待っていてくださいね!

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