今回のお話は少し長めでお送りします。
色々考えましたが、黑紅の初戦闘の相手はやはりあの人ですかね。
ブラド?あれは戦闘ではない()
「…い・うー?」
「はい。是非とも、入っていただきたいのです」
「いやいやいやいや」
脈略もなく突然勧誘されてしまった。常識がある方だと思っていたが全然そんなことなかった。
「申し遅れました。私
ぼろ布のフードを外して、彼女は名乗る。…ふむ、中々の美少女…黒に近い鼈甲色の瞳、灰色に近い薄紫の髪……そして少女と思える童顔。ロリコンでは無いが何かを感じる。おっといかんいかん。話の途中だったな。
「随分と今更だな…私は名乗る必要は無いな?此処まで追ってきてるんだから、名前などの情報は貰ってるのだろう?」
ヒルダにもブラドにも名乗っているし。
「いえ、彼女からは外見しか聞かされてないのです。何でも、偽名としか思えない名乗り方をしていたから聞いても意味がないというか」
「凄い失礼だなあいつ……」
次に会ったら舌を切ってやろう。
「まあそういうことなら仕方ない……私は武ノ神黑紅。冥界より馳せ参じた神である」
ちゃんと名乗ろう。堂々としていれば偽名と思われないだろ。そう思って彼女を見ると
「…自分をファラオと名乗る人は居ましたが神と言う人は居ませんでした……」
「やめろ!私をそんな目で見るな!事実しか言ってない!」
可哀想な者を見る目で此方を見ていた。なにかを心配されている様にも見える。
「…大丈夫ですよ!私は心療内科は専門外ですが、貴方の事を任せられる人はいます!」
「頭がおかしくなった訳でも二重人格でもないわぁ!!」
はぁ…はぁ…と息を荒げてしまう。やはり今後は人間として動く必要があるのか…
「…イ・ウーという場所は、具体的にはどういう場所だ?」
「…そうですねぇ…国際犯罪組織ですね」
「ですね。じゃないだろ」
まさかの国際犯罪組織か。組織に入りたいとは思っていたが…これは抵抗あるな。
「イ・ウーに属せば、凡ゆる痕跡を消して活動が出来ますよ?国籍、クレジットカード、ポイントカードとか」
よくそこまで消せるな…これが国際犯罪組織のスペックか…
「私自身には元々個人情報は無いんだが……あぁ、この体の元々の持ち主の情報は消してほしいかな…」
魂は逝ってしまったからな。私の名前に書き換えるとかしたほうがいいかも知れん。
「ヒルダさん達に殺される予定だったんですよね?なら心配ありませんよ。既に情報操作できる様になってます」
「……凄いな…」
此処でイ・ウーに入って情報操作を任せるか……よく考えたら犯罪組織が嫌なら内部崩壊させてやれば良いか。どうせそんなに長い付き合いにはならないだろう(適当)
「良いだろう。入ろう」
「ありがとうございます」
ニコッと笑ってくる暗龍「では私の事は刀子とお呼びください」…え?
「……今なんと?」
「刀子とお呼びください」
「…ふむ…」
果たしてこの距離感の詰め方は正しいのだろうか…まぁ本人が望んでいるんだ。呼んでやるか。
「それで?イ・ウーに入るには試験は必要なのか?」
「
「教授…ねぇ…大層な肩書きだな」
「貴方よりは控えめかと」「違いないな」
それにしても教授か…ブラドやヒルダより上と考えたら大分人間離れしてるな。そんな事考えながら刀子に導かれるまま歩いていく。すると海沿いに簡易ドックがあり、その中には魚雷があった。…うん、誰が見ても魚雷だと思う。
「おい。何だこれは」
「オルクスという名前の潜水艇です。あ、3人乗りなのでスペースは大丈夫ですよ?」
「閉所恐怖症じゃない。そんな事より…これ魚雷だろ?」
「潜水艇です。………元魚雷です」
喋ってる途中で睨んだら素直に言ってくれた。やはり魚雷なのかこいつ…
「それで?これに乗ればイ・ウーに行けるのか?」
「はい。少し時間が掛かりますが、寛いでくれたら幸いです」
「はぁ…」
刀子の運転でこの潜水艇はイ・ウーへ向かうらしい。
私は着くまでの間、仮眠をとることにした。何気にこの体になって初めて睡眠を取ったが、狭い潜水艇の割には安眠出来た。何か良い匂いしてた気がするが気のせいだろう。刀子の匂いで安心してたら本当にロリコンだぞ私…嫌だな…。
そんなこんなでイ・ウーに着くまでぐっすり寝てしまった。
イ・ウーは潜水艦だった。めっちゃ広いな此処…
「教授はずっと同じ部屋に居るのか?それともウロウロ歩いて突然居ないとかあるのか?」
「何ですかその老人みたいな…まぁ、あながち老人で合ってるかもしれませんね…」
ん?何か含みのある言い方だな…
「どういう事だ?」
「会えば分かりますよ」
「…そうか」
そんな会話してる間に、どうやらいつも居る部屋に着いたようだ。刀子が部屋をノックするが、返事が聞こえない。
「…まさか本当にこの中を徘徊してるのか?」
「徘徊は日課では無いので大丈夫かと…」
すると、ドアから返事がした。
「あぁ、入りたまえ。読書に夢中で返事が遅れてしまってね。
すまないね」
格の違いを見せつけるような、カリスマ性を感じる男の声。
だが私には
所詮は人間の技だ。神に通じる訳がない。
軽く挨拶し、部屋に入る。
どこまであるのか分からない程高い本棚。その全てを埋め尽くす本。
小さなテーブルにルーペと新聞。部屋の中心のチェアに腰掛ける男。
大柄でありながら痩せている体。鷲鼻と角張った顎。口にはパイプ、肘掛に立てかけてるのはステッキ。図書館にあった
「成る程…イギリスの冥府神も血眼に探してると思ったら……
まだ死んでなかったか。シャーロック・ホームズ」
教授…シャーロック・ホームズが私の目の前にいた。
お気に入り、しおりありがとうございます!
この調子でどんどんやっていこうと思います。
次回は初戦闘!初変身!お楽しみに!