ねじれちゃんが可愛いから、全部ねじれちゃんが悪い
……と思ったけど、峰田回から盛り上がったから。
…………読者はみんなホモ?(迷推理
算数……じゃなくて数学か。
はっきり言って、公式は1度覚えていたので峰田の説明を耳にタコができるほど聞いたことにより再理解で割と早めに覚えられた。
国語も古典も、1度はやった事のある科目。それならば「あー、こんなのあったなー」なんて思いながら再認識することで理解はできる。
そう、理解はできるのだ。
社会というヒーローやらヴィランが蔓延る別世界の社会は殆ど知らない。
まず普通の、というか前世の学校では縄文から戦国までを重点的にやって、本当に学ばなければいけない昭和や平成を何故か詰め込み作業とばかりに最後の最後でちょっとしかやらない。
いや、まぁ正直なんで? って思ったけど…いまでもなんで? て思うわ。
普通ありえないでしょ。いくら戦国のドンパチ好きって言っても、本当に大事なのって戦争とかよりも平成の情勢とかじゃん? それを1ヶ月もかけずに詰め込むって……舐めてんの?
と、前世の俺は思ってました。
でもね、それはそれで良かったかもって思ってます。
だって……。
社会の科目だけ、殆どヒーローで埋まってるんですが…。
縄文やって、戦国やって、そんで情勢やらずにヒーローの登場と経済効果について。オールマイト、オールマイト、オールマイト……。
何この教科書、オールマイトしか載ってないの?
坂上田村麻呂くらい出てきたぞ。
…あれ? 誰だっけこの人。峰田くん。
……。
はい、そういうことでね。
毎日死ぬほど勉強させられました、何やらパイセンの話を聞いてから峰田くんも雄英を目指すらしい。
どうやら体育祭に結果が良かった人は、他校からファンクラブ的なものが出来て交際も夢ではない…みたいなことがあったらしく、峰田くんはそれに食いついた。「体育祭ーーー!!」っといいながら、俺に勉強を教える交換条件で訓練に付き合う…ということで落ち着き、峰田くん魔改造計画は着々と進んでいる。
因みにだが、パイセンの体育祭の活躍で付き合ったというカップルは雄英のあまりにもハードなスケジュールによって破局したというのだが、峰田の耳には入っていなかった。
ーーーーー
「峰田の『もぎもぎ』ってさ、くっつける以外は使えないの? 爆発するとか巨大化するとか」
「…ない」
峰田くんは清々しい顔でいいきった。まさに小便を出したあとくらいの清々しさ。
「なんて言うかあれだよね、殺傷能力がないから俺には分からん」
「あー、お前の殺傷能力しか無いからな。なんでヒーロー目指してんの?」
自分の事を言われて苛立ったのか峰田くんはかなり強めの言葉で俺を責め立てる。なかなか強いチクチク言葉だったぞ峰田くん。
「いや羨ましいなって、それって人に向けても死なないだろ? 俺のはもちろん、パイセンとかのはガチでやれば人なんて余裕だからさ。全力で活用して殺さないって、それってすげぇことなんじゃない? この個性社会にとって」
「無い物ねだりになっちまうがよ、オイラはお前の剣の個性の方が良かったぜ。普通にかっこいいしよ。オイラみたいに使い過ぎたら血が出るってデメリットとかないだろ?」
「んーや、あるぞ。個性は所詮身体機能の一つだからな、俺の体を剣に変える個性はいわば変身みたいもんだ。でも手が剣に形を変えるだけで剣とか刀とかが生えてるわけじゃない。難しいこと言ったけど、俺が剣に変えられるのは手とか足とか、薄皮1枚とか臓器やら体の重要じゃないとこだな。変えてる間は輪ゴムで血を止めたみたいになるから長時間使用はできないんだ、だから臓器とかはヤバいだろ? それにほら俺の戦闘は剣の形状でいる時間って極力抑えてるだろ?」
「そう言われてみれば…なら血液を変えるのはどうなんだ?」
「それは止まらないけど、強度がクソ逆刃刀とか鈍器だったら1発で割れる」
「なるほどな、意外とデメリットも存在してんだな。オイラはてっきりノーリスクだと思ってたぜ」
「俺も色々と考えてんだよ、なんか最近分かったことも色々あるし」
「…お前、馬鹿なのに無い頭使って……。オイラに言えよ水くせぇ!」
「なんでだろう、とてもいい雰囲気な気がするのに釈然としない」
「…てかあれだ、剣にするので最大時間はどんくらいなんだ?」
「大体20秒くらいかな、それ以上は剣から腕に戻した時に痺れてて動かせなくなるし…まぁ痺れてるだけで使えないわけじゃないんだけど、痺れすぎるとコントロールが上手く効かなくなるからウッカリ……こうスパッ! と……ね」
試した訳では無いけど、正直「あ、やっちゃった」みたいな未来が見えて辛い。だからこそミネたまたまの個性は全力でやっても殺さないから羨ましい。
「でもオイラの個性はよォ……なんか使い道ねぇもんかな…」
「相手には引っ付けられて、自分には引っ付かないんだろ? トランポリンみたいな高速移動は?」
「もうやってる」
「…なら敵の攻撃にもぎもぎぶつけて威力緩和とか?」
「……ないけど、それできるなら避けた方が良くね?」
「…まぁそうかもだけど、できるか知ってるだけでもありじゃね?」
「それもそうだな、よし! 鞘無オイラを──ブヘッ!」
峰田を突如と襲う正拳突き。
ここ半年で見慣れた攻撃であるが…。
「………ふふふ。あめぇ、甘々だぜあまちゃんだぜ、じぇじぇじぇだぜ鞘無。お前に殴られ始めて半年、オイラの動体視力はお前を超えたッ!!」
俺の拳には峰田のもぎもぎが付いており、殴った俺の拳と峰田の殴られた場所を挟む様にあったと言える。
「殴った衝撃を緩和出来ても、吹っ飛ぶのかよ」
寧ろもぎもぎのせいでいつもの数倍は飛び跳ねた峰田は、制服をボロボロにしながら叫んでいるが、みるからに格好がボロボロである。
「それなら背中とかにもぎもぎを隠して入れとけばいいんじゃない? 後ろに飛ばされてもクッションみたいに…ほらボクシングのリングみたいな感じで」
「おお! ならオイラは縦横無尽に飛び回れるってことだな!」
「それはプロレスっぽいな、でもウザ強そう」
「でもそれってオイラが受けに回らないといけないんだよな、ほら波動パイセンもそうだけどさ、遠距離には負けちまう」
「だよな、リーチは卑怯だわ。俺は触手剣とかで何とかしたけど、いや峰田なら投げればいいじゃん」
「オイラの全力じゃ、100キロいくかいかないかだよ」
「いや違くて、峰田くんのもぎもぎは自分には反発するんだろ? こう牛の乳を絞る感じというか、圧力で小さな隙間から噴出するみたいに」
………あれ? 峰田くんが固まった。
なんだこいつ? もぎもぎがボキボキになったのか?
「鞘無、おまえ発想だけは天才級だったのか」
「いや、逆になんで気づかな──ブヘッ!」
峰田くんがもぎもぎを握って俺が言った通りにやってもぎもぎを飛ばしてきた。それもいつもの山なり軌道ではなく、メジャーリーガーのレーザービームを彷彿とさせる軌道と速さ。
「何しやがる性欲の化身!」
「うるせぇ! これでオイラは最強だ!!」
山なりの軌道に直線の軌道。
どちらか一つだけなら対処は簡単だったのに、いやにいやらしくなってしまった峰田。
全身にもぎもぎを引っ付けられるところだったが、峰田くんの頭皮が先に死んだおかげでなんとかなった。
いや、急に化けたな峰田またま。
ーーーーー
「おかしいなー、さっきそこ説明したばっかりなのに〜。なんでもう忘れちゃってるの? 私の話聞いてなかったのかなー」
「……はい、面目ないです。すいません」
「それに「絶対教わるかよ! そんなんするなら───してやる」って言ってたのにねー不思議ーー」
「いや、本当にすいません」
「あー、私もインターンで疲れてるのに。あ、肩凝ったな〜」
「は、はい! 揉ませていただきます」
「喉もかわいちゃったし…あ! 剣心くん、確かスーパーカップ買ってたよね! あれ食べたいな〜」
「はは! 仰せのままに」
何故こんなにも下手に出ているかって?
そんなもの決まってる、模試がD判定だったからだ。
Eでなかっただけ両手で万歳して峰田くんの家の前でも発狂してもいいのだが、どうにもそういう訳にはかず。せめてCまでには押し上げたいとの事。最悪実技でぶっちぎれば……という考えもあるのだが、ペーパーで足を引っ張ってしまえば終わり。
色々と考えて、最後の手段……とも呼べなくない藁にも縋る思いでパイセンを頼ることにした。
しかし思っていたよりも普通で、どちらかと言うとダメ出しが多く違う意味で安心と恐怖を感じて忙しない。
「ふぅー、美味しかった。それで? テストみせてよ」
「……っス」
学校のテストや前回の模試を渡す。
死ぬほど勉強してようやく平均60点である。半年間死ぬ気で勉強したが、それでも届くのはここまでだった。
峰田またまは俺から戦闘技術を盗んでいって、成績も申し分無しで実技も問題ないというボーダーラインを超えて行った。
己大仏野郎、俺のことを踏み台にしていきやがった。
「…ここ、ケアレスミスだね。それとここの問題は基礎ができてないのにどうして応用の方はできたの?」
「……なんででしょうね」
「中途半端に覚えてるからだよ、まずは解き方を覚えるのが大事だね。それと……社会は暗記が物をいうから自分で頑張って!」
「覚え方とかは……」
「ないよ! 全部覚えるの!」
清々しい顔で死刑宣告をしてくるパイセン。マジパネェっす。
パイセンもインターンで疲れているのだが、家庭教師のようなことをしてもらい肩身の狭い思いをしたがジャン負けでジュース勝ってくるとパイセンが言い出し、俺が勝ってしまった。
もうむくれることなくパイセンは自販機へいって、俺はペンを休める。
「…………いや、どこのラブコメだよ!!」
あまりの病まなささに、どこのご近所美人お姉さんだよ! と本気で思い枕に叫び声を出した。
ーーーーー
10月。
山場の夏休みを超えて、冬を目の前にした季節。
受験の山場は夏休みと冬休みと言われており、その休み期間に何をするかで志望校が〜〜っと意識高めの担任教師が言っていた。
峰田に「あれが学歴コンプレックスを招くんだぜ」って言ってやったら、その担任教師は名簿を取り出し何かを書いていたが……うん、気にしない。
「なぁジンジャエールくんよ」
「…もう原型留めてねぇじゃねぇーか」
峰田くんからブドウくん、ブドウくんからファンタグレープ、ファンタグレープから炭酸水、炭酸水からジンジャエール。
随分と回り道をしたが、まだ出会って半年。もし同じ高校になったなら呼び方の原型からどれだけ乖離しているのかも楽しみになる。
「これは友達の話なんだが」
「んだよそれ、オイラの話かよ」
「いや、違うよ。友達の話だよ」
「お前オイラ以外に友達居んのかよ」
「………」
「ところで峰田くん、これはネッ友の話なんだけど」
「…お前ゲーム持ってねぇだろ? 波動パイセンに没収されたって言ってなかったか?」
なるほど、峰田くんは会話にすら入らせてくれないようだ。
さすがチン毛の形ももぎもぎくんだ、性根が腐ってやがる。
「これは俺の話なんだが」
「だろーな、それで?」
なんだろう、このドヤ顔。凄く殴ってやりたい。
キャラデザ的にローキックしか当たらないから面倒臭い。初期の激闘忍者対戦の赤丸に攻撃できるのは蹴り技を使うシカマルだけの時くらい面倒くさい。
「パイセンの誕生日が近いです」
「……へー、で?」
「家庭教師として勉強を見てもらってる訳ですよ」
「…知ってる」
「のでやはり何か誕プレ的なものを渡すのが義理だと思うんですよ」
「…一理ある」
「何がいいと思う?」
「…………鞘無さぁ、それをオイラに聞いてどうすんだよ? なに? 嫌味? 女へのプレゼントとか渡す機会すら恵まれなかったオイラへの当て付けなの?」
「いや、これは…頼るのが………お前しかいないんだよ」
「なんでそんな残念そうにこっち見て言うんだよ、オイラだって残念だよ。………帰る」
「ちょちょちょ! 待ちなさいや峰田くん。これは君のためでもあるんだぞ」
「……聞くだけ聞こう」
「ヒーローになった後のモテモテ峰田くんの為の予習だ、いきなり本番はキツイだろ! 初めての彼女でチョメチョメするより、一旦風俗で練習を挟む的な!」
「例えが生々しいんだよ! お前ホントに中3か!!」
周りからの「風俗!」みたいな目線のせいで峰田くんはマジで帰っていった。おのれ峰田、最近必殺「逃げる」を覚えやがって。
これじゃあ本当にどうすることも出来ねぇじゃねぇか。
いや、もう考える必要なくね?
最近お淑やかな感じになって、ちょっとキュンキュンしない訳じゃないが、所詮化けの皮を剥がせば病み気味のやべぇ奴。
そうそう、ここはうまい棒詰め合わせくらいを渡すのが無難。
…………とはいかんよな。
ぶっちゃけかーちゃんに知られれば、マジで詰む。
「お前、勉強も教えて貰ってるのに誕プレがうまい棒? なにそれ舐めてんの?」みたいなことになる未来が見える。
無難に服? アクセサリー?
やばい? 重い? こういうのマジで訳分からんのだけど。これが峰田くんならゴム1箱で済んだのに。
というかゴムは既に買っている。
まさかパイセンの誕生日の2日後だったとは……。
………アクセサリーは…重いよな。それはやめよう。
なら服…とかか? 帽子とか…。
あれ? 帽子って頭のサイズとかいるのか? てか服ならサイズって必要だよな…。
いや、知らん。
靴もサイズいるじゃん。
いや、知らん!!
……こういうのって買ってから駄目だった時の気まずさは異常だよな。
ここは聞いて…。
ほら、あれだ。
聞くはいっときの恥、とかいうやつだ。
……そうだよな? 俺の勘違いとかじゃないのよな?
………いや! なんか恥ずいわ!!
いやなんで俺こんなに悩まんといかんの!? 普通に目に付いたの買って渡せばいいじゃん!
……そう! そろそろ冬だし防寒具的なのを渡せばいいじゃん!
手袋…はサイズあるか。ジャストフィットするのの方がいいよな。最近ならスマホとか触れるやつの方が好まれるし。
なら───。
ーーーーー
「「最初はグー」」
「「じゃんけんホイ!」」
「あれ? また負けた。なんで勝てないんだろー、不思議ー」
「ほらあれだよ! 日頃の行い的な」
「それなら教えてあげてるから私の方が積んでるのになー」
「…グッ!」
敵の急所をいとも容易く打ち込むその手腕。
さすが雄英生! そこに痺れる憧れる!!
「でも不思議だよね、どうしてジャンケン勝てないんだろ?」
「ほら、俺ジャンケン最強だし」
「へー、そんなこともあるんだねー」
最近始まった家庭教師のパイセンさんの休憩で、毎度恒例じゃんけん自販機である。近くの自販機にベプシを買いに行くという物だ。
もちろん割り勘で、ジャンケンで決めているのはどっちが買いに行くかということだけ。
今のところ22戦22勝という、チートのような数字を出しているが不正は一切ない。ハンターハンターのじゃんけんスキルなど俺にはない。
そんな訳でパイセンに買いに行かせている間に、押し入れから買っておいたマフラーを取り出します。
なんかソワソワするけど、そんな雰囲気になるからダメであって意識しては行けません。なぜならパイセンだからです。
幼稚園児をそのままおっきくした、どこのご都合だとでも言える設定です。屈してはいけません。
それから帰ってきたパイセンに無事渡すことが出来ました?
え? 甘々空間が欲しかったって?
峰田くんのゴムが発見されるのはフラグじゃなかったのかって?
残念! そんなヘマはもうしません!
この半年間でおツムも良くなったんです! それくらいの事はできるようになりました!!
その後、ネットニュースでパイセンを目にした時、何故かヒーロースーツの上からマフラーを巻いてる姿を見てしまったのですが。
パツパツスーツにマフラーって、どこに需要があんの? コートにしとけば良かった? と本気で悩まされました。
あ、峰田くんへの誕生日プレゼントについてですが朝一番から峰田くんの教室の机の上に置いておき、生徒指導室へ連行されたとだけ記載しておきます。
ちゃんとした伏線回にしようと思ったら、なんかギャグ締めしてしまった。………呪いか?