Angelbeats!-新しい生命-   作:ミツバチ

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『天王学院』

・晶達が入学することになった高等学校。

・中学と高校が同じ敷地内にあるため都会の中に建ちながらもかなりの面積を誇る。

・歴史が永く改築前の校舎が所々に残っている。

・学校は寮制で男女別の二人部屋となっている。
 さらに、『親睦を深める』という目的で高校生と中学生の部屋が同じ寮舎にある。

・校舎内の構造は少し特殊で職員室が二階にあり、地下二階合計五階に渡って教室が広がって    いる。
 敷地の中心には自然豊かな中庭があり、生徒達の憩いの場所になっている。



episode 2
始まりの朝


【音無said】

 

音無「ふぁー……」

 

今日から新しい高校での寮生活が始まる。

 

この家には休みにしか戻らないし、しっかり戸締りしないとな。

 

冷蔵庫なんかは部屋に備え付けてあるらしい。

 

無駄にハイテクである。

 

持っていく物は着替えとケータイとゲーム機とノーパソと…

 

初音「学校生活にそんなの必要ないよ!?」

 

どうやら初音が起こしにきたようだ。

 

いつもは俺が起こすのだが、今日は登校初日なので早起きしたらしい。

 

朝が弱い初音にとってはかなりきつそうだ、若干足元がふらついている。

 

音無「いや~だってずっと医者の勉強ばかりしてたから、高校ぐらい楽しまないとな~と…」

 

初音「だからってゲーム機はいらないと思うよ…」

 

妹のもっともな言い分を無視して、登校の準備を進めるひどい兄がいた。

 

驚くことに俺である。

 

初音「もうお兄ちゃんたら…朝御飯できてるから早く降りてきてね。」

 

音無「ああ、分かった。」

 

────────────────────────

 

準備を終えた俺はリビングに降りていく。

 

今日の朝食は初音が作ってくれたようだ。

 

初音「久しぶりに作ってみたけど、美味しくできてるかな?」

 

ちなみにメニューはパンにスクランブルエッグ、ポテトサラダにベーコンだ。

 

これだけの食事を、朝が弱い初音が用意できただけで凄いが味も中々いける。

 

音無「ああ、とても美味しいよ」

 

初音「本当!?よかった~……」

 

いや、やっぱり妹の笑顔って最強じゃね、とどこぞの誰かに言い訳まがいのシスコン証明をする兄がいた。

 

俺だった。

 

─────────────────────────

 

初音が作ってくれた朝食を食べた俺と初音は学校へと向かうため家を出ようとした。

 

すると。

 

ガチャッ

 

立華「おはよう、結弦。」

 

音無「あ、おはよ奏。」

 

隣に引っ越してきた奏もちょうど家から出てきた。

 

初音「え~とお兄ちゃん…この人がこの前言ってたお隣さん?」

 

音無「ああ、立華っていうんだ」

 

立華「どうも…立華奏です。」

 

初音「こちらこそどうも…私の名前は音無初音です」

 

立華「……妹?」

 

音無「ああ。」

 

立華「そう……」

 

初音「…」

 

音無「とりあえず歩こうぜ?」

 

立華「ええ。」

 

学校へと歩き出す、高校生2人と中学生1人。

 

だが。

 

(何なんですかこの雰囲気は!!何故か奏は顔がちょっと赤いし、初音はむすっとしてるし!!)

 

ゆり「ちょっと!!なに3人で土偶よろしく華麗に無視ってくれてるのよ!!」

 

音無「あ…ああ、ゆりか…」

 

初音「ゆりさん、おはようございます。」

 

どうやら場の雰囲気に呑まれて、声に気付かなかったらしい。

 

ゆり「おはよ、初音ちゃん!奏ちゃんもおはよ!」

 

奏「…おはよう、ゆり。」

 

音無「…ていうかお前奏のこと知ってたのか?」

 

ゆり「ええ!あなた達の情報は全て調べてあるわ!」

 

音無「まぁ…今更驚いたりしないがな。」

 

ゆりに限って常識なんてもんは通用しない。

 

てか、考える方が馬鹿らしい。

 

ゆり「さて、そろそろ行きましょうか!」

 

音無「お、ゆりにしては張り切ってるな。」

 

いつものゆりなら入学式なんて普通にぶっちぎって遊ぶわよ、とか言いそうなんだが…

 

ゆり「何言ってるのよ!入学式であなた達が考えたパフォーマンスをやって貰うのよ!

   どんなアイデアを出してくるのか、期待してるわ!!」

 

今の今まで忘れていた。

 

音無「それより、ゆりの方はちゃんと準備できてるんだろうな」

 

ゆり「まっかせなさい!!皆が絶対喜ぶアイデアを考えてあるわ!」

 

と言っときながら面倒くさいとかで自分だけやらないことが多いからな…信用できない。

 

初音「お兄ちゃんまたなんかするの?」

 

音無「してるんじゃない、させられてるんだ。」

 

?「そうです、崇高なる音無さんがそんなことするはずがありません。」

 

ゆり「久しぶりね、直井君!」

 

直井「うるさい黙れ愚民、神たる私に話し掛けるな。もちろん音無さんは崇高なる人間ですが。」

 

この、いかにも自意識過剰な奴は直井文人、中学校からの友達だ。

 

こんな性格なのでヤンキーに絡まれてしまい、そこを俺が助けてやった。

 

そしたら何故か付きまとわれるようになってしまった。

 

そして俺を追って、こうしてわざわざ遠い所から引っ越してきたというわけだ。

 

日向「相っ変わらずの音無信者だな、直井は。」

 

?「全くですね♪」

 

音無「よう日向にユイ。」

 

日向「オッス!」

 

ユイ「音無先輩おはようございまっす♪」

 

こいつはユイ。

 

初音と同じ病院に入院していたため仲良くなった。

 

小さい頃、交通事故に合い何年も寝たきりだったが日向のお陰で今では自由に走り回れるまで回復

した。

 

一緒にきたことからも分かる通り日向とユイは恋人同志だ。

 

まぁ、恋人同志な割に喧嘩ばかりしているがな。

 

直井「うるさいバカが二人増えたか。」

 

ユ・日『誰がバカじゃー!!』

 

直井「貴様らに決まっている、そんなこともわからないのか。これだから愚民は…」

 

日向「てめぇはまずその自意識過剰を直せ!!」

 

ゆり「どっちもバカね。」

 

音無「だな。」

 

ユイ「ですね♪」

 

ユイよ…お前もそのバカの中に入ってるんだぞ。

 

そうこうしているうちに学校に着いてしまった。

 

やっぱり皆と話してると早く感じるな……家出てから一時間以上たっているが。

 

普通なら15分で着くはずなんだがなぁ…

 

そうして、クラス分けを見た瞬間さらに驚くことになる。

 

─────────────────────────

 

【晶said】

 

晶「う~ん…」

 

今日から登校なので早めに起きた、のだがさすがに早く起きすぎた。

 

只今、朝の4時である。

 

登校にはかなり時間があるが、朝食を作っても時間が余ってしまう。

 

晶「う~ん…早く行って校内を見てみるか。この前は結局見て回れなかったし…」

 

そうと決まればさっさと朝食作って出るか。

 

学校は家から10分の距離にある。

 

近いのはいいのだが溜まり場になりそうなのが悩み事だ。

 

岩沢「あれ?晶、おはよう。」

 

晶「あ、岩沢。おはよう。」

 

校門前で岩沢と遭遇。

 

猛獣じゃないので逃げたりはしない。

 

岩沢「なんでここにいるんだ?まだ5時半だぞ。」

 

晶「この前見学に来たら誰かさんに蹴られ、その後もなんか色々あって結局見れなかったからな。

  一通り見にきたんだよ。」

 

岩沢「あはは…なんかすまん……」

 

晶「いいよ、気にしてないし。そういう岩沢は…って聞くまでもなく朝練だな。」

 

岩沢の肩にはギターが入ったケースが掛かっていた。

 

岩沢「まだ入学前だが、特別に使わせてもらえることになったんだ。」

 

晶「へぇ…なんか悪いな、無理なお願いしちゃって。」

 

岩沢「別にお前達のためだけじゃないさ。

   私達も好きだからやってるんだ、晶が負い目を感じる必要はない。」

 

晶「そうか…ありがとな、岩沢。」

 

岩沢「ああ。」

 

岩沢「そうだ、晶。よかったら朝練見にこないか?」

 

晶「俺なんかが邪魔してもいいのか?」

 

ひさ子「私は大歓迎だ!」

 

晶「ひ、ひさ子。いつの間に…」

 

ひさ子「ははは!」

 

校舎内でひさこと遭遇。

 

これこそ猛獣である。

 

逃げないけど。

 

ひさこ「今何か変なこと考えなかったか?」

 

晶「いや、なにも。」

 

ひさこ「ならいいんだが……」

 

無駄に直感がいい猛獣である。

 

岩沢「ははは……まぁ、それはさておき…演奏を誰かに聴いてもらった方が上達するんだ。

自分達じゃ気付かないところも、聴いてもらっている人なら分かるかもしれないしな。」

 

ひさ子「そういう意味でも観客が必要なんだよ。」

 

まぁ、確かにそれはあるな。

 

以前、バンドを組んでいたからその重要性は知ってるし。

 

晶「それじゃ見ていくか。」

 

岩沢「さすが晶、話が早い!」

 

関根「へぇ~晶さん、練習見にくるんだ。それじゃ練習頑張らないとね、みゆきち!」

 

晶「関根、入江も…いつの間に……」

 

入江「な、なんで私に聞くのかな?」

 

軽く無視されました……

 

関根「(練習でいいとこ見せればみゆきちに惚れるかもよ?)」

 

入江「が、頑張ります!!」

 

おお…なんか入江がやる気だ。

 

ひさ子「んじゃ、入江もやる気みたいだし始めるか!」

 

岩沢「そうだな!」

 

岩沢がすでに準備してあったギターを持つ。

 

ひさ子や関根もスタンバイしていくので、俺は椅子を一つ用意して適当な場所に座った。

 

岩沢「それじゃ、曲はCrow Songだ。」

 

岩沢の言葉を合図にCrow Songが始まった。

 

「♪背後にはシャッターの壁、指先は鉄の匂い…♪」

 

やっぱり何度聴いてもすげぇな…

 

岩沢の歌とギターはもちろんのこと、ひさ子のギターや関根のベース、入江のドラムもかなりレベルが高い。

 

─────────────────────────

 

岩沢「……どうだった?」

 

曲が終わり、岩沢が感想を求めてきた。

 

晶「相変わらずレベルが高いな」

 

岩沢「ふふふっ、ありがと。」

 

晶「はっきり言って指摘する部分はないな…と言いたいところなんだが、関根。」

 

関根「ふぇ!?」

 

いきなり名指しされて関根が驚く

 

晶「お前…Aメロの最後、アドリブ入れただろ?」

 

関根「なぜ分かった!?」

 

晶「音がちぐはぐだし、何より岩沢とひさ子が現在進行形でお前を睨んでるからだ。」

 

後ろに般若がいた。

 

怒り爆発寸前☆

 

関根「いや~……あはははは!!……すいません……」

 

笑ってごまかそうとしたが二人の眼力に完敗。

 

最後は涙目でした。

 

晶「まあ、それは別にしてもお前の演奏はまだまだ改善の余地がある。」

 

関根「ふぇ!?」

 

さっきから、関根が驚いてばっかだ。

 

少し落ち着け…

 

晶「いいか?まずこの部分だけど…」

 

─────────────────────────

 

晶「……まぁ、こんな感じだな」

 

関根「成る程、そうだったんですか…」

 

一通り説明してやると関根はうんうん頷く。

 

入江「しょ、晶先輩凄いです!!」

 

入江が純粋に羨望の眼差しでこっち見ている。

 

恥ずかしいからやめてほしい。

 

岩沢「…ていうか、晶ってベース弾けたんだな。」

 

晶「ああ。」

 

ひさ子「他にも弾ける楽器ってあるのか?」

 

晶「大体の楽器は弾けるけど、一番得意なのはギターだな。」

 

組んでたバンドでもギター担当だったしな…

 

関根「へぇ…それじゃ弾いてみてくださいよ~♪」

 

晶「え?」

 

ひさ子「そりゃいいな。どれくらいの腕前か見てみたいし。」

 

晶「…分かったよ。それじゃひさ子、お前のギター貸してくれ。」

 

ひさ子「ああ、ほれ。ピックはこれを使ってくれ。」

 

という訳で何故か皆の前でギターの腕前を披露することになってしまった。

 

別にかまわないが、聴くのがガルデモとなるとやっぱり緊張する。

 

晶「曲は何を弾けばいいんだ?」

 

岩沢「何か弾ける曲、あるか?」

 

晶「バンド組んでた時の曲ならあるけど…。」

 

入江「え、晶先輩ってバンド組んでたんですか?」

 

晶「ああ、中学の時にな。こっちに戻ってくることになって解散しちゃったけど…」

 

関根「へぇ~…てことは元々はこの辺りの出身なんですか?」

 

晶「ああ。そんじゃ、始めるぞ。」

 

俺はバンドで一番好きだった曲を弾き始めた。

 

正直なところ解散してからかなり経ってるからあまり自信はないが、出来る限りやってみよう。

 

─────────────────────────

 

晶「……どうだった?」

 

曲を弾き終わった俺は皆に感想を聞いた。

 

まあ、余りよかったとは言い難いが出来る限りの努力は尽くした。

 

関根「どうもなにも…」

 

(やっぱり、あまりよくなかったかな……)

 

そう思っていた俺は次の言葉に驚いた。

 

入江「す、凄いです晶先輩!!」

 

晶「え?」

 

ひさ子「ああ!私はともかく岩沢よりうまいかもしれない…」

 

晶「え?え?」

 

岩沢「いや、絶対私よりうまいよ!技術なんかも含めて私なんかよりも数段上だ。」

 

なんか予想以上に評価がいいみたいだ。

 

てか。

 

晶「いやいやいや!岩沢の方が絶対うまいって!」

 

岩沢「いや、絶対晶の方がうまいな。」

 

晶「いや、岩沢の方が…」

 

岩沢「いや、晶の方が…」

 

晶「岩沢の方が…」

 

岩沢「晶の方が…」

 

ひさ子「いい加減やめろー!!」

 

晶・岩『す、すまん…』

 

五月蝿くしすぎたか?

 

ひさ子「ったく…ここにもギタリストがいるつうのに…」

 

晶・岩『そっち!?』

 

五月蝿くて怒っていると思ったが、そうではなかった。

 

ただ単に対抗意識を燃やしただけらしい。

 

晶「それよりそろそろ時間だぞ」

 

岩沢「…そうだな。それじゃ、練習はここまでにしてクラス分け見に行くか。」

 

ひさ子「おい!話はまだ終わって…」

 

関根「そうですね、行きますか」

 

ひさ子「お、おい!お前等…」

 

入江「ひさ子先輩も早く行きましょうよ~。」

 

ひさ子「ぐっ…ああ、もう!分かったよ!!」

 

ついにひさ子が折れた。

 

これで危機は去っ…

 

ひさ子「後できっちり話し合おうな、晶。」

 

ていなかった。

 

─────────────────────────

 

そんなこんなで、クラス分けが掲示してあるボードの前に来たのだが。

 

晶「これは…」

 

岩沢「なんというか…」

 

ひさ子「イベント前の会場前列みたいだな…」

 

関・入『確かに…』

 

俺達の前にはクラス分けを見るために集まった生徒が、これでもかというほどひしめきあっていた。

 

てか、これ絶対関係ない奴らも混ざってんだろ!!

 

私服の奴もいるし、どう見ても買い物中のおばさんにしか見えないひともいるし、挙げ句の果てにメイドさんまでいるし!!

 

この学校に異世界人まで紛れ込んでなきゃいいが……

 

入江「ど、どうしましょうか?」

 

岩沢「どうもなにも…」

 

ひさ子「空くまで待つしかないだろ…」

 

関根「ど、どれくらいですか?」

 

岩沢「これだけの人がいるんだ、少なくても20分はかかるんじゃないか?」

 

関根「私に死ねとおっしゃいますか……」

 

晶「そんなに悲嘆しなくてもいいぞ、関根。その辺はちゃんと手を討ってある。」

 

関根「え!?ホントですか!?」

 

晶「ああ。もう少ししたら来るだろう…、あ、いた。遊佐!」

 

俺が呼び掛けると人混みの中から遊佐がこちらに向かって歩いてきた。

 

遊佐「おはようございます、晶さん。皆さんも。」

 

晶「ああ、おはよう遊佐。悪いな、こんな人混みの中クラスの確認頼んじゃって。」

 

遊佐「いえ…晶さんの頼みならいつだって…」

 

晶「お~い、遊佐?」

 

遊佐「いえ、なんでもありません…」

 

なんか遊佐の顔が真っ赤なのだが大丈夫だろうか。

 

体には気を付けなければ。

 

晶「それより、クラス分けどうだった?」

 

遊佐「その事なんですが…学年が違う関根さんと入江さん以外全員A組です。

   そして、関根さんと入江さんは同じC組でした。」

 

岩沢「へぇ…それじゃ一年間よろしく。」

 

晶・ひ『ああ。』

遊佐「はい。」

 

入江「また同じ組だね!一年間よろしくねしおりちゃん!」

 

関根「こっちこそ、よろしくねみゆきち!」

 

と。

 

ブルルルルルル……ブルルルルルル……

 

メールが来た。

 

差出人は、

 

晶「姫野から?」

 

『前略』から始まり『草々不一』で終わる文章を送ってくる奴を俺は一人しか知らない。

 

内容を要約すると俺のクラスはA組でみんなも同じクラスとのこと。

 

わざわざ頼んでないのに、混むことを予想して送ってきてくれたのだ。

 

とことん律儀なお人である。

 

ありがたや~。

 

ただ。

 

晶「それだけ言うのに50行も使うなよ!!」

 

完璧なんだがどこか抜けている、これが所謂天然なんだろうか。

 

遊佐「あの、晶さん…」

 

晶「ん?どうした、遊佐?クラス分けで何処か変なところでもあったか?」

 

遊佐「はい…私達以外のクラスメイトのほとんどがSSSのメンバーで占められています。

   おそらく、ゆりっぺさんの仕業かと。」

 

晶「…やっぱりな。」

 

予想していたことがそのまんま現実になってやがりました。

 

中学で俺、音無、日向、ゆりの四人は三年間ずっと同じクラスだったからまさかとは思っていた

が、転向先の学校でも裏で色々やったらしい。

 

ちなみに、小学校でもSSSのメンバーは六年間同じクラスだった。

 

岩沢「なぁ、SSSってなんだ? 」

 

晶「SSSってのは、小学校の頃によく遊んだ奴等を集めて作った…まぁ、いわばただの仲良しの

  集まりだ。」

 

遊佐「やっていることはただの迷惑行為ですが。」

 

晶「適切なツッコミありがとう。」

 

これ以上ないほどぴったりな言葉である。

 

岩沢「結局何をしているんだ?」

 

晶「休みの日に海に行ったり、スキーしたり…」

 

遊佐「授業さぼったり、運動会で賭け事したり、文化祭の収入を巻き上げたりとやりたい放題

   です。」

 

入江「授業さぼるのはダメだと思いますよ。」

 

岩沢「ま、巻き上げるって…」

 

ひさ子「なんか楽しそうだな!」

 

晶「聞いてるだけならな…」

 

そんな事を話してる内に俺達のクラスに着いた。

 

晶「おはよう。」

 

遊佐「おはようございます。」

 

音無「おはよう、晶。久しぶりだな、遊佐。」

 

日向「おはよう!」

 

クラスに入ると音無と日向がやってきた。

 

晶「なぁ、これってやっぱり…」

 

ゆり「私が細工したのよ!!」

 

聞いてもないのに、勝手に暴露。

 

相変わらずの自由人っぷりである。

 

晶「やっぱりな…」

 

ゆり「まぁ、やったのは竹山君だけどね♪」

 

音無「いつもの事だから、今更驚かないが…」

 

晶「お前は少しぐらいまともな事ができないのか?」

 

ゆり「細かいことは気にしない気にしない!!」

 

日向「ダメだこりゃ…」

 

晶「それこそ今更だろ。」

 

ゆり「それよりそちらさんは?」

 

晶「ああ…」

 

岩沢「私は岩沢だ。よろしく!」

 

ひさ子「私はひさ子だ!」

 

晶「二人に加えて関根と入江の二人でバンドを組んでる。

  ガルデモって知ってるだろ?そのメンバーがこの四人だ。」

 

日向「そんじゃ俺達って今、超有名人と知り合いってことだよな!?」

 

ゆり「何言ってるのよ!私達、小学校の同級生なのよ?」

 

日向「ま、マジっすか!?」

 

岩沢「まぁ…仕方ないかもな…」

 

晶「クラス違ってたからな。」

 

ひさ子「私は一回、お前と一緒のクラスになったことがあるはずだけど…」

 

日向「まったく覚えてねぇ…」

 

さすがバカだ。

 

ゆり「とりあえず、彼女達四人もSSSに入って貰うわ!いいわよね?」

 

岩沢「あぁ…かまわないよ」

 

ひさ子「私もいいぜ!」

 

晶「関根と入江はどうする?」

 

ゆり「あの二人にはユイが説明してくれるはずよ!」

 

音無「それって大丈夫なのか?」

 

晶「限りなく人選ミスな気がするんだが?」

 

ゆり「大丈夫、大丈夫!私の目に狂いはないわ!!」

 

日向「ゆりっぺ今日はコンタクトがずれてるみたいだね?」

 

ゆり「さて、そろそろ時間よ!自分の席を確認してきなさい!!」

 

日向「軽~く、無視ですか…」

 

音無「諦めろ、日向…」

 

岩沢「ははは…」

 

日向「ゆりの自己中は一生治りそうにないな…」

 

?「はははっ!相変わらずの悪女っぷりだな!」

 

?「貴様等、それはゆりっぺに対する侮辱か?」

 

いつの間にか、日向の横に藤巻と野田がいた。

 

二人とも長ドスとハルバートという問題ありまくりの代物を持っている。

 

ちなみにハルバートの切っ先は日向と藤巻と音無、そして何故か俺に向けられていた。

 

晶「はぁ…また騒がしくなりそうだ…」

 

すでに修羅場になりつつある三人を横目に俺は周りを見渡した。

 

すると『長谷川 晶』と書かれた紙が貼ってある机を見つける。

 

晶「…あれ、何?」

 

?「晶さんの席です。」

 

答えたのは上半身裸で筋トレ真っ最中の高松だった。

 

何故、裸?

 

それより、席を予約してくれたのは有難いが、もうちょい上手いやり方はなかったのだろうか。

 

席順を紙に書いて黒板に貼り出すとか…

 

姫野「確かにね。さすがは仲村さん。」

 

晶「そんなことで感心したくはない。」

 

窓側の席の隣は一つしかないのでいちいち左右の確認はしないが、俺の隣に座って読書中だったのは何を隠そう才色兼備、完璧超人の姫野 桜、その人であった。

 

晶「それよりメールありがとな。」

 

姫野「どういたしまして、と言いたいところだけれど結局必要なかったみたいだね。」

 

晶「ああ。俺が遊佐に頼んであったからな。」

 

姫野「遊佐さん、昔から得意だもんね、こういうの。」

 

晶「…みたいだな。」

 

今更感が強いがとりあえず言っておくと、昔は遊佐の方が飛び抜けて異常だった。

 

常に何処にいるかわからない、影の住人。

 

そんなあだ名が付いていた。

 

そこからどうなったかはご想像にお任せしよう。

 

語らぬが花、沈黙は金である。

 

?「君達の席はそこなの?」

 

そんな話をしていると大山が話し掛けてきた。

 

晶「ああ。お前は……まぁ、なんというか…ドンマイ…」

 

大山の指を指した方向を見て、同情した。

 

大山の席は教卓の前であるだけでなく、隣の席は可愛そうなことに野田という紙が貼ってあった。

 

姫野もなんとなく事情が分かったらしく、苦笑いしている。

 

しばらくすると教室のドアが開き、おそらく担任の教師と思われる一人の男性が入ってきた。

 

「よーし、今から始業式始まるから全員名前順に廊下に並べ。」

 

入ってきた途端、担任らしき男性はそう言った。

 

自己紹介やらは完全に後回しらしい。

 

「早く早く!俺が遅刻したせいで時間がないんだよ!」

 

全員『教師の威厳が皆無!!?』

 

どうやら、ただ単に時間がなかったようだ。

 

担任の遅刻のせいで。

 

ゆり「さーて、楽しみにしてるわよ三人とも!」

 

日向「ゆりっぺもな!」

 

藤巻「お、またなんかやるのか?期待してるぜ!」

 

音無「期待なんかするな。」

 

?「あさはかなり。」

 

さっきまで教室の端でたたずんでいた椎名が日向の背後に立っていた。

 

日向「こいつはホントに何処から出てくるんだ。」

 

晶「初めから居たぞ?」

 

日向「…お前も大概スゲェよな」

 

椎名「あさはかなり…」

 

─────────────────────────

 

場所は変わり、体育館で入学式が始まった。

 

「桜の舞う季節になり………」

 

学院長の話も終わり、生徒会長の挨拶が始まったところである。

 

ここの学院長はかなり気さくなおばあさんで、15分という長話でありながら、皆笑いっぱなし

だった。

 

(さて、そろそろか…)

 

生徒会長の挨拶は始業式の最後、つまりこれが終われば俺と音無が頼んだガルデモの演奏だ。

 

ガルデモの演奏についてはちゃんと学院長の許可をとってあるが、まだ生徒には内緒にしてある。

 

正真正銘のゲリラライブというわけだ。

 

晶「(岩沢、ひさ子。)」

 

岩沢「(お、そろそろか?)」

 

ひさ子「(いっちょやるか!)」

 

晶「(関根と入江の方は?)」

 

岩沢「(遊佐が知らせに行ったよ)」

 

晶「(そっか…よし!)」

 

かかっている暗幕の裏に全員集合し、楽器の準備もできた。

 

晶「そんじゃ、たのむぜ!」

 

岩沢「ああ!」

 

関根「まっかせなさい!」

 

入江「が、頑張ります!」

 

ひさ子「まあ見てなって!」

 

「これで始業式を終わります。ですが最後に皆さんにプレゼントがあります。」

 

学院長から合図が出た。

 

岩沢「やるぞ、みんな!」

 

みんな『おおぉ!!!』

 

暗幕が開いて四人が壇上に現れたとたん大歓声が起こった。

 

岩沢「私達からの入学祝いだ!楽しんでくれ!!」

 

そして初めの曲Crow Songが始まった。




岩沢さんLOVEの人すいません(><*)
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