Angelbeats!-新しい生命-   作:ミツバチ

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部屋割り……………ハーレムですか?

入学式も終わり、初日の授業はこれでおわりだ。

 

後は部屋に行くだけなのだが……

 

ゆり・日向「…………………」

 

晶「ゆりあんま睨むな。そして日向は気持ち悪い。」

 

始業式が終わってからずっとゆりと日向の機嫌が悪い。無理もないがな。

 

ガルデモの演奏が終わった後、ゆりと日向が(正確にはSSSの男子メンバー)が変な衣装を纏い壇上に登場、だが案の定、学院長に許可をとっておらず(てか、されても困るけど)取り押さえられ、そしてゆりを助けようとした野田がハルバートなんか持っていたせいもあり、今の今まで反省文を書かされていたのだ。

 

ゆり「せっかく、面白いこと考えたのにこれじゃ意味ないじゃない!」

 

音無「それはお前の自業自得だ。」

 

晶「ま、とりあえずバツゲームはお前等で決定だな。」

 

ゆり「分かってるわよ!やればいいんでしょ、やれば!」

 

日向「ちょっと待て!なんで音無が入ってないんだ!?」

 

そういや、こいつには言ってなかったけ……

 

晶「音無は俺との二重契約なんだよ。」

 

日向「そ、そんなのありなのかよ、ゆりっぺ!?」

 

ゆり「私が了承したのよ……」

 

音無「そんなわけだから、諦めろ日向。」

 

日向「くそ…!!」

 

ま、了承させるまでに色々と脚色を使ったがそれは秘密だ。

 

晶「さて、さっさと部屋に……」

 

ゆり「待って長谷川君。」

 

晶「なんだ?」

 

ゆり「みんな、ちょっとついてきてちょうだい。」

 

日向「どこ行くんだよ?」

 

ゆり「つべこべ言わずついてきなさい、日向君!!」

 

―――――――――――――

 

ゆり「着いたわ、ここよ!」

 

岩沢「学院長室?」

 

俺達が連行、もとい連れてこられたのはどうやら旧学院長室のようだ。

 

旧と言っても設備はしっかりしていた。

 

さすが、県内でトップ3に入るデカさを誇る学校なだけはある。

 

藤巻「で、こんな所に来てどうするんだ、ゆりっぺ?」

 

音無「毎度の事ながら……」

 

晶「嫌な予感しかしないな。」

 

そう、嫌な予感しか……

 

日向「多分、「ここをSSSの作戦本部にするわよ 」とか……ってマジっすか!?」

 

ほら、やっぱり……

 

野田「なんだ貴様、ゆりっぺの決めた事になんか文句でもあるのか?」

 

日向「考えたことそのまんまの発言をされたもんで、心の底から驚いてんだよ!!」

 

姫野「学院の許可はとったの?」

 

ゆり「もちろんとってないわ!!」

 

でしょうね!!

 

大山「ゆりっぺ、そこは威張る所じゃないと思うよ!?」

 

高松「相変わらずですね。」

 

黙れ、露出狂。

 

日向「何故そこで脱ぐ!?」

 

TK「You are crazy…♪」

 

松下「ふむ、確かに。」

 

うどんを食うなうどんを!!てか、どっから出した!?

 

日向「この状況で肉うどん食ってるテメェの方がよっぽどクレイジーだわ!!」

 

ひさ子「はい、国士無双!!」

 

藤巻「なっ!?」

 

大山「つ、強すぎます…」

 

直井「くっ…神たるこの私が負けるなど…!!」

 

何故に麻雀牌と台がある!?

 

日向「オ~イ、そこの四人!何勝手に麻雀やってんのかな!?」

 

直井「うるさい、黙れ愚民!!今、私に話しかけるな!!」

 

日向「お前、何気にはまってるなおい!!」

 

関根「ねぇねぇ、お菓子食べないみゆきち?」

 

入江「うん!食べる!!」

 

ユイ「あ、私にもくださ~い!!」

 

日向「テメェ等は少しぐらいこの状況に疑問を持て!!」

 

晶・音・姫野『はぁ……』

 

三人してため息をついた。

 

見ている者にしか分からないが、この状況かなりカオスである。

 

晶「で、さっきからずっとお前の袖をつかんでるその子は誰なんだ?」

 

教室から気になってはいたけど誰も気づいてないし、『ま、いいか』ぐらいの認識だった。

 

確か名前は立華――

 

姫野「立華 奏 さん。」

 

そう、立華 奏 だ。

 

音無「か、奏!?なんで?」

 

立華「ゆりに呼ばれたの。」

 

音無「ゆりが?」

 

ああ……また、犠牲者が……

 

ゆり「ええ!奏ちゃんにもSSSに入ってもらおうと思ってね。いいわよね、奏ちゃん?」

 

立華「うん。」

 

音無「いいのか、奏?」

 

立華「ええ、楽しそうだから。」

 

晶「楽しいと言うより騒がしいだけだがな。」

 

そして、周りに甚大な人災を巻き起こす、と。

 

ゆり「さて、さっそく部屋決めするわよ♪」

 

晶・音『は?』

 

何言ってんの、こいつ……

 

ゆり「だから、それぞれのルームメイトを決めるのよ。」

 

日向「部屋のメンバーは決まってるはずだろ?」

 

ゆり「そんなこと知らないわよ、部屋割りは私達が決めるわ、男子と女子混合でね!!」

 

全員『な、なにぃぃぃ!!?(ええぇぇぇぇ!!?)』

 

そりゃ、そういう反応になるわな……

 

日向「男子と女子混合……」

 

ひさ子「やな予感しかしないんだが……」

 

野田「ゆりっぺと同室……」

 

晶「また突拍子のないことを……」

 

椎名「あさはかなり……」

 

大山「ホントに便利だよね、その言葉……」

 

椎名「あさはかなり!!」

 

高松「それで、部屋割りはどうやって決めるのですか?」

 

音無「順応速ぇな……」

 

さすがはバカの巣窟。

 

ゆり「遊佐さん、例の物を。」

 

遊佐「わかりました。」

 

音無「ノーコメントですか……」

 

晶「しつこいようだが諦めろ……」

 

姫野「こうなった仲村さんは止められないからね~……」

 

嘆いてる俺たちを尻目に遊佐が備え付けの棚からあるものを取り出した。

 

高松「こ、これは…!!」

 

藤巻「ま、まさか…!!」

 

大山「突拍子な収集の場合の登場率が90%の…!!」

 

松下「くじ引き箱だとぉぉぉ!!」

 

晶「只のなげやり精神の象徴じゃねぇか……」

 

そう、出てきたのはくじが入った箱だった。

 

ゆりが突然の思いつきで皆を収集した時、必ずと言っていい程これが出てくる。

 

何せ思いつきなのだから、しっかりと準備ができているはずがなく結果、投げやりにくじ引きで決めていた。

 

計画性の欠片もない。

 

というか、なんでこんなとこにある!?

 

ゆり「それじゃみんな、くじを引いて!!ちなみに、部屋は5部屋しかないから四人ないし五人

   づつになるわよ!」

 

晶「まぁ、どうにかなるだろ……」

 

───────────────

 

くじ引きの結果、部屋割りはこうなった。

 

101号室 ゆり・野田・高松・竹山

 

102号室 藤巻・大山・ひさ子・松下

 

103号室 日向・ユイ・関根・直井

 

104号室 音無・立華・椎名・TK・岩沢

 

105号室 晶・姫野・入江・遊佐

 

野田「やったぞーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー!!!!!!!!!

   ゆりっぺと同じ部屋だ!!!!!」

 

うるさい。

 

日向「俺の部屋は地獄か!?」

 

だろうね。

 

直井「音無さぁぁん!!くそ!何が好きでこんな奴等なんかと……」

 

逆によかった気がする……

 

高松「長谷川さんが羨ましいですね。」

 

どこが?女子しかいないじゃん。どこに問題があるというのだね?

 

大山「そ、そうだよ!完全にハーレムじゃないか!!」

 

はっきり言われてしまった……

 

はい、お察しの通り自分の部屋の現状から目をそらしたかっただけです。

 

いわゆる現実逃避です。

 

結局、逃避できずに現状に逆戻りとなりました。ちゃんちゃん♪

 

てか、21行前の自分の発言が恨めしい。

 

全然、どうにもなってないじゃん!!むしろ最悪のパターンじゃん!!

 

晶「いや、ハーレムじゃないし。」

 

入・遊『ハ、ハーレム…』

 

晶「オーイ、戻ってこ~い……」

 

姫野「あははは……」

 

姫野さん、あんたも当事者ですよ~……

 

音無「よろしくな、奏。」

 

立華「うん。こちらこそよろしくね、結弦。」

 

あの二人は完全に他人事だな……他人事だけど。

 

ゆり「それじゃ、それぞれの部屋の鍵を渡すわ。鍵は人数分あるから安心しなさい!」

 

晶「当たり前だ。」

 

野田「貴様っ!!何か文句でも……」

 

晶「あぁ、もう何もねぇよ!!」

 

野田「ふん……ならば良い。」

 

晶「はぁ…疲れる……」

 

こうして、初日のゆりっぺの暴走は終わりを告げた……

 

でもこれ前途多難すぎんだろ!!

 

───────────────

 

【104号室】

 

音無「それじゃ、とりあえず荷物片付けたら夕食まで自由行動だな。」

 

椎名「では、私は部屋にいる。何かあったら呼べ……」

 

TK「call me every time…♪」

 

音無「ああ。奏はどうする?」

 

立華「…少しだけお話ししましょう?」

 

音無「あ、ああ…」

 

それから、俺と奏は夕食まで他愛ない会話をして過ごした。

 

途中、「覗くなぁぁぁ!!!」というゆりの叫び声と「俺は洗濯バサミ以下の存在だったのかぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」という日向の悲鳴が聞こえてきたが無視した。

 

馬鹿には関わらない方がいい。

 

───────────────

 

【105号室】

 

晶「105号室…ここだな。」

 

俺はゆりから貰った鍵でドアをあけた。

 

姫野「へぇ~結構広いんだね~。」

 

入江「見てください!景色、凄いですよ!!」

 

晶「確かに、こりゃスゲェな…」

 

窓にかかっていたカーテンを開けてみると、満開の桜が広がっていた。

 

姫野「この館の寮は全て中庭に面してるからね~。」

 

遊佐「へぇ……」

 

入江「綺麗です……」

 

晶「さてと、とりあえず部屋を決めようか。」

 

ウットリ顔で外を眺めてる入江には悪いが。

 

入江「あ…そ、そうですね!!」

 

姫野「どうやって決めるの?」

 

晶「姫野達が先に選びなよ、俺は残った部屋でいいから」

 

遊佐「そ、それでは晶さんに悪いです!!」

 

入江「そ、そうですよ!!」

 

晶「俺のことは気にしなくていいから、好きな部屋を選んでくれ。」

 

遊・入『で、でも…!!』

 

姫野「長谷川君、ホントにいいの?」

 

遊佐と入江の抗議が発せられる前に、姫野が割ってはいる。

 

晶「ああ。」

 

姫野「長谷川君がこう言ってくれてるんだし、ここは好意に甘えましょう?」

 

入江「…わかりました。」

 

遊佐「晶さんがそういうのであれば…」

 

さすがは姫野、こういう場合にも慣れてらっしゃる。

 

おかげで、入江と遊佐もなんとか納得してくれたみたいだ。

 

晶「ありがとな。」

 

姫野「どういたしまして。それじゃ、私はこの部屋を使わせてもらうね。」

 

入江「そ、それじゃ私はここの部屋に……」

 

遊佐「それでは、私はこの部屋ですね。」

 

みんな、各々自分の部屋が決まったみたいだ。

 

晶「…と、なると俺はこの部屋だな。」

 

俺の部屋は廊下側の右に位置する一部屋となった。

 

ちなみに玄関向かって右が俺、左が遊佐、中庭に面した部屋の内左が入江、右が姫野となっている。

 

入江「それじゃあ、私は練習に行きますので……」

 

晶「ああ。頑張れよ!!」

 

入江「は、はい!!」

 

そう言って入江は部屋を出ていった。

 

晶「さてと、どうするかなぁ…」

 

ハッキリ言って暇である。

 

遊佐「それでは、少し手伝っていただけますか?」

 

晶「だから心を読むな。まぁ別に構わないが、何を手伝えばいいんだ?」

 

遊佐「ゆりっぺさんから、無線やデータベースの調整を任されたのですが……」

 

晶「何に使うんだよ、こんなに……。

  いや、それ以前にどっからこんだけの量の無線をもってきたんだ……?」

 

俺の目の前にあるのは部屋の1/3を埋め尽くす無線の山とUSBメモリの箱詰めだった。

 

晶「この段ボールに詰められた大量のメモリはいったい何?」

 

遊佐「これまでのSSSの活動記録だそうです。」

 

晶「へぇ…ゆりの奴、毎回こんなのつけたんだな。」

 

感心感心。

 

遊佐「いえ、つけていたのは竹山さんです。」

 

前言撤回。やっぱりあいつは鬼だ。

 

口に出したりはしないけど。

 

晶「自分でつけろよ……」

 

遊佐「ゆりっぺさんによれば、『めんどくさいから竹山君に託したわ!』とのことです。」

 

晶「押し付けたの間違いじゃないのか……」

 

めんどくさいって言っちゃってるし。

 

相変わらず、興味ないことに関しては完璧に適当である。

 

晶「まぁ…とりあえず無線から1つずつ調整していくか。」

 

遊佐「はい。」

 

───────────────

 

しばらくして、やっと無線の調整が終わった。

 

晶「……少し休むか。」

 

遊佐「そうですね。」

 

晶「オレンジジュースかコーヒーか紅茶、どれがいい?」

 

遊佐「それでは紅茶を。」

 

晶「了解。」

 

今更ながら説明しておくと、この部屋にある飲食物は全てゆりが調達してきたものだ。

 

別にツッコまないが(ツッコむだけ無駄だからである)、飲み物のチョイスの中にコーヒー・紅茶・コーラ・オレンジジュースに加えワインが入っていたのは何故なのだろうか……

 

言わずもがな俺達は未成年だ、まさか店で買ったなんて事はないだろう。

 

全く、毎回どこから仕入れてきているのやら……

 

せめて犯罪行為でないことを願う。

 

アイツが警察に捕まってテレビに取り上げられ、友人Sとして『アイツはいつかやると思ってましたよ。』とか詳言したくはない。

 

いつの世も平和が一番である。

 

遊佐「平和なんてゆりっぺさんには全く通用しないかと。」

 

晶「分かってはいるがそう願わずにはいられねぇんだよ。それといい加減心を読むのをやめろ。」

 

遊佐「いやです。」

 

晶「いや、そこで否定されても困る……」

 

ゆり『覗くなぁぁぁぁ!!!!』

 

遊佐「……」

 

晶「……」

 

遊佐「それよりもこの後ですが…」

 

何事もなかったかのように会話が進む。

 

慣れとは怖いものである。

 

遊佐「幸い明日から休日ですので残りは私一人でも大丈夫です。」

 

晶「そっか、また手が必要なら言えよ。」

 

遊佐「はい、ありがとうございました。」

 

晶「さてと、そろそろ夕食の準備しねぇとなぁ…」

 

無線の調整をしている内にもう5時である。

 

遊佐「晶さんは料理ができるんですね。」

 

晶「ああ。俺の両親は殆ど家にいないから、自分で作ってたんだ。それより夕食、何がいい?」

 

遊佐「晶さんにお任せします。」

 

晶「そっか。それじゃこっちで簡単に作るな?」

 

遊佐「はい。」

 

───────────────

 

【姫野said】

 

部屋のドアを開けて、中に入る。

 

今日から、ここが第二の我が家とになる訳だ。

 

ああ、素晴らしき我が家、というところである。

 

そんな素晴らしき我が家の中で私はしばらく、ぼ~としていた。

 

別に感慨に浸っている訳ではない。

 

何もない、真っ白な空間。

 

中にはベットとクローゼットがあるだけで、ほかには何もなかった。

 

ホントに何も、なかった──────真っ白な私みたいに。

 

私みたい。そんな風に思えてくるとなんだか親近感がわくけれど。

 

わくけれど。

 

姫野「机がないのはちっょとなぁ……」

 

机がないと勉強もできない。

 

明日持ってこようかな……とか考えながら自分の荷物を片付ける。

 

と、言っても私服と教科書しか持ってきていないけれど。

 

これに携帯を加えたのが、私の持っている全てだ。

 

本当にこれだけ、家にも学校にもこれが全部。

 

カバン一つに収まってしまう、持ち運びしやすいことこの上ない私の全て。

 

でも、それは物としてであって、者としてではない。

 

カバン一つじゃ収まらない、言葉じゃ語れない私の全て。

 

と、言ってもこれまたそれほど多いわけではなく。

 

数にしてたった二人の『者』としてのかけがえのない────────私の温もり。

 

私のお母さんとそして─────────長谷川君

 

───────────────

 

【晶said】

 

ガチャ。

 

夕食の献立を考えていると自室から姫野が出てきた。

 

晶「どう?部屋はそこでよかった?」

 

姫野「うん。でも机がないのは少し困ったかな。」

 

あまり困ってないように見えるのは、既に対処が決まっているからだろう。

 

晶「机、運ぶときは手伝うから呼べよ?」

 

(こういうところが長谷川君だなぁ……)

 

姫野「よろしくお願いします。」

 

晶「よろしくお願いされます。」

 

お互いに笑い合った後、夕食の準備に当然のように二人で取り掛かる。

 

こういうところはさすが幼馴染、何も言わなくて手伝ってくれる。

 

ちなみにメニューは材料の関係上、ホワイトシチューとなった。

 

本日の献立も決まったところで、まず下ごしらえに入る。

 

晶「(小麦粉もあるからパンも作るか…それと…)」

 

日向『俺は洗濯バサミ以下の存在だったのかぁぁぁぁ!!』

 

晶「……(また直井に催眠術かけられたな…)」

 

姫野「……(また直井君に催眠術かけられたんだね……)」

 

直井の催眠術のバリエーションが急速に増えている、今日この頃である。

 

───────────────

 

【40分後】

 

晶「……よし、できた。」

 

姫野「こっちも焼けたよ。」

 

パンも焼き上がり、夕食が完成した。

 

後は、入江が帰ってくれば……

 

入江「た、ただいま。」

 

ちょうど入江が帰ってきたようだ。

 

晶「お帰り。」

 

遊佐「お帰りなさい、入江さん。」

 

入江「なんだかいい匂いがします……」

 

晶「夕飯できてるから、冷めない内に食べようか。」

 

入江「えっ、長谷川先輩が作ったんですか?」

 

晶「ああ、俺と姫野でな。ちなみにメニューはホワイトシチューだ。」

 

しばらくして、荷物を置いてきた入江がリビングに揃った。

 

入江「…ホントにこれ、全部晶先輩と姫野先輩が作ったんですか?」

 

遊佐「とても、おいしいです。」

 

姫野「口に合って良かった。」

 

二人には何も聞かずに作ったから、口に合わなかったらどうしようかと思った。

 

だが、それも杞憂に終わったらしい。

 

 ピンポーン♪―――

 

晶「ん?誰だろ……」

 

食事時の唐突な訪問はいい思い出がない。

 

遊佐「ゆりっぺさんでは?」

 

晶「そうなると目的は夕食か……」

 

遊佐「恐らく。」

 

姫野「多分違うと思うよ?」

 

入江「え?」

 

姫野「仲村さんならわざわざノックなんてしないよ、お腹が減ってるんなら尚更、ね。」

 

遊・入『確かに……』

 

晶「はぁ…まあ、とりあえず出てみる。」

 

入江「す、すいませんお願いします。」

 

 ピンポーン♪ピンポーン♪――

 

晶「はいはい、今開けますよ!」

 

 ガチャッ♪

 

ひさ子「すまん、突然だが夕飯食べさせてくれ!!」

 

晶「ホントに突然だな……」

 

来たのはひさ子だった。

 

晶「とりあえず上がってくれ。」

 

ひさ子「すまん、助かるよ。」

 

かくして、急遽一人増えたがシチューはたくさんあるし大丈夫だろう。

 

晶「ほら、シチューとパンだ。」

 

ひさ子「スゲェうまそうだな!晶が作ったのか?」

 

晶「俺と姫野でな。そんなことより突然押し掛けてきた理由を聞かせてくれないか?」

 

遊佐「私も気になります。」

 

入江「わ、私も気になります。」

 

ひさ子「なぁに、そんな対した理由じぁないさ。」

 

晶「まぁ、とりあえず聞かせてくれ。」

 

ひさ子「まぁ…一言で言えば料理が壊滅したんだ。」

 

姫野「なんとなく想像できちゃった……」

 

ひさ子「想像通りだと思うが、私が練習に行った後、夕食をどうするか、という話になったらしい。

    だが誰も料理が出来ないし、食堂も初日だから開いていない。

    そこで、やむを得ず自炊することにしたらしい。

    だが、当然出来るはずはなく見事に丸焦げと未確認物質を作り出してしまった。

    このままだと何も食べられないから、他の部屋に行って夕食をよばれようとなった訳だ。」

 

遊佐「そしてひさ子さんがここにきたのですね。」

 

姫野「他の人たちは?」

 

ひさ子「わからん。ここに来ないってことは他の部屋だろう。」

 

晶「そっか…」

 

───────────────

 

入江「ごちそうさまでした。」

 

姫・遊「ご馳走様でした。」

 

ひさ子「ごちそうさん。」

 

晶「お粗末様でした。あ、ちょっと待ってて。」

 

俺は冷蔵庫に作ってあったものを取りにいった。

 

晶「はい、どうぞ。」

 

姫野「これって……」

 

入江「モ、モンブラン!!」

 

遊佐「美味しそうです。」

 

ひさ子「ていうか、ホントになんでも出来るんだな……」

 

そう、持ってきたのは秋の定番モンブラン。

 

今は春だけど。

 

何故か冷蔵庫に入ってたので試しに使ってみたのだ。

 

姫野「いつの間に……」

 

晶「栗が余ったから、パンが焼きあがるまでに作ったんだけど、どうかな?」

 

自分的にはあまりうまくできなかったのだが……

 

やっぱり、本格的な道具がないとうまくいかないな……

 

入江「美味しいです!」

 

ひさ子「確かに。」

 

姫野「でも、この時期に栗って……」

 

晶「だよなぁ……だから、試しに使ってみたんだけど……大丈夫?」

 

その瞬間、入江とひさ子がいきなり吹いた。

 

入・ひ『毒見かよ!!(ですか!!)』

 

晶「いや、だってゆりに変なもの入れられてそうだしさ。」

 

ひさ子「さ、じゃねえよ!!何かあったらどうすんだ!!」

 

入江「そ、そうです!!」

 

晶「でも何もなかったんだから、良しとしようじゃないか。」

 

入・ひ『できるか!!(できませんよ!!)』

 

一方。

 

姫・遊『(食べなくてよかった……)』

 

そっと胸を撫で下ろす二人だった。

 

と。

 

野田『貴様ぁぁぁぁーーーー!!よくもゆりっぺの御飯を残しやがったなぁぁぁ!!』

 

野田の叫び声とドカンっ!!という打撃音が聞こえてきた。

 

ひさ子「今度は何!?」

 

姫・遊『さ、さぁ……?』

 

ひさ子「今日一日一緒にいて分かったが、アイツらは馬鹿!!」

 

晶「今更!?」

 

遊佐「……あさはかなり」

 

晶「え?」

 

一瞬、自分の耳を疑う。

 

なんか今、遊佐の口から聞きなれているが聞きなれない言葉が発せられたような……

 

遊佐「なんとなく言った方がよいかと。」

 

聞き間違えではなかったらしい。

 

晶「確かに毎回こんなタイミングで言ってくるけど!?

  どんな話題だろうが、どんな状況だろうが等しく同じ言葉を放っていますが!?

  だからといって、その言葉を待ち望んでいる訳じゃないから!!

  そんな妙な気使わなくていいから!!」

 

遊佐「…残念です。」

 

晶「ただ、言ってみたかっただけかよ!?」

 

椎名「あさはかなり…」

 

晶「いつの間にか本物いる!?」

 

どっから入った、本物!!

 

ひさ子「やっぱりコイツら馬鹿だな。」

 

晶「そこ!勝手に納得しない!!それと俺をコイツらと一緒にするな!!」

 

心外だ!!

 

姫野「あはははははっ!!」

 

晶「笑い事じゃねぇ!」

 

大笑いじゃねぇかよ!!

 

入江「あはは」

 

晶「入江まで……」

 

遊・椎『あさはかなり…』

 

そんなこんなで学校初日が終わった訳だが、アイツらの精神は小学校から変わっていないということをはっきり実感した一日だった。

 

後でちゃんとここの使用許可とっとこう……………………………




ハーレムとか書いてますが、最終的に相手は一人に落ち着かせる予定です。
まあ、しばらくハーレム状況をお楽しみください♪
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