Angelbeats!-新しい生命-   作:ミツバチ

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絶叫×激辛×桜=お花見?


ゆり「突然だけど今度SSSでお花見をやるわ!」

 

俺達は休日の朝早くから作戦本部、もとい旧学院長室に集められていた。

 

日向「ホントに突然だな!」

 

晶「(デジャブ…)その花見はいつやるんだ?」

 

日向「お前は行く気満々だな!!」

 

晶「だって楽しそうじゃん。」

 

音無「確かにこの大人数でお花見したら楽しそうだな。」

 

大山「僕もそう思うよ。」

 

藤巻「俺も賛成だな。」

 

周りから次々と賛成の意見が出た。

 

ゆり「決まりね!時間は二日後、場所は河川敷にある一番大きな桜の下よ!!

   と、いう訳で日向君場所取りよろしく。」

 

日向「な、なんで俺なんだよ!?」

 

ゆり「何言ってるのよ、日向君は場所取りのリーダーじゃない!」

 

日向「そんなリーダー嫌だぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!」

 

うん、俺も嫌だ。

 

ゆり「それじゃ日向君、よろしくね。」

 

そして、この絶叫も見事にスルーされた。

 

日向「最悪だ……」

 

晶「がんば。」

 

日向「うるせぇ!!」

 

励ましたのに怒られた。何で?

 

日向「その満面の笑みで言われたら誰だって切れるわ!!!」

 

あ~……やっぱり?

 

音無「なぁ、ゆり。初音も呼んでいいか?」

 

ゆり「ええ、もちろんよ!」

 

晶「ガルデモも呼ぶんだろ?それじゃあ、結構な大人数になるけど、食事は誰が作るんだ?」

 

ゆり「そんなの簡単よ。あんたが作るの。」

 

はい?いま何と?

 

ゆり「だ・か・ら!!あんたが全員分の食事を作って持ってくるの!!」

 

ですよね~♪………て!!

 

晶「いやいやいや、無理だから!!そんな大人数分の食事、一人じゃ作れないから!」

 

ゆり「そこを頑張るのよ。」

 

晶「メニューとか買い出しとか、大変なんだけど!?」

 

買い出しとかどんだけの荷物になることやら………恐ろしや~

 

ゆり「とりあえずよろしくね!!」

 

晶「はぁ…最悪だ……」

 

日向「晶、晶!!」

 

キモイ。

 

晶「なんだ……?」

 

今、気分がナイーブなので、下手なことを言われると瞬時に殴り返せる自信があった。

 

日向「がんばっ!!(^з^)-☆」

 

既成事実GET☆

 

というわけで。

 

晶「滅殺ッ!!!」

 

日向「がはっっ!!!」

 

がんばっ!!!(^з^)-☆からコンマ二秒での返し技。

 

もちろん避けられず。

 

日向「がはっっ!!!」

 

扉を突き破り、廊下まで飛んでいった。

 

やっぱり憂さ晴らし、ストレス発散はこうでなくては!!

 

一方。

 

音無「コ、コークスクリューブロー!!?」

 

藤巻「スゲェ……」

 

高松「芸術的でした……」

 

TK「Beautiful……」

 

誰一人助けに行く者おらず。ち~ん………

 

お経でも唱えてやろうか。

 

大山「いやいやいや!!感心してないで、少しは日向君の事を心配しようよ!?」

 

一人だけ、飛んでいった日向の心配をする大山。

 

こうやって書くと、大山の方が変だと捉えられがちだが、これが普通の反応である。

 

但し、ここは変人、もといバカの巣窟。

 

普通の常識が通じるはずはなく。

 

直井「うるさいぞ、愚民!!静かにしろ!!」

 

竹山「少し落ち着いてください。」

 

野田「ふん……ゲスが。」

 

この通り、何故か逆に批難される始末(最後には罵倒のおまけ付き)。

 

なんかホント、理不尽が服着て歩いてるような集団だよな……

 

姫野「こらこら、他人事みたいに言わない。」

 

やめて!思い出させないで!?一生懸命、忘れようとしてるんだから!!

 

大山「ねぇ、何か間違ってた!?ねぇ、間違ってた!?」

 

椎名「あさはかなり。」

 

ゆり「はいはい!馬鹿なことしてないで、各自準備に取り掛かりなさい!

   時間は後で追って伝えるわ。では、解散!!」

 

──────────────────

 

解散した後、俺はガルデモが練習している教室に向かった。

 

もちろん、お花見のことを皆に伝えるためだ。

 

晶「失礼しますよ……と。」

 

ユイ「あれ?長谷川先輩、どうしたんですか?」

 

先客がいた。

 

晶「さっきのお花見の事を伝えにきたんだ。ユイはなんでここに?」

 

ていうかお前、ミーティングサボったろ……

 

ユイ「ガルデモの演奏を聴きにきたに決まってるじゃないですか!!」

 

まさか、バレてないよね?サボったこと……

 

晶「お前はガルデモのファンだもんな。」

 

でも、サボったよな?

 

ユイ「はい!!」

 

うん、これならバレてない♪

よし、後でゆりに報告しておこう♪

 

無駄に意思疎通ができていた……

 

岩沢「あれ?晶じゃん。」

 

ひさ子「お、ホントだ。」

 

と、心の中で無駄な駆け引きをしていると皆がこちらに気づいた。

 

晶「よ。」

 

入江「しょ、晶先輩どうしたんですか?」

 

関根「まさか!!私に会いに……」

 

入江「ふぇぇぇぇぇ!?」

 

晶「いや違うから。」

 

元気印の関根さん、少し黙らっしゃい。

 

関根「口ではそう言っても心の内では……」

 

入江「や、やっぱり……」

 

晶「全くないから。」

 

関根「そこまであからさまに否定されるとなんか傷つく……」

 

自業自得なため、助ける気なし。

 

岩沢「自業自得だ。」

 

ひさ子「それより何か用か?」

 

晶「ん?ああ、そうだった。実は明後日の日曜日に河川敷の桜並木で、SSSでお花見をすることに

  なったんだ。」

 

岩沢「そのことは遊佐から聞いたよ。」

 

まさかの人間に先を越されていた……

 

関根「全員満場一致でお花見に参 加っす!!」

 

晶「そうか。それと、お花見のことで入江にお願いがあるんだけど。」

 

入江「な、なんでしょう?」

 

晶「実はな、お花見のお弁当作りを任されたというか、押し付けられたというか…まぁ、とりあえ

  ず一人で全員分のお弁当作る羽目になっちまったんだよ。

  さすがに、一人じゃ無理だから手伝ってくれないか?」

 

結構、無理なお願いをしているのは分かっているので、断られるのを覚悟していたが。

 

入江「別にいいですよ。」

 

まさかのOK。

 

人員確保。

 

晶「ホントか!?助かるよ!!」

 

入江「ふぇッ!?」

 

俺は思わず入江の手を握った。

 

関根「あれ~?みゆきち、顔真っ赤だよ~♪」

 

入江「そ、そんなことないよ~!?」

 

ひさ子「関根、あまり入江をからかうな。」

 

関根「おやー、ひさ子先輩嫉妬ですか?

   まぁ、確かにひさ子先輩は男勝りだしすぐ暴力振るうし相手も…」

 

ひさ子「関根、言い遺す事はないな?」

 

関根「いや~ひさ子先輩やだなぁ、冗談じゃな……痛い!!痛いですよ、ひさ子先輩!!!」

 

ひさ子「奇遇だな、私も冗談だ。」

 

関根「これは冗談じゃすま…痛い痛い痛い痛い痛いいいいいいいいッ!!!??」

 

ヘッドロックって、久しぶりに見たな……

 

晶「止めなくていいのか?」

 

岩沢「いつものことだ、しばらくすればおさまる。」

 

入江「あはは……」

 

ここで、騙されてはいけないが、止めようという感じの言葉ではあるが、そういう自分はというと傍観しながら笑い転げています。

 

ひどい奴がいたもんだ。俺だけど。

 

他人の不幸は蜜の味、だ。

 

岩沢「でも具体的にはどうするんだ?」

 

晶「とりあえず今から材料買って明日から一日かけて作ろかと思ってる。」

 

入江「それじゃあ、私も行きましょうか?」

 

晶「ああ、頼む。」

 

入江「それじゃあ、岩沢さん。行って来ますね。」

 

岩沢「ああ、行ってらっしゃい」

 

ひさ子「行ってら~」

 

関根「た、助けて~!?ゴリラに殺される~!!!」

 

ひさ子「関根は逝ッてら~!!」

 

関根「ギャーーーーーーーーーーーーッ!!!!!????」

 

相変わらずの二人を無視して俺と入江はスーパーに向かった。

 

もうただの悪人だな、俺。

 

──────────────────

 

入江「それで、どんなのを作るんですか?」

 

晶「おにぎり、サンドイッチ、たまご焼き、唐揚げ、フライ、野菜サラダ…入江は何か入れて欲し

  いものあるか?」

 

入江「あ、あの…!!私は…その……デ、デザートが…あの…食べたいです…」

 

入江の顔がちょっと赤いが、まだ風邪が治っていないのだろうか。

 

スッ…

 

入江「へ………………………?」

 

晶「身体には気を付けた方がいいよ?」

 

入江「……………………………」

 

熱を計るために手をあてたら、何故かそのまま固まってしまった。

 

入江「……………………………」

 

晶「おーい、入江?」

 

入江「はっ!い、いえ別に風邪とかじゃないんで!!!」

 

晶「お、おう…」

 

顔はまだ赤いが、これだけ元気なら大丈夫だろう。

 

入江「(触れた触れた触れた!!晶先輩の手触れた!!)」

 

入江の心の中が乱れまくってることに気づく様子はなかった。

 

相変わらず鈍かった。

 

晶「うるさい筆者!!」

 

その鋭さをもっと他のことに発揮しろよ……

 

───────────────

 

俺達は材料を買って寮まで帰ってきた。

 

晶「ごめんな、入江。結構な量になっちゃって。」

 

入江「大丈夫ですよ、少し疲れましたけど……」

 

晶「それじゃ、先に夕飯にするかな。」

 

入江「そうですね。」

 

今日の夕飯のメニューを考えながら部屋の扉を開けた。

 

姫野「二人とも、お帰り。」

 

遊佐「お帰りなさい、晶さん、入江さん。」

 

晶「ただいま、姫野、遊佐。」

 

入江「ただいまです。」

 

どうやら二人共、俺たちの帰りを待っていてくれたらしい。

 

遊佐「夕飯は私と姫野さんで作ってありますので、冷めない内に召し上がってください。」

 

そう言われれば、いい匂いがする。

 

晶「二人が作ってくれたのか?」

 

遊佐「はい、入江さんと共に材料 の買い出しに行かれたと岩沢さんから聞きましたので、

   遅くなるかと思い作っておきました。」

 

入江「わぁ…美味しそうです!」

 

晶「確かにな。それじゃ早く食べるか。」

 

入江「はい!」

 

姫野「それでは───」

 

全員『いただきます。』

 

遊佐の作った夕食は見た目通りとても美味しかった。

 

─────────

 

晶「…もう朝か」

 

ただいま、朝の5時。

 

学生としてはまだ早い時間、重たい目を開けてそう呟いた。

 

晶「あれ?この匂い…」

 

キッチンから何かいい匂いがする。

 

とりあえず、着替えて向かってみると。

 

晶「やっぱり入江か…」

 

入江「あ!晶先輩、おはようございます。」

 

晶「ああ、おはよう。それより何をしてるんだ?」

 

入江「朝御飯を作ってたんです。」

 

どうやら、わざわざ早起きして朝食を作ってくれていたらしい。

 

晶「ゆっくり休んでって……」

 

入江「それは昨日の話ですよ?」

 

そりゃそうだ。

 

晶「…一本取られたな。」

 

入江につられて、俺も笑った。

 

朝食を食べた俺と入江は早速弁当のメニューを作り始めることにした。

 

入江「何から作りましょう?」

 

晶「魚の煮付けと野菜炒めから作ろうか……」

 

入江「そうですね、そうしましょう。」

 

晶「それじゃ、入江は野菜を切ってくれ。

  俺は煮付けの煮汁作った後、他の下拵えをしておくから」

 

入江「わかりました。」

 

入江は慣れた手つきでどんどん野菜を切っていく。

 

俺は煮汁を作った後、魚に十字の切り目を入れ、鶏肉に片栗粉と調味料を加え揉んでいく。

 

入江「何をしてるんですか?」

 

晶「こうすると味がよく染み込むだ。

  普通に作ってもいいんだが、どうせ作るんだったら美味しいものを食べさせたいしな。」

 

料理をおいしく食べてもらいたい。

 

料理をする者にとって、当たり前の思想だ。

 

入江「晶先輩は優しいですね……」

 

またか……

 

晶「あのさ入江、その先輩っていうの固すぎるからやめてくれないか?さん付けでいいから。」

 

入江「で、でも先輩……」

 

晶「入江。」

 

ポンッ……

 

俺は無意識のうちに入江の頭に手を置いていた。

 

入江「ふぇ!!(カァァァ!!)」

 

晶「そんなに賢まるな。俺達は友達なんだから、気楽でいいんだよ。」

 

入江「そ、それじゃあ…晶さん」

 

ホントは呼び捨てでも良かったのだが、まだ会って日も浅い下級生にそれは高望みというものだ。

 

晶「よし。じゃ、再開するか」

 

入江「は、はい!!」

 

─────────

 

夕方になり、メイン料理は全て完成した。

 

後は入江リクエストのデザートを作るだけだ。

 

晶「後はデザートだけだから、少し休むか?」

 

入江「そうですね。ちょっと、疲れました……」

 

 

 ピンポーン♪―――

 

俺達が休んでいるとチャイムが鳴った。

 

ゆりでないことを願いながら、玄関のドアを開けた。

 

関根「オ~スッ!お二人さん、捗ってる~?」

 

閉めたくなった……

 

今程、会社帰りの子持ちパパに共感した瞬間はないだろう。

 

はっきり言うと、ウザイです。

 

口には出さないけど。

 

晶「岩沢にひさ子に関根、遊佐までどうしたんだ?」

 

岩沢「疲れてると思って、差し入れ持ってきたんだ。」

 

入江「わぁ…ありがとう」

 

ひさ子「ちなみに中身は姫野が作ったプリンだ。」

 

ホント、こういうところが姫野だな……と思う。

 

よく気が利いている。

 

晶「まぁ、とりあえず上がってくれ。俺達、今ちょうど休憩だから。」

 

関根「それじゃ遠慮なく……」

 

初めから、遠慮などないだろうということは誰でもわかっていた。

 

招き入れる前に、既に靴脱いでたし。

 

入る気満々だし。

 

もっと言うと、つまみ食いする気満々だし。

 

ま、結局四人とも部屋にあがっていった。

 

入江「皆さん、わざわざすみません。」

 

ひさ子「気にすんな。それにしてもすごい量だな…」

 

無理もない。

 

卵焼きに野菜炒め、ハンバーグ、焼きそば、とんかつ、パスタなどエトセトラ。

 

大皿小皿、合わせて24もの料理が机の上に並べられていた。

 

晶「なんせ22人分だからな……」

 

関根「そういえば昨日、姫野さんとゆさリンが私の部屋に泊まったから、二人切りだったんだよ

   ねぇ?」

 

入江「そ、それは…」

 

晶「まぁ、そうなるな…」

 

次の言葉が予想できてしまうあたり、もう手の施しようがない……

 

関根「みゆきち大丈夫だった!?先輩に襲われたり…」

 

でしょうね!!そりゃ、二人っきりだったんだからそうなりますよね!!ええ!!

 

はい、それでは一言。

 

入江「してません!!」

晶「しねぇよ!!」

 

ひさ子「息ぴったりだな。」

 

関根「アツアツだねぇ。」

 

何故そうなる!!?

 

岩沢「あんまりからかうなよ、関根。」

 

関根「そんなこと言って、岩沢さんが昨日一番荒れ…」

 

岩沢「ひさ子……引きずって帰るぞ(ゴゴゴゴゴゴゴゴゴ!!)」

 

ん?今なんか変じゃなかったか?

 

ひさ子「りょ、了解…」

 

関根「て……ギャーーーーーーー助けてーーーーーー!!」

 

晶「…………」

 

遊佐「…………」

 

助けを求められた二人して傍観。

 

入江「な、なんで助けないんですか!?」

 

晶「いや………」

 

遊佐「なんと言いますか………」

 

晶・遊『いつも通りだなぁ、と思って(思いまして)…』

 

入江「あぁ……」

 

関根「感心してないで助け……ギャーーーーー!!!」

 

いつも通り、騒ぎながら四人は帰っていった。

 

そして、案の定関根はすべてのオカズからつまみ食いをして帰っていった。

 

恐るべき、手癖の悪さ……

 

晶「さてと、とりあえずデザートは明日の朝作れば間に合うから、今日はもう寝よう。」

 

入江「そうですね。それじゃあ、御先にお休みなさい。

   また、明日の朝頑張りましょうね。」

 

晶「ああ。お休み、入江」

 

入江「はい、お休みなさい。」

 

────────────

 

【翌日:四時】

 

晶「早速だけど入江、シュークリームに入れるカスタードクリームを作ってくれるか?」

 

入江「はい!!」

 

夜が明け、只今朝の4時。

 

本来ならば、まったりとした雰囲気でデザートを作っているはずのキッチンで、騒然とした空気が流れていた。

 

理由は5分前に送られてきたゆりからのメールにあった。

 

  FROM ゆり:集合時間 8時

 

もう少し、書きようあんだろ!!

 

なんだよ、この某アニメの親友のようなメールは!!

 

お前は電子機器すら扱えないロボットか!!

 

晶「てか、いきなりすぎんだよ!!なんで集合時間知らせんのが四時間前なんだよ!!」

 

入江「とりあえず、大急ぎで作らないと間に合わないかもしれません!!」

 

晶「そうだな、頑張りますか!!」

 

入江「はい!」

 

───────────────

 

それから3時間半、今までの準備はなんだったのかと疑いたくなるほどのスピードでデザート作りが行われ、なんとか全ての準備が完了した。

 

晶「なんとか間に合ったな……」

 

入江「は、はい…」

 

晶「それじゃ、悪いけど先に行ってくれないか?俺はまだやることがあるからさ。」

 

入江「え?あ…はい、わかりました。」

 

入江はバスケットを持って出ていった。

 

晶「ぎりぎりだけど、間に合うかな……」

 

そう言って、俺は最後にあるものを作るためにキッチンに向かった。

 

───────────────

 

【8:00 河川敷】

 

なんとか間に合い、集合場所に着いた。

 

晶「悪い、待ったか?」

 

ゆり「遅いわよ!待ちくたびれたわ!」

 

誰の行為だ、誰の!!

 

日向「晶君おっそ~い!私待ちくたびれちゃった、ぷんぷん!」

 

お花見早々からキモさとウザさの共演。

 

危うく吐きそうになった。

 

晶「蹴っていいか?いいよな、うん。」

 

日向「ま、待て晶。これはわざとで……」

 

ゆり「バカな事やってないで早く座りなさい!これ以上、私を待たせたら蹴り倒すわよ!!」

 

晶「…分かったよ。」

 

日向よ、ゆりに救われたな……後で蹴るが!

 

ゆり「それじゃ、第一回お花見パーティーを始めるわよ!!乾杯!!!」

 

全員『乾杯!!!』

 

そして、楽しみにしていた花見が始まった。

 

───────────────

 

関根「やっぱり美味しいですね」

 

晶「そりゃ良かった。」

 

俺は今、姫野・岩沢・ひさ子・関根・入江・遊佐の七人で食べている。

 

ちなみに他は音無・初音・立華・ゆり・日向・直井・野田・ユイのグループと藤巻・大山・高松・松下・椎名・竹山・TKのグループだ。

 

ひさ子「晶は私達と一緒でいいのか?」

 

晶「ああ。このグループが一番落ち着ける。」

 

岩沢「それはどういう…」

 

姫野「あちらをご覧下さい。」

 

理由がわかったのか、全員一斉に苦笑い。

 

姫野が指し示す方向では。

 

藤巻「松下、テメェ一人で食い過ぎだろ!!」

 

大山「高松君、こんな時に筋トレしないで!?」

 

日向「あ!ゆり、テメェ!!それは俺の卵焼きだ!!」

 

ゆり「そんなことで怒るなんて、小さいわね!」

 

日向「何だと!!」

 

野田「貴様ッ!!ゆりっぺに逆らうとはいい度胸だな!!」

 

ユイ「アホですね♪」

 

日・野『テメェは黙ってろ!!』

 

竹山「わ、私のパソコンがっ!!!」

 

シュールだ……

 

姫野「……ご覧の通りです。」

 

入江「納得です……」

 

そりゃあ、あんな集団の中に好き好んで入っていく奴はいない。

 

晶「あ、いい忘れてたけど…」

 

遊佐「何ですか?」

 

次の瞬間。

 

日向「か、辛ーーーーー!!!」

 

日向が吹き出した。

 

晶「おにぎりの具の中に二つだけ七味入れたから。」

 

岩沢「なっ!?」

 

関根「えぇぇぇぇぇぇぇ!!!」

 

遊佐「晶さんも負けず劣らず、性格悪いですね。」

 

晶「心外だな。今まで性格に文句をつけられたことはない。

  人が悪いと言われたことならあるが。」

 

関根「同じじゃん!!てか、そっちの方が酷いですよ!?」

 

晶「ああ、違った。人が悪いじゃなくて、悪い人だった。」

 

ひさ子「そっちの方がもっと酷いぞ!?」

 

晶「悪魔と呼ばれたこともある。」

 

関・ひ『もういいって!!』

 

荒く息をつく二人を前に、深遠な哲学命題に思索を委ねているような風情で、俺は首を傾げた。

 

晶「随分疲れてるみたいだけど、大丈夫か?」

 

岩沢「…晶、絶対性格悪いって言われたことあるだろう?」

 

晶「実はそうなんだ。」

 

岩・関・ひ『今までの流れ全否定なのっ!?』

 

姫野「あはははははははははっ!!」

 

入江「姫野先輩、笑いすぎ……」

 

そりゃ、変なとこツボだし。

 

遊佐「そんなことより、残り1つの七味おにぎりがどれか確かめる方が先かと。」

 

ひさ子「そんなことって…」

 

日向「水!水!水!!!」

 

うるさい。

 

関根「確かにこれは先に確めた方がいいかも…」

 

岩沢「まだ食べてないヤツはだれだ?」

 

藤巻「俺達は全員食べたぜ。」

 

音無「俺達は後ユイと奏だけだ」

 

晶「…と、なると残りはユイ、立華、岩沢、ひさ子だな。」

 

ひさ子「くっ…」

 

ユイ「私辛いの苦手なのに…」

 

立華「…」

 

岩沢「仕方ない…皆で同時に食べるぞ。」

 

ひさ子「ああ…」

 

ユイ「ふえぇぇぇん(>_<)」

 

立華「…コクッ」

 

さて誰が当たり(この場合はハズレだが)を引くのだろうか。

 

岩沢「いくぞ…1、2の3!」

 

パクっ…

 

入江「ど、どうですか…?」

 

岩沢「私は平気だ。」

 

ひさ子「私も何ともない。」

 

ユイ「私も無事です、何とか…」

 

立華「おいしい…」

 

あれ?

 

遊佐「四人とも平気みたいです」

 

関根「もしかして、ホントは一個だけだったんじゃ…。」

 

晶「そんな筈は……」

 

確かに2個作ったはずなんだけど……

 

音無「ん?…まさか!」

 

晶「どうした、音無?」

 

音無「やっぱり……これ見ろ。」

 

音無が差し出してきたのは立華が食べたおにぎりだった。

 

晶「これって…」

 

おにぎりの具を見てみると確かに七味が入っていた。

 

晶「立華なんで平気なんだ…?」

 

立華「おいしかったわよ?」

 

何、このサプライズキラー……

 

音無「スゲェ…」

 

岩沢「すごいを通り越して、恐怖すら覚えるよ…」

 

遊佐「私達の周りにはまともな人がいませんね。」

 

ユイ「類は友を呼ぶってやつですね!」

 

音無「それって自分が変って認めてるぞ。」

 

立華「?」

 

日向「水ーーーーーーーっ!!!」

 

ゆり「うっさい!!」

 

日向「ゴフッ!!……み…ず…」

 

晶「日向が亡霊化しだしたから、何か飲み物買ってくるよ。」

 

ゆり「ええ、よろしく。」

 

と、立ち上がろうとしたら岩沢達に肩を掴まれた。

 

岩沢「私達が買ってくるから晶は休んでな。」

 

晶「え?だけど…」

 

わざわざ、日向(バカ)のためにお茶を買いに行かせるなんて……

 

ひさ子「このお弁当の御礼だ、気にするな。」

 

それでも、まだ渋っている俺に姫野が諭すように言う。

 

姫野「今回の長谷川くんのお仕事はみんなに美味しいお弁当を作る事。

   そして、みんな美味しいって言ってくれてるんだよ?

   だから、長谷川くんのお仕事はこれで御終い、あとは私達の仕事だよ。

   それとも、長谷川くんは感謝の意を示そうとしている私達の仕事まで取り上げちゃうの

   かな?」

 

晶「わ、わかりました……」

 

姫野「うん、よろしい♪」

 

姫野の迫力ある言葉に思わず敬語で答えてしまった。

 

俺が納得した後、俺と入江を除くグループのメンバーを引き連れ飲み物を買いに行った。

 

晶「あ!そうだった。」

 

俺はカバンから小さめの箱を取り出す。

 

晶「入江、はいこれ。」

 

入江「なんですか?」

 

晶「入江がデザートがいいって言ったから、作ってみたんだ」

 

入江「わぁ…!!猫ちゃんのケーキです!!!まさか、やることって!」

 

晶「ああ、これを作ってたんだ。悪いな、こんなんで。」

 

入江「そんなことないです!!ありがとうございます!」

 

晶「喜んで貰えたなら何よりだ。」

 

それに。

 

この時の、入江の笑顔は今までで一番可愛かった。

 

───────────────

 

しばらくすると、入江が見るからに眠そうにしていた。

 

もう、首カックンカックンだし。

 

晶「眠かったら肩貸すから寝ていいぞ?」

 

入江「……それじゃあ、御言葉に甘えさせて貰いますね。」

 

入江は肩に寄りかかるとすぐに寝息をたて始めた。

 

晶「俺も寝るか…」

 

───────────────

 

岩沢「悪い、近くにコンビニなくてな……って、寝てる。」

 

ひさ子「朝から忙しかったから仕方ないだろ。」

 

関根「岩沢さん的にはこの状況はどうなんですか?」

 

岩沢「ど、どうって…別に…どうも…ないぞ…」

 

遊佐「説得力皆無ですね。」

 

関根「ゆさリンもだよ。」

 

遊佐「へっ!?わ、私は…別に…何も…」

 

岩沢「説得力皆無だぞ。」

 

ひさ子「どっちも鏡見てから言うんだな。」

 

関根「ねぇ、それより写真撮っちゃいません?」

 

岩沢「バレたら怒られるぞ。」

 

関根「大丈夫ですって。」

 

パシャッ♪パシャッ♪……………

 

───────────────

 

【翌日 ガルデモ練習場所】

 

後日談というか今回のオチ。

 

花見が終わった翌日、ガルデモの練習場所ではひさ子と関根の追いかけっこが繰り広げられていた。

 

晶「一体何があった…」

 

遊佐「関根さんがひさ子さんのアンプにジュースをこぼしてしまったようです。」

 

晶「ふ~ん。」

 

何かもう、見慣れすぎて日常になりつつある情景。

 

ともあれ、関根も反省しているみたいだし助けてやるか。

 

晶「ひさ子、関根も悪気があった訳じゃないんだから、許してやれ。」

 

関根「さっすが、晶先輩は優しいですね。」

 

ヒラリ……

 

晶「関根なんか落としたぞ。」

 

俺はそれを拾って、表をみた。

 

関根「あ!!それは…」

 

晶「関根、これはどういうことかな?」

 

俺は黒い笑みを浮かべながら関根に聞いた。

 

拾った写真には俺と肩に頭を載せて眠っている入江が写っていた。

 

そう、正しくお花見の時に撮った写真だった。

 

晶「……」

 

関根「……」

 

暫しの沈黙の後。

 

関根「さ、さらばっ!!」

 

全力逃走。

 

晶「ひさ子…」

 

ひさ子「ああ…」

 

ゴゴゴゴゴゴゴッッッッッ!!!

 

晶・ひ『待ちやがれ、このヤロウーーーーーー!!!』

 

関根「み、みゆきち助けて!!」

 

入江「しおりん、私だって怒ってるんだよ!!」

 

関根「そ、そんな~……」

 

岩沢「自業自得だな。」

 

こうして、花見は幕を閉じた。

 

そういや、関根の呼び名がしおりんになっていたような……気のせいだろうか?

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