だって妖精だもの   作:酸味一体

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真冬の熱さ

冬。寒いしみんなの活動も鈍くなってあまり遊ぶ事ができなくなる。

だから私はあまり冬が好きじゃない。静葉さんたちも落ち込んで話に付き合ってくれなくなるし良いことが無い。

 

遊ぶ相手は主にピースちゃんとラルバちゃん以外のいつものメンバー、あとはたまにレティさん。レティさんは冬だけはチルノちゃんの上位互換的存在らしい。

でも夏になったらレティさんは基本的に行動しないんだって。だからチルノちゃんとレティさんのどっちが優れてるっていうのも今は気にしていないみたい。

 

少し前まではレティさんがチルノちゃんを馬鹿にしていることもあったみたいだけど、今は全然そんな風には見えない。まるで親子みたいだ。

 

レティさんは優しい。私たちが遊ぶ用に雪を降らせてくれるし、チルノちゃんが頼めばもっと寒くもしてくれる。

そんなことをしても喜ぶのはチルノちゃんくらいだけど。

 

でも怒った時のレティさんは超怖い。この間なんかレティさんを怒らせた獣の妖怪が氷漬けにされて吹雪に晒されていたし。

 

どうして怒ったのか聞いてもレティさんは教えてくれなかったけど、見ていた大ちゃんによるとほんの些細な事だったらしい。

歩く足音がうるさくて寝ていたところを起こされたんだって。なんだか妖怪が可哀そうな気がする。なんて言うんだっけ。り…り…理不尽だっけ。そんな感じがする。

 

何にしても眠りを妨げられるのは誰だっていやな事だと思う。私は別にそうでもないかもしれないけど。それにしても妖怪や人間は一回休みになったらどうなるんだっけ。

確か復活するときには見た目も変わっちゃうんだっけ?

 

リリーちゃんなら閻魔の真似をしていたくらいだから知ってるかもしれないけど春以外の時期はストレスが溜まるって言ってた気がする。今会いに行ったら凄く機嫌が悪そう。

 

まあ今日は山の方に行く用事は無いんだけど。レティさんと遊ぶ予定も無い。今日は冬でも暖かいピースちゃんのところに遊びに行く予定だったはず。大ちゃんとチルノちゃんが忘れてなければ。

 

「おーい、シロちゃーん!遊びに行くよ」

 

チルノちゃんがピースちゃんのところに行きたがる事はあんまりない。だってチルノちゃんは寒いのが好きでピースちゃんは熱いのが好きだもの。

地獄から来た彼女にとっては猛暑くらいが丁度良いらしい。そんな日はチルノちゃんは溶けかけているのに。

 

地獄って本当に熱いんだなあって思う。前にピースちゃんが神社の下にある地獄を案内してくれたけど私は結構しんどかった。しゃれこうべとか血の部屋なんて目に悪いし、針の山は痛そうだったし、燃える部屋なんて暑いというより熱かったし。

 

でもそんな場所でも妖精は住んでいるらしい。流石に幻想郷にいるほどではないらしいけど。ピースちゃんもよくそんな場所で生活していたものだと思う。

私だったら初めの一日で音を上げる自信があるよ。だからピースちゃんは強いのかな?

 

チルノちゃんたちがどうして強いのかはよくわからない。他に似たような妖精が少ないからかな。

 

 

 

「おーい、来てやったぞ!にしてもここは熱いなあ。外の方が寒くて良くないか?」

「わかってないな~、おまえは。熱いからいいんだろ?」

 

これでも地獄に比べれば全然熱くない。それにチルノ(こいつ)も前は夏を満喫していたんじゃなかったか?その時は秘神の力で生命力が暴走している状態だったみたいだけど。

 

「でもあまり熱くしすぎると霊夢さんに叱られるんじゃなった?大丈夫なの?」

「そんなもん大丈夫大丈夫。今は冬だろ?夏にこれをやるとなんか怒られるんだけど冬だったら何も言われないのさ」

 

何度か追い出されかけたけどなんだかんだ霊夢さんも神社の下に住むことを許してくれているし。まあここに住み始めた理由なんて霊夢さんが知り合いだったってだけだけど。

 

「きっと霊夢さんも床下暖房だと思って許可してるのね。それにしてもここはあったかいわ~。ここならラルバが来ても大丈夫そうね。来ないでしょうけど」

 

それはどうなのかな。前にも冬に神社に来たことはあったわけだし来ようと思えば来れると思う。まあサニーの言う通り来たがらないと思うけどね。

 

「それにしても今日はどうしてあたいの家の中で遊ぶ事にしたんだい?」

「いつも外で遊んでるけどたまには温まりたいな~と思ってね。そう言えばここにあった地獄はどこ行ったの?」

 

ここにあった地獄………?あぁ、思い出した。意外にもルナだけじゃなくてサニーもビビっていたやつか。あれはもう撤収したんだよね。どう言い訳をしたらいいものか。

まあ適当にごまかせば信じてくれるかな。嘘を言うわけではないし。

 

「あの地獄はねぇ………あたいのご主人様が別の場所に移したのさ。残念ながらもう戻っては来ないだろうね」

 

まあ実際はすぐに戻すことができるけど。時期さえ合えば。

 

うーむ、あたいもすっかり幻想郷に馴染んでいるみたいだ。生命に満ち溢れている状況が当たり前になりつつある。まだこの環境になってから短い時間しか経っていないのに、既に地獄にいた頃より居心地が良く感じる。

 

やっぱり妖精は地上が一番生きやすいんだろうなあ。あたいは何故地上に生まれなかったんだろう。答えはまだ見つからない。

 

「それにしても………なんでシロはかき氷なんか食べてるんだ?折角熱いところに来たんだろ?」

 

不思議だ。何故か来て早々に食べ始めた気がする。家にシロップなんて無いからチルノの作った(みず)ままのやつ(あじ)だし。美味しいのかな、あれ。

 

「いやー、ここって私には熱すぎるんだよね。だからかき氷を食べてるくらいが丁度良いの。今まで生きてきた中でもこんなに熱い場所は無かったし」

 

彼女は生粋の地上の妖精。更に起源はかなり古いらしい。そんな彼女でもここまでの熱さは味わったことが無いらしい。まあ普通に地上で生活していて気温がこれ程の熱さになる事は無いだろうし当たり前だ。

 

私はこれよりはるかに熱い世界を生きてきた。でも悲しいかな、地獄にいたと言っても他人に自慢できるような事ってこれくらいしかないんだよなあ。




シロに関する記述も結構そろってきたかな?

息抜きで書いてるつもりでしたが、もう既に最終話が見えてきてしまいました。下手すりゃあと二、三話で終わってしまいますねえ

なんだかんだ終わらせ方は決まっているのでプロットは無いこともないって感じだったんですかね。あらすじにははっきり『ない』と書いてしまってますが
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