あ、御無沙汰してます。進化したクシャルダオラの皇 雅人《すめらぎ まさと》ことマサトです。何の取り柄もなかったおっさんが、転生して途端に彼女が出来て、クシャルダオラと1つになって進化して……。
一体、私って何者!?いや、今はクシャルダオラなんですけど、進化して。
それでね、和の国で百竜夜行と言うモンスターの大群が襲って来たのを阻止して……と言っても、私は彼女を救うのに必死で何のお役にもなれなくて。挙げ句に黒龍まで飛来しちゃって……。
でも、なんとか無事に国を守る事が出来て、彼女の笑顔がまた見られた事が何よりの幸せです……。しみじみ……。
モンスターが居なくなった訳ではないでしょうが、大群が攻めて来ると言った大事は無くなったかなと。
で、ミラルダ達が城下町を堪能したあとに、温泉に入れそうな場所がないかと尋ねたら、村の人が案内してくれました!やった!これが目的の1つだったんですよ、これがなきゃ筆頭リーダー恨みます。何せ温泉で釣られた私………。そこはなんとしても入りたい!
んんん!?でも私って、お湯大丈夫でしょうか?は、入れるのかな?どうなんでしょ、入ってみないと分かりませんねこれだけは。
なるようになるでしょ。ま、これが分かれば他にも温泉を見付けたら、ゆっくり浸かることも出来るでしょうし。
案内された場所は、村から離れた山奥の方、山岳側とでも言いますか、岩山に囲まれた所にありました。ちなみに夜叉蜘蛛が居た方とは反対側になりますね。竹林に囲まれたその場所は、巨大なクレーター状になった形で、底からお湯が沸きだしていて一ヶ所からお湯が溢れて流れていました。そう、見られる心配も無さそうですし、巨大な天然の露天風呂ですよ!まずはその凄さに感動!
ま、まずはどうかな?熱くない!?そうっと指を入れてみてと………!?おおっ!変な意味で良い湯加減です!どうなってんのこのお湯。温度にすれば42℃位ですか、正に温泉!天然過ぎでしょ!しかも都合よく私が入れる大きさで。じゃ、遠慮なく失礼して…………。お、おおぉぉ………!は、入れました!気持ち良い~~~!最高!!水浴びすらままならないのかと思ってたので、感動が………。嬉しい!温かい……。温もる~~♪
私は翼も少し広げつつ湯船に浸かっていました。
あ、そういえばミラルダは!?って!うわっ!じょ、じょ、女、女性の生肌っ!?
お、おじさん、鼻血が……あ、出ないか。涎が……あ、それ危ないし。
い、いくら布ごしでも悩ましいでしょ!でも…、とても綺麗だ………。
「くすっ、ありがと♪」
あらま、聞こえたみたい……。ゆっくりと湯船に浸かっていく彼女………。見とれる程に素敵です。ほんとに私にはもったいないくらい、でも嬉しい…。
「ねぇ、背中流してあげようか?でも大変かな?」
きゃぁ!゛お背中流します゛誘惑キター!!いや、しかし私の背中と言っても大き過ぎるので、彼女の傍に顔を寄せて湯船に浮かぶような体勢に。
例えが悪いかも知れませんけど、ワニが水面から顔を出した感じ………分かります?その体勢で、彼女と顔を寄せあって湯船に浸かっておりました。至極幸せの一時………。
「ねぇ、マサトさん?」
(ん、なに?)
「マサトさんはどうして人間の言葉が分かるの?しかも、文字まで書けるでしょう。どうやって覚えたのかなと思って……。」
あ~あ~あ~、いずれと思っていて今来ましたか。いやしかし、転生したと話したら嫌われるでしょうか?元は人間………と言ったら軽蔑されそう……。と言って他に語学を学んだなんて言って誰に?と聞かれたらまずいですし……。でも、いずれは分かってしまう事。嘘をつくよりは正直に……。それで嫌われたならどうしようもありません、その時は……。ま、どちらにせよ話してみますか。疑問に思わせたままも可哀そうですし。
(訳を話すけど、聞いてくれるかい?信じられない事だと思うよ。)
「え、そうなの?でも、聞いてみたいな。マサトさんの事を知りたいし。」
(分かった、じゃあ話すよ。実は、僕は違う世界からやって来たんだ。と言っても魂だけが、このクシャルダオラに乗り移ったんだけどね。でも今は1つになった。元の名前は皇 雅人《すめらぎ まさと》人間の時は30代後半のおっさんだった………。)
………………。
ミラルダが私を見つめて、絶句してます。そうですよね、異世界から来てクシャルダオラに移って、元はおっさん……いや、今もですけど。と、言われれば誰だって驚きます。私はミラルダをじっと見つめて、彼女の反応を待つことに。彼女の反応次第では、私は身を引かねばならないと思えたから。
「そうなんだ……、私はおじさまであっても構わない。だって、命懸けで私を助けてくれた大事な人……。最初にホットドリンクをくれた時から、私は貴方に惹かれてた。それは古龍としても、雅人さんとしても………。」
(ミラルダ………。)
「だから私は貴方が好き♪異世界からの人だろうと、古龍であろうと。私には大切な人だから………。」
ありがとう、私は今までこんなに人から好かれた事はなかった……。良く思われない事はあっても、1度も好意を寄せられた事はありません。果報者ですね……。
君を大切にする……。やっぱり私には過ぎた人だと……。でも好き♪♪
(ありがとう、ミラルダ。愛してるよ……。)
「私も…………。」
私もミラルダも顔を見合わせて目を瞑りゆっくりと口づけを交わそうとしたその時です!
「覚悟~~~!!」
なっ!えぇっ!竹藪の中から大ジャンプでアックスを振り下ろして来る者がっ!!
「きゃっ!」
(あ、危ない!!)
私はミラルダを前片足で抱きかかえ、もう片方の前足でアックスを上空で受け止めます!重さの乗ったいい攻撃です。ダイヤモンドコートを少し厚めにしたので割れる事はありませんでしたが、反動はなかなか……。
「ぐっ!やっばっ!すっごい固い!!」
あの……そりゃダイヤモンドですから……一応。ん!?声からすると女性ハンターですかね?よく見ると確かにそうです。ネルスキュラの素材で作られたチャージアックスにスパイオX装備ですか、どんだけ蜘蛛好きなのか……。それともただその装備を揃えたかっただけなのか……。
そんな考えも吹っ飛ぶほどの爆弾発言が彼女の口から飛び出したんです!!湯船の中で立ち上がり、片手剣モードで剣先を私に向けて、
「ねえっ!あたしをあなたのお嫁候補にしてっ!!」
……………………………………………………。
私とミラルダは目が可愛らしいくらいに点になりました。
「えええぇぇっっ!!」
(はあああっっっ!!)
その女性ハンターさんは照れながらも大真面目に叫んでました。いや、でもなんで私!?いくらでもイケメンのモンスター位いっぱいいるでしょ。こんなおっさんの古龍にしなくたって。い、いや、ミラルダは別ですよ、勿論。一体何があったの、私のモテ期!?ほんっとに人の時でなかった事を恨んでやる。と言っても、人の時の方が3枚目、いや、5枚目くらいの凡人でしたから逆に嫌われそうですね、自身で納得。これで良いのかも。
でも、私を好きになってくれる人が2人って何かの予兆!?もう何でも来いです。
あまりに衝撃的で、私とミラルダが固まっている頃、後方の竹藪の中で小声で笑いながら私達を見ている者が……。
「ククク……。見つけた……やっと見つけたぞ……我がライバルよ……。」
細マッチョな体躯にショートカットの立て髪、雷迅剣ラギアクルスにベリオロスの防具一式を装備する男性ハンターが居ました。その時は私達も女性ハンターに気を取られていて彼の存在までは気付いてませんでした。
でも、何か別の意味で波乱の予感が……。あの……私達に安息は来るんでしょうか?来るんですよね?ね?
「あ、あなた、名前は?」
「え、名前?天羅《あまら》よ。」
「え、和の国出身なの?」
「そうね、他の色んな所と、モンスターと相対して来たわ。でも、自分の国で百竜夜行があると聞いて急いで戻って来たの。でも、終わっちゃってて。でも、モンスターは居るよって。」
だ、誰でしょね、私の居場所を教えた人……。
「あなた達の事も情報は入ってたわ。結構有名よ、監視船に手を振ってたとか。筆頭リーダーがひいきにしているとか。」
いや~、温泉がなかったら怒ってた所ですけど。有ったから良いんですよ、ケンカしたくないし。でも、手を振って行ったのはかなり話題になったんですね……。違った意味で人気者になっちゃいましたけどね。ま、色んな出会いもあるし、ミラルダと進展出来たし、良しとする所ですね。
でも、天羅《あまら》さんでしたっけ、私を倒そうとした割りにはお嫁さん候補ってどゆこと!?
「ねぇ、何でマサトさんなの?」
そうです、ミラルダもそう思いますよねぇ。
「あ、そのクシャルダオラ、マサトって名前なんだ!」
うわ~い!聞いてないし!私に名前があって喜んでるし!ってか、剣を納めて湯船の中をザブザブと進んで来ます。
チュッ♪……………。
へっ、は、はい!?い、いま、何を………!?
「あ!あなた!なにしてんのよ!」
傍でミラルダが怒鳴ってます。あの……私今キスされました?初対面でいきなりですか?それも、剣を交えた後ですよ……。なんつう大胆な女性でしょ。な、何が何だか分からなくなって来ました。誰か状況が分かる人が居たら教えて…………。私はどうなるんでしょうか……………?
つづく……。
読了ありがとうございます。どうなってしまうんでしょうねぇ、神様いや、作者のみぞ知る。次回をお楽しみに♪紅龍騎神でした……♪♪