いやはや、何かと事が起こっている私、皇 雅人《すめらぎ まさと》ことマサトです。
古龍に転生し、直ぐに彼女が出来、挙げ句に二人目、三人目と告白されて感動の嵐なんです。
今現在、和の国に滞在しておりまして、翼の療養中であります。
ゴシャハギさんとも力比べをしましたが、流石なかなかに強い!
あ、いや、何しに養生しているのか分かりませんが……。
引き寄せる物があるんでしょうか!?そういう運命だって言います!?良いことも悪いこともごっちゃですけど……。まあ、今回は大事にならずに済んだので良かったんですけどね。これ以上は国が傾いてしまうので、私もそろそろ、和の国を出なければいけないと思ってます。大分翼の付け根も回復しましてね、飛翔出来るくらいは動けるようになったんですよ。竜巻を起こすにはちょっとまだ不安がありますけどね、ただあんまり長居し過ぎるとやはり強固なモンスターを呼んでしまいかねないので、一旦引き時なのかなと思った訳です。あまりにも色々あり過ぎて、でもミラルダとの繋がりを深める事が出来たのは良かった、勿論天羅さんやアミラさんもですけど……オホンッ。
それで、そろそろ出立の準備をしようかと3人と話し、3人は城下町へと出掛けて行きました。良かった、仲が良さそうです、私の可愛い人達……。
それを見送った、 そのすぐ後でした……。
…………………………………。
ん!?あれは………。森林の側に居るのは、村の子供で将来有望株の沙耶ちゃんと亜紀ちゃん!愉しそうに遊んでます。オジサンもちょっと混ざろうかな?立ち上がり、二人の居る方へと歩いて行きました。すると、二人はこっちを見てニコッと微笑み森の中へと走り出しました。ちょ、ちょっと待って!あんまり奥に行っちゃいけない!って聞こえる訳がないんですけど。困った、でも万が一の事があったら………。ま、まずは追い掛けよう。二人を確保してからだ!そう決めて、二人の後を追って行きました。私の方が方向音痴だと言うことを忘れて………。
いや、買い物から戻った3人は大騒ぎ!!って言っても私は子供達を追い掛けていて、そんなことになっているとは露知らず……。
「マ、マサト!何処っ!何処に居るのっ!」
「マサト様~!居ましたらお返事してください~~!」
「そうだぞ~~!あたしを嫁にしないで居なくなったら損するぞ~~~!」
「「こらっ!」」
なんつう事を。でもちょっと嬉しかったり♪……………ウホッ。
「ど、何処に行っちゃったんだろう?今までなら、あたしの帰りを待ってから動いていたのに………。」
さすがその通り、もし一人で行動するなら事前に話しておきますし。
異常と気付けるのはさっすがミラルダ!と思う訳で、しかし当の私は全く気付いてないわけです。
「どうしたの!?」
え…、そこに現れたのは本物の沙耶ちゃんと亜紀ちゃん!?マジで?じゃ、今私が追い掛けているのって………と言っても、くどいようですが、当の私は全く気付いてないんですよ。
「マ、マサトさんが居ないの。あなた達見なかった?」
「え、そうなの!?だってさっき、お姉ちゃん達を追って森の中へ行ったから………。」
「何ですって!?」
「それが本当ならただ事ではありませんね。」
「アミラさん、何か知ってるの?」
「何となくは…でもまさか………。」
アミラさんも何かを思い出したようで、ミラルダの顔を改めて見つめてました。
「まずは、お姉さまに会いましょう。」
「え、サクヤさんに!?」
「はい、お姉さまならこの事象の事を何か知ってるかもしれません。まずは、お姉さまの元に急ぎましょう。」
3人は頷きあって、サクヤさんの元に走り出すのでした……。
しかし、私が何かに巻き込まれてる!?事件なんでしょうけど、私が気付くのは、もうしばらく後の事……。
………………………………。
と、子供達を追い掛けてますけどいや、ちょ、ちょっと!追い付けないなんて、2人共早すぎでしょ!普通なら、異常に気付いたでしょうけど本人達と思い込んでいたので、疑わなかったんです。そして森林や岩場、川や竹林等を抜けて行きます。私も何故か2人にしか目に入ってなく、私が急ぎ早に抜けて行くのを、周りのモンスター達も見ていた事でしょう。でも私にはそんな事はお構い無しに、子供達を追い掛けていたんです。
やがて、子供達が立ち止まりました。やっと追い付いた!って、ん!?なんだここ、初めて来た場所だな。あっと、彼女達は………あれ?居なくなってる……。おいおい勘弁してね、ここまで来て見失うってショック……オジサンにどうすれって言うんでしょ。
でも、なんでしょうこの場所。かなり高い岩山に囲まれていて、あ、あんな上に社らしき建物がある。かなり年期が入った建物ですが………いったいここ何処!?
と、突然空に分厚い雲の渦が現れ、中心から飛翔して来る物が。全身が痩せ細った様に見える体躯ですが筋肉質で、翼が無いように見えますが自在に空中を泳ぐかの様に飛翔してます。お腹の部分でしょうか?大きく膨らんで、けして大きくはない後ろ足で、お腹を支えるようにしています。え、もう1頭同じ様な姿のモンスターが出てきました!そちらはお腹は膨らんでないようですが……。
で、私の目の前に降りて来て空中で、逆さ!?の状態で静止します、2頭ともです。
(あの……あなた方は?)
(我らは対なる者……)
(対なる者……)
(我は風なり……。)
(我は雷なり……。)
((我らは対なる者……))
風…雷…なんか何処かで………あ、日本古来からの風神と雷神!?て事かな?まさか古龍なんて……。
「マ、マサトッ!」
ん!?ミラルダ!アミラさんに天羅さん、あら、カグヤさんに将軍様まで………。
(どうやってここが?)
「うん、カグヤさんと将軍様のお陰で来られたの!」
「アミラさんがそれに気付いたお陰でね。」
「いえ、私はそんな……。」
素敵な彼女達ですよ、こんな頼りないおっさん古龍でも、真剣に私を探してくれる……。目が痛い……いや、涙なんて流してないですよ、ゴミが入ったかな?
「やはり、この古龍様は……。」
「うむ、カグヤよ、お前の思っている通りだ。お腹の大きい方が
雷神龍ナルハタタヒメ、もう1頭の方が
風神龍イブシマキヒコ………。」
風神龍に雷神龍ですか、神と呼ばれる龍が居たなんて……。で、なんでその龍が私を?
(お主に頼みがある……。)
(頼み!?)
(そうだ、凍土にいる我らの古き知り合いにこれを渡して欲しいのだ……。)
前肢を差し出して来ました、ての中には色違いの宝玉が2つ……。
(これを?)
(そうだ、これを凍土に住んでいる古き友人に返して欲しいのだ……。)
(古き友人とは?)
(人間達はイウ゛ェルカーナと呼んでいる……。)
おお、初めて聞く名前ですね。凍土と言うことだから、新大陸!?で間違いないのかな?
(彼が来なくなって久しい……、なぁ対よ。)
(そうですね、数百年は会ってはおりませんよ対よ。)
げ、マジですか?どんだけ長生きですか!?
(頼まれては貰えぬか?)
「お引き受けします!」
(な、ミラルダ……。)
「だって大切なものだもの、それを私たちに託そうと言うんだから余程の事だと思う。それを私達で届けてあげようよ。思いのこもった物だから……。」
(そうか…それもそうだね、どのみち新大陸に向かう予定だし預かろうか。)
私は2頭の古龍に向き直り、預かる事を伝えました。
(おおっ!引き受けてくれるか!対よ、やっと念願叶うぞ。)
(はい、対よ。この時をどれだけ待ちわびた事か……。)
ほう。その念願を叶えないと”罰”が当たりそうですね、これは大事にしないと。
「いつぞやはありがとうございました…………。」
あら、カグヤさん何でお知合いですか?
(あの時の童か……。久しいの。)
(見違えたの……。)
珍しくカグヤさん照れてます。でも、いつぞやって以前に会った事があると!?
「お姉さま、この龍様達を知っていると?」
「ええ。幼少の頃に私がはぐれてしまった事があるでしょう?覚えてますか?」
「はい、あの時は城中大騒ぎで、私も心配になって飛び出しそうになったのを止められてました。」
「そうですか……心配を掛けましたね。ちょうどその時なのです。私はこの龍様達に助けられました。」
「そうなんですか、それは初めて聞きました。」
「そうですね、誰にも話した事は無かったので……。でも、何かの縁ですね。またお会いできた……。お話ししましょう。」
全員がカグヤさんに注目ですよ。みんなその時の事を聞きたくてシンとしてます。
「私は一人でお花を摘みに行った時です。いろんな綺麗なお花があって、お花に気を取られてたんです。いつの間にか崖の傍に来ていました。そして、お花を摘もうとした時崖から足を滑らせ、落ちてしまったんです……。」
「えっ!!」
「なっ、なんとっ!!」
アミラさんも将軍様も声を上げてしまいました。そりゃそうですよね、崖から落ちたなんて緊急事態ですよ。で、よく怪我が無くて……って、まさか……。
「その時、空中で私を受け止めてくれたのが雷神様でした……。」
「そ、そんな……。」
「ま、真かそれは……。」
「はい、傍には風神様もいました。その時は私も彼らの事はよく分かっておりませんでした。」
おお、そうなんですか。優しい龍も居たんですね、まあ全部が攻撃性が強い性格のモンスターばかりじゃないでしょうけど。
「私も、その時は驚きでしたが、しばらく私と遊んでくれて城の近くまで送ってくれました。最後に摘もうとしたお花と一緒に……。」
成る程、そんなことがあったんですか。こう言うのを貴重な体験て言うんですかね。
「なので、風神様や雷神様は私の命の恩人なのです……。」
しばらく沈黙でした……。なんて話しかけてよいやら……。
(よい。昔の事ぞ、なあ対よ。)
(そうですね。再会できたのが何より、ねえ対よ。)
温厚な古龍様で良かった。戦っていたらどうなっていたか分かりません。でね、沙耶ちゃん達を捕まえないと大変なんですけど。
(沙耶ちゃん達を見なかったかい?)
「あ、ええ、居たわよ。城下町の側に。」
(へ!?うそっ!だって、2人で森の中に走って行って大変だと思って追いかけたのに!?)
え”、それじゃ……まさか……と、皆の顔を見るとニコッとして頷いて来ました。みんな知ってた!?私だけが把握してなかったと…………がくっ、私は誘いに乗っちゃったんですね。そうですか~~、でもよく他の大型モンスターに出会わなかったですね。え”、暗示にかかっていたから居ても気付いてなかったって!?マジか……。
でもまあ、とりあえずは無事なのは確認できたので帰りましょうか。
(じゃあ、戻ります。これは大事にお預かりします。)
(よろしく頼む……。)
「では、これで……。」
(また、立ち寄るがよい。もてなそうぞ、なあ対よ。)
(そうですね対よ。気を付けて行くのですよ……。)
(ありがとうございます。)
「必ず届けます!」
さて、みんな背中に乗せてと。やっぱ5人はちょっと重いな、でも飛べない訳じゃない。
(しばし待たれよ!)
(えっ!?)
呼び止められて風神さま雷神様の方へ振り返ります。すると数m幅の黄色に輝くリングが向かって来ました!
(それをくぐると良いぞ。)
えっ、くぐる!?なんだと考えているうちに迫ってきました。みんな身を低くしてそのリングをくぐり抜けます。みんなは変化が無かったようですが、私だけはありました。翼の付け根の痛みが無くなっている!怖さもあるけど思いっきりホバリングしてみます!おおおっ!!一羽ばたきでここまで上昇出来た!完全回復かな、やった!
(ありがとうございます!助かりましたっ!!)
2頭の古龍たちは手を振っていました。私達も手を振りつつ、城下町へと戻ったのです……。
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「龍さんが帰って来た~~~っ!!」
おおっ!沙耶ちゃん達です。良かった無事で……え、心配されてたのは私の方ですか!?照れますねぇ♪
「それでいつ頃、出立するんだ!?」
将軍様……。いっぱいお世話になりましたね。
(はい、彼女達も準備が出来たようなので明日にでも。)
「そうか……寂しくなるな……だが、また戻ってこい!」
(ありがとうございます。)
「次に会う時は孫の顔が拝めると良いのう♪」
(ぶほっ!そこですかっ!)
「では、明日。」
手を上げて帰って行きました。スイマセンね、なんの役にも立っていないというのに……。
で、次の日……。町の人から城の人達、各村の人々も大勢集まってくれました。こんなに人から見送られるのって私にすると初めてです。見向きもされなかったおっさんですから……なんかすごく嬉しい……。
「みんな準備は良いわね?」
ミラルダ、天羅、アミラ、私とお互いの顔を見合って頷きます。
(よし、みんな乗って。)
順番に背中に乗っていきます。周りの人達に手を振ったり、声を掛けたり……。
(では、出発します!お世話になりました!!)
私は翼を広げてホバリングします。人々が一斉に大きく手を振ってくれます。下に居る人々が小さくなるまで上昇して行きます。一気に地平線が覗ける様な高さになった所で飛翔を開始します…………。
あれ?こっちかな?いや、そっちかな?待て待てあっちかな?方向音痴だと言うことをすっかり忘れていた私……。
「ああっ!ごめんっ!こっち!」
ミラルダが気付いて指さししてくれました。
「え、あんた、意外と方向音痴なの!?」
「そうみたいよ♪」
「可愛い………♪♪」
えぇ!私が、可愛い?いや……ハハハ………古龍の私をそう思ってくれるのは貴女達だけですよ………ありがとう♪では行きますか!新大陸へ!!では………♪
読了ありがとうございます。取り敢えず、和の国編終了です。RIZEのモンスターが全て出せなくてすいません。新大陸ではどうなるか、モンスターを沢山出演させたいのですが。次回からの新大陸編をお楽しみに♪紅龍騎神でした……♪♪