何度も言ってしまいますが、コラボしておりますのでよろしくお願いします!
では、物語スタートです!
ああっと!ごめんなさい!緊急事態勃発してます!エリア8内にて異種格闘技……じゃなかった戦闘が開始されました!
申し遅れました、皇 雅人《すめらぎ まさと》ことマサトです!肉の奪い合いなのか、私達に対して喧嘩を売ってきているのか、多分そうかな!?
ゆっくりと食事をしながら、レクスさんやシオンさん達とお話がしたいと思っているのに、お邪魔をしてくるイビルジョーさん……。天羅さんに言われた事を分かってますか!?邪魔するやつはアックスに殴られて倒れてなさい……。それ、私も怖い……。
どうしてここまで怒りモードなのか分かりませんが、虫の居所が悪かったんでしょうか?短気なモンスターさんは嫌われますよ、どうして私のように落ち着けないのか……。
「「「落ち着き過ぎっ!!」」」
あ、はい、スイマセン……。
(貴様ら、何故ハンターと共に居るっ!!)
あの……やっぱり珍しいんですかね?こう、モンスターに合う度に同じ事を訊かれる……。特殊なんでしょうね、モンスターから見ても人間から見ても………。
(いや、好きだって言ってくれた時点で離せる訳がないでしょ。これ逃したら、婚期が……。)
『え、そこですか!?』
(あ、いやほら、私にとっては3人とも大好きで愛してるもんだから……。)
「「「ばかっ、もうっ♪♪」」」
攻撃しながら顔を赤くしてます、可愛い……。
(ふんっ!くだらないな……。俺にとってはどいつも敵で、食料でしかないがなっ!)
(そうだな、あんたにとっては……だろ!?)
(話にもならんわっ!)
(そりゃこっちのセリフだ!)
私も、身構えてミラルダ達を気にしつつ攻撃姿勢を取ります!シオンさんも先ほどのブレスで応戦しようと隙を狙ってます。私はダイヤの両刃のクナイを口に咥え、突進する体制に……。
レクスさんが双剣で脚や尻尾を巧みに狙って行きます。天羅が、アックス状態でイビルジョーの横顔にヒット!よろけた所を逃さずに、尻尾の方からレクスさんが背中、頭と回転斬りを浴びせていきます!手練れですね、流石です。
アミラも矢をつがえて貫通の矢をダメージのある脇腹に連続で当てていきます。ミラルダも太刀を振りかざし、懐からジャンプして真上から垂直に刃を降り下ろしてダメージを与えていきます!
「ちっ、なかなかしぶといな。」
「さすが怒り狂ってるだけはあるね。」
「スタミナ、体力、半端ないしね。」
「ダメージの度合いが弱くてなかなか倒れませんわ。」
「ゴォォアァァァァッ!」(邪魔なハンター共がぁぁぁっ!!)
わ、余計に暴れだしましたよ。ん!?急に立ち上がって足踏みしだしました。マズイ!このモーションはまさか………。
(みんな………危ないっっ!)
私は咄嗟に翼を広げて、皆の前に立てて盾がわりにします!
(食らえぇっっ!)
その貯められたアギトから放射されるブレスは黒くおぞましいブレス………。地面や私の翼を無視するように吐いてきました!何とか翼の盾で攻撃を防ぎます!
「マサト!大丈夫!?」
(大丈夫だ!みんな怪我は?ブレスに殺られなかった?レクスさんはっ!?)
「レクスさんは大丈夫ですかっ!?」
「こっちは大丈夫だ……って、しまったっ!」
レクスさんが反対の方を向くと、オトモのタマさんが……。
「グルアァァァッ!」(小癪なぁぁぁっ!)
「ニ゛ャァァァ!こっちに来るニャァァァッ!」
マズイッ!ジャンプして、タマさんの方にっ!
『させないっ!』
シオンさん!?タマさんを押し退けて身代わりに!?
『きゃあぁっ!あぐっ!』
このっ!殺らせないぞっ!喰らわせてなるかっ!!
(ふんっ!身代わりなんぞするからだ……だが、容赦はせんっ!)
イビルジョーが、上半身をしならせてアギトを開いて、牙を剥き出した状態で頭を降り下ろしていきます!
『レクスッ……!!』
ハンターさんの名を叫んでました。レクスさんと……。
(容赦しないのはこっちの方だっ!)
私はすかさず、ノーモーションからの突進をして両刃でイビルジョーの背中を一閃します!
「ギャガァァァァァッ!」(ぐわぁぁぁっっ!)
いくら筋骨隆々と言っても、今のダメージは少なからずキツいでしょう。そのため横に吹っ飛んで、ひっくり返ってもがいてました。
「大丈夫かシオンっ!タマはっ!?どっちも無事か!?」
レクスさんがシオンさんの元に。
『はい、でも右前脚が……。』
「ほんとか!?見せてみろ!」
あちゃ……今のイビルジョーの両足のジャンピングプレスで、脚を痛めてます。
(私も油断した、済まない!!)
『いえ、貴方のせいではありません。』
「ニャァ…ごめんニャァ……。」
『大丈夫だよ、タマも無事で良かった。』
優しいですね。まだ成体になってないと思いますが、しっかりしている……。
「ゴォアガァァァァッ!」(お、おのれ!おのれ!おのれ~~~っ!)
よろつきながらも、起き上がりエリア全体に響く怒号を上げ、全身赤黒く染めてブレスを溜め込みます!くっ、今度は間に合わないかっ!
イビルジョーが渾身のブレスを私達に浴びせようとしたその時です!
「ガッ、ガハッ!」(ぐおっ!なんだっ!)
このエリア8の全体を包こむ空気、気配……何もないのに真上から押し付けられる重圧……。
「な、なんだこれっ!」
「ニャ!?地面に引っ張られるニャ!!」
「ぐっ!う、動けないっ!!」
「だ、ダメです!立ち上がる事も出来ないっ!」
「マ、マサトっ!!」
(ミ、ミラルダっ!私も動けないっ!!)
『な、何なのこの力!?』
全員が……いや、イビルジョーもですけど。地面に吸い寄せられて、その場にくっついて身動きが取れない!!
更に地面に押し付けられます!!
その同じに倒れ込んでいるイビルジョーの後ろに圧倒的な威圧感と殺気が混じった気配を漂わせる物が現れたんです……。
「ぐっ……なっ、なんだアイツは!?」
「え……っつ、嘘……。」
「マ、マジで……!?」
「そ、そんな……。」
(わ、私と同じ……種が……いる……。)
『起き……上がれ……ない…………。』
それは、私と同じクシャルダオラですが……、違うのは私よりひと回り大きい体躯に漆黒に艶のある鋼や錆びた色とは違う色……。そして鋭い殺気…………。
(ほう。お前らも転生者か。)
そのクシャルダオラが意外な事を口走ってきました。
(なっ何故それを!?……まさか……。)
「マサトっ!……それって……。」
そうです、ミラルダが思っている通りだと思います。
(……そうだ、俺も転生者だ……。俺の”超重力”グラビトンに耐えられない様じゃ俺の敵じゃなさそうだな。)
口元を少しつり上げ、ニヤリと含み笑いをこぼすその古龍は私達の動けない姿を見て上から目線で見据えていました。
(何故……こんな……事を……するっ!……。)
(ククク……。心配するな、今日は顔を見に来ただけだ……。ほんの挨拶代わりにな。)
(どう……いう……事だ!……。)
(ふんっ、いずれ分かる。せいぜい今を楽しむんだな……。)
(何っ!)
なんと、イビルジョーの首あたりを咥えて持ち上げ、ホバリングしていきます。全員、地面に押し付けられながら驚愕でした。あの体格をいとも軽々と持ち上げたんです、驚くなと言う方が無理でしょう。
私達は何もできないまま、その漆黒のクシャルダオラが飛翔して飛び去るまで強力な重力は解けませんでした……。
かの龍が去った後……重力が解けて、みんな解放されます。あまりのショックにゆっくりとしか立ち上がれませんでした……。一体何者なのか……ただ言える事は私達とは仲良くなれない相手……あの殺気の籠った圧迫感は紛れもなく私達を敵と見ている事……。それだけがはっきりした事でした……。
確かに全てが仲が良いなんて事はないと思ってました。この世界でも居ない方がおかしいと思えるぐらいに。
でも、それが突然やって来るんですから困ったもんです。心の準備が出来やしない……。
「マサト……大丈夫!?」
ミラルダが傍に寄ってくれました。
「なんて奴だ、ありゃバケモンだね……。」
天羅……。
「目的は一体何なのでしょう?」
アミラ……。
「とんでもない奴が現れたもんだ……。」
レクスさん……。そうですね……。
『他にも……居たなんて……。』
シオンさんも驚きを隠せない……。当然ですね、私達に出会って間もないというのにもう1頭居たなんてね。
私にとっても最大の強敵が現れたような気がします。本当に真の目的が何なのか……。
どうする事も出来なかった全員が意気消沈したまま、拠点アステラへ案内してもらうしかありませんでした……。私自身も力の差を歴然と思い知らされたんです、今度また攻撃されたら……守らなければ……周りの人やモンスター達を……そして3人の最愛の彼女達を……改めて心に秘めながら拠点へと脚を進めていました……。
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(グオォォォ、放せぇぇぇぇっ!!)
漆黒のクシャルダオラに軽々と咥えられ、上空を飛翔中のイビルジョーさん。
(良いのか?今放せば、貴様は地上に真っ逆さまだぞ。良くて大怪我、悪きゃ死が待っている、どうする?俺はどちらでもいいぞ。)
そう言われて、下を見るイビルジョー。言われた事を理解したのか暴れなくなりました。
(お、俺をどうする気だ!)
(俺はお前が気に入った、俺の子分にならないか?)
(何だとっ!貴様の子分にだとっ!)
(嫌なら、このまま口を離すだけだが……俺もそれ以上用は無いしな。)
(わ、わ、わ、まっ待て待て!待ってくださいっ!それだけは……なりますっ!子分になりますからっ!!)
慌てて横目で、クシャルダオラの顔を見ます。漆黒の体躯の中にひと際真っ赤な目がイビルジョーの事を見据えていました……あの怒りモード全開だったイビルジョーが喉の鳴らす音が聞こえるほどに生唾を飲み込んでいたのはその場の話……。
(なら、着いたら早速で悪いが働いてもらう。だが、その前に傷ぐらいは治してやろう。)
この古龍には逆らえないと直感で把握したのかイビルジョーさんも観念していました。一体仲間を増やして何をしようと言うのでしょうか。その時の私達はそこまで考える余裕もありませんでした……。しかし、あの体躯の色……。そして、私のように進化したのか重力の攻撃属性……。私の場合はダイヤですが……あの畏怖するような気とパワー……。今の私では太刀打ちできないかもしれません……でも、負けられないので……応援よろしくお願いします……。って誰に言ってるんだろ私!?
読了ありがとうございます。漆黒のクシャルダオラの現れた真相は?はたまた、アステラへ向かったマサト達は……次回をお楽しみに。
紅龍騎神でした……♪♪