今、新大陸で拠点の一つセリエナにお邪魔している皇 雅人《すめらぎ まさと》ことマサトです。
3人の美女たちに告白され、一緒に旅をすることになった私……嬉しさ一杯な反面、私とは真逆のクシャルダオラの出現で、悩む事にもなり……。
で、いろんな意味で準備期間と決めて静養を含めて体を休めている所です。
そこで、色々話をシオンさんに聞きたいなと思いつつ、ふと前に思った事を聞いてみる事に。
そう、あの会話術……。特定の人だけに話すだけじゃなく、全体にも伝わる……これを覚えることが出来れば意思疎通が随分楽になる……、そうすれば3人ともっとラブラブに…………失礼しました……。
で、頼んでみたら快く了承してくれて早速シオンさんの居る小屋で練習を開始しました。
でもっ、でもっ、めちゃくちゃムズイじゃないですかっ!!なにこれっ!?こんなにシビアとは思いませんでした!
”龍の言霊”…………万能話術だそうで、やり方は優しく教えてくれたので理解は出来たんです。ただ、今までそのエネルギーを制御していた訳でもなかったので、いざやろうとするとどうやれば制御出来るのかさっぱり分かりません。参りました……。でも、出来れば覚えたい。
なんでもシオンさんが言うには、
『この“龍の言霊“は鳴き声や吐息にほんの僅かなエネルギーを含ませて、人の五感に合わせる特別な波長として発することで、一種の声として相手の聴覚や脳内に直接響かせる方法です。』
との事。
(だあぁぁぁ………!ムズカシイっ!マジッ?針に糸を通すよりも難しいよ!?)
いや、ショックです。これ扱えるまで何年かかるのか………。
『何ですかそのイメージ……あ、そうか……マサトさん、風で感覚を掴みましょう!いつもの暴風を纏うやり方で!』
風を纏うやり方!?出来ないことはないでしょうが………。
(何か……さっきよりも、難易度上がってない!?)
『私は元々、エネルギー操作が得意な種族らしいので……スレイン(ネロミェール)から概念を教わっただけで出来ましたし。』
マジで!?なんでも他の古龍さんから教わっただけで出来ちゃったって?凄すぎでしょ!エネルギーの扱いが得意だと言っても私からしたら………師匠と呼ばせて下さい。
そうか……風か………よし、それなら場所を変えよう。
(風を起こしても、最小限に抑えられそうな場所はあるかな?)
『え~と………それなら大蟻塚の荒地はどうですか?』
(大蟻塚の荒地!?)
その場所は、その名の通り蟻塚の群巣があったり、水源洞窟や湿地帯、森林があったりと入り組んだ地形のようでそこに移動することに。
で、シオンさんの案内で中央付近と思われるキャンプ地の近くに降り立ち、エリア6とされている場所へと移動。そこの丘にはクルルヤックと言うモンスターが寝床にしているのだとか。竜巻起こしたら……大丈夫かな?まあ、やってみよう。
『まずは最弱出力がどれくらいなのか、一度見てみないと……。』
なるほど、一番弱くねぇ。私は翼をちょっとだけ動かして竜巻を作り出しました。でもね……それでも大きいのか砂や他の物を巻き上げ、吹き飛ばしながら50m程進んで消えました。ゴメンね、暴れている訳じゃないからね……と言っても竜巻だし……あ……なんか落下してきた……あれがクルルヤックかな!?スマンっ!!
(結構抑えたつもりなんだがなぁ……あれ以上に抑えるとなると……。)
『うーん、何かしら指標というか……”これくらい”と言う感覚を掴んで貰えたら、かなり楽になると思うんですが……。』
”これくらい”かぁ。その度合いだよなぁ……。そこがネック……。私の場合は風を操る……という事はエネルギーを少なからず操っている事になる。その強弱のコツさえ掴めれば……とシオンさんの話。凄く熱心に教えてくれるので、嬉しい程にありがたいんですけどおっさんて意外と理解するまで時間が掛かったりするもので……。
『仕方ありません……私がマサトさんに対して直接エネルギーを渡すので、その強さを感じてください。あ、頭を少し下げてくださいね。』
あ、はい。え、エネルギーを直接!?
(え?……なっ?……へあっ!?)
な、な、なんと!!私の顎の下にシオンさんが額をつけてきました。更に前脚を私の胴体に当ててきます!
あ……何か流れて来る物が……エネルギーか、こんなに小さな感じだったんですか。なるほど、こりゃ分からん。でも、何でしょう!?何か色っぽさを感じるのは私だけでしょうか……。物凄く照れる感が半端ないんですけど。いや……ミラルダと以来でしょうかねこんな感じは……しかも、方法が触れあってだったので身体がガチガチです……。しばらく、シオンさんを見つめたままピクリとも動けませんでした……。身体の熱が上がって行くのが分かります。でも、火は吹けませんよ火竜じゃないので……。
彼女の方は首を傾げてました。どうやら、エネルギーの調整を間違えたかと思ったようで。純ですね……私の思いがバレない様にしないと……ね♪♪
『ど……どうかな!?こんな感じで良いのかな!?変じゃないかい?』
『おぉ~、ちゃんと聞こえますよ……後は皆さんと会話も出来れば成功ですね。』
やった!通じた!この感覚だったんだ、これが分かるのに苦労するとは……シオンさんありがとう。そうすると、後はミラルダ達と会話が出来るかどうかだな。
私達は勇んで2頭でセリエナへと戻っている時、陸珊瑚の台地と言われる場所に2つの殺気を感じました。
全身が赤い体躯と黒い体躯の2体……同種の様ですが体毛は無く、犬に似た体型で脚それぞれの爪が10本ずつある……。上下に2本ずつ大きめの牙が猛獣さを醸し出している……私には分からないモンスター……。
シオンさんが後で文献でオドガロンという牙竜種と載っていたと教えてくれました。縄張り争いか、餌の取り合いか2頭が争っているのを横目に私達はセリエナへと飛翔していました。
数日が過ぎた頃、ミラルダ達の武器の手入れが終わったと戻ってきました。私はシオンさんについて行き、トレーニングエリアという場所で待ち合わせていました。
「マサト、シオンちゃん……お待たせ。」
おお、何か久しぶりな感が……。しかも、小飛竜の扱い慣れちゃってるし。おお、そうかここなら武器のテストにはもってこいなのか。ここまで考えている新大陸の拠点って凄い……。
「マイトさん達の技術は凄いよ!あたしのアックスが新品みたいになってる!」
ほうっ、天羅のチャージアックスが確かに綺麗になってるような……。
「えっ……軽い……!?」
はい!?以前よりも軽々と振り回してますよ!?どうなってるの!?
「あ、ホントだ!あたしの太刀も使い勝手が良くなってる!」
「私の弓もです……弦が弾きやすいです、でも威力は落ちている気がしません。どういう事でしょう!?」
「そりゃあお前さん達の癖に合わせた調整の結果だ……俺らは隔離された新大陸の中で、何とか使える物を探し出し大事に使ってる……だから結果的に長く使えるように、最初の内から使い手の癖に合わせておくのさ。まあ、癖ってやつはなかなか抜けないもんでな……時には無理が掛かって武器の寿命を縮める事もある。
お前さん達の武器の使い込み具合から、癖を読み取ったうえで設計をし直したのさ……勿論、使い勝手はそのままにな。ガハハハッ!」
凄いな、それぞれの使い勝手と癖を見抜いて武器を設計しなおして調整していく……言うほど簡単な事じゃない事は良く分かります。ハンターも命懸けならば、そのハンターを守るための武器や防具も命懸け……そんな裏方さんが居ないとやっていけないこの世界……一致団結という事ですよね。
「「「ありがとうございました!」」」
「ガハハハッ!良いって事よ!向こうの素材を扱えたのも、いい刺激になったしな。」
ははは、なんだかんだで良かったですよ。でも、職人ですよね新素材関してまだ知りたそうでウズウズしてます。
『良かったね、3人とも。』
3人とも私の声に驚いて気が付いてない……。周りをきょろきょろするばかりで、なんだか見ていてW。
「あ……もしかして……マサト……なの!?」
「えっ!?こ、これマサトの声なのか!?」
「こ、これが貴方の声なんですね……嬉しいです!」
『やっと……みんなと自由に話せるよ、これからもよろしく。』
祝!自由に会話が出来るようになりました。シオンさんには感謝……いや深謝……みんなが良くなって行ける事を切に願って………………。
読了ありがとうございます。シオンさんのお陰で、マサトも皆と会話が出来る事に。次話もよろしくでございます♪紅龍騎神でした……♪♪