目の前に探し人……じゃなかった、探し龍を見つけた、皇 雅人《すめらぎ まさと》ことマサトです。古龍に転生して新大陸にお邪魔中で……。
3人の美女に好かれ……一緒に旅をする毎日……転生して古龍ですが……幸せな日々……。
またもや大変な事態……龍結晶の地で私達の目の前にイヴェルカーナが現れたんです!周りの大気が極度に温度低下を招いてます。霜柱や氷塊が出来て……。
『アナタ達……何故、人間などに手を貸しているのですか!? それにアナタは、彼の龍の同族……却って好都合ですわ!アナタ達の企み、全てこの場で吐き出して頂きましょう!!』
うわっ!尻尾が長く鋭い氷の刃のようになっていて連続で槍のように突き出してきます!何とか躱すのが一杯ですが、このままでは怪我は免れなくなる……まずは両前足をダイヤモンドコートで、更にダイヤモンドの両刃のクナイを生成しながら、槍のような尻尾の攻撃を躱します!
『「「「マサト(さん)」」」』
『来ちゃダメだ!! 何か誤解しているようだ!誤解を解かないと話を聞いてもらえない……!(え、シオン!?)』
ミラルダ達は武器を構えたままでこちらを見据えています……が、シオンさんがいつの間にかイヴェルカーナの後ろに回り込んでいました!私に集中している所為かシオンさんが後ろに居る事を気付いていない……。
シオンさんがホバリングして両前足でイヴェルカーナを羽交い絞め……!?
『やめんしゃいッ!!』
『ッ!? しまっ……きゃうんッ!?』
うおっ!空中から投げた…………。バランスを崩してひっくり返るように落下していきます!何でも初挑戦だったからうまくいくかどうかは分からなかったと?度胸あるぅ!助かりましたよ。あの攻撃をどうやって躱しながら、抑えられるかと考えてましたから。
で、背中から地面に叩きつけられたイヴェルカーナ。
『…………ッ……やってくれましたわね……!……え……っ、あれ……ッ!?』
必死に体勢を立て直そうともがいてますが……いや~、珍しい体勢ですね。これがホントの”ひっくり返し”というやつでしょう。翼も四肢も胴体も逆さまで動けなくなってます、横にも縦にも上にも動けません……。
何が起こった!?と全員絶句……。
『……何が、どうなって……くっ……た、体勢が……!?』
最強種の古龍がじたばたするのって……何か笑える……あ、だめだ……。
『……ぶふぉっ……!!』
噴き出しちゃった……なんか可愛げがあって可哀そうなんだけど面白い……。あ、私に続いてみんなが一斉に笑い出しましたよ。
「ぶはっ……ちょ……待って……苦し……何で……そんな綺麗に逆さま……アハハハッ!」
エイデンさんが受けてる……。
「シオンちゃん……さすがに投げっぱなしは……フフフフッ!!」
ミラルダ、そこ!?
「あははは!!古龍が逆さま……あはははっ!」
天羅も珍しいよね、こんな姿はまずお目にかかれない……。
「くくっ……すみません……さすがに耐えきれません……くふふふ……!」
アミラまで……確かに凄い光景ではありますけどね……。
『……ぶはぁっ……!!』
シオンさんも耐え切れずに笑い出しました。
「まさか……古龍のこんな姿を見るなんて……ぷっ。」
「……やめなさいよクリス、笑うなんて……くふっ。」
「……はぁ……あんた達、もう少し緊張感を持ちな……。」
カルラさんが呆れながら……全員イヴェルカーナの周りに集まったんです。イヴェルカーナは私達を見回して観念したのか、落ち着きを取り戻し会話が出来る状態に……。
『……あの……申し訳ありません、急に襲ったのは私の不手際です……ちゃんと謝りますわ……ですから、この体勢を……何とか……して頂けませんこと?』
ああ、そうですね。このままじゃぁまともに話も出来なさそうですし、まずは起こしましょうか。シオンさんとで起こす方法を模索します。
『……風で身体を浮かせられるかな!?』
『う~ん、この冷気、直接触れない方が良さそう……。』
『れ、冷気が邪魔なら引っ込めますわ! だから早く……うぅっ。』
あ、あらら、ウルルン目線になっちゃった。さすがに何とかしてあげないとね。早速、地面と背中の間に風を潜らせ、浮かせるように体重を軽減させていきます……それに合わせてイヴェルカーナが翼を一旦畳みます。そこでシオンさんが横からゆっくりとイヴェルカーナを横向きに押してあげると、自身でやっと起き上がったのでした……。めでたし、めでたし……って、終わりませんてっ!
『……ありがとうございますわ……アナタ達、普通にマトモな方達でしたのね。』
あの……あなたにとって周りのモンスターってマトモじゃなかったんでしょうか!?
『私は”マリナ”……人間たちからは”冰龍”イヴェルカーナと呼ばれていますわ。』
『シオンです……こちらこそスミマセン、止めるのに深く考えずあんなやり方で……。』
『クシャルダオラのマサトです……誤解は解けたかな?』
『それはもう……よく見れば、あの黒い奴とは雰囲気から違いますものね。』
黒い奴!?なんか意味深発言なんですが?まさか………。
『それで……アナタ達は何をしにこのような場所まで?』
まあ、当然疑問になりますよね。このメンバーで来るぐらいですから。
『貴女に逢うためでもあります。』
『な……私に!?』
「そうです、和の国に居る神龍から預かったものが有ります。それを貴女に渡して欲しいと……。」
『アナタは?』
「はい、ミラルダと言います。ここに居るマサトと、天羅にアミラと一緒に旅をしています。安息の地を求めて……。」
『そうでしたか……。それでその神龍とは?』
『それは……。』
そうなった経緯と共に、神龍2頭の名前を告げました。すると遠くを見るように目を細めていました……。ようやく、辻褄が合ったようです。
『イブシマキヒコに、ナルハタタヒメ……私達を知ると言うことは……恐らく「シロウ」と「キヨヒメ」の事ですわね?……カムラの里からなら、さぞ長旅だった事でしょう?』
ん!?でも待てよ、確かあの時男性の物言いじゃなかったかな?
『……あれ?でも、あの2人は「彼」って……。』
『……あぁ、2人と良く会っていたのは、私の弟「シモン」ですわ。あの子は数年前、フラヒヤ山脈の方へと旅に出て……今は音信不通ですの。あの子から、旅立つ前に2人の事を聞き……私が代わりに待つ役を……。』
『そうだったんですか、どおりで……。』
と言うことは、私が転生してきた場所……鉢合わせしてもおかしくない状況だった訳だ……ま、まだその時はイヴェルカーナの存在すら知りませんでしたが……。
『……もしかしたら、私達とすれ違ってたかも知れないね。』
「そうね……あなたと出逢った時に現れたら、どうなってたかしら♪」
『いやぁ、少なくともミラルダを庇ってたと思うよ。見過ごせなかったと思うし。』
「ありがと♪」
うわっ!久々にその笑顔攻撃!照れるじゃないですか!ダメ……勝てない……。
ミラルダが宝玉をマリナさんに渡しました。想いが深いんでしょうね、目を閉じて染々と……。
しかし、マリナさんが急に目を見開き!私達の方に振り向いたんです!
『すぐにここを去りなさい!あの「醜い肉塊」が来ますわ!!』
そう叫んで、冷却ブレスを放って私達が入ってきたエリアの入り口を氷壁を造り出して塞いでました!
でも、その分厚い氷壁をぶち壊して侵入して来たのは実はアイツでした……!
『うごぉぉぉぁあぁぁぁぁぁッ!!』
『……やはり来ましたわね、黒鋼龍の下僕……!』
そう、アイツとはイビルジョー。しかも”怒り喰らう”状態の……。ん!?でも何でアイツが黒鋼龍の下僕なんて……今マリナさんそう言ってたよね!?知っているという事は一度鉢合わせしてる!?確かにあの黒鋼龍に連れ去られたイビルジョーでしょうけど。
『またアナタですの?何度も言わせないでくださいまし……私はアナタ達に加担などしませんわ!』
『……ふんっ!だったらここで消えてもらう……。』
『それも御免被ります!今度は氷漬けだけでは済ませません……確実に、その命の灯火を消し去ってあげますわ!!』
言うか否か冷却ブレスを放っていきます!しかし、イビルジョーも構えていてジャンピングでそれを躱しアギトを開いてマリナさんへと向かっていきます!
『馬鹿の1つ覚えですわねッ!!』
おおっ!マリナさんもイビルジョーの飛び掛かりを躱し、ジャンピングでイビルジョーの頭上を飛び越えながら氷の刃になっている尻尾で攻撃していました!戦い慣れしているというか……凄い……。
『グゥ……ッ、嘗めるなぁッ!!』
反撃を食らったイビルジョーも怒りを更に表し、すぐさま振り向いてアギトにブレスを溜めながらマリナさんの背後を狙ってます!まずいっ、このままではブレスを喰らってしまう!
『……ッ、させません!!』
『マリナ!避けてッ!!』
シオンさんと同時……2方向からブレスを放ってました!シオンさんのブレスがイビルジョーの足元に直撃し、その反動で爆発が起き、私のブレスは圧縮と高速回転を掛けた空気弾でイビルジョーの身体を抉っていきます!
『ぐっ……がぁぁぁあぁぁぁ!?』
「隙だらけ、だっ!!」
「邪魔は、させないっ!!」
ミラルダっ!?天羅っ!?足元に入り込んで”居合抜刀気刃斬り””超高出力属性解放斬り”を放ってました!
くう~~~~っ!シビレル~~~~っ!!これだから彼女達は離せません!見事です!こんな時だけど……愛してる~~~!!……し、失礼。
『グゥウゥ……お、おのれぇ……!!』
さすがにこっちを睨んでます。私達が先に相対した者と分かったのでしょうかね、ま、そこまで記憶力があるかは別として……。しかし、そのせいでまだプロ級が居る事を忘れているイビルジョー。アギトを大きく開けて向かって来ようとした時、アギトの中に何かを放り込まれて口を閉じてしまう当人……。
『がっ……がはっ!!』
体内での爆発音!?投げ込まれた方を見るとエイデンさんがガッツポーズしてます。爆発系の……なんか入れたっぽい……。はは……さすがに体内から攻撃されればどのモンスターでも大概ダメージは免れないでしょう。あれは凄く痛そう……。対決する事は無いでしょうが、私の時には勘弁してくださいねお願いします。
更に私の横を一本の矢がイビルジョーに向かって飛んでいました!アミラの放った矢が綺麗な放物線を描き、イビルジョーの左目に吸い込まれるように突き刺さり、イビルジョーの視力を奪います!
『ぬがッ!? め、目がァァァ!!』
『死にたくなければ避けなさい!!』
なっ!マリナさん!?うわっ冷却ブレスの最大威力か!?
『……ッ!?みんな、伏せてっ!!』
私の掛け声に咄嗟にブレスを躱していきます!これに触れたら一大事だ!離れなければ……。無数に氷柱が出来上がり、更にマリナさんは上空からブレスを放出していきます!たちまち、大地ごと氷と化していく……”絶対零度(アブソリュート・ゼロ)”と後で聞きましたが……そんな恐ろしい技を持っているとは……て、敵じゃなくて良かった……。
『お、お、お、おのれ!おのれぇぇぇぇっ!!』
憎しみと苦しみが混ざった咆哮を上げて氷像と化していきます。全く身動きが取れるはずもなく、彫刻にされていくイビルジョー。でも、凄いスタミナです。辛うじてですが生き残ってます!?虫の息ではありますが……。
『……まったく、あの黒鋼龍は……とんだ傍迷惑ですわね。』
鼻息交じりに侮蔑を漏らすマリナさん、チートな強さを持つ彼女は凄いと思いますよ。ん!?シオンさん!?
『……マリナ、お姉さま……。』
『……!?』
はい!?お、お姉さまって……ナニ!?
『あ……何でもないですっ! 何でも……。』
『あ、あ、そう?……そ、そうなんだ……。』
私もどう対応したら良いのか分からずに、あいまいな返事をしてました。深く追求はしない方が良いよな絶対……。
「……もう流石に暴れはしないだろうな!?」
さすがにね。内臓もかなりのダメージだろうし、身体は完全に氷漬け……ダメージを喰らった後での氷像ですからね、そう簡単には無理でしょう。
エイデンさんが用心深く小石をちょっと離れたところからぶつけてました。反応が無かったので安心したようですが……。
仮に動いたとしても、イビルジョーには戦う体力・スタミナは残っていない……それよりも黒鋼龍がイビルジョーを部下にしていたのは驚きです、確かにあの時イビルジョーを連れ去りました。しかも、さっきの話から行くとマリナさんをも仲間にと、味方を増やそうとしている感があります……一体何が目的なのか……今の私達には分からずじまいでした………………。
読了ありがとうございます。このコラボの行方……まだ続いておりますが、よろしくお付き合いの程………。紅龍騎神でした……♪♪