(R15)古龍の私が惚れられました♪♪   作:麗紫 水晶

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 更新します。では、物語スタートです。



おなじ転生者の彼女……。

 クシャルダオラ……ちょっと特殊になりましたが……転生しました、皇 雅人《すめらぎ まさと》ことマサトです。

 実に3人も私を慕ってくれる彼女ができ、安心して一緒に暮らせる場所を求めて旅を続けてました。

 その道すがら色々と有りまして……ただいま新大陸にお邪魔中です。

 

 始めて遭遇するモンスターや新しく出逢った人達……特にハンターさん達と行動を共にしているゼノ・ジーヴァのシオンさん。

 まだ幼いとはいえ、私と同じく人間の言葉を理解している古龍となれば、ハンターさん達が保護したくなるのも分かる気がします……

 

 それに、同じ転生者だと称する黒鋼龍まで私の前に現れ……それぞれの思いを持って行動している……という訳です。

 

 ……黒鋼龍の方は、危険思想の持ち主なんですけどね。

 

 あ、今私達はセリエナに戻って来ております。

 なんとココに、私達が休める小屋を特別に用意して頂いたらしく、少しはゆっくり落ち着けるかなと思いました……が、そこへ間の悪い事に、あの凄腕ハンターのレクスさんが行方不明と聞かされ、その情報で血相を変えたシオンさんが無理を押して探しに行こうとしまして……ですがエイデンさんが機転を利かせて彼女を眠らせ、その場は事なきを得ました。

 

 ……今はシオンさんも、用意して頂いたこの小屋で休んでます。 

 

 あの時の、何か思い詰めてる様な感じ……彼に対して思い入れが強すぎるように思えるし……理由が何なのか、私じゃ想像も出来ません。

 物凄く気になるけど、無理に起こす訳にはいかないし……下手に起こして、また救出に向かおうとされても大変だし……

 

 ふうっ……まぁ、目が覚めたら聞いてみるかな?

 

 それにしても、この子との会話は何というか……ナズっちゃんやマリナさんから感じる雰囲気とずいぶん違う気がするんだよね……まさか、私と同じとか……?

 

 ……おっと、色々考えている内にその子の目が覚めたようです。

 

『……ぅ……ッ?!』

 

『……気が付いたかい? まったく、無茶し過ぎだよ』

 

 特別に作られた暖かいベッドに寝かされていたシオンさん……まだ回復が完全ではないのか、頭だけを少し上げました。

 

『……あれは、本当なんですね……レクスは……』

 

『そうだよ、彼は今行方不明になってる……明日には、捜索隊が組まれるそうだよ。』

 

 やはり、この子は異常なほどレクスさんに固執している……こりゃ聞いてみるしか無さそうだね。

 

『は…やく……見つけないと……私は……!』

 

 やっぱりまた探しに行こうとしてる……止めないと!

 

『ダメだよシオン、君は今だいぶ消耗している……今は身体を休めるんだ!』

 

『退いて下さい! レクスが居なければ私は……わたしは……!』

 

『何と言おうと、駄目なものはダメだ! 今の君は無理をし過ぎてる……ちゃんと体力が戻るまで、今は待つんだ!』

 

 やはり何かあるな……どうもさっきから私と同じと言う気がしてならない。

 後で話をしてみるか……違ったとしても私には大差ないことだし、ミラルダ達にはもう話してあるしね♪

 ミラルダ達はそれでも私を慕ってくれている……彼女達には感謝しかないな♪

 

『マサトさん……行かせて………!』

 

 軽く広げただけの私の翼すら押し退けられないまま、泣き崩れる白い幼龍……無理しすぎだよほんとに……気持ちはよく分かる。

 

(でも、今は我慢しなさい……君に無茶はさせたくないんだよ)

 

 心境は複雑だけど、そのまま翼で包んであげる事しか私には出来ませんでした……

 

『……すみません……ご迷惑をお掛けして……』

 

 泣き崩れてからしばらく……気持ちが少しは落ち着いたのか、シオンさんは元のベッドに戻ってきました。

 やはりここは話してみよう……不安な気持ちで一杯だろうけど、今訊いておかないと後がない気がする。

 

『ごめんよ……ずっと迷ってたけど……君に訊いておきたい事があるんだ。』

 

『え……っ?』

 

『シオン……君も、元は人間だったんじゃないかな?』

 

『……!?』

 

 ……ありゃ、あんまりストレート過ぎたかな? 一応、周りには誰も居ないけどね……え、いやぁ、そんなに切ない目で見つめられても……照れ……いや、失礼。

 

『いや、前から気になってはいたんだよ……なかなか確証が無かったんで、聞き辛かったんだ……』

 

 自分の頬を爪でポリポリ搔きながら聞いてました……

 

『え……ちょ……ちょと待ってください!? 君もって……事は、マサトさんも……』

 

『そう、私もだよ。ミラルダ達には既に話してある。

 私も、元は人間だった事を……ちゃんと納得もしてくれてる』

 

 やっぱり、私が転生している事には気付いてなかったみたいだね……驚きを隠せないでいる。

 

『ちなみに、私は最初から転生前の記憶があるけれど……シオンはどうなんだい?』

 

 あれま……固まっちゃった……考え込んでる? 聞かなければ良かったかな……いや、でもそれくらいは確認した方が良い……よね?

 

『……シオン?』

 

『……分からないんです……私は転生前はどんな人だったのか。

 過去に何をしていたのか……自分の名前すらも……』

 

 ……え、転生前の記憶が無い……って、そんなパターンあるの?!

 たまたま私は運が良かったのか悪かったのか……記憶がそっくり残ってはいるけど、彼女には無くて……こうして、古龍に転生した事だけが事実……

 

『……そうなんだ……』

 

『ただ少し……マサトさん達が来る前に、龍結晶の地で実験した「龍脈干渉」で……断片的な事は思い出したんです……』

 

『断片的……?』

 

『はい、それはこんな感じで……』

 

 その内容を聞いていると……私のいた同じ世界の場面であったり、また別の場所であったり……夢か? いや、それにしてはリアルすぎる。

 私がすぐに「あの場所だ」と思える所も多かった……かと思うと急に分からない光景の話も混ざってて……普通ならほとんどが同じ場所での事柄が浮かぶはずなのに……そうじゃないのは一体……?

 

 ひと通り聞かせては貰ったけど、まだよく分からないな……ただ、転生した事だけは確かだ。

 

『……そうかぁ……でも、やっぱり君は転生古龍だと思うよ。

 私と同じか、近い世界らしき記憶があるからね……一部だけが全く違うのは気になるけど』

 

 私がそう答えると、彼女はまたゆっくりと語り出しました……

 

『多分、別の風景の記憶は……違う世界で私が生まれてまだ幼い頃……今とそう変わらない感じの扱いを受けていた頃の記憶だと思います。

 見える光景は、今の世界に近いものですし……

 

 ……でも私が一番気になったのは、この記憶の中に……見た目は今と少し違うけど……レクスとクリスが出て来るんです。

 それも……私を1番大切にしている我が子の様に』

 

 な、ナンダッテーー!? レクスさんにクリスさん!? 2人がシオンさんを我が子の様に……ってマジか?!

 

『……え、どういう事? レクスさん達とはアステラに来てから出会ったって聞いたけど……』

 

『その筈です……少なくとも、私がレクス達と出会ったのは、デュークさんの手でアステラへ連れて来られてからですし……』

 

 もし本当だとしたら、それが全部、転生前の記憶だとしたら……シオンさんは二度転生しているという事だ……

 一度は違う世界……多分、私と同じ世界だろう……そしもう一度はこの世界の過去へ……そんな転生なんて初めて聞いた、完全に想定外だ。

 

『……結局、私は何処から来たんでしょうか……』

 

 この話から思い至った()()()()に確固たる証拠は無い……けど、もしかしたら彼女には思い当たる節があるかもしれないと考え、私はその推論を話して聞かせる事にした。

 

『これは……あくまで仮説だけどね……』

 

 

『……なるほど……つまり、私はマサトさんの居た世界の転生者で……その前か後に、この世界で1度生まれている……という事ですか?』

 

『うん……確証は何も無いけど、そうとしか思えないんだ。

 多分、時代的には今よりも未来……そこで一度、ヒトとして生を受けていたんじゃないかな……?

 それが何故、過去に戻って……しかも古龍に転生する事になったのかは分からないけど……』

 

『…………』

 

 彼女は黙ってしまいました……この話は、あくまで私の仮説でしかありません。

 本当に正しいかどうかなんて定かじゃない……シオンさんの本当の名前も分からないしね。

 

 ただ、レクスさんとクリスさんの存在や、彼女を我が子と扱う様子……それだけでも、何か深いつながりがあるかもしれないと思える。

 

『……だからなんだね、彼の安否が気になってあそこまで……』

 

『……今思えば、生まれた直後の私に記憶が無かったのは……もしかしたら悲しい出来事があったのかもしれません。

 

 ……それこそ、記憶を封じたい程の事が……』

 

 いや、今その事を思い込んだらダメだな。記憶がもし蘇った時、正気では居られなくなる可能性がある……。

 

『今はそれを考えちゃいけない、過去の記憶に引き込まれダメだよ?

 たとえ思い出したとしても、その事を引きずると同じ事が必ず起きる……あるいはもっと悪い状態で……

 そうなってはいけないし、しちゃいけないんだ。』

 

 しばらく考え込んでいたようですがどうやら納得してくれたようで、一安心かな。

 

『とにかく今は身体を休めよう……ただでさえ消耗してるんだから、ちゃんと休んで、体力を回復させるんだ。

 捜索は明日出る人達に同行するようにしよう……私も行くし、ミラルダ達だって手伝ってくれるさ』

 

『はい……ごめんなさい……ありがとう……ございま…………』

 

 やっぱり、まだ回復してないみたい……そのまま彼女は眠り始めました。

 あの時もかなり疲れていた筈なのに、あんな無茶をして……考えてみれば可哀想な境遇か……

 

 だけど、これから良くして行けば良い……今の私の様に、前よりも幸せだと思える様に……

 

──────────

 

 その翌日……私はミラルダ達に、秘密の所は伏せて捜索隊に同行する事を話すと……

 

「私達も手伝うわよ? あの子があんなに必死になるの……何か、只事じゃ無いって感じだったものね」

 

 ……と快諾どころか、自分達も行くと言ってくれましたよ……くぅ~っ、本当デキた良い彼女たちですわ……オジサン泣けてきます!

 

 そして約束通り、シオンさんも捜索隊に同行して来ました。

 ……彼女の転生話は、まだ秘密の方が良いと思う……

 

 どうせ確証も無いし、荒唐無稽過ぎて誰も信じられないですから。

 

──────────

 

 私達を含めた捜索隊は一路、最後の目撃情報があった陸珊瑚の台地に向かいました……ですが、そこに残されていた痕跡から「レクスさんは“瘴気の谷”に転落したのでは?」という事態に発展……

 真下にあるその谷には直接降りれないとの事で、別ルートから向かう事になりました。

 

 ……で、“瘴気の谷“ってどんな所なの?! 初めてなんでお手柔らかに……ね♪

 

 

 




 読了ありがとうございます。それぞれの思いを秘めてまずは救出作戦……。
 ではまた次話にてお会いできることを切に願って……。紅龍騎神でした……♪♪
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