あ、こんにちは。クシャルダオラこと皇 雅人《すめらぎ まさと》です。転生したばかりで、嬉しい事に彼女が出来ました。ミラルダと言う上位の女性ハンターです。銀髪のロングヘアにセルレギオスの装備一式で、凄く綺麗。その彼女がホットドリンク3本で私は好かれてしまった。良いんでしょうか?良いんですか?ありがとうございます。何せ元の世界では、一切モテたことがなく、おっさんになってしまった私………。
今を楽しんでいる真っ最中です。私と彼女でゆっくり過ごせる場所を求めて、移動している訳ですが。なかなかその場所が見つからず、出会いは色々とありますが、まだ落ち着ける場所はなく……。
そこで孤島に向かって行きましたが、珍客が多すぎていけない。でね、彼女の提案で密林に来てみたところ、エリア3のところで、筆頭リーダーさん達がイビルジョーさんと戦っているじゃあ~りませんか!(古っ!おっさんだけに。)
で、今怒らせたジョーさんを目の前に、筆頭リーダー達を逃がして、なんとかしようと無い頭をかなりひねって、考えていました。
するとミラルダが突然、通常の7倍はあろうかという生肉を取り出したんです!あなたどこに隠してたんですかそんなの!?持ち歩くレベルじゃないでしょそれ。うぉっ、涎が……。
思わずその生肉に目が釘付けに。ん!?あら、怒ってたイビルジョーさんも怒りが消えて、生肉にすっかり釘付けですか。しかも涎を垂らして……。
「でね、これを上に放り投げるからブレスで飛ばして欲しいの。向こうの方に。」
はい!?ブレスで生肉を飛ばす?あ~~~、な~るほど。向こうはエリア2の方角ですね。生肉をそこまで飛ばして、イビルジョーさんに追いかけさせると。完全に生肉に目を奪われている今なら行けるか?いや~しかし、その手に引っ掛かるんでしょうか?いくらなんでも、それは無理なんじゃ……。え、やるだけやってみる?じゃあ、彼女のリクエストに応えてやってみましょうか。彼女が、生肉を左右に振って、イビルジョーさんの目を惹き付け、真上に放り投げます!私もタイミングを合わせて風玉ブレスを発射!見事にエリア2の方へ飛んで行きました。………って、おおい!ジョーさん、ホンとにつられて行くんか~~い!
………。マジで生肉を追いかけて行っちゃいましたよ、イビルさん。犬じゃ無いんだから。本能ってコワイ。
「やった!作戦成功!息もピッタリだったね♪嬉しい!」
いや、あの………、いつもながらに照れますね。ってか、その笑顔は犯罪です!どれだけハートを撃ち抜かれたか!分かってないでしょ?……ガクッ………。まぁ、その天然さ故に惹かれたんですけど。
おおっと、折角上手くいったんです、すぐに筆頭リーダー達がいるエリア10へと急ぎましょうか。私は早速彼女を乗せて、低空飛行で向かいました。歩いたり上空まで上がらずとも、この方が早い。リーダー達は遺跡跡の傍で、怪我をしたハンターを応急治療していました。私は、地面に足を降ろして、彼女も降り、歩いて近づいて行きます。
「おおっ!無事だったんだな!良かった。まずは助かった、礼を言う。ありがとう。」
筆頭リーダーに頭を下げられ、つられて彼女も私も頭を下げてました。条件反射ってコワイ。
「で、ハンターさんの具合はどうですか?」
「うむ。応急手当てをしたので、なんとか戻れそうだ。それよりイビルジョーを倒したのか?」
いやぁその……。倒したと言うわけじゃ無いんですけども。あぁ、彼女が説明してくれてますね。そうですよ、私が地面に文字を書いたらそれこそ珍しがられて、珍モンスターにされかねない。え、もうなってる?マジで?いやぁ、それほどでも………。失礼しました。
「実は君達に会いに来たのだ。」
「え、どういう事ですか?」
ウンウン私も聞きたいです。
「君達の事を聞きたいのもあるが、一応君達に対してクエストが出されている。君達の捕獲というな。」
な、なんですと!私だけじゃなく、彼女までとは聞き捨てなりませんね。彼女が何かしましたかね、こんな可愛い女性が。彼女も驚いてます。当然のリアクションですよね。
ハンターがハンターの捕獲ってあーた、常識逸脱してるでしょ。あれ!?でもこの方達は私達を捕獲しようとしないんですか?なんで?
「え、クエスト受注してないんですか?」
「そうだ。個人的に君達と話がしたくて赴いた。予想したフィールドで当たりだったが、イビルジョーにまで当たるとは。不意を突かれて仲間が怪我を負ってしまった。先程は本当に助かった。」
いや、あの、良いんですか?仮にも私じゃないですが、クシャルダオラを撃退したお方ですよね?そこまで平然と話をされるとこちらが気が抜けちゃいますね。なにせ他のクシャルダオラと対峙した事のあるリーダーさんです。再戦を望むのは当然の事かなと思っていたのですが、全然そんなことはないようで、気さくに話し掛けてきます。う~ん不思議?
「いや、クシャルダオラと話が出来ると情報があってね。実際、古龍と話がしてみたいと密かにずっと思っていたのだ。相手がどうゆう思いでいるのか知りたくてね。」
はぁ、なるほど。そんなことを内に秘めてたんですか。筆頭リーダーさんともなると、色々と思うところがあるんですね。でも、転生している私なので詳しい事は分かりませんよ。
「古龍の気持ちですか?」
ミラルダも会話が出来る事を話そうか迷ってますね。それが世に知れたらどうなるのか。心配するのは当然で。そこまで気にしてくれる彼女は素敵です。
「いや、無理にとは言わない。それに、それとは別に頼みたい事があるんだが。」
「えっ、私達にですか?」
「そうだ。私から君達にクエストを依頼したい。」
おぉ!驚きました。何がそこまで信頼を得たのか分かりません。ですが、他の優秀なハンター達ではなく、私達に依頼するとは余程の事でしょう。私は、ミラルダと顔を見合わせました。
どういった内容かは聞いてみないと分かりませんが、個人的に依頼したいと言うのはただ事ではないですよね。
何か他で問題でも起きましたかね。まあ、聞くだけ聞いてみましょうか。返事はそれからでもおそくは無いでしょうし。ミラルダも納得したように頷いてくれました。
「クエストの内容をお聞きしたいのですが。」
「うむ。ここで話すのもなんだろうし、龍歴院に案内したいのだがどうだろうか?」
んん!?龍歴院ですか?まさか、そこまで誘導しておいて捕獲する気じゃないですよね?
「念のためですが、龍歴院で捕獲される事はないですよね?」
流石ミラルダです!同じ事を思っていたなんてオジサン感激!
「うむ!勿論だ。依頼したいことがあって、捕獲した等とあってはリーダーとしての威厳に関わってくる。私が率先して案内をするので、どうだろうか?」
まぁ、そこまで言われればねぇ…。私は、ミラルダと顔を見合わせて見えないように地面に文字を書きます。
(まずは行ってみましょうか。筆頭リーダーさんが案内してくれるなんて光栄かも。)
「うん、そうだね。確かに凄い事かも。」
私達は頷いて、筆頭リーダーに向き直ります。
「分かりました。一緒に行きます。」
「おお!行ってもらえるか、了解した。ならばイビルジョーに鉢合わせする前に移動しなくては。」
フム。とりあえず、怪我人を乗せて行きましょうかね。その方が移動も早そうですしね。
(怪我をしているハンターさんを乗せて行きましょう。その方が移動もしやすいし。)
私が地面にそう文字を書くと、彼女も納得してくれました。筆頭リーダーにそう提案してくれてます。
「な、なんと!それは本当か!本当に良いのか?」
古龍が背中に人を乗せるなど、ライダーでもない限りあり得ないと思っていたようで。
他の古龍はどうか知りませんが、私は構いませんよ。いつも彼女を乗せてるし。
「済まない。重々感謝する。必ず君達を守る!よし、行こう。」
こうして、私達は筆頭リーダー達と共に龍歴院へと向かったのです。
♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪
いや、龍歴院の方では私達が着く前に大騒ぎ!クエストを受注せず、捕獲すらもせずに筆頭リーダーが一緒にこちらに向かっているなんて、連絡が入るもんだから、オジサンでなくてもそりゃビックリで!
研究員達は色めきたってます。なんせ、生きたクシャルダオラが暴れもせずに龍歴院に来るんですよ。生態が垣間見れるとなれば、気持ちも分かります。
それで、大騒ぎになっている訳ですがバタバタしている間に、私達も到着しました。
全員注~~目~~!
一斉に私達に視線が向けられてます。これだけ沢山に見られると照れますね。なんというかその………はずかしっ!
いえ、なんでもないです……。
「こちらだ!」
リーダーは建物の傍にテーブルと椅子を用意してくれました。
「怪我人をすまない、助かった。」
怪我人を降ろすと、すぐに医療班に運ばれて行きました。集会所がすぐそこにあり、近くにベルナ村もある。
いえね、ベルナ村の側を通りかかった時は、悲鳴やら、物陰に隠れる者や、村長の後ろに隠れたり、教官を前に押し出したりする人々が………。この世界ではそういうもんなんだと、改めで感じた訳です。そりゃそうですよね、私ぐらいでしょ転生して彼女が出来ちゃったのって。もし他に転生したモンスターがいたとして、大人しくしているかどうか。オジサン少しは落ち着いてるんですよ。彼女が出来て舞い上がってますけど。
いやぁ、でも恐がられているのも、元人間からすると意外とショックでした。元の世界でも、好かれていたわけではなかったですけどこっちの世界に来てまでその気持ちを味わうとは……、なんか寂しかったなと。
でも、今私には彼女がいる。意外だった筆頭リーダーもいる。草食モンスターの親子もいる。ラージャンもね。まだまだ良い出会いがありそうで、楽しみなことも事実な訳なんです。楽しみでしょ。
筆頭リーダーが、椅子に腰かけると、筆頭ガンナーのお姉さんも隣に腰掛けます。対面側にミラルダが座り、その傍に私が顔を寄せていました。その方が話がしやすそうだったので。アイルー2匹が恐る恐る飲み物をテーブルに置いて行きました。いや、実物を見たら更に可愛い。抱き締めたいけど、潰してしまうなこれは。なんか違った意味で切ない………。
「では、早速だが本題に入ろうか。頼みというのは君たちに和の国に行ってもらいたいんだ。」
「和の国ですか?」
私もビックリ。近隣のフィールドで何かをするのかと思ってました。和の国って意外。
「そうだ。私の古くからの友人が和の国に居る。その友人から応援を頼みたいと手紙が届いてね。私も短期間ならば赴こうかとも思ったのだが、日数もかかりそうな話も出ていたので離れる事が出来ない。他のハンター達も出払ってしまっていて、しばらく戻る事が出来ない状態だ。そこで、君達に頼もうと思ったのだ。もし、行ってくれるなら今回の君達の捕獲クエストを取り消しにしてもらおうと思うのだがどうだろうか?」
ははは。さすがですね。クエストの帳消しを提示してきましたよ。思っているよりもしたたかです。でも、ハンター達に追いかけ回されるよりはマシですか。
「和の国には温泉もあると言っていたな。」
何っ!!温泉!?何故にそれを早く言ってくれないのですか!い、行きたい!温泉!!あ、でも入れるかな私……。何気に彼女を見ると彼女も目をキラキラさせて見つめてきます。完全にハマってますねこれは。私は頷いて行くことを了承しました。
「やたっ!ありがとうね!」
あなたの笑顔には勝てません…。ま、私も温泉に食いついたわけですし。
「おぉ!行ってもらえるか!すまない、感謝する。」
「で、応援て何をすれば……。」
そうです。そこです。行ったはいいが何をしたらいいのか分からないと気持ちの切り替えが出来ません。
「うむ。50年前に里を襲われたことがあってね。人々は恐れから”百竜夜行”と呼んだ。」
「ひゃ、百竜夜行……。」
百鬼夜行ならぬ百竜夜行ですか。妖怪ならぬ妖竜…というわけですか。
「そうだ。50年前の悲劇を繰り返させぬ為に、その進行を止めるのを手伝って欲しい。」
なんと、大変な事じゃないですか。
「その竜達を率いているのは”怨虎竜マガイマガド”……。」
初めて聞く名前です。名前からしても禍々しい感が半端ないです。でも、そこの人達を助けない事の方が大変です。行くしかありませんね。彼女の方に向くと真剣な面持ちで頷いていました。私も頷き返します。
「分かりました。明日出立します。」
「了解だ。よろしく頼む!」
と、握手を交わしていました。私も爪で握手。彼女を守る……。里の人達を守る……。頑張ろ!!では……。
読了ありがとうございます。ちょっくら新天地まで行ってくらぁ!ってなもんで。果たして彼らは百竜夜行を止められるのか?
次話にて皆さんにお会いできる事を切に願って……。紅龍騎神でした……♪♪