では、9話目スタートです!
皆さんどうも、こんにちは。私は“皇 雅人《すめらぎ まさと》”30才後半のおっさんです。モンスターハンターに遅咲きデビューですっかりハマった男です。
ハマリ過ぎて、古龍になってしまった……。しかもですよ!今の今まで女性の女の字もなかった私が一人の女性ハンターから告白され、彼女が出来たんです!皆さんどう思いますか?はっ、失礼しました。
彼女はミラルダと言う名前で、上位ハンターであるのに美人です。どうして私が人の時じゃなかったの!と思う事しばしば。でも、私を好きでいてくれる彼女に感謝です。
で、筆頭リーダーの直々の依頼で和の国にお邪魔しています。
なんでも百竜夜行という行進が近々あるとの事。それを止めて欲しいと言うので来た次第で。まぁ、3分の1は温泉目当てもありますが。
村を2ヶ所助けつつ、しかし城下町には入れずじまい……。私が居る事で既にダメでしょうか。でも、鱗をあげた女の子とお友だちを助けて、最初に助けた村に待機する事になりました。将軍さまもそこで歓迎会をしようと、言ってくれて私達は子供達と彼女を乗せて向かっていました。
「ねぇ、紗矢ちゃん、龍さんとお友達なの?」
「うん!亜紀ちゃん、龍さんね御守りくれたの。」
と懐に赤とピンクの水玉模様の巾着袋を取り出し、中から私があげた鱗を取り出してました。
「すご~~い!」
亜紀ちゃんも驚いてます。2人して目をキラキラさせているのは気のせい!?この子達ホントに素直ないい子達です。
「ね、いつあげたの?」
ギクッ!!ミラルダさん、知らなかったでしたっけ?いや~その~~……。大きな冷や汗を流していると、クスクス笑い出しました。
「クスクス……。怒ってないから大丈夫。あなたのそういう所も好き♪」
い、いや、その……て、照れますね。ごめんなさい、怒らせたかと思ってました。おじさん心臓に悪い。って、心臓って……あ、この辺か。
「ハンターのお姉ちゃんも龍さんの事が好きなんだね。」
「え、う、うん。大好き。だから一緒に旅してるの。」
「いいなぁ。大きくなったらあたしも龍さんと一緒になる~~!!」
え~~!今から爆弾発言ですか!しかも、将来……もう爺でしょうけど、さりげなく予約されてません!?いや、もう、ほんとにありがたいです。
「え、紗矢ちゃんハンターになるの?」
「うん、なりたいなぁと思って。」
「すごいね!じゃあ、あたし紗矢ちゃんのサポートする!」
えっ、マジですか!?この子達凄すぎませんか?良いですねぇ夢があって……。私が小さい頃って夢なんてあったかなぁ?と思いつつ、今はねミラルダさんと一緒にのんびりと暮らせる場所を見つけたいと、目標が出来たので彼女に感謝してますけど。
で、肝心の温泉ってあるんですかね?行く先々では見当たらないんですけど。川や滝があって、自然が綺麗な事は納得ですけど、果たしてあるんだろうか?……はっ、でも私ってお湯に入れますかね?どうなんだろ?誰かご存知ありませんか?
知ってる方が要らしたらご一報を。え、内密だから教えられないって、そんなぁ教えて下さいよ後生だから~。
ご、ゴホンッ!まあ、色々考えてたら村に着きました。子供達を背中から降ろしてあげると、村長呼んでくると嬉しそうに二人で走って行きました。
私は中に入る訳にはいかないので、外で待機です。こればかりは仕方ないですね、木を何本か折って来てと。私は周りの木を何本か折り倒し、四角に組み上げて行きます。そしてその折った枝等を中にいれ、火を………あ………、どうやって火をつけようか?すると横から火がつけられます。ミラルダさん、どうして貴女は素敵なの?私、益々惚れてます♪そうか、焼肉器の火ね。賢くて素晴らしい。確かに肉を焼く以外も使い道はあるよな……。と感心しつつ、
ミラルダさんに感謝。
そこには私が作った大きな焚き火が出来ました。
「おぉ!これはこれは、素晴らしい。」
「スッゴい!大きな焚き火だぁ!」
「凄いね!」
「これは良い食事会になりそうだ!」
おぉ、村長さん達に紗矢ちゃん達。それに将軍さまに娘さん達も。村人さん達も集まって、食事会……いや、宴会が始まりました。飲んで歌って踊って……楽しんでるようで良かった。ミラルダさん?あら、顔が少し赤い……もしかして酔ってます?いつの間に片手にジョッキが……。大丈夫かな? そんな大騒ぎが夜半まで続きました…………。
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一方、私達が楽しんでいる頃、山奥の竹林の奥に今にも崩れそうな社があります。ぼんやりと月明かりが照らすその建物と灯篭……。周りは不気味さと静けさを醸し出してます。その社の前にひたひたと足音をあまり立てずにやって来る物が……。烏竜種でしょうか、鶏冠が扇状に開いたりしてます。
(なんだい、私が一番かい。)
(ふん、あんたが早かっただけだろ。)
今度は大型1頭小型2頭がやってきました。ウサギの耳のようなピンと伸びた耳をして、細面の顔立ちに尻尾は長めの太め。背中に体毛があって、赤い目をしています。尻尾をムチのように振り回すモンスター、”鎌鼬竜”オサイズチです。
(ふん、道草してるあんたが馬鹿なだけだろ。)
(なんだと!我らが悪いとでもいいたいのか!)
(違うのかい?)
(相変わらず減らず口は達者だな。)
(あんたほど堅物じゃないけどね。)
(なんだと!ヤるのか!)
(ヤるかい?)
両者がにらみ合いになりました。
(それぐらいで、やめておけ 。)
背中に小さな角と苔が生えており、カモハシのような口をして、蛙に似た体躯をしているモンスターが池の中からゆっくりと現れました。
(”河童蛙”ヨツミワドウ、あんたも言ってやっておくれよ!)
(まあまて、”傘鳥”アケノシルムよ。誰が早い遅いで言い争っても無駄な事、来るのがかなり遅いようでは困るが揃ったのだからいいではないか。)
(だけど……。)
(楽しそうだな……。)
(ヒイィ!)
(マ、マガイマガド様……。)
3頭はいきなり現れた1頭のモンスターに頭を垂れます。火の霊のような浮遊物がその周りをゆらゆらと飛び、鎧武者のような顔立ちに兜をつけているような角、体躯はジンオウガに似てますが背中には鎧のように甲殻を、雷光虫ではなく妖気のようなものを纏ってます。”怨虎竜”マガイマガド……。50年前に人に被害を及ぼした張本人の様で……。
(準備の方は進んでいるか?)
(はい、それぞれ仲間を集い準備を進めております。)
(そうか。夜叉蜘蛛様からも催促の連絡があった。)
(夜叉蜘蛛が?)
(そうだ。人間どもも、我らの百竜夜行を阻止するべく仲間を募ってるらしい。早々に行動をとれと。)
(まさか、アイツか!?)
(オサイズチ、知っているのか?)
(はい、我らの進行を止めた者が居ます。)
(何者だ?)
(はい、ハンターと一緒に古龍の1頭が我らの邪魔をしてきました。)
(それ、鋼のような鉄の色した龍じゃなかった?)
(なんだ、あんたも知っているのか?アケノシルム。)
(そうだね、森ごと村の一つを焼き払おうとしたら止められたよ。)
(余所者か?)
(詳しくは……。ですが、人間どもの味方の様です。)
(ふむ、我らに反する者は全て敵だ。邪魔するようなら排除するのみ。)
(無論です。我らの悲願の為に……。)
((((悲願の為に!!))))
あらら、私達の知らない所で一致団結してるとは。それにまだ会っていないモンスターがいるようですね。
こればかりは対峙してみないと分かりません。ま、なるようになれです。そんな事とはつゆ知らず……、宴会が続いていました……。
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「先ほどはすみませんでした。改めて村を救ってくれたお礼を言わせてください。」
おや、将軍様の娘さん達がミラルダさんに話しかけてきました。キツイ顔や怖い顔ではなく、穏やかな優しい顔をしています。よく見ると可愛いお嬢さん達じゃないですか。も、勿論!ミラルダさんほどではないですよ。
「いえ、いいんです。普通ならば古龍の彼と一緒なんて信じられないでしょうから。」
と、微笑み返してます。さすが広い心です。見習いたいですね。
「私はサクヤと言います。こちらは……!?」
もう一人の名前を言おうと振り向いて、黙ってしまいました。何故って私の前に来て両手を胸の前で組んでじぃっ……と見つめて来るんですから。
「ちょ、ちょっとアミラ!何やってるの!」
「はい、お話ししたくて……。」
あ、あははは。そうですね。話が出来る事を知ってるんですよね、あの時居たんですから。
(初めましてになりますか?アミラさん、あの時紗矢ちゃんが村に向かったと教えてくれてありがとう。)
地面に爪で文字を書いて行きます。それを読み取った彼女が照れてしまいました。
「え、そ、その……いえ、こちらこそごめんなさい。疑ってしまって……。」
「そうね、あの時アミラさんが教えてくれなければあの子達を助ける事が出来なかったかもしれないし。」
うん、ミラルダさんそのとうり!間一髪でしたからね、あと少しでも遅れていたらと思うとゾッとします。
「いま、私達には百竜夜行を止める為にハンターさん達が必要です。古龍である彼も頼もしい味方です。何としても止めなければこの国が滅びます。それだけは防ぎたいのです。どうか、私達からも改めてお願いします。お力添えくださいませんか?」
「勿論、そのために来ました。彼もそのつもりです。」
ま、もう1頭いるんで心強いですがね。
(ヨン……ダカ?)
うわっ!ビックリした!姿消して傍にいるなんて!早めに声かけてよ。これでも気が弱いんだから。
(頼む、早めに声かけてくれないか?心臓がいくつあっても足りない。)
(ゴメ……ン……ソウ……スル……。)
しかし、オオナズチ君なんて頼もしい味方が居てくれたもんです。気持ち的にも仲間に古龍が居るとなると違うものです。
(あ、そだ、こんがり肉食べてみないか?ジューシーで美味しいぞ。)
と、咥えたこんがり肉を彼のいるであろう前に置きます。すると肉だけが宙に浮いて行きパッと消え失せました。モグモグと租借音だけが聞こえてきます。
(ウ……マイ……マダ……アルカ……?)
(だろう。まだあるから食べるといい。)
(アリ……ガ……トウ……。)
(口に合って良かったよ。)
大きめのこんがり肉を2つ3つ平らげていきました。姿を消しているので表情までは分かりませんが、次々食べてるところを見ると美味しいようです。
「おぉ、古龍殿。楽しんどるか?」
あらら、将軍様かなり酔ってますね。真っ赤な顔でふらふらしてます。私は頷くと嬉しそうに顔を綻ばせて、ウンウン頷いてました。余程嬉しいんでしょうね、後であんな表情を見たのは久し振りです。とサクヤさんとアミラさんが話してました。気持ちが少しは楽になったんでしょう、国全体を守るトップとしては不安もあるでしょうし。
「そういえば、ミラルダ殿は名前をお聞きしていたが、古龍殿のお名前を聞いておらんかった。教えて下さらんか?」
「あ、そういえば私も聞いてない。」
えぇ!……い、今更ですか?う……確かに言ってない………。どうしよう、フルネームは不味いでしょうし。でも、違う名前もどうかと思うし……。よし、雅人をカタカナでいきますか。マサト……にすれば、まだ転生しているのはバレないでしょ…………ほんとかな?ま、いいか。
私は地面に爪でカタカナをイメージしながら、マサトと書きました。ミラルダさん含め、全員が驚きと感動しています。名前でこんなに沸き起こるとは思ってませんでした。私の名前ってそんなに珍しいですかね?
「マサト……さん♪」
う、うわっ!名前で呼ばれると、撃沈です!しかも照れて可愛いし!!こっちまで赤らめ顔がバレそう!え、バレてる?誰に?皆さんに?内緒にしといてね♪
やっぱりミラルダさんじゃないと、私には無理です。だってこんなに、いとおしい人と離れられません。私の名前が知れ渡る頃、彼等は動きを開始しました。それは次の日の夜の事でした…………………。
読了ありがとうございます。次回はとうとう百竜夜行が………。
主人公の二人は……、周りの人達は………、百竜夜行を止めることが出来るのか、お楽しみに♪
では、次話にてお会いできる事を切に願って……。紅龍騎神でした……♪♪