モータルコンバット ぶっちぎりトーナメント戦! 作:ダス・ライヒ
何か孔雀王に出て来るナチスが居ますが、同姓同名で外見はパクリだけのキャラです。
勝手にやって来たウェル博士が人類の代表戦士を殺し、その出場枠を奪った後、地球の支配権を狙うナチスことアーリア軍の総司令部では、選抜会議が行われていた。
「
集まっている幹部たちに向け、総統代行であるジークフリード・フォン・ミッドガルドはモータルコンバットについて説明を行う。
情報部が出来る限り収集したモータルコンバットに対する情報を書類に目を通しながら説明した後、幹部の一人がモータルコンバットを野蛮な大会だと評する。あながち間違っていない。何せ情け無用で無法、どんな手段を用いても勝利しても良いのだ。明確なルールが存在せず、これを野蛮と言っても間違いではない。
「なんとも野蛮な大会ですね。そんな大会に、我ら高潔なるアーリア人が参加してもよろしいのでしょうか?」
「私もこの情報を見てそう思っていたよ。だが、魅惑なる優勝杯がある。地球の支配権だ」
この中では一番似つかわしくない服装の神父らしき眼鏡を掛けた金髪で長髪の男性が、モータルコンバットは野蛮と表せば、ミッドガルドは地球の支配権と言う優勝杯は魅惑であると答える。
だが、その神父ヴァレリア・トリファは聖槍十三騎士団の指揮官である。代行であり、本来の騎士団長は泣く子も黙る国家保安本部長官ラインハルト・ハイドリヒであるが、総統会議には一度も姿を現していない。
ミッドガルドの前に姿を現したのは、総統代行就任の儀の際に騎士団ナンバーツーと思われる胡散臭い男、メルクリウスと共に挨拶に来ただけだ。それ以降、代行のトリファか、トップ三名の内誰か一人が不定期に開かれる会議に来ている。尚、二名ほど脱走しており、十一人しかいない。
「でっ、なぜ貴公とヴィッテンブルグ大佐しか参加しておらんのだ? ハイドリヒ大将はどうした?」
聖槍十三騎士団の圧倒的戦闘力はアーリア軍が保有する最強戦力の一つである超人兵士に匹敵する物であり、モータルコンバットには必要な戦力だ。
かの指揮官が出ないことに、ミッドガルドは疑問に思い、トリファに問い詰める。
「はぁ、ハイドリヒ卿は気紛れなお方です。そのモータルコンバットに興味を示されれば、自ずと姿を現すことでしょう」
「私が聞いたハイドリヒ大将とは、随分と違うみたいだ。何に憑りつかれておるのだ?」
「しいて言うなら、総てを愛したいと言うことでしょうか」
「全く意味の分からんことを…」
なぜ来ないと問えば、トリファは主君の気紛れで、その気にならなければ来ないと答えた。更に理由も答えれば、ミッドガルドは全く理解出来ない。他の幹部らも同然である。
参加するメンバーについては、別の戦線の火消し役としてゲッツ・フォン・ベルリッヒンゲンや会議に参加しているエレオノーレ・フォン・ヴィッテンブルクは参加できない。
モータルコンバットに参加できるのは、この総統本部に予備の為に残されているヴァルヘルム・エーレンベルク、ロート・シュピーネ、ウォルフガング・シュライバーの三名である。
他にもルサルカ・シュヴァーゲリンやリサ・ブレイナー、トバイルカンも居るが、トリファは断るだろうと言って除外した。
「まぁ、肉弾戦に慣れた者ではないな。それで、トバイルカンは使えんのか?」
「無理ですね。あれは特別で、ハイドリヒ卿の許可が無ければ動かせません。以前お話されたのですが?」
「フン、聞いただけだ。なぜ貴官らは、我らアーリア人に非協力的なのだ? 以前の、生前のハイドリヒ大将なら喜んで協力してくだされただろうに」
「その件については、申し訳ございません。総てはハイドリヒ卿の意のままにですので」
「全く、勝手気まま過ぎる」
幹部三名に匹敵する戦闘力を誇るトバイルカンは使えないかと問うが、トリファはラインハルトの許可が無ければ動かせないと答えた。
これにミッドガルドは聖槍十三騎士団の自軍に対する非協力的な態度に苛立ちを覚え、皮肉を漏らせば、トリファは首領代行の身として謝罪する。そのトリファの態度は、心から誤っていない様子であり、更にミッドガルドは苛立った。
次に信頼できる超人兵士部隊を束ねるジグムントに、何名がモータルコンバットに参加できるかを問う。
「一番私が信頼する貴官らはどうかね? ジグムント大佐」
「私とジークリンデ中佐の参加は不可能ですが、ジークフリートは非番で参加できます。性格はああですが、実力は聖槍十三騎士団の幹部以上です」
「
「
非番のジークフリートのみが参加できるとジグムントが答えれば、ミッドガルドは大いに喜ぶ。更に聖槍十三騎士団のメンバーが会議に居るにも関わらず、当て付けに魔人よりも超人兵士の方が信頼できると発言した。
トリファはいつものニヤニヤした表情を浮かべているだけだが、エレオノーレは顔には出さずとも、自分らを制御不可能な怪物扱いするミッドガルドに対する怒りを覚え、拳を強く握り締めた。
総統代行の信頼を得れば、アーリア軍内での立場が上になると思ってか、ナチス一の凶悪で天才の科学者であるヴァルヘルム・ストラッセは、自分の発明品も参加が可能だと、ミッドガルドが聞く前に発言する。
「総統代行殿、私の発明品も参加が可能です。是非とも優勝の暁には…」
「分かっている。貴官の趣味の悪い発明品が優勝すれば、貴官の開発機関に予算を回してやろう」
「ありがたき幸せ…」
その態度は冷やかな物であった。ミッドガルドは聖槍十三騎士団に次ぎ、ヴァルヘルムことデスヘッドを嫌っていた。理由は彼の異常な趣味であり、それが彼が開発する生物兵器に影響しており、とてもアーリア人的な物ではない。その為に、いつの日かヴァルヘルムを抹殺してやろうと考えている。
他の参加者に対しては、科学者兼戦闘員であるクロエネンは外せないと結論に至り、細身でガスマスクと言う異様な外見のクロエネンの参加は決定的となった。
「失礼ながら、我々本物の吸血鬼も参加させて頂こう」
「志願するのか? 良かろう」
クロエネン参加が決定すれば、アーリア軍に何故か属している本物の吸血鬼、アレキサンダー・ヴラドも参加を志願してきた。彼の要望に少しでも勝率を上げたいミッドガルドは、その要望を聞き入れる。
他の参加者を募っている間に、モータルコンバットに対する情報を入手したと、会議室に入ってきた伝令より知らされる。
「失礼します!」
「来たか。モータルコンバットは実在するか?」
「はっ、まずはこの資料を」
会議室に入ってきた伝令に、ミッドガルドは差し出された報告書を手に取り、読み上げた。中にはモータルコンバットの参加を要望する手紙まで混じっており、冗談と思っていたモータルコンバットの優勝杯が、地球の支配権であることが確定したと分かり、嬉しさの余り笑みを浮かべる。
「諸君、件の大会は実在するそうだ。そればかりか、我々に是非とも参加して欲しいと、主催者側が申しておられる。この招待状、断るわけにはいかん。そう思わんか?」
会議室に居る全員にモータルコンバットが実在し、そればかりか招待状まで出してきたと報告すれば、全員は同じくほくそ笑む。断る理由が無いと問えば、全員が首を縦に振った。
「よかろう、アーリア人が人類史上最強の民族であると証明の機会だ。名誉ある参加選手三十二名、急ぎ選定する!」
全員の同意を得られれば、ミッドガルドは出場選手三十二名の選定を急いだ。
「メンバーの選定は以下の通りに決定した。では、本会議はこれにて終了する。
『ジークハイル!!』
出場選手の選定が完了すれば、ミッドガルドが総統会議の解散を命じた。最後全員が起立してにナチス式もといローマ式の敬礼をすれば、一同は解散した。
決まった出場選手は以下の通り。
クロエネン
最新型スーパーソルジャー
ハンス・グロッセ
ルディ・イェーガー
ジークフリート(超人兵士)
アレキサンダー・ヴラド
ヴァルヘルム・エーレンベルク
ロート・シュピーネ
ウォルフガング・シュライバー
カート・ダーカー
ブリッツ・スタンフォード
チェーンソーゾンビ
ヘルゲ・フォン・リューネブルク
大型超人兵士
超人兵士六名
エリートガード(女性)六名
人工吸血鬼兵六名
以下三十二名がモータルコンバットに出場する。
本気ならエレオノーレやゲッツ、ジグムント、ジークリンデを投入しているはずだが、民族至上主義的な思考で最高戦力の四名が居なくとも勝てるという慢心があり、敢えて出場させなかったようだ。
そのミッドガルドの慢心は、モータルコンバット開始後に覆される事となる。
上には上が居るという事実を、ミッドガルドは見せ付けられる事となるとは知らず…。
地球を侵略しようとして、モータルコンバット開催のきっかけを作ったノンダス人の侵略軍艦隊の旗艦では、モータルコンバット参加を勝手に決めた司令官に対し、幹部を含めた者たちが激しく抗議していた。
「頭領! 数年かけて計画した侵攻作戦を、モータルコンバットなる闘技大会に突然変えるとは何事か!?」
「我らノンダス人は戦人! そんな格闘技大会に出るなどもっての外!!」
「核ミサイル如きに恐れをなしたというのか!? それでもノンダス人か!!」
彼らは地球侵略計画を、数年以上もかけて準備していたのだ。
装備や人員に物資、何百回も修正を重ねて出来た作戦計画。それらの努力を水の泡とする決断であるモータルコンバットと言う代理戦争に変えた司令官に対し、男だけの種族で生粋の戦士たるノンダス人らは抗議の声を上げる。武器を入念に手入れして備えていたというのに、よもやそれが選ばれた者しか参加できない単なる格闘技大会になろうとは。生粋の戦士で戦場で戦うことが生涯で誇りなノンダス人が、この決定に怒るのは無理もない。
彼らはモータルコンバットに対する情報が不足しているようで、殆どの者がそれを知らずに怒っている。
だが、その格闘技大会に参加を決定したのもノンダス人である。司令官は戦闘の基本を熟知しており、少ない損害で目標が達せられるモータルコンバットの優勝を選んだのだ。自分らノンダス人が、何もかもが劣っている地球人に必ず勝利すると言う前提である。
抗議の声を上げる幹部らや将兵らに対し、司令官は恐ろしい大声で彼らを黙らせる。
「静まれぃ! どいつもこいつも、ただ武器を振り回して突っ込むだけの脳筋揃いなことよ! わしは貴様らより何百年も生き延び、戦争のイロハを知っておる! 敵には多大な損害を! 味方には過小な損害! それが戦の鉄則よ!! それが理解できぬものは、その筋肉だけの頭をかち割ってくれるわ!!」
自分の得物である大振りのハンマーを見せびらかしながら怒鳴れば、一同はその気迫に圧されて静まり返った。
この中で一番戦闘力の高いのは、司令官本人なのだ。彼の傘下に入ったノンダス人らはその実力を理解しており、自らが勝てないと判断して彼の意向に従う。
ノンダス人は基本的に自ら強い者に従う。ただし、実力も知能、才能も優れている者のみ。それ以外は論外である。
『フフフ、貴様ら。生粋の戦士にあるにも関わらず、モータルコンバットのもの字も知らんと見えるな』
「っ!? 何者だ!」
そんなモータルコンバットを殆ど知らないノンダス人の侵略軍に対し、モータルコンバットを知る異形の戦士たちが姿を現す。
人数は二名、顔は龍のようで腕は四本だ。その二人の姿を見た兵士は思わず声を上げる。
「変な奴がいるぞ!」
それが彼の最期の言葉であった。それを言った直後、四本腕から来るボクサーレベルのパンチの速さと人間の頭を容易に潰すゴリラのような腕力で頭部を破壊されたのだ。リーダー格の怪人が先にその兵士を殺せば、もう一人の虎顔の四本腕が周りにいた兵士たちを、常人離れした腕力を駆使して一瞬のうちに皆殺しにする。
一瞬で十数人もの戦友を殺された将兵らは激高し、怒り任せに各々の得物をもって、二名の怪物に襲い掛かる。
「よくも戦友を!」
「死ねぇ!!」
多勢に無勢、先ほど十名は奇襲された為、対応が遅れて殺されたが、臨戦態勢となったノンダス人は強力だ。無数の二メートルクラスの大男たちが二匹の怪人を始末しようと迫る。
明らかに勝つのは前者の方であるが、予想は大きく外れた。
「馬鹿め、貴様ら程度では我らに勝てんわ!」
「なっ、なにっ!?」
二名が腕を振るえば、殺しにかかった全てのノンダス人は一瞬にして肉塊へと化したのだ。
飛び散った血で床が真っ赤に染まり、内臓、四肢が散乱する中、歴戦錬磨の戦士であるノンダス人は、得物である槍を持って突撃しながら名を名乗るように怒鳴り声を挙げる。
「おのれ、名を名乗れ!!」
「良かろう、我が名はゴロー!ショカン族の王子よ!!」
ゴローと名乗ったリーダー格の怪人は、槍を持ったノンダス人を四本腕の腕力で惨殺してから名乗り挙げる。次にもう一人の四本腕は、挑んだノンダス人を八つ裂きにしてから名乗る。
「キンタロー! 同じくショカン戦士!!」
最後にキンタローがノンダス人らに名乗りを挙げれば、これ以上、戦士たちを殺されてはモータルコンバットに支障をきたすのか、司令官はハンドサインで、まだ戦意のあるノンダス人らに戦闘行為を止めさせる。
「貴様らの実力は、我が軍の将兵らを殺したところで分かった。して、何用で仕掛けてきた? 我らを皆殺しにするというのなら、我らも全力で迎え撃たねばなるまい」
「皆殺し? フッ、違うな。むしろ、我らは貴様らを助けに来たのよ」
「我らの兵隊を、大勢殺してか!」
司令官に問われたゴローとキンタローは、助けに来たと答える。
当然、大勢の同胞を殺しておいて、助けに来たのだと言われればふざけているとしか思えない。一人が抗議の声を上げる中、ゴローは挨拶代わりに大勢を殺した理由を司令官に告げる。
「挨拶代わりに貴様らの兵隊を殺したのは、我らの実力を分からせる為よ。話の通じぬ貴様らには、力で分からせる必要があるからな!」
「貴様らの流儀に合わせてやったのだ。モータルコンバットの代表戦士に、我らショカン族二名を加えるが良い。我ら二名が居れば、地球は貴様らの手中に落ちたも同然!」
殺した理由は実力を見せるためで、ノンダス人の流儀に合わせてやった物と答え、更にはモータルコンバットの代表戦士に加えろとまで言ってきた。
いきなりやって来て、味方を大勢殺した怪物を仲間に入れるなど、そうは居ない。直ぐに反対の声が、司令官に向けて放たれる。
「なりませんぞ! あのような怪物など!」
「司令! 奴らは我らの敵だ! どうか戦う許可を!」
「どうやら、貴様を殺して指揮権を奪うほか無さそうだな」
次々と反対の声を上げるノンダス人に対し、ゴローは司令官を殺害して彼らを屈服させるほか無いと判断したが、司令官は思わぬ判断をした。後のことを考え、同胞たちを裏切るような判断を選んだのだ。
「貴様らを我が軍門に加える…!」
「な、なんだと!?」
「フン、正しい決断だ。その決断、誇るがよい」
司令官の判断に驚く中、ゴローは司令官の判断を正しいと褒める。だが、これで同胞たちが納得するはずがない。直ぐに弱気な判断を下した司令官に、同胞の刃が振るわれる。
「腰抜けが! 己の命欲しさに脅しに屈しよって! もう貴様は我らの司令官ではないわ! 死ねぇぇぇ!!」
大振りの中華刀で切り掛かった髭面のノンダス人であったが、キンタローが投げた槍が顔面に突き刺さり、絶叫の表情のまま息絶えた。
「先ほどの奴と同じ目に遭いたいか? いつでも仕掛けてくると良い。その時は、遠慮なしに殺してくれよう」
先の激怒して司令官を殺しにかかったノンダス人を見せしめとすれば、周りのノンダス人らは敵わぬと判断し、司令官と同じくゴローとキンタローに屈服した。
侵略陣営のモータルコンバットの代表戦士の選定は、僅か三分で終了した。以下の通り。
ショカン族王子ゴロー
ショカン族戦士キンタロー
重歩兵団代表、ザク、グフ、ドム、ゴッグ、ゾック、ゲルググ、カザ
大虐殺兵団代表、バルコム、マハリ、フォックス、ネバダ、ザコル、ガロン、ゴーギャン、バスク、シエ、モーガン
単独行動兵団代表、ポンチ、ンマ、ロソ、バルカン、バコフ、ムービ、ギサツ
槍兵兵団代表より六名。
以下がモータルコンバットに参加する代表選手三十二名である。
だが、ノンダス人の地球侵略軍は、モータルコンバットで屈辱的な目に遭うとは、知る由もなかった。
ノンダス人の外見は、ほぼ北斗の拳でケンシロウに挑んで無残に死んだ方々の外見と名前を使っております。