ポケットクリーチャー   作:近眼

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ご覧いただきありがとうございます。

なんだかポケモンの話が書けそうな気がしたので書いてみました。
作者はゲームは赤緑、金銀、RS、DP、BW、SM、剣盾のみプレイ済み(なぜXYを飛ばした)、アニメ知識は若干、ポケスペ等漫画作品知識は皆無という微妙なニワカ具合です。ガチ勢の皆様には土下座しながら書きます。

それでも許せるという優しい方々はお進みください。


というわけで、どうぞご覧ください。





0:序章

 

 

 

 

 

 

これは、そう。まだポケットモンスターなんて言葉はなかった時代の話だ。

 

 

世界は平和だった。人々の争いがなかったわけではないが、戦争なんて物騒なレベルのものではなく、基本的には農業をしたりしながらゆるくゆるく暮らしていた。

 

 

本当に前触れもなかった。

 

 

観光地としてそれなりに人気だったシンオウ地方のテンガン山。その山頂で、突然何もない中空に裂け目が現れ、三体の化物が現れたのだ。

 

 

目撃したのは数人の山登りのおっさんたち。パニックになりつつも無線で警備隊に連絡を取った、その直後だった。

 

 

化物三体の激突があった。

 

 

衝撃によって世界の様々な空間に亀裂が入った。

 

 

そして、その裂け目から、見たこともない生き物が多数這い出てきたのだ。

 

 

奴らはどちらかというと親しみやすい見た目ではあった。クトゥルフのなんとかみたいなおぞましい姿では断じてなかった。

 

 

しかし、その能力は殺人的だった。

 

 

吐き出した水は容易に頭蓋を貫通し、高電圧の電撃を打ち出し、一瞬で灰になるほどの火炎を生み出し、打ち出した木の葉が骨まで切り刻む。

 

 

体当たりを喰らうだけで数メートルは吹き飛び、頭突きを喰らえば骨が砕け、噛みつかれれば大怪我どころかそのまま噛み砕かれることさえある。

 

 

それどころか奴らは地震を引き起こしたり、雷を落としたり、挙句の果てに謎のビームを放ったりもするのだ。

 

 

とても人間が太刀打ちできる相手ではない。

 

 

それでも、生き延びるために戦うのだ。

 

 

ある人は銃を持ち、またある人は火器をひっさげ。時にはナイフや拳で戦う希少種もいたりするが。

 

 

皆、諦めずに、勝利を願って戦うのだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

シンオウ地方、テンガン山。

 

 

その中腹。

 

 

「…来るよ。構えて」

「は、はい!レーダー補足、三体です!!」

 

 

この俺、ヒロと、部下のナミエは接敵していた。薄暗い洞窟の中、視界は正直よくない。逆に敵はコウモリのように超音波をつかってこちらの位置を補足してくる。

 

 

ナミエは赤外線レーダーを使っているから見えているだろうが、俺の目にはまだ敵は見えない。

 

 

しかしだ。目で見えなくても、音や、風や、敵が放つ殺気がその正体を教えてくれる。

 

 

「ひ、ヒロさん、前です!」

「わかってる」

 

 

敵がその大口を開け、俺に噛みつこうとしたその瞬間。一瞬で抜いた拳銃を三発、その口の中にお見舞いした。

 

 

「ゴルルァアアア!!!」

「ズバッ、ズババ」

「ズバッ!」

 

 

目の前にいるのは、巨大なコウモリのような生物。しかし体の大半が口という奇妙極まりない姿をしていた。その両サイドに一回り小さいコウモリもどきが二匹、バタバタ飛んでいる。

 

 

これがこの世に蔓延るクリーチャー。

 

 

暫定で、小さい方をズバット、でかい方をゴルバットと名付けている。俺たちクリーチャー討伐隊の仲間内で勝手につけた名前だが。

 

 

まあ、覚えやすく咄嗟の時に呼びやすいように、名前を6文字以内に制限しているなど工夫はしているが、いくら工夫したところでただの標識だ。

 

 

で、目の前の相手だ。

 

 

勿論拳銃程度で死ぬ奴らじゃない。痛そうに血を流してはいるがまだまだご存命だ。

 

 

追撃が来る前に次の手を。

 

 

ふらついているゴルバットに向かって突っ込み、腰に下げた刀の柄を握る。

 

 

そして、そのまま居合の一閃。

 

 

瞬きすら許さぬ、音すら置き去りにする一閃が過ぎた後、一瞬遅れて鮮血が舞った。

 

 

しかし鮮血は二匹分。向かって左側にいる方のズバットに避けられた。

 

 

「ナミエ。焼き尽くせ」

「はい!行きます!!」

 

 

だがこういう時のためのバディだ。後方に控えていたナミエが、ゴウッという音と共に強力な火炎放射器から炎を放った。ズバットは火炎に飲み込まれ、まるこげになってぼとりと地面へ落ちた。

 

 

念のためゴルバットの頭に刀を突き立て、戦闘終了だ。

 

 

「…前より増えてる。やっぱ何か起きてるのか」

「…」

「ナミエ、毎回それやるの?」

 

 

今回は最近増え出したテンガン山のクリーチャーを討伐するために来ている。だが、相方のナミエは生き物を殺すことに抵抗があるのか、戦闘後に毎回亡骸を埋葬する習慣があるようだった。今もまさに手を合わせて祈りを捧げている。

 

 

「…奪ってしまった命ですから」

「そんなこと気にしてられる余裕があるのかな。殺し尽くさないと俺たちに平穏な日々は帰って来ないのに」

「それでも、私は…せめて弔ってあげたいんです」

「あっそ。お優しいことで」

 

 

ナミエは重火器の運用が得意で、気弱そうな見た目に反して勇敢なところもあり、討伐隊としてはかなり優秀だ。だからこそ俺の相方を努められるとも言う。しかし少し優しすぎる。今のような無駄な時間を必要とする程度には。

 

 

幸い、一帯のクリーチャーは殲滅できている。まあ、殲滅したとしても奴らは未知の手段でまた増えるのだが。生殖器も見当たらない体でどうやって増えているのだろう?単為生殖なのだろうか。

 

 

「お待たせしました。今日はこれで完了ですか?」

「うん。一旦帰って総統に話しておく」

「わかりました。じゃあ下山の準備しますね」

「いや、ヘリを呼ぶ。あっちから出ればヘリも着けられるし、山頂の様子も確認しておきたいから」

 

 

とにかく任務は終わった。あとは帰るだけだけど、わざわざテンガン山まで来たんだからできるだけ情報は持って帰ろう。

 

 

まあ磁場の強い場所だから外に出ないと無線は繋がらないんだけど。

 

 

というわけで外へ。まだ中腹だからさほど空気は薄くないけど、若干気温が低い。

 

 

無線の連絡はナミエに任せて、俺は山頂を見上げる。雲に霞んではいるが、たしかに山頂が見えた。

 

 

「すぐ向かってくれるそうです」

「うん」

 

 

数年前に現れた、三体のクリーチャー。やつらは一帯何故、何のためにここに来たのか。

 

 

まあ、人類の脅威に変わりはないから殺し尽くすだけだけどさ。

 

 

俺もナミエも、両親をクリーチャーに殺された身だ。音速を超える程の速度で飛ぶドラゴンに無残に食いちぎられて。ナミエは大怪我で気を失っていたけど、俺はしっかり見ていた。見ていたし、両親の肉を貪るドラゴンの首をこの刀で切り飛ばした。

 

 

復讐なんてする相手もいないけど、赦しはしない。

 

 

奴らは破滅されるべきなんだ。

 

 

この身が朽ち果てるまで殺し続けてやる。

 

 

そう思いながら山頂を睨んだ、その瞬間だった。

 

 

 

 

 

 

 

ズバッッ!!!!!と。

 

 

 

 

 

 

 

突然、目の前の()()()()()()

 

 

「ひっ、ヒロさん!!」

「ナミエ!下がれ!!」

 

 

ナミエを後ろに下がらせ、自分は刀の柄に手をかける。あの裂け目から何が出てこようと、出てきた瞬間に居合で叩き切る。逃しても、ナミエが焼き尽くしてくれるはずだ。

 

 

裂け目の奥で何かが光る。

 

 

…来る!!

 

 

「ハアッ!!!!」

 

 

不可視の一閃。

 

 

が。

 

 

「パルルルるるるぁああああ!!!」

「っく?!弾かれた?!」

 

 

効いていない。追撃の火炎さえも意に介さない。真珠の如き肌は切れも焼けもしていない。

 

 

「あ、ああ、ひ、ヒロさん、こ、このクリーチャーは…!!」

「わかってるよ…。まさかそっちから来てくれるとはな、元凶!!」

 

 

そのクリーチャーは、報告にあった姿に酷似していた。真珠のような白い肌、竜のような魚のような造形、体長、鳴き声、そして肩にあたる部分にある宝石のようなもの。

 

 

間違いない。テンガン山の頂に現れた三匹のクリーチャーのうちの一体…パルキアだ。

 

 

「ここであったが百年目…と、言いたいところだけど。今の居合と火炎放射が効かないなら引くしかない。ナミエ、行くぞ」

「ど、どうやって、どこに?!私たち、この岩肌を降りるんですか?!逃げながら?!」

「バカ、洞窟通るに決まってるだろ。俺が切る瞬間に走れ。間に合うはずだ」

「そ、それだとヒロさんは…!」

「うるさい、後で追いかけ

 

 

流石に戦闘力の差が分からないほどバカじゃない。だから撤退する算段をつけようとした、その時。

 

 

背後から、不意に殺気が飛んできた。

 

 

何か、いる!!!

 

 

「ナミエ後ろだ!!」

「え

「ギルルぁあああああ!!!」

 

 

まさに突然だった。

 

 

ナミエの真後ろに、真っ黒い壁が立ち上がった。あれは、何だ。黒い、モヤのような…影のような。

 

 

正体が掴めない。しかし、今まさにナミエが襲われようとしていることだけはわかった。

 

 

手を伸ばそうとした瞬間だ。

 

 

「パルァ!!!」

 

 

俺が背を向けたパルキアが、俺ではなく黒い影に向かって恐ろしい速度で突進。そのままその手の剛爪を振り下ろした。

 

 

爪の軌跡に合わせて空間が切り裂かれる。もはや原理も何もわかったものではないが、空間ごと切り裂く一撃は影といえども一定の効果があるらしい。

 

 

いや、そんなことより。

 

 

裂けた空間に、ナミエが落ちていくのが見えた。

 

 

「ナミエええええええ!!手を伸ばせえええええええ!!!」

「パルルァ?!?!」

「ギラぁあああ!!」

 

 

迷わず飛び込んで、ナミエが伸ばして手を掴む。どこに繋がっているかもわからないが、この手を掴めずに離れてしまうくらいなら掴んで共に死ぬのがいい。ナミエを真っ暗な空間に一人で置いていくなんてごめんだ。

 

 

背後から、パルキアの追撃がきた。空間を切り裂く一撃は俺の肩をかすめ、謎の空間のさらに先にもう一つ裂け目を作った。

 

 

「っ、光が漏れて…出口になっているのか?!」

 

 

真っ暗な空間で彷徨う羽目になるかと思ったが、そうはならなさそうだ。あの裂け目からこの真っ暗な空間から外に出られるかもしれない。

 

 

「ナミエ!重心をこっちに!」

「は、はい!!」

 

 

重心移動をして落ちる方向を調節し、新たな裂け目へ向かう。出撃訓練のおかげでスカイダイビングも経験があるのだから、それくらいできる。

 

 

背後、というより頭上の、俺たちが落ちた裂け目の方にはまだパルキアが見えた。焦っているように見えるのは苦戦しているからか。

 

 

とにかく、この新しい方の裂け目から出たらすぐに本部に戻って報告をしなければならない。ナミエには怪我させないように着地しなければ。

 

 

そう思って、意を決して裂け目をくぐると。

 

 

 

 

 

 

 

 

俺たちは大空の只中に飛び出した。

 

 

 

 

 

 

 

しかも、ただ飛び出したわけじゃない。

 

 

 

 

 

 

 

 

眼下に見える大地にテンガン山がない。

 

 

 

 

 

 

 

 

海に囲まれていない。視認できるのは、広大な森、切り立つ岩山、大きな島と2つの小島。

 

 

「こっこれは…」

「ひいいいっヒロくん!!」

 

 

着地がロクにできないこと時点で絶対絶命だが、それよりも俺の頭の中は驚愕が支配していた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「そんなっ、()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()

 

 

写真でだけ見た、とある地方。

 

 

シンオウ地方からは飛行機か船を使わなければとても行けないような場所にある地域。

 

 

俺たちは、この一瞬でそんなところまで移動させられたというのか?!?!

 

 






最後まで読んでいただきありがとうございます。

鳴き声は気分です。気分で決める、それが大事!!(なわけない)
原作の設定を大きく逸脱するようなことはしないつもりですが、「これはおかしくない?」ってポイントがあれば教えていただけると嬉しいです。基本的に書き溜めするので反映されるのはちょっと時間かかるかもしれませんけど!!

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