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私の精神の安寧のために感想をください(m(_ _)m)。
錬金術実験の授業はギイブルを除いた男子全員が羞恥のあまり授業を受けられる状態ではなくなったりと紆余曲折あったが、それはさておき、学院長室にて。
「セリカ君の連れてきた彼女、凄いじゃないか!」
「あっはっは! そうだろうそうだろう。あいつは私の最高の弟子だからな!!」
「なんと! セリカ君、君、弟子を取っていたのかね!?」
「二人だけだけどな。片っぽは魔術の才能は残念なのに、努力家で。で、サラは一目見たら簡単に覚えて出来るようになって、すぐに親友といちゃつきだすから大変だったんだが自慢の弟子さ」
学院の長のリックに師匠ばかをかましているセリカはなんだかんだ舞い上がりまくり、ニヤニヤが止まらないようだった。
ただでさえ軍の上層部が手を焼いていたサラの精神を少しでも改善しようと打診してみた結果、ここまでサラの人気が出るとセリカでさえも予想できなかった。
「私も嬉しいです。サラちゃんがとっても楽しそうで」
「セラ君、わしも嬉しく思っておるよ。若者達が成長する姿はいつになっても輝いて見える。ましてや二人の身内の手助けができたとあればなおのことじゃよ」
「おいおいジジイ、こないだ私を口説いたと思ったら今度はセラか? 本当に節操ねぇな」
「ふっふっふ、わしは生涯現役よ! 仕方がないのう。では、サラ君でもお祝いを兼ねて誘ってみるかの」
「…………学院長?」
「そうかそうか、そんなにぼろ雑巾になりたいのか。しょうがないやつだな」
「冗談じゃよ! 冗談!」
サラの授業と人となりは魅力的で、生徒だけでなく教師すらも魅了しているのだが、それでも反対的な人間は出てくるもので。
(おのれサラ=シルヴァース! 生徒と年齢を同じくしながら第六階梯にいる秀才だと!? あのような子供が何故!?)
◆◆◆
「あなたたちは固有魔術をすごく神聖視してる。でもね、固有魔術を作るだけなら何も難しくないんだよ。じゃあ何が大変なのかって皆思うよね。それは、今あるすべての汎用魔術をなにかの形で越えてなくちゃいけないの。適当なもの作っても出来損ないができるだけだからね」
講義を行っているサラから目線を外し、目線を反対方向に向けてみると新米の教師や他所のクラスの生徒までもが目を輝かせているではないか。
(今さらサラさんの魅力に気づいても遅いです。でも…………大好きな人が人気者になるのは、やはり嬉しいものですね)
時は変わって放課後。
空が真っ赤に染まり、生徒たちのほとんどが帰り出す頃。
「おー、おー、夕日に向かって黄昏ちゃってまあ、青春しているねぇ」
「サラちゃん、イリアちゃん! 二人ともお疲れ様!」
「セリカ! セラちゃん!」
「…………」
どこから取り出したのか、皿に乗せたパイを前触れもなくセリカに投げつけるイリア。
「ふん! そんなもの私に当たると思っ…………」
自信満々に避けるセリカであったが、避けたはずのパイが後頭部に当たっている様に驚愕を隠せなかった。
「何時から私がサラさんの隣にいると錯覚していたんですか? 時間的にぎりぎりでしたが、私の
「こんのサラの腰巾着が生意気言いやがって!! ぶっ殺してやる!!」
「『私』に追いつけるのならいくらでもどうぞぉ!! あっはっは!!」
「こんの糞餓鬼がぁ!! 待てやゴラァ!!」
二人が殺し合いにも等しい鬼ごっこしているなか、セラは申し訳なさそうな表情でサラを抱きしめていた。
「セラちゃん?」
「あのねサラちゃん。私とセリカさんは魔術学会であるから明日は一緒にいられないの。ヒューイ先生がいなくなっちゃったから、補習もやらないといけないの。寂しい思いをするかもしれないけど、頑張れる? ちゃんとできる?」
「うん、大丈夫! イリアちゃんもいるし、生徒のみんなもいるから平気だよ!」
「ふふ、そっかぁ。じゃあおまじないは卒業かな?」
「それはそれ、これはこれ」
「…………本当に、サラちゃんは甘えん坊なんだから」
サラの額に口づけをしたセラはいつものことだと割りきっているがサラはそうでもないらしく、頬を染めはにかむ姿は年相応であった。
「セラ先輩、少しいいですか?」
「…………うん」
いつの間にかセリカを巻いていたらしいイリアがセラを呼び寄せると、サラには聞こえない距離まで移動するとイリアが口を開く。
「単刀直入お聞きします。前任のヒューイという方、一身上の都合で退職したと表向きはされています。しかし事実は違う。…………そうですよね?」
「…………本当に突然だったの。失踪したと気づいたときには痕跡が辿れなくなってて、どうすることもできなかった」
「やはりですか。非常勤とはいえセリカ先輩の権限を使ったとしても難しいとは思っていたんです。進行度の遅れにしたっていくらなんでも異常なんです」
「イリアちゃん…………」
「分かっています。サラさんには言いません。もし言ったら『ヒューイって人いなくなっちゃったの!? 探さなきゃ!!』とか言い出しかねませんから」
「いつもごめんね? サラちゃんのこと任せっきりにしちゃって」
「構いませんよ、好きでやっていることですから。それよりもグレン先輩へのラブレターのひとつでもしたためたらいかがです?」
「も、もう! イリアちゃん! いきなりからかわないで!」
「ちなみにセラ先輩が告白するまで、このいじりは続きます!」
「やめてぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇッ!!」
◆◆◆
「サラ=シルヴァース、あの女は危険だ」
フェジテの某所にて、一筋も光が差さぬ暗闇のなかで重苦しい声音で男は呟く。
それに対し、下品な笑みを浮かべる男はサラの写真を眺め舌舐めずりをしていた。
「この女が危険? そんなのただの噂でしょ。一度食っちまえば壊れそうな餓鬼にしか見えねんすけど」
「彼の言い方はともかく、私も同感です。調べた限り誉められる点は短距離の瞬間移動魔術とちょっとした魔導器の発明ぐらいなものです。我々が危惧すべき存在とは思えませんが」
「貴様たちは知らなかったな。やつは
「…………まさか」
「そうだ。返り討ちにあい、首だけが送られてきたそうだ。はっきり言って我々が束になっても敵わんだろうな」
「…………マジかよ」
「だとすると、正面から戦っては勝ち目はないでしょうね。サラ=シルヴァースとまともに戦わず、目標だけでも確保する…………そういう作戦をとらざるをえないでしょうね」
「理解が早くて助かる。その手筈はすでに整っている。決行日は他の教師は居ない、よって今回は時間との勝負だ。分かっているな?」
「いざとなれば生徒を人質に取り、自決を促す保険でもかけざるをえませんか」
「業腹ではあるが一つの手として考えておこう。いいか、間違っても正攻法で挑もうと思うな。あくまでも任務の遂行が最優先だ。それを忘れるな」
外道魔術師たちは任務遂行の為、本来ならあり得べからざる結託をする。
血で染まった足跡を残し、少年少女たちの日常を犯さんとする外道魔術師たち。
彼らを待ち受けるのは任務の遂行か、或いは…………死か。
今回はきりがいいのでここまでにします。
次回こそは戦闘に入りますので御容赦を!!