東方憶影録   作:神凪さん

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来月からは、ちょっと忙しくなるので早めに投稿します。


第3話

第三録 迷子と暴走と医者(二回目)

乱入者の正体は……

 

「どこから入り込んだんだ………ルーミア」

 

ルーミアだった。なぜここにいるのかは分からない。

 

「なんでルーミアちゃんはここにいるの?」

「美味しそうな匂いがしたから」

 

何かが…違う。私の直感がそう言っている。いつものルーミアならばこんな所には来ないはず、しかも今の発言から狙っているのは…

 

「わははー」

 

暢気だなぁコイツは。私もコイツのようになった方がいいのでは?と考えたが、すぐにその考えをやめる。今はこいつを竹林の入口に送らなければならないからな。

 

「私達は竹林の入口に向かうが、お前はどうするんだ?」

「お食事をするのだー」

「そうですか。ではここでお別れですね」

「何を言ってるのだ〜?」

 

そう言ったルーミアの体からものすごい量の妖力が放たれ始めた。コイツ、こんなに力が強かったか?やはり、最初の私の考えは正しかったようだ。

 

「お前は逃げろ、ここは私が相手する」

「大丈夫なんですか?」

「ああ、ルーミアなんかには負けはしないさ」

 

ルーミアは低級の妖怪だ。だから私が負けるはずはない。だが、なんだ?コイツの…この余裕は…

 

「わははー、食事前の準備運動なのだー」

 

そう言うとルーミアは衝撃波を飛ばしてきた。私はかなり後ろまで飛ばされはしたが踏みとどまった。

 

「ぐっ、やはりいつものルーミアでは…ない…かっ。名無しの!大丈夫か!」

 

私が名無しのやつの前に出ていたから衝撃はかなり軽減出来ていたと思っていたが、そうもいかなかったようだ。

 

「ちっ!衝撃波の狙いはアイツかっ!くそっ、がっ!」

 

私はルーミアがこちらに来れないように炎の壁を飛ばし、吹き飛ばされたアイツの元に向かった。

 

「大丈夫かっ!」

 

名無しのやつは多数の切り傷と打撲痕があったが特に酷かったのは額の切り傷だ。このままにしておくと命の危機に晒されるかもしれない。

 

「おいっ、返事をしろっ!」

 

私は必死に体を揺すった。

 

「………………かはっ、はぁはぁはぁ、もこう……さん、大丈夫…ですかっ……?」

「お前は自分の心配をしろよ!」

 

大丈夫そうだ。とりあえず意識は取り戻したようだ。早く永遠亭に連れていか

 

「こんな物効かないよ〜?」

「くそっ、簡単に破りやがったか!」

 

考えてる最中に来んなよ!かなり強い壁を張ったつもりだったのに、あっさり消し去りやがった。

 

「もう足掻くのは辞めたのか〜?そろそろお食事か〜?」

「名無しの!歩けるか?」

「無理………です…ね」

 

そう言うと名無しは強い妖気に当てられ続けられたため気を失った。

 

「クソっ、近くに誰かいないのかっ」

 

その頃永遠亭では………

「ねえ、えーりん」

「どうしたの?霊夢」

「実はあの子の名前を考えてるんだけど、何かいい案ある?」

「う〜んと、かっこいい漢字を紙に沢山書いて、ランダムに取って決めるのはどうかしら」

「それ、アンタが決めるのめんどいからでしょ」

「あら、バレちゃった?」

 

そう言うと永琳はてへっとしていた。完全に年増である。

 

「今なんか私に対して失礼なこと考えてたでしょう」

「さぁなんの事かしら」

 

そう言うと私は鈴仙に手伝ってもらいながら紙に漢字を書いてゆく。途中、鈴仙が変な漢字を書いていたようだから私がこっそり抜いておいた。

 

「さぁ、選びましょ。私はこれにするわ」

「じゃあ私はこっちのにしますね」

「私はこれね」

「じゃあこれで」

「ひ、姫様!」

「楽しそうなことしてるわね皆」

「い、いえ、これは名前を考えてるのであって別に」

「そういうことなのね、いいじゃないの。4人だから苗字と名前で2文字ずつね。私は『羅』ね」

「ふふふっ、いいこと言うじゃない霊夢。『凪』ね」

「私のは………あれ?違うの引いちゃった?」

「アンタが取りたかったやつは抜いたわよ」

「何してくれてんですか〜!?霊夢さん!?」

「誰が自分の苗字書けって言ったかしら?」

「私にも妹欲しかったんですぅ〜」

「結局何引いたのよ」

「うぅ……グスンっ…『神』です……」

「永琳はどうだったの?」

「私は霊夢の苗字の博麗の『麗』です姫様」

「あとは並び替えね」

「あら?もう決まってるわよ?」

「姫様、どういう名前ですか?」

「『神凪 麗羅』よ」

「なんでこれにしたの?」

「あの子の力は未知数なんでしょ?『神を凪ぐ』から取ったのよ」

「じゃあ『麗羅』は?」

「『麗しくかわいくて、誰とでも繋がるから』」

 

補足だが『羅』には鳥をつかまえる、繋げると言う意味がある。

 

「いい名前ですね師匠」

「そうね。流石です姫様」

「………」

「どうしました?姫様」

「どうしたのよ、急に黙っちゃって」

「あら?そうだったかしら?」

「変なやつね」

「急にどうしちゃったんですか?輝夜様」

「大丈夫よ鈴仙、永琳」

 

明らかに変よね?まあ、いまは放っておいても大丈夫そうね。でも………何か嫌な胸騒ぎがするわ。

すると戸を叩く音が響いてきた。

 

「誰かしら、うどんげ見てきて」

「はーい」

 

しばらくしてうどんげは戻ってきた。魔理沙を連れて。

 

「どうしたのよ、魔理沙。もう戻ってきたの?」

「い、いや〜、こ、ここにあの子が来てないか見に来てだな………」

「ん?今………なんて?」

「いや〜、その〜、なんというか〜」

 

魔理沙は少しモジモジしながら、最後にてへっとして答えた。

 

「はぐれた」

「「はぁっ!?」」

「あらまぁ」

「アンタなんてことしちゃってんのよ!」

 

霊夢は魔理沙を掴んでめちゃくちゃ揺すっている。

 

「そうですよ!この竹林の名前わすれましたかっ!?」

「そう言うなよ〜だから捜索に役に立ちそうなやつを呼びに来たんだよ」

「たしかに、うどんげなら探しやすいとは思うけど、それでもかなりかかるわよ」

「だけど探してみなけりゃ分からないだろ?」

「元はと言えばアンタのせいでしょ!?」

「あはははは」

「笑い事じゃないわよ!?」

「うどんげ、どんな感じ?」

「一箇所だけ見知った波長を感じます。おそらく妹紅です。でも、近くに異常な波長を二つ感じます。」

「う〜ん、一応行きましょ。何か知ってるかもしれないから」

「分かりました。霊夢さんも魔理沙さん取っ組み合いやめて早く行きましょう」

「お、おう!」

「わかってるわよ!」

 

そして霊夢、魔理沙、永琳、鈴仙の四人が妹紅の元へ向かうのだった。その頃の妹紅は……………

 

「くそっ、逃げても逃げても追ってくる」

「わははー、鬼ごっこなのだー」

 

相変わらずルーミアは狂気の笑顔をこちらに向けて追ってくる。

 

「そろそろっ、私も限界か」

 

今妹紅は名無しを肩に乗せて走っている。するとルーミアの弾幕の一部が妹紅の片足を吹き飛ばした。

 

「ぐっ」

 

妹紅は名無しを放り投げる感じで転んでしまったのだった。

 

「弾幕も桁違い………だな」

 

まずい、回復も追いついていない。走る力も残っていない。そこに追い討ちをかけるようにルーミアが近寄ってきた。

 

「もう終わりなのかー?じゃあまずはあなたからね」

「私もここまでか………輝夜……お前より先に逝くことになるとはな………………」

 

そしてルーミアは言った。

 

「いっただっきまーす」

 

大きく口を開け、妹紅を食べようとしたその時、ルーミアの動きが急に止まった。

 

「??」

「面白いことになったのだ〜」

 

なんと名無しの体から黒いモヤがでて、仰向けの状態からありえない動きで起き上がったのだ。そして白銀の髪が真っ黒に変わったのだ。顔を上げると、その淡い水色の瞳は黒く濁っていた。その瞳は私を見てルーミアを見ると、突然ルーミアに向けて手をかざしたのだ。

 

「おい、何するつもりだ!」

 

ルーミアはずっとニタァとしているだけだった

 

「………………***」

「今、なん」

 

私が言い終える前に手の平から衝撃波が放たれた。範囲攻撃ではなく、ルーミアに一点集中の衝撃波でルーミアは轟音を立てながら遠くまで吹き飛んだ。名無しは依然、手をかざした状態から動いてはいない。するとそこに霊夢達が駆けつけた。霊夢達はルーミアが吹き飛ばされた瞬間を目撃していた。

 

「い、今のはルーミアか!?」

「間違いない、ルーミアよ」

「あっ、あそこに妹紅さんと…麗羅…さん…ですよね?あれ」

「あ、ああそうだ。髪の色が違うが麗羅本人だ」

「なんか、さっきとちがいません?雰囲気とか、波長がまったく違うんですが」

 

そしてルーミアを吹き飛ばしたその手の標準は霊夢達に向けられた。

 

「あれヤバくないですか!?」

「今のやつの倍はありそうね」

「師匠!?何冷静に分析してるんですか!」

 

ルーミアを吹き飛ばしたときよりも高濃度かつ、高出力の力が溜まり始めていた。

 

「やめろ!」

 

私は復活直後の足を動かして名無しの手を誰もいないあさっての方向に逸らし、ビームの様なものが放たれた。

 

「アイツらは敵じゃない!」

「……………………」

 

すると、名無しはこちらを十数秒見たあと霊夢達を見始めた。

 

「あれ、ヤバかったな」

「ええ、直撃すれば消し飛んでたかもしれない」

「こ、怖すぎますよぉ〜」

「やっぱり興味深いわね」

「こりゃもこたんに感謝だな」

 

霊夢達を見ていた名無し(麗羅)はそのまま霊夢の方へ歩き出した。そして、霊夢の目の前までやってくると立ち止まった。

 

「な、何よ」

「………………」

 

すると名無し(麗羅)は霊夢を観察するように見回し数十秒すると、体を預けるようにして倒れて込んでしまった。

 

「なっ、どうしたのよ!?麗羅!れ〜い〜ら〜!返事しなさいよ!」

「霊夢、その辺にしとけよ。そいつだってけが人なんだぞ」

「そうですよ!けが人虐待反対!」

「とりあえず、永遠亭に連れて行きましょう。妹紅も来るのよ」

「分かってるよ……」

 

そして一同は永遠亭に向かっていったのだが、ルーミアは完全に忘れ去られていたのだった…………

 

次回 人形使いと魔法と紅魔館への第一歩

 

 

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