東方憶影録   作:神凪さん

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第4話

第肆録 人形使いと魔法と紅魔館への第一歩

 

私が目覚めたのはルーミアに襲われた翌日だった。怪我したところには絆創膏や包帯が巻かれており、ここが永遠亭だと分かった。ふと、襖の先から話し声がしたので向かっていった。なんだかトテトテッという効果音がついてきていたようだが、無視することにした。

 

「………アンタがついていながらあの子に怪我させるなんてどうかしてるわよっ!」

「霊夢、少し落ち着けよ」

「魔理沙!落ち着けるわけないじゃないの!アンタだってあの子を迷子にしなければこんなことにはならなかッ」

「そこまでよ。2人とも」

「止めないで、えーりん」

「いいえ止めるわ。とりあえず霊夢は神社に帰って頭を冷やしてきなさい」

 

なんだろう?あの2人は何やら気まずい雰囲気っぽいので、とりあえず魔理沙に声をかけることにした。

 

「………何の話をしてるんですか?」

 

魔理沙は2人を眺めながら答えてくれた。

 

「ん?ああ、霊夢がな、お前が怪我させちまったもんで責任を感じてるんだよ」

「そうなんですか」

「ああ、そうなんだよ」

 

すると、そこにやってきた永琳ためいきをつきながら

 

「あなたも次からは迷子にならないようにしなさいね。霊夢もこんなに心配してるのだから」

 

ごもっともなお言葉なので私もそのことに気をつけるようにしよう。

 

「分かりました」

「「「……………ん?」」」

 

すると3人はゆっくりこちらに振り向き、目を見開いていた。

 

「どうされましたか?」

「麗……羅……大丈夫なの?」

「はい、大丈夫です」

 

そこに、えーっとうさぎの人が来て

 

「皆さーん、そろそろ麗羅さんの看病の……時間…です…よ…………って」

「「「「縮んでる!?」」」」

 

私は自分を見回した。たしかに視点が低い。すると霊夢は私をがっちり掴んで持ち上げた。ある意味『たかいたかい』状態である。そして、思いっきり抱きしめた。

 

「心配したんだからね」

「むぐむぐ」

 

そして魔理沙も抱きついてきた。

 

「すまんかったー!心配だったんだぜー!」

「む……ぐ……」

 

追い討ちと言わんばかりに鈴仙まで飛びついてきた

 

「心配しましたよ〜」

「……………む………………………」

 

悲しい。必死にペチペチと皆の背中を叩いているのだが気づいて貰えない。ああ……意識が……………この世界に……お別れを言わ……ねば………………

 

「そろそろ離しなさいよ」

「もう少しだけ」

「ああ、もうちょいだけ」

「私もです」

「私は構わないけど、麗羅は、死にかけよ?」

「「「あ」」」

 

そして私は解放された。そして3人はわたしに土下座をしていた。とてもありがたかったので永琳さんには感謝をしなければ………だが、霊夢さんと魔理沙、鈴仙さん達にはきをつけなければ………とくに鈴仙さんには………と考えていると霊夢さんが何かの話を始めた。

 

「そう言えば、あの力の制御ならアリスがいいかしら?」

「それでいいんじゃないか?どうせ服も仕立ててもらわないとだし」

「じゃあ、今度は私が送っていくわ。魔理沙は怖くて信用出来ないから」

 

霊夢は魔理沙を睨みながら言った。魔理沙は当然苦笑いをしていた。私は素直な疑問を永琳にぶつけた。

 

「妹紅さんはどうしたんですか?」

「妹紅はね………傷心中よ」

「………御察しいたします」

 

妹紅さんは護衛をしていたのに守れなかったことに対して、私に対して後悔しているようだ。それからは霊夢さんに抱き抱えられアリス邸まで送られていった。霊夢さんによると現在のわたしは膝の上に座ってちょうど頭が胸くらいの高さにあるらしい。そのくらい縮んでる。もとは霊夢さん達とあまり変わらないくらいだったのだが………

 

「………………………………可愛い!」

 

………………一目見ただけで鼻血噴いて倒れないで欲しい。

 

「おっほん、見苦しいところを見せてしまったわね。私はアリス、アリス・マーガトロイドよ。『七色の人形使い』とも呼ばれているわ」

「改めまして、えーっと………神凪麗羅と申します。どうぞよろしくお願いします」

「なんで今一瞬迷ったの?」

「それは私のほうから説明するわ」

 

2人は私について話しているようだが、私が聞こうとすると小さい人形に通せんぼされた。魔理沙さんから聞いたことがある、アリスさんは人形を操る魔法に長けているらしい。同時にたくさんの人形を扱えるらしい。2人が話してる間はアリスさんの人形と遊んでいた。なんだろうか、窓の付近からシャッター音が聞こえていたが、急に人形が外に出ていくと止んだ。まあ止んだのであればそれでいいと思い、このことは忘れることにした。

 

「………とまぁこんな感じだから少し預かって貰えないかしら」

「ええ!是非預からせてもらうわ」

「そ、即答ね」

「………その前にこの服をどうにかして貰えませんか」

「そうだったわ、アリスこの子の服も頼むわ」

「え?趣味は私のに合わせてもいいかしら?」

「そこはアンタだから大丈夫だと思うけど………」

「じゃあ、今日は服を作るわ」

「は、早いわね。私はもう帰るから後はよろしく頼むわね」

 

そう言うと霊夢さんは飛んでいってしまった。そしてアリスさんの方へ向くと、私の方を見ていたのだ。頬を赤らめて。なんか変な悪寒がしたのでアリスから目を背けたのだが私の勘は当たっていたようだ。背けた瞬間アリスさんから変な声が聞こえた。

 

「あの服、いやこの服もいいかも………フフ、フフフ、フフフフ………」

 

いやらしい目も向けてくるので正直、恐怖でしかないです。だが、それからはいろいろなことを見せてもらったりさせてもらったりした。う〜ん、霊夢さんをダメニートとするとアリスさんはいいお母さんタイプなのだろう。

 

「………パシャッ」

 

ふと気づくと、人形の1人がカメラを持って私がしている作業などを撮影している。アリスさんはカメラを持っていたのだろうか?と思ったがあまり詮索はしない方が良いだろうと思い、何も言わなかった。その後、寝る時間になったのだが驚いたことがあったのだ。なんとそこにはベッドがあったのだ。そしてそこにダイブした。

 

「そうねぇ、霊夢のとこには布団とかしかなかったでしょう?私のところはこのベッドがあるのよ……って聞いてない………か」

 

アリスさんが何かを話していたようだが、ベッドにダイブした私はそのまま睡魔に襲われたのだった。

 

 

 

「……………むぅ」

 

翌日、早く起きた私はこっそりアリスさんの部屋を覗きに行くことにした。なぜなら、アリスさんが何をしているのか気になったからだ。人形を作っているのか、はたまた魔導書を書いているのかなど考えれば考えるほど興味が湧くのである。そうこうしているとアリスさんの部屋に着いた。そしてこっそりドアを開けて覗いてみると………

 

「………………………キィ」

 

そこには机に向かって作業をしていたアリスさんがいた。暗かったが目を凝らして見てみると昨日のカメラを見ているようだ。こっそり近づいてみた。

 

「………………………スススッ」

 

カメラに夢中で、ちょっとした物音には気づいていないようだ。いや、わざと気づいていないふりをしているのかも………と思ったがそのままにすることにした。中に入り、部屋のすみっこに移動して、アリスさんの表情や声を聞くことにした。

 

「………………ムフフフフ」

 

私はこの時初めてむっつり顔を見た。そして、あんなに良い印象だったアリスさんの評価が砕け散った瞬間でもあった。と同時に背筋に悪寒が走ったので帰ろうとしたその時だった。

 

「………ん?あっ!もうこんな時間じゃない!早くご飯の支度しないとっ」

 

と言い、飛び出していった。幸い、私には気づいていなかったようだ。その後、私は自分の部屋から出てきたように細工して出てきた。

 

「おはようございます、アリスさん」

「あら、早いのね。おはよう麗羅、今日から訓練を始めるわよ」

「なんの訓練ですか?」

「あなたはとてつもない力を持ってるから、それの制御の訓練よ」

「例えば、霊夢さんみたいな能力ですか?」

「う〜ん……なんとも言えないわね」

「私もアリスさんのように魔法って使えるんですか?」

「適性があればできるわよ」

「そういうものなんですか?」

「そういうものなのよ。とりあえずパチュリーのところに行って見てもらいましょうか」

「分かりました」

 

それからはアリスさんが徹夜で用意してくれた服を着て、ご飯を食べ出掛けることにした。行き先は『紅魔館』という場所らしい。そこに知り合いがいるらしく、その知り合いに私を紹介したいらしい。アリスさんに

 

「あんまり本名は言わないように」

 

と釘を刺されているので、なんと名乗るか考えものである。そして移動方法については、アリスさんは徒歩、私は抱き抱えられた状態と言うことになっている。私は人形か何かかと思ったが、現状それを挽回出来ないので放置することにした。しばらくすると大きな赤い建物が見えてきた。あれが紅魔館らしい。外には門番がいた………が眠っているようだ。

 

「美鈴、めーいーりーん、起きなさいよ。咲夜さんに怒られるわよ」

 

とアリスさんが言うと、

 

「ふぇ………?ささ、咲夜さんが!?ちち、ちゃんと門番してましたよ!?」

 

と慌てながら飛び起きた。門番はこんなのでいいのかな?と思ったが、人それぞれなので割愛。

 

「あれ………?アリスさん?どうしたんですか?紅魔館になにか御用が?」

「ええ、パチュリーにちょっとね」

「へぇ〜それはご苦労さまです。この子は?……まさか、アリスさんの子ですか?」

「そ、そんなわけないじゃない。ほら、自己紹介しなさい」

 

と言われたので自己紹介をしよう苗字は………適当にしときましょう。

 

「初めまして、こんにちは。私はえーっと……レイラ、レイラ・マーガトロイドです。よろしくお願いいたします」

「ブフッ………!」

 

何故だろうか、アリスさんが鼻から血を吹いたのだが。

 

「へぇ〜、レイラさんですか。よろしくお願いします。私はこの紅魔館の門番をしている紅美鈴と申します、以後お見知り置きを」

「よろしくお願いします、美鈴さん」

「と、レイラさんは言ってる訳ですが?」

 

すると、ニヤニヤしながらアリスさんを見た美鈴さんでしたが、

 

「ちょっとあっち向いててね?」

 

というアリスさんの威圧を受けた私は目線をずらすと、とてつもない鈍いが響いた。

 

「さぁ、行きましょうか」

「わ、分かりました」

 

その後、館の主に見つかるまで美鈴さんは壁に埋まっていたそうな。そして館に入ると

 

「ようこそ紅魔館へ」

 

という声と共にメイド服の格好をした人がお出迎えをしていた。

 

「今日はどのようなご要件ですか?」

「今日はパチュリーに用があるのよ」

「分かりました。そちらの方は?」

「この子はレイラ……マーガトロイドよ」

「レイラ・マーガトロイドさんですね。私はこの紅魔館のメイド長の十六夜咲夜と申します」

「よろしくお願いします」

「パチュリー様はいつもの所におりますので、用がある際はお呼びください」

 

とのことらしいのでその『いつもの所』にアリスさんは向かったので、私も追いかけるようについて行った。

 

次回 黑ノ魔導書

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