セバスチャンの中の人 作:にじさんじランク:かけだし
皆さんは、二度目の人生を授かったら、一体何をするのだろうか。
サブカルチャーに多少の造詣があれば、幼少期からの努力によるチートを目標とするのが多数派かもしれない。
自身も多分に漏れず、そうやって成長をしていったのだが……
ただ一つ前世と異なる点として、この世界は異世界との交流が盛んであり、多少の努力程度では到底追いつけない存在もそこらを闊歩している。
例えば、目の前の女性。
「……これが、ワープゲートの構築に必要最低限の材料とエネルギー、ですか」
とある政務の一つで、長距離間の移動についての案件があり、解決策としてワープゲートが考案された。
そのワープゲートの作成を、天才錬金術師で、リゼ様の良き友人であるカトリーナ嬢に相談し、取り敢えずの経費概算見積をしてもらったのだが……
「うん、少なくとも、今あるヘルエスタ王国の力だけで作るなら、それくらいかな」
「つまり、他国の持つ時空間関係のノウハウがあれば、もう少し削れるという事で御座いますね」
「難しいだろうけどね」
時空間関係の技術は、その有用性から外交の切り札であり、常に狙われる金の卵だ。
ヘルエスタ王国にも、カトリーナ嬢の創り出した空間拡張関係の技術が有り、我が国の外交カードの切り札の一枚を担っている。
「それを何とかするのが、外交官で御座います……では、こちらの見積書は持ち出しても宜しいですか?」
「いいですよ、変な事は、書いてないんで」
「ありがとうございました、それでは失礼いたします……カトリーナ嬢」
「あ、はい」
「後程お食事をお持ちしますので、健康的な食事をしてくださいね?」
「アッ、ッスー…ハイ」
・・・
セバスさんが部屋を出て静かになった空間で、漸く緊張の糸が切れる。
「あ゛~………慣れね~………」
国王に謁見した時、国王の秘書兼執事と挨拶をされて以来、常に隙の無いその姿に感じたのは、尊敬とカッコ良さと、若干の畏怖。
陰キャコミュ障錬金術オタクの私とは、ホントに正反対と言っても過言ではない
ぶっちゃけ、彼氏の錬成の際に参考にした程にイケメン。
というか彼氏になってほしい。
高身長イケメンで私をお姫様抱っこ出来るし、家事全般出来るし、研究に他分野の助言くれるくらいには頭良いし、私の性癖にも寛容だし……
ただまぁ、面と向かって「彼氏になってほしい」なんて言えないけど。
それどころか何かを誘った事すら無いけど!
無理だよ~、二次元彼氏みたいな三次元の存在とか、無理過ぎる。
『天才錬金術師、アンジュ・カトリーナ』として会話してるからなんとか平静を保ってるのに……
溜息をついて、ふと鼻についた匂いに、そういえば徹夜で研究をしていた事を思い出した。
「……やば、待って、ニオイ嗅がれたって事じゃん、死ねるんだけど……シャワーだけでも浴びとこ」
どっちにしろ、後でリゼの所に行く用事があるし、ちゃんと髪洗わないとなぁ……
こんな女子力皆無の私だけど、セバスさんみたいな彼氏ほしいなぁ………
社畜なので切り抜き派です