セバスチャンの中の人 作:にじさんじランク:かけだし
過去から現在に至るまでの生命体に於いて、原初の感情である闘争心、又は闘争本能は、切っても切れない縁を持つ。
二度目の人生でもそれは変わらず、歯に衣着せぬ言い方をしてしまえば、寧ろ悪化していると言えるだろう。
なんせ今世の現代は魑魅魍魎が跳梁跋扈する、人外魔境の混沌の坩堝。
故に、そういった精神性を持つ人や種族は少なくない。
リゼ様のラジオ収録で早目に到着し、スタジオの外で控えていると、今日もまたそんな精神性を持つ鈴原嬢に激しい挨拶を受けた。
「セバスさん、こんるるです」
「こんにちは、鈴原嬢……会う度に申しておりますが、御止めになってください」
目が合って此方に歩み寄って今の挨拶を行った短い間に、喉を狙う右の貫手、レバーブロー、更に左の震脚で踏み込み鉄山靠、これを自然な流れで仕掛けられ、私は周囲に被害が及ばないよう丁寧に受け流す。
「だってぇ……」
「ラジオの打ち合わせが御座いますでしょう? 皆様をお待たせしてはいけません」
「後で遊びましょうね、絶対」
「リゼ様がお許しになられましたら、問題御座いませんが……」
まぁ、リゼ様にはお断りするよう申し上げてますので、何事も無ければラジオ収録の後すぐ帰宅となりますが。
……圧に負けて許可しないように、お願い致しますよ、リゼ様?
・・・
今日も防がれちゃった。
セバスさんは、私が攻撃しても倒れない、とっても強い人。
初対面で思わず殴り掛かっちゃった時も、綺麗に受け流されて腕を取られて組み敷かれて、子供みたいにはしゃいじゃった。
変な顔をされちゃったけど、当たり前だよね。
私が殴って無事だった人間って、殆どいないし、受け流されたのなんて初めてだった。
でび様やロアちゃん、ギル様みたいな人間じゃない『ヒト』以外で、私の全力を受けて無事な人……心が奪われちゃった。
会う度に思わず攻撃しちゃって、いつも注意されちゃうけど、禁止にはしないのが優しいなって思う。
セバスさんの事を考えるだけで身体が熱くなって、セバスさんを視界に入れると何も考えられなくなっちゃう。
これって恋なのかな?
でび様に相談したら、『執事も憐れだねぇ……美大生、お前が執事をどうしたいか、焦らずによォ〜く考えれば、いずれ解るんじゃないか? ……まぁ、僕の負担が減るのは有り難いから、執事には感謝してるよ』って言って、discordを切られちゃった。
どういう意味なんだろう、よく分からないや。
……気にしなくていっか。
また今度、気になった時に考えよう。
まずはリゼ様にお願いして、セバスさんと遊べる様にしてもらわないと……
そろそろネタ切れ