セバスチャンの中の人   作:にじさんじランク:かけだし

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独自設定あります


セバスチャンと月ノ美兎

今をときめくバーチャルライバーには、幾つかのカテゴリが存在する。

 

リゼ様のように、自身と同じ外見のアバターを使用する方。

 

バ美肉と呼ばれる、異性のアバターを使用する方。

 

キャラクター設定やプライバシー保護の関係で、自身と異なる名前とアバターを使用する方。

 

動物や謎生物をアバターにする方。

 

他にも有るが、一先ず省略。

 

リゼ様の所属しているバーチャルライバーグループ『にじさんじ』にも、そういった方が幾人か所属されている。

 

例えば、今私がエスコートしている月ノ嬢のアバターは女子高生だが、実際の外見は中学生の美少女で、実年齢がおよそ外見×10歳という異世界の月兎人(げっとびと)という人種だ。

 

付け加えると、『月ノ美兎(つきのみと)』という名前も、月ノ嬢が日本国籍を取得した際に付けた日本名である。

 

「すみませんセバスさん、ホテルまで送ってもらって……この見た目なんで、ほぼ警官に声掛けられちゃうんですよね」

 

「お気になさらないでください。こちらこそ、リゼ様が何時もお世話になっております故、これ位は些事で御座います」

 

リゼ様に聞かされたのだが、月ノ嬢は過去、実際に補導された事があるそうで、当時は身分証明書を見せても警官に信じてもらえなかったらしい。

 

今でこそ異世界の文化や法律等、行政機関も異世界に準じた対応を行うようになったが、月ノ嬢が日本に来た時期は未だにその辺りが曖昧で、大使館も存在しない各国政府はてんてこ舞いだったそうだ。

 

「此方の御部屋で御間違い御座いませんか?」

 

「はい、ありがとうございます……リゼさんに、明日のオフコラボはよろしくと伝えておいてください」

 

「畏まりました、ごゆっくりお休みください」

 

 

 

・・・

 

 

 

部屋の扉を閉めて、テーブルに荷物を放って、ベッドに仰向けに飛び込む。

 

「いやぁ…本職は違いますねぇ…」

 

明日のリゼさんとのオフコラボの打ち合わせで、いちから本社に到着したのが昼過ぎ頃。

 

打ち合わせが終わって、リゼさんに誘われて彼女の泊まっているホテル(王室御用達で有名な所だった)のレストランでディナーをご馳走になり、さて(わたくし)のとっているホテルに戻ろう…としたところ、どうも渋滞が酷い。

 

徒歩数分くらいだけど、見た目のせいで、歩いて向かうと確実に補導されてしまう。

 

渋滞を我慢すべきかどうしようかと悩む私に、『セバス、委員長を送ってあげてください』と助け舟をくれたのがリゼさんだった。

 

『委員長に何かあってはいけませんし、私は護衛と部屋に居ますから、よろしく頼みましたよ』と威厳たっぷりに告げるリゼさんは、普段の若干ポンの混じった姿からは想像もつかない、人の上に立つ者としてのオーラを発していた。

 

呆気にとられていた私は、『では、参りましょうか』というセバスさんの声に意識が戻り、『御手を引く栄誉を賜れますか?』と傅かれて手を差し出され、にじさんじ内でセバスさんが《レディキラー》と名付けられているのに納得がいった。

 

こんなシチュエーション、二次元でしかお目にかかれないのに、まさか私が体験出来るとは思ってもみなかったですね。

 

一応私、楓ちゃん一筋なんですけどね…惚れそうになってしまいましたよ。

 

「……今度、楓ちゃんにも同じ事やってもらいましょう」

 

メモをスマホに残して、楓ちゃんにエスコートされる妄想をしながら、眠気に身を任せて私は意識を落とした。




ストックが無くなったので、しばらく更新が開きます
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