いろいろ描写調整してるというかしすぎ。初代ガンダム劇場版への圧縮作業かな?
その日のGBNは少し奇妙な噂が流れていた。
「なあ、聞いたかあの噂」
「あの噂じゃわからねぇよ。どの噂だよ」
ロビーでは新人や待ち合わせをしているダイバーが噂し。
「よーし、しばらく休憩を入れるぞ」
「うーっす! そういや隊長、あの噂聞きました?」
「あの噂……ああ、あの噂か気になるのか?」
難関ミッションに挑んでいる最中のふとした時間にダイバーが噂し。
「ねえねえ、これ終わったらあの噂確かめに行かない?」
「あれかー……私バトルそんなに好きじゃないからパス」
「ええー、もったいない」
遊園地フィールドで遊んでいるダイバーが噂したりと。GBN各地で噂が広がっていた。
その噂とは「あの第七機甲師団が無名フォースとフォース戦を行う」という噂であった。第七機甲師団といえばフォースランキング2位の超有名フォースであり、フォースランキング四ケタ後半台の無名なフォースと戦うのは格の違いがありすぎておかしいのだ。普段なら「第七機甲師団のメンバーとそのフォースのリーダーが知り合いで、その縁とかじゃないの?」といった答えであっさりと噂は消えていくのだが、今回は消えない理由があった。
「すみません、フォース「──―」の──さんですよね? ウィークリーGBN取材班の者です。GBN初期のイベント『星一号作戦』についてお聞かせ願えませんか?」
「別にいいけれど。珍しいですね、ウィークリーGBNっていつも事前に取材申し込んでるって聞きましたけど。突撃取材とか何かあったんですか?」
「はははっ、よくご存じで。実は最近編集部に匿名のタレコミがあったんですよ──『ア・バオア・クーの亡霊』がGBNに帰ってくるっていう情報をね。まだ裏付け取れてませんが」
ウィークリーGBNの取材である。数日前から古参フォースに所属しているダイバーへの取材申し込みを行う際に『ア・バオア・クーの亡霊』の復活を囁いたのだ。取材を行ったダイバーも「裏付けがない」「確証がない」「本当にまだ噂」と念押しした物の、噂は簡単に出回るもので。最近その特集があったこともあってGBNでは『ア・バオア・クーの亡霊』の人気が高まっていた。
そこへ誰かが噂を付け加える。「ロンメル隊と戦う無名フォースに初代ガンダムが加入している」という噂を。それが「ア・バオア・クーの亡霊の復活」と結びつくのにそう時間はかからなかった。こうして、第七機甲師団VSV作戦実験小隊の舞台は整えられたのだ。
・
・
・
「……そうか、わかった。いい仕事をしてくれたね。改めて今回のフォース戦に関しては君のところが独占インタビューできるように取り計らっておくよ。レイナ君もそれで構わないね?」
「は、はい。よろしくお願いいたします……」
シャトルの中でロンメル大佐がウィークリーGBNの記者と話している。フォースリーダーであるレイナも付き添っているが緊張感が凄まじい。まさかGBNにおけるマスコミの力を借りてまで噂を広めるとは……智将ロンメルの恐ろしさはそちらの面でも上がったようだ。
「なあ、放っておいて大丈夫なのか?」
「大丈夫大丈夫。レイナちゃんは決めるところは決めるタイプだってこと知ってるから」
「そうそう。なんだかんだ言って頼れるからね、レイナは」
レイナのフォース『V作戦実験小隊』の副官を務めているというフラウコスプレの小さな女の子はケラケラと笑い、連邦軍士官服の男性が同意する。乗機は女の子がジムガードカスタム、男性がジムスナイパーカスタムとなかなかに渋く、話を聞くとリアルでは夫婦らしい。
……女の子は外見的にアウトな気がするが、ここはGBN。アバターの姿は自由自在だからリアルではきっとそういうことなのだろう。深く考えてはいけない。
「レイナが……いや、そんなことはないんじゃ? ……あー、ダメだ」
「おや、そうなのかい? よし、いただき」
「あいつ英語相変わらず苦手だし。全然決めれてる印象ないし。やった、アガリ!」
「……勉強、しっかりしないときついぞ」
「うっさい!」
これに対してガンキャノンとガンタンクのダイバーである少年少女は結構ノリが軽い。今回対戦する第七機甲師団のメンバーとババ抜きを楽しんでいたりと溶け込むのが速いな。聞いた話だとレイナのクラスメイトだとか。少し心配だったがレイナにもいい友達がいるようで何よりだ。
「おじ……ハジメさん。何か言った?」
「いや、何も」
口に出していないのに気づくとは。ユミの時も思ったがこういうのは女の勘なのか、それともニュータイプの勘なんだろうか。後者の時は夢があるな。クスリと笑うと目の前に座っていたジオン軍服の男性が合わせるかのように笑った。
「こうして会うのは久しぶりですが、ハジメさんが変わっていなくて安心しました」
「それは私も同じです、クルトさん。フォース戦の場を用意していただきありがとうございます」
「あなたは第七機甲師団設立初期を共に戦ったダイバーなんですから。その借りをこうして返せる機会が来たんです、大佐だけでなく私も聞いた時は乗り気でしたよ。今日は期待しております」
クルトさん。第七機甲師団の副官を務めるダイバー。フォース戦の細かい段取りを決めるために尽力していただいて、今も昔も世話になりっぱなしのダイバーだ。
『第七機甲師団並びにV作戦実験小隊のダイバーの皆さん。サイド1コロニー26バンチへ到着まで後5分程です、上陸準備をお願いします。今回のフライトはウィークリーGBN取材班がお送りしました。後で住所を教えていただけたら来週号を無料でお送りしますのでご連絡ください』
「おっと、そろそろ時間ですね」
「現実ならともかくGBNでなら基本手ぶらで済むのがいいところだな。しかし疑問だったんですがどうしてシャトルでわざわざ向かったんですか? 目的地のコロニーを今回のフォース戦に使うとはいえ、ワープでお手軽に迎えたと思うのですが」
「大佐の提案ですよ。今回のフォース戦は私とロンメル大佐を除いては結構若い方のメンバーが多く、協力してくれたレイナさんのフォースもどちらかと言えばその傾向がある」
「だからこそこうしてお互いのことを知りあう、気兼ねない関係になるための時間を設けるべきだと考えたのさ。フォースランクの差による緊張を少しでも取り除いたの方が戦いやすいかと思ったのだが、その機会が本番ギリギリに設けた移動時間になったのは計算外だったよ」
「大佐……!」
レイナと共に話し合っていたのが終わったロンメル大佐がこちらにやってきて思わず敬礼する。その姿を見た大佐とレイナがくすくす笑う。ええい、第七機甲師団時代の癖が!
「おろしてもらって構わないよ、ハジメ。レイナ君にはすでに話したんだが、第七機甲師団は私とクルト以外は今度設立予定の新人教育目的のフォースに移る予定のメンバーを今回のフォース戦に選出させてもらった。ベテラン二名と中堅二名と新人二名で第七機甲師団は挑ませてもらうよ」
「こっちは私とハジメさんがベテラン二名。ライトさんとサキさん──あ、ジムスナイパーの人とジムカスタムの人が中堅二名、ガンキャノンとガンダンクの二人が新人枠だよ」
「バランスは取れてはいるというわけか。といっても相手はあの第七機甲師団だ。新人と言っても油断はできんな。6対6と人数が多い殲滅戦だからなおさらだ」
「その通り、そして私が譲歩できるのはここまでだ。フォース戦で全力で戦わせていただく。二人とも覚悟して挑んできてほしい」
「はい、ロンメルさん。胸をお借りするつもりで挑ませていただきます」
「了解です。大佐、いえ、ロンメルさん」
──いや、こう呼ぶべきだ。ロンメル。
「星一号作戦の、決着を付けましょう」
呼び捨てで呼ばれたことに目を丸くしていたロンメルはニヤリと笑うと差し出した手を取った。
「ああ、決着を付けよう、ハジメ!」
・
・
・
星一号作戦の決着。一体どういうことなんだろうかと戸惑っていると背後に気配を感じた。シャトルに乗る時に出くわして意図的に無視していたダイバー。着崩したジオン兵士風のダイバーである彼はアズマ。腐れ縁のライバルである彼にこんなところで出会うとは思わなかった。
「ロンメル大佐とあのハジメって人が昔開催された『星一号作戦』ってイベントでで戦ってた話は聞いてるか?」
「……ええ、聞いてるけど」
「あの二人の戦い、決着つかなかったんだよ。機動力が高く縦横無尽に襲い掛かるガンダムの攻撃をロンメル大佐のレッドべレーは地形を生かしていなすがそれは相手も同じく」
「あれだけの腕を持つ二人の戦いだったのに?」
「ロンメル大佐曰く、ハジメさんのガンダムは可動域で劣っていてロンメル大佐のレッドベレーは宇宙戦への適性がまだ低かった時期だったそうだ。拮抗した高い技量に機体がついていけなかった二人の戦いは最終的に時間切れになったってわけよ」
「なるほどね。で。なんでアンタがここにいるのよ」
「俺ずっと前にロンメル隊に入ったんだよ。言ってなかったっけ。ま、お前本当に俺に興味ねえし気付かないのも当然か」
「興味がないんじゃない。好きになれないだけだから」
「……ま、そうだろうな」
苦い顔になった彼は頭をかく。そんな彼の姿を私はため息を吐きながら見つめる。
昔、アズマに負けたことがきっかけで彼をライバル視するようになり、いつの間にか向こうも私をライバル視するようになった。それは私がまだ『ルシャノワール』にいた頃の話。
当時の彼はそれなりの上位フォースにいて、全盛期のルシャノワールと肩を並べるくらいの実力だった。相手が1/144のシャア専用ザクを使っていたこともあってライバル視してたのもあったけど。
そんなアズマにはアヤメさんや仲間の力を借りながらなんとか互角の勝負を繰り広げていたけれど、SDガンダムの弱点を分析されてしまったことによるルシャノワールの敗戦が相次いでからは戦うどころか会うことすら少なくなっていた。そして、私はルシャノワールを抜けることになる。
数日後、私はアズマにリアルで偶然出会った……というかアズマが無理やり会ってきた。
「ごめんなさい。じゃ、私はこれで」
「ちょ、ちょっと待ってくれ! 俺がお前を呼び出したには理由があってだな!」
「今時机の中にラブレターとか小学生でもやらないと思うけど。そういうことでしょ?」
私の机の中に「お前がGBNでのレイナなら話がある、放課後に屋上扉前に来てくれないか アズマ」って手紙を入れてきたのは私と同じクラスの男子だった。文章的に多分ラブレターだろうなー、なんて思って開幕振ってみたら違うって言われて。
「最近『Le Chat Noir』をフォース戦で見かけないから気になって調べてみた。そうしたらフォースの雰囲気がガタガタかつ険悪でお前を始めとしたメンバーもことごとく抜けていて、もうあそこは崩壊あるいは解散するまで秒読みかもしれない」
「……知ってるよ。もうあそこには私はいられないから抜けたし戻れない。何が言いたいの?」
「その原因、俺にあるかもしれないんだ。俺がフォースメンバーに……SDガンダムの対策戦法を立案したんだ」
アズマは私に語り始めた。Le Chat NoirはSDガンダムオンリーフォースでありながら、高い実力を誇る珍しいフォースだった。そのため上位ランカーでも対策戦法のセオリーがなく対処に困っており、アズマは自らのフォースの助けになればとSDガンダム対策戦法をまとめあげた。
それがきっかけでLe Chat Noirがアズマのフォースに敗北した。これがきっかけで他のフォースもその戦法を真似し始めたのかもしれない、と。Le Chat Noirがああなった原因は自分にある。
「……で、それを言ったアズマはどうしたいの? 許してほしいの? 責めてほしいの?」
「……わからない」
「は!?」
「わからないんだよ、俺。自分で言うのもなんだけどすっげえ馬鹿だからよ、何かやった時はその重大さに気付くのっていっつも後なんだ。今回の一件もそれが今だった。俺はレイナに許してもらえる資格なんてないと思ってるし責められるのは当然だと思ってる」
だからよ──そう言ってアズマはポケットからいびつな六角形の板を取り出す。中心部がクリアグリーンのそれはGBNの世界へ入るために必要なダイバーギアだった。
「この中に俺のGBNでのデータが詰まってる。引継ぎ処理はしてないから壊したらダイバー『アズマ』は終わる。お前がどうしようにもなく俺を許せないのなら、これを壊してくれても構わない」
「っ、正気で言ってるの!?」
「俺はそこまでのことをした自覚がある。お前に『アズマ』を殺されても構わないんだ」
アズマから私はダイバーギアを受け取る。これを壊せばルシャノワールの皆を苦しめた元凶である男を殺すことができる。両手に思わず力を籠める。アズマのダイバーギアがミシィと音を立てた。ルシャノワールの皆はそれを喜ばないと思うけれど、私の気分は──気分、は──
「──7勝8敗5分け。何の数字かわかる?」
「それは……レイナとの戦績か」
「その通り。しかも戦法を研究され始めてから私はあなたに一度も勝ったことがない。まだレイナとアズマの因縁は終わってないんだよ。だから、さ」
ダイバーギアを操作してフレンドリストを開く。そして、「レイナ」へのフレンド申請を行ってアズマに返した。
「あなたは、アズマは殺さない。レイナがアズマに勝てるまであなたは生き続けて。GBNの世界でレイナを待ってて。それがあなたに出来る贖罪だから」
我ながら何を言っているんだろうと思い頬が熱くなるのを感じた。赤い夕暮れに照らされていることにこんなに感謝したことはない。背を向けて立ち去る私に東の声が届く。
「──ああ! 絶対に負けないからな、覚悟しろよ!」
流石ライバル、そうこなくちゃ。ニヤリと笑って私は放課後の予定を変更する。ガンダムベースにいってGBNやってから帰ろう。いつかアズマに勝利する日のために。
「今回のフォース戦、俺は新作のガンプラをお披露目するつもりなんだ。俺の全てを賭けて作った究極のザクでお前を倒してやるよ」
「ふーん、そうなんだ。私も新作のガンダムだよ。この子ならあなたに負ける気なんてしないし、デビュー戦の相手にあなたがいてちょうどよかった」
お互いに睨みながら言葉を交わすと、ちょうどシャトルがコロニーに到着した。言葉を交わさずに私たちはシャトルを降りていく。ただ、言葉はなくとも同じ思いを瞳で告げていた。
──他の誰かにやられるなよ、ライバル。
私たちの関係はそんなものだ。そんなもので、いいのだ。
「私はアズマ君がレイナ君とくっつくに100ビルドコイン賭けよう。ハジメはどうする?」
「まだアズマとやらのことをよく知らないが、いい男のような気がするな。賭けが成立しないが私もそちらに賭けるとしよう、大佐」
「おじいちゃん!?」「大佐!?」
・
・
・
賭けを始められて二人が怒ってから少し時は流れ。湖が見える草原がある練習用ディメンションに一体のガンプラが立っている。そのガンプラ本体のカラーはG-3ガンダムをモチーフにしており、装備させた青い装甲のことを作ったダイバーは『アースアーマー』と呼んでいる。
そのダイバーはガンダムの足元でコンソールをいじっていた。
「ヒロトー、こんなところでどうしたの?」
「イヴ。ちょっと気になるバトルがあって探してたんだ」
コンソールを覗きこまれたダイバー、ヒロトは覗き込んだ金髪と綺麗な緑がかった瞳の少女、イヴにコンソールを見せやすいように調整する。そこには「ウィークリーGBN特別中継番組」と題された文字と、初代ガンダムがグリモアレッドベレーに挑むイラストが写っていた。
「なになに? 第七機甲師団対V作戦実験小隊のフォース戦……?」
「趣味や目的があった仲間と作ったチーム同士の戦いだよ。もうすぐ始まるこの試合に気になるガンプラがいるから気になってたんだ。良かったら一緒に見る?」
「……ああ!あの子がいるんだね。私も見せて」
肩を並べて座られたことにヒロトは少し驚くが、すぐに平常心を取り戻す。ちょうどその時番組が始まり、ウィークリーGBNの記者がイラストをバックに現れた。彼が番組内容の解説をしていると、イヴが少し首をかしげていた。
「ねえ、このコロニーってこの前コアガンダムに乗せてもらって一緒に行ったところかな」
ちょうど番組内容はフォース戦の舞台となるコロニーの解説へと移っていた。ヒロトのガンプラで以前行ったことがあるコロニーと似ていたことに気付いたイヴが問いかける。
「構造は同じだけど、前に行ったコロニーとは違うところだよ。GBNにはたくさんコロニーがあるからね。しかし、コロニーでのフォース戦か……」
「難しいの?」
「フォース戦は経験がないから詳しいことは言えないけれど、どんな地形でもフォース戦となるといろんな戦法があるから難しいと聞いたことがある。こういうコロニーの場合はそれが顕著だって聞いたよ。コロニーの内部と外部を使い分けやすいからね」
「内部と外部……地上と宇宙で戦い分けられるってことかな」
「うん。宇宙に出ておいてコロニーの外を通って奇襲攻撃を仕掛けたり、円柱状であることを生かして機動力があるガンプラならいろいろなルートで相手に攻め込むことができるって聞いた」
「なるほど。シンプルに見えて奥深いんだね」
ヒロトがイヴの疑問に答えたその時、映像は二機のガンプラを映し出した。第七機甲師団フォースリーダーのガンプラ『グリモアレッドベレー』とV作戦実験小隊フォースリーダーのガンプラ『プラスガンダム』。記者が熱く盛り上げる言葉を述べると同時に、機械音声が鳴り響く。
GET READY? BATTLE START!
・
・
・
『こちらガードカスタム、配置についたよ! 作戦通りこれより砲撃隊の指揮は私が取る、レイナちゃんとハジメさんは好きにやりな! 頼りない連中だろうけど、後ろは守ってやるからね!』
「了解、いつもながら素早い仕事ありがとうございますサキさん」
コロニー内部市街地をハジメさんと共に行動していた私は称賛を送る。緊張が抜けている分いつも通りの行動ができているようでよかった。市街地の中心部にいるサキさんを始めとした4人に対して、私たちは市街地の端の方でミラーを監視していた。
今回の舞台となったコロニーはおなじみシリンダー型。太陽光を内部に取り込むための三か所の巨大なミラー部──通称『河』──によって分断されたコロニー内部のエリアに私たちはいた。
コロニー内部での戦闘にはある程度のセオリーがある。まず開始時の各フォースは分断されたエリアごとに配置されている。私たちV作戦実験小隊がいるエリアから、ミラー部を挟んで第七機甲師団がいるエリアがあるというわけだ。ちなみに逆方向のミラーを挟んだエリアは無人地帯。
中盤くらいになるとミラーを突き破ったり各エリアにあるコロニー外のゲートを使ってコロニー内外で攻防を繰り広げたりするけど、序盤はいつも──
ドォン、と爆音が聞こえてきた。こちらのガンキャノンとガンタンクが第七機甲師団へのエリアに向かって砲撃し始めたのだ。そして向こうからも砲撃が飛んでくる。序盤はこれがセオリーだ。
『仕掛けてきたぞ、散開!』
ハジメさんの号令に合わせて私は新たな愛機『プラスガンダム』を動かす。見た目はこれまでのSDガンダムと大差ないが軽量化を行ったことである程度機動力が向上している。第七機甲師団からの砲撃をひらりひらりとかわしていると、ふとハジメさんのガンダムがどこかを狙っていた。
ガンダムが機体の各部に備え付けられたスラスターを吹かして高速で移動しながらビームライフルを放つ。放たれたビームが空中で何かに命中した。
『やはりな。流石大佐だ。適当なビルに機体を隠せ』
「あのー、一人で納得してないで何があったのかを教えてくださいよ」
『狙撃機だよ。砲撃と狙撃を絡めた支援攻撃は基本中の基本と言ってもいい。ロンメル隊はその精度が高い。こちらの支援部隊と我々に砲撃を浴びせながら狙撃を要り混ぜてきた。なんとか撃ち落とせてよかったよ』
「この状況で狙撃!?というか、さらっとすごいことしてる!?」
『この状況だから、だよ。おっと、こちらスナイパーカスタム。敵支援部隊を三機補足、ザメルとヅダに護衛はサザビー。全機色がグリーンに変更されているから前線組は警戒せよ。狙撃で牽制は試みるが距離が遠い、ビームは減衰するだろうから期待しないでくれよ』
『それでもありがたいさ。ではこちらも切り込んでみるとしよう』
ハジメさんのガンダムはミラーを超えた先で待ち構えているであろう、第七機甲師団を見据えていた。私もそれに追従しようとしてあるものを手渡す。
『これは?』
「私のとっておきというか過剰準備品。相手が第七機甲師団だから役に立たないと思ってはいたけれど、ハジメさんならちょっとは使い道思いつくかなー、って。これはね──」
説明を受けたハジメはニヤリと笑いながらそれを身に着ける。準備は整った。
「私の、私たちのガンダムの初陣! かっこよく決めよう、おじいちゃん!」
『中継されているんだからそれで呼ぶな馬鹿者』
あっ。
・
・
・
ミラーすぐ傍のビルへ移動する。レイナとの合図を合わせつつスナイパーカスタムと連絡を取る。相手側も待ち構えているはずだろうから偵察を頼んでいたのだ。
『戦況は膠着状態にありますね。こっちの支援砲撃は有効打を与えられてないが、それは向こうも同じ。こちらも回避技術は磨いてますから。となると双方に切り込むことによって戦況は傾く』
「相手が無人都市や宇宙を通って向かってきている可能性は」
『こちらの偵察網を見る限りではありません。これでもGBN歴は長いんですよ、私とサキは。見ることには慣れてますし長けています。我々がそちらを通って奇襲を仕掛けるのは難しい』
「宇宙へ出るゲートもお互いに監視しやすいからな。目があればお互いに牽制できる難しいマップだよ、ここは」
『おっしゃる通りで──見えた! 赤いシャアザクのカスタマイズ機と黒いMSがミラー付近にいるのを確認! ロンメルのレッドベレーは現時点で確認できず!』
「レイナのライバルとクルトのギラドーガだな? ロンメルがどこにいるかは探すしかないか」
「頼みます! 『ア・バオア・クーの亡霊』の実力、見せてもらいますよ』
小さく笑いながら心得た、と返し通信が終わる。大きく息を吸い込み操縦桿を握り直し、バイザーを開けてよく知った顔に触れる──紛い物だが力を貸してくれ。アムロ・レイ。
「ハジメ、ガンダムR! 出るぞ!!」
ガンダムが飛翔し、ビルの陰から飛び出る。向こう側からの射撃が飛んできたが予想している。足をねじりながら太もものスラスターを吹かし姿勢を調整。かわすと同時に、近場のビルへ接触し──全力で、ビルを蹴りつけてフルブースト!
その勢いと重力によってガンダムはミラーの方向へと突っ込む。スラスターと姿勢を調整しながらスレスレの高度を維持しながら向かい側のエリアを目指す。
『来させるかよ!』
向かい側のビルの陰からいびつなザクが現れる。操縦しているのはレイナのライバル、アズマ。ゲルググの肩を背負い、ジオングの腕を持ち、下半身はドム。4機のガンプラをミキシングしたであろうそれはシャア専用カラーと呼ばれる赤いカラーリングに統一されていた。
「ほぉ、一年戦争のシャアのモビルスーツが小説版混みで集ったザクか!ズゴックはどうした!?」
『入れ方思い付かなかったんだよ! 俺のザクを覚えて落ちな!!』
「それは断る!」
ザクの腕からビームが放たれる。それを右へ、左へとロールさせながらかわし、どうしようにもないビームは──弾く!
『ちぃっ、何かあると思っていたがただのマントじゃねえか!』
レイナから渡されたのは黒い布だった。それはアンチビームコーティングマント。クロスボーンガンダムに登場したビームを弾くマントであり、長くは持たないがこの距離を詰めるには十分!
「おおおおぉっ!!」
ボロボロになったマントを目くらまし替わりに投げつけるとガンダムがザクの懐へと飛び込む。ビームサーベルを抜く余裕はなく、相手も対応する余裕はない。ガンダムの推力をフルに生かしてザクを抱えたままビルへと激突させ、すぐに距離を取る。
『やるじゃねぇか……!』
「油断するな、まだ終わらんよ?」
『な、ぐうっ!?』
ザクが起き上がろうとしたタイミングで砲撃が刺さる。私が突撃した後、レイナが新たに制作した支援機で砲撃するという連携だが、これだけでは落ちないか。作りこみに感嘆しているとセンサーが脅威をとらえて警告音を鳴らす。ビルの一つから黒いギラ・ドーガが現れて射撃してきた。
それをシールドで防ぎきるとギラ・ドーガはついてこいと言わんばかりに市街地の中へ消えていく。恐らく罠が大量に仕掛けられているだろうが、その誘いに乗ってやろうじゃないか、クルト。
『ま、待て! まだ俺とお前の決着はついてないぞ!』
市街地へ向かおうとすると、ビルから抜け出したザクが手を向けてビームで狙う。背を向けて照準を向けられたまま私は答え、市街地へ向かう。
「すまんな、少年。私はロンメルと決着を付けなければならんのでね。安心してくれ、私の勘が正しければ──そろそろ、君をご所望のガンダムが来る」
どこかから放たれた砲撃が彼らの後方、ミラー部へ直撃する。V作戦実験小隊の砲撃隊にタイミングを合わせてもらった砲撃によってコロニーに穴が空き、宇宙から一機のガンダムが現れてビームサーベルでザクに切りかかる。見慣れたアズマは歓喜しながら叫ぶ。
『来たか──ガンダム!!』
ライバルの登場を、腰部にマウントしていたビームナギナタでアズマは迎え撃った。
・
・
・
「行くよ──アズマッ!! 今こそこの子に加えた新たな力を見せる! 来て、Gキャリアー!」
レイナは倒すべき宿敵を見据えて叫ぶ。師匠の技術、そして──先生のアイデアで完成した支援機「Gキャリアー」がミラーを超えてレイナの元へとやってきた。アズマはその間もレイナに攻撃を試みるがギリギリのところで交わされる。動きが格段によくなってやがる、と内心アズマは愚痴る。
本来ならばミラーを超える前に支援機を打ち落とせたし、レイナを宇宙へ逃がすこともなかっただろう。新人を多く配備したのが裏目に出たかと悔やむアズマの前でレイナが行動を起こす。
「プラス・チェンジ! ドッキング・ゴー!!」
支援機からアーマー、そして追加バックパックが投下される。レイナはガンダムを器用に操り空中でそれらを身に着ける。それは通常のガンダムのカラーリングを踏襲しながら、各部を的確に強化した完璧な追加アーマー。だが、換装途中のそれを見逃さないアズマではない。
ゲルググ・ウェルテクスの背部スラスターを参考にしたゲルググバックパックによる機動力で距離を詰めて切りかかる。換装中であるレイナは足を振り、蹴りつけることで対抗しようとする。
『SDガンダムで届くかよ!』
「今までならそうだろうね──今度は、届かせる!」
アズマの声に答えるのようにプラスガンダムの瞳が輝く。そしてプラスガンダムは本当にザクを蹴る。すかさず反対側の足で蹴り飛ばして距離を開ける。換装が終了し、『手足が伸びた』プラスガンダムが降り立つと同時に上手く着地したアズマのザクが構えを取る。
『なんだそりゃ!? 高下駄か!?』
「ただの高下駄じゃないよ。この子は──パーフェクトプラスガンダム!」
パーフェクトガンダム。とあるアニメーターが原案を落書きし、とあるプラモ好きな少年が完成させたファーストガンダム伝説の強化形態。それのSDガンダム版キットをレイナは誕生日プレゼントとしてもらう予定だった。そのパーツをレイナのSDガンダムに合わせて装着できるように調節するつもりだったが──これでは勝てない。SDガンダムの枠内で終わっている。
そう考えたレイナがGBNでアイデア探しをしていると、以前助けられたダイバーに出会った。
「コア・チェンジ……ドッキング・ゴー!!」
小さなガンダムにアーマーを装着し、普通のガンプラサイズへと変化する。その姿を目の当たりにしたレイナは、彼にアイデアを借りたいことを伝えると、以前出会った縁もあってか許可してくれた。初代ガンダムのドッキング台詞を使っている彼にとって、心を込めて作り上げたSDガンダムの姿に思うところがあったのかもしれない。
こうしてパーフェクトガンダムのアーマーを装備しつつ、追加で足と腕を接続することでSDガンダムの欠点であった四肢の長さを『プラス』するガンダムが完成したのだ。
『パーフェクトプラスガンダム……いいじゃねぇか! 俺のザクにもってこいの相手だ!』
「だろうね。君のザクもシャア専用機のミキシングでしょ?ザクにゲルググにジオングにリックドム。ズゴックどうしたの」
『うまくミキシングできねぇんだよズゴックは。こいつはザクフォースコメット……4つの赤い彗星が集ったザクって意味だったけどお前に倣ってパーフェクトザクを名乗ってもいいかもな』
「パーフェクトザクは結構いろんな媒体であるよ」
『マジで!?』
マジで。
「終わったらうちにある漫画貸してあげるよ。パーフェクトザク見せてあげる」
『おう、頼むわ。それじゃ――やるか!』
アズマのザクがジオングの腕を。レイナのガンダムが腕部ビームガンを構える。互いの放ったビームが空中で交差、五本指と二本の砲では出力が劣るレイナは発射と同時に大きく飛び上がって退避し、アズマも同じく飛び上がって距離を詰めることを選ぶ。
「もらった!」
ガンダムの肩部キャノンが狙いを定めてザクへの直撃射撃を行う、が。
『ッ、トォッ!!』
ザクがシールドで受け止める。そしてすかさず方でを振りかぶり腕の先を投合する。レイナはそれをシールドで何とか受け止めて軌道をそらす、が。受け止めたシールドの上部が破壊された。
「嘘っ!?あれだけ塗装や磨き処理したのに!」
『それはこっちも同じだっての!』
この時点でレイナが知る由もないが、アズマのザクは非常にシンプルなガンプラになっている。武装が非常に少なく、非常に思い切った装備であることと装甲を念入りに手入れしていたことがあって防御力にボーナスがかかっておりハジメのガンダムの突撃やレイナのキャノンを受けても見た目上のダメージはほとんど入っておらず、耐久力も85%ほど残っているくらいだ。
もちろん、レイナのガンダムにもそれに対抗する手段はある。
「……なーんてね。はいプレゼント」
『ぐうっ!?機雷だと!?』
原型機であるパーフェクトガンダムには様々な装備があるのが特徴だが、SDガンダムでは再現されていない部分も多い。その中の一つがシールド裏に装備された機雷。モールドでしかなかったそれをレイナとアヤメが一つ一つ手作業で作り直した。
そしてそれをレイナはキャノンとの連携攻撃で使用。高い防御力でも連撃には耐えきれずザクに有効打が入る。多数の手数、それがパーフェクトプラスガンダムの対抗手段であった。
『――うぉぉぉっ!』
もちろん、それは対抗できるだけに過ぎない。有効打の一つや二つで沈むほど彼のザクはやわなガンプラではないのだから。反撃のビームがガンダムのキャノン砲を貫く。
破壊されたキャノン砲を咄嗟にレイナはパージ――アヤメの提案で付けたギミック――して爆発の被害を避ける。
キャノン砲の爆発でガンダムの頭部がやや焦げた。肩部の装甲にひびが入ったザクがそれを見つめ――互いに、まだ戦いはこれからだと。ガンプラ、ダイバーともに告げていた。
二人のガンプラは拮抗している。勝敗の行方を決めるのはダイバーの腕だった。
・
・
・
「なかなか面白いギミックじゃねぇか、お前の弟子のガンプラ」
「本人は借り物のアイデアだって言ってたけどね。それでも元の機体は恐らくHGサイズのガンプラに搭載したギミックでしょうし、SDでも使えるように最適化した彼女は凄いわ」
とある廃墟の寂れたバー。そこではアンシェとアヤメが第七機甲師団対V作戦実験小隊の戦いを見ていた。なぜこうしているのかというとアンシェがガンダムRの戦いを、アヤメがプラスガンダムの戦いを気にしていたというのもあるが、アヤメをV作戦実験小隊へ加勢させないためである。
アンシェの目的のためにはアヤメに裏方で動いてもらう必要があり、いつかは表に出てもらうつもりではいたが今はその時ではないからだ。言わなければこの女は間違いなく第七機甲師団に助っ人参戦していただろうし、本人もそのつもりだった。
「で、ガンダムRは――まあまあか」
市街地を飛び回るガンダムRの映像が映る。その姿は通常のトリコロールカラーではない。白と赤、銀で彩られたロールアウトカラーと呼ばれる配色である。アムロ・レイのガンダムと同カラーであることを拒んだハジメの要望でアンシェが塗装し直したのである。
そんな白いガンダムはビルの壁や屋上を足場にして某蜘蛛のヒーローのごとく街を飛び回ったかと思えばスラスターを生かして地表スレスレ駆け、罠と襲い掛かる黒いギラ・ドーガ、そしてグリモアレッドベレーの三つの脅威をいなしていた。
「これでまあまあなの?」
「どちらかと言えば宇宙向きのガンプラだが、まだまだ本気でやりゃあもっと速く行けるだろうし敵の懐へ切り込めるはずだ。予想だがあのジジィこの状況で慣らし運転やってると見た」
「……笑えない冗談ね」
そうだとすればとんだ化け物だ。ランキング二位のフォースが作り上げた戦場で、リーダーと副官相手に互角に立ち回るのが慣らし運転。アヤメは自らのガンプラでも奇策を用いなければ勝ち目すらないと感じ、逆にアンシェは燃えていた。これほどの相手と戦える日が楽しみで仕方ない。
「だが、この勝負はあいつらだけで決着を付けるのは難しいだろうな。残っている支援機の連中が弱過ぎる。いつの間にか互いに一機……いや、ジジィのとこは二機落ちてんぞ」
ハジメが第七機甲師団の懐へ飛び込み、レイナがライバルとの戦いに挑んでいた頃、支援機側でも動きがあった。第七機甲師団の支援機の中にいたヅダは135ミリ対艦ライフルによる狙撃機として運用されていたが、元は空中分解するほどの速度を誇る高機動機である。
『そろそろいいだろう。突撃する、サザビー、ザメル!支援を!』
『『了解!!』』
ヅダがミラー上を介さずに、高い機動力で空中を経由してV作戦実験小隊の砲撃隊の元へと突っ込む。それにサザビーが追従してファンネルで支援する。
『連中が来るよ!ひよっこどもは牽制しな、ライトは――』
『動きが止まったデカブツを、落とす!だろ!』
ガンキャノンとガンタンクはヅダとサザビーを狙って射撃し、射程不足のガードカスタムは奇襲に備える。その間にスナイパーカスタムがザメルを狙い撃つ。時折砲撃が命中しており、支援のために動きを止めたザメルは狙撃で撃墜され。サザビーは降下軌道を修正せざるを得なかったが、ヅダを懐へ通すことを許してしまった。それが砲撃隊崩壊への始まりとなった。
『――あっ』
最初にヒートホークでガンタンクの頭部を叩き潰し、一機撃墜。その間にガードカスタムのガトリングを食らうがひるむだけで止まらない。すかさずガンタンクを盾にして付近のガンキャノンへシールド裏に装備したシュツルムファウストを叩き込み、ガンキャノンは足を止める。
『……これが、ロンメル隊』
流れるように投合されたヒートホークがガンキャノンのコクピットへと突き刺さる。彼らは知らなかったが、このヅダのパイロットはロンメル隊の中でも新人である。その中でも腕が立つダイバーであり毛が生えた程度のひよっこ二人などどうということはなかった。
この時点では影も形もないが、ビルドダイバーズを知っている人であればこの光景に違和感があると思うかもしれない。彼らは第七機甲師団の新人部隊とのフォース戦で圧勝しているが、それはビルドダイバーズのそれぞれがが天性のセンスや豊富な経験を持っていたことが大きい。V作戦実験小隊において、ガンキャノンとガンタンクのダイバーはそれらを持ち合わせていなかった。
ビルドダイバーズの物語ではチャンピオン率いるAVALONに注目が行きがちだが、忘れてはならない。第七機甲師団はそれに食らいつく実力を秘めているフォースなのだ。
「さて、押し込まれているが状況は劣勢だ。どう動く、ハジメ?」
ロンメルはこの状況になることを予想できていた。いや、していた。ロンメルとの実力差もあって新人並びに中堅の彼らと共に肩を並べて戦うのはこれが初だったが、彼らに課した訓練とその成果を知っていた。この戦場で誰よりも彼らのことを信頼していたからこそ、たった二機で敵支援部隊へ切り込むという無謀にも思える作戦にGOサインを出したのだから。
第七機甲師団の戦力はロンメルのグリモアレッドベレー、アズマのザクフォースコメット、クルトのギラドーガ。そして支援部隊に切り込んだヅダとサザビー。
V作戦実験小隊はハジメのガンダムR、レイナのパーフェクトプラスガンダム、支援部隊の残存戦力であるジムのカスタム機二機と数で劣っていた。
互いに自らの懐へ強襲を許し一瞬で状況がひっくり返りかねない危険な状態で、戦いは加速する。
ガンプラ紹介
・HGBD:R 1/144 アースリィガンダム
『ガンダムビルドダイバーズRe:RISE』の主役機にして現在も品薄が続く名キット。コアガンダムのアーマーの中ではスタンダートな外見と武装を併せ持っており原作での出番も多く、彼の言葉を借りるなら遊び方に限界はない。
本作の時点ではカラーがまだG-3カラー、つまりこれを使用しているダイバー『ヒロト』のAVALON加入以前を想定しており、本編でもこの状態の出番がある。
・MS-06S4C ザクフォースコメット
本作オリジナルガンプラ。レイナのライバルであるアズマが使用しているガンプラでズゴックを除く一年戦争時全てのシャア専用機のパーツをミキシングしている。ズゴックは水陸両用機だから合わせにくかったのが大きい。
『Le Chat Noir』を崩壊させたことがきっかけでフォースを抜けたアズマが、偶然サバイバルミッションで出会ったロンメルに助けられ、「壊れたものは何度でも作りなおせる。それがガンプラであり、人の絆ではないだろうか」と助言を受けたこともきっかけでロンメルを尊敬するようになった彼は第七機甲師団に入団。
同時にその言葉から自分が壊してしまったガンプラのパーツを使う発想を思いつき制作したのがこのザクフォースコメット……だったのだが、残念ながらこのエピソードはカット。
レイナのライバルであるアズマの描写が少ないことは作品として問題なのは承知でしたが余裕がありませんでした。
・RX-78+PF-78-1 パーフェクトプラスガンダム
本作オリジナルガンプラ。
ガンダム本体に手を加えて各部にジョイントを追加。他のSDの腕や脚部、アーマーを装着できるようにしたのが『プラスガンダム』。
本機は『BB戦士 No.236 パーフェクトガンダム』のアーマーと四肢を装備した形態である。発想としてはコアガンダムとプラネッツシステムに近く、本編でも少し描写しているがヒロトからそのアイデアの使用許可を求めるエピソードがあった。
その過程でイヴからアドバイスをもらってさらに性能が上がったり、
「絶対に手を離しちゃダメだよ。ヒロトさん……もとい先生とイヴさんってアムロとララァみたいだから。もしイヴさんを失ったら先生は立ち直れない気がするし、誰も先生を立ち直らせるベルトーチカにはなれないと思う」
といった発言をするレイナや、微妙にリライズ本編の描写を要り混ぜる予定だったがこちらもアズマのエピソード共々カット。
カットしたエピソードはもう一つあるのだが、後々。
余談だが、ハジメが使用していたアンチビームコーティングマントはこれらの装備品としてアヤメが制作した物という設定。本人曰く、
「パーフェクトガンダムは黒い布で姿を隠すことができた。それも再現するのなら実戦での有用性も高めるべきよ」
とのこと……ぶっちゃけアヤメさんならやりかねないと思っている。
私とアズマ、ハジメさんとロンメルさん。敵味方双方に仲間が倒れていく中で私たちの宿命は決着を迎えようとしていた。苦しい状況の中で私たちのガンダムが伊達じゃないことを証明しようした時、人々の思いが重なる。
さぁ――立ち上がれ、ガンダム。
次回、最終回『GUNDAM RISING/See you at GBN』
ここまで生き延びてくれた皆さん。私たちの戦いを、どうか最後まで見届けてください。
※次回ですが更新時間が遅れる可能性があります。ご了承いただけると幸いです。