赤髪から金色に輝く髪へと変わった婦人を見つめるキャロルの目が鋭くなる。
「この時代と言ったか?」
「ああそうだ。私は永遠を生きる巫女フィーネなのだ!」
フィーネと名乗った婦人の変わりように1番驚いているのは、貴族のように思えた。
「先史文明の巫女か」
「ほう。私を知っているのか?」
キャロルの呟いた言葉に反応するフィーネ。空間がこの2人以外を拒絶するかのように入り込めないでいた。
「お伽話だと思っていたがな。それでも、わたしの邪魔をするなら排除するまでだ!」
「出来るものならやってみるがいい!」
キャロルが四大元素(アリストテレス)の術式を展開させる。どうやら全力で戦うようだ。オレたちは巻き添えを避けるため、少し後退する。
「あの娘の相手は任せても大丈夫そうだな。お前たちの相手は俺が受け持つとしよう」
白銀に輝く鎧のようなものを纏った男、ツキカゲがオレたちの後ろから声をかける。
「そうだったな。お前の相手をしないといけなかったか」
ガリィたちを背にオレがツキカゲと対峙する。
「まさか1人で相手にするつもりですか?」
「そいつは無謀なんだゾ」
ファラとミカの声に頷いて返す。そうこの男だけは、何故かオレが戦わないといけない気がするのだ。
「援軍でも期待しちゃってるんですか? あるわけないじゃないですか?」
「そんなことは期待していないさ。ただ、こいつと戦わない選択はしてはいけない気がするんだ」
ガリィの茶化すような言葉にそう返す。援軍なんて期待していないし、こいつに勝てるかも怪しい。それでもオレはここで戦うことが運命のような気がするのだ。
「俺と戦うのにそのままで戦うつもりか?」
「どういう意味だ?」
ツキカゲがなにを言っているのか、理解出来なかった。オレには聖遺物はないし、錬金術を用いての戦闘しか出来ないからだ。
「本来は影の王子となる俺が纏うはずだったものを! 隠すのならそのまま死ぬがいい」
繰り出される槍を障壁を展開させ、なんとか防ぐ。しかし、1度展開しても二撃、もしくは一撃で破壊されオレは窮地に立たされていた。
「とりあえずこいつはオレがどうにかする。キャロルを頼む」
後ろにいるであろうガリィたちに呟く。オレは最悪どうなってもいい。でもキャロルだけはここで死なせるわけにはいかない。
オレの言葉に反応してくれたのか、後ろから動く気配を感じた安心する。キャロルとガリィたちが手を合わせれば勝てなくても逃げるくらいは出来るはずだ。
「ほーんとーにバカですねー」
ガリィの言葉と同時にツキカゲの体が大きく後ろに飛ばされる。