「その聖遺物を纏うか」
わたしがガングニールを纏ったことにフィーネが驚いているのがわかる。完全聖遺物であれば、簡単にファーストローブとして扱うことが出来ることは容易く想像出来ると思うのだが。
「その聖遺物は他とは少し違う。私にさえ起動させられないモノだ。それをこんな小娘が起動させ、纏うとは」
完全聖遺物の中には意志のようなものを持ち、使用者を選ぶとも言われている。このガングニールもその1つなのだろう。
「それがどうした? 勝ち目がなくなったと思うなら立ち去るんだな」
「笑わせてくれる。その程度で私が引き下がる道理などありはしない。その聖遺物を壊してしまうのが惜しいだけだ」
わたしごとガングニールを破壊するつもりらしいが、面白い。
「出来るものならやってみろ!」
槍をフィーネに向かって突き出す。ネフシュタンの鞭で防がれる。それでもお構いなしに連続で突いたり、なぎ払ったりするが、フィーネには届かない。
「こいつ口だけじゃない。かなり強い」
全て両手に持っている鞭で防がれ、その実力がかなり高いことがわかる。
「かしましい。小娘が!」
フィーネが一歩引いたわたしに向けて鞭を振り下ろす。ガングニールで弾きながらなんとかこれを凌ぐが、かなりギリギリの攻防だ。
「ならば!」
わたしはガングニールを投げ、そこに四大元素の力をぶつけて加速させる。これにはフィーネも意外だったのか、左肩を貫くことに成功する。
「この程度で!」
ネフシュタンの力だろう。すぐさま貫かれた左肩は修復される。
「再生能力か。厄介な」
正直どちらも決め手に欠けていた。わたしもフィーネに決定打を与える手段が思いつかないし、フィーネも同じように見える。
「しかし、長引かせるわけにはいかないな」
フィーネはいつのに呼び出したのか、新たな完全聖遺物を手にしていた。真っ黒な剣は禍々しく不気味な雰囲気をしている。
「ダインスレイフ。こいつでお前を倒す。ネフシュタンを失うわけにもいかないからな」
完全聖遺物を2つ。これはかなり不利な状況だと言える。しかし、わたしにも引けない理由はある。
「そんなものでわたしに勝てると思い上がるな!」
しかし、言葉とは裏腹にわたしは圧されていた。フィーネの振るうダインスレイフを防ぐので精一杯のところに鞭での攻撃もあり、何度も弾き飛ばされていた。
「くっ! 強い。しかし、先ほどから胸から浮かんでくる歌はなんなのだ。これを歌えとでも言いたいのか」
ダインスレイフが現れた辺りからずっと浮かぶ歌にわたしは戸惑いを隠せないでいた。
そろそろこの物語も佳境になってきました。三部はF.I.Sでの話になります。そこでヒロインは誰だと読みたいですか?時系列はヒロインで変わる予定
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