万象黙示録を壊す歌   作:秋月玲

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引き続きキャロル視点


第21話

「それにしてもこの聖遺物は、維持するだけでしんどいな」

 

 

わたしがそう呟くのと同時にガングニールがわたしの体から離れ、槍へと戻る。

 

 

 

「維持するほどのフォニックゲインがないと見える。それでどうやって私と戦う?」

 

 

体力的にも限界で、フィーネの言うようにわたしには手が残っていない。やはり完全聖遺物を纏うことは難しいのだろう。

 

 

「ガングニールが消えても歌は残るか。いったいどこから?」

 

 

やけに熱い胸もとに触れると、いつのまに紛れ込んでいたのだろう。わたしの服から聖遺物の欠片と思われるモノが入っていた。

 

 

「こいつか」

 

 

今度はその欠片に魔力を流し込んでみる。もはやそれしか手はないのだから。

 

 

「ほう。それはダウルダブラの欠片か。そんなもので完全聖遺物に勝てると思うてくれるなよ?」

 

 

魔力を流し込んで、竪琴になったダウルダブラを奏でて、ファーストローブへと変換し、それを纏う。さっきのガングニールほどの出力は確かにないが、安定しているようにも思える。

 

 

「高くつくぞ! わたしの歌!」

 

 

胸から湧き上がる歌を歌いながら戦う。すると加速されたように動け、ダウルダブラもどう扱えばいいのかわかるようになった。

 

 

「たかがこれしきの歌で!」

 

 

フィーネの体を弦で絡めて封じ込める。

 

 

「終わりだ!」

 

 

弦を弾いて更に締め付ける。所々ネフシュタンの鎧が砕けるのがわかる。

 

 

「この好機逃す手はない! 聞けわたしの全てをぶつけてみせる!」

 

 

胸から湧き上がる歌を自然と口にする。それがどういった歌か、なんとなくだがわかっている。それでもこの強敵を退けるにはそれしかないとわかって。

 

 

 

「Gatrandis babel ziggurat edenal

Emustolronzen fine el baral zizzl

Gatrandis babel ziggurat edenal

Emustolronzen fine el zizzl」

 

 

わたしの歌に辺りが騒めく。わたしを中心にエネルギーが集まるのを感じる。

 

 

 

「その歌は!? 絶唱だと!? どうして錬金術師であるお前がそれを使う! 歌を知らぬ錬金術師が!」

 

 

フィーネが叫んでいるが、わたしの耳には入らない。歌と辺りにあるエネルギーで聞こえないのだ。

 

 

「ネフシュタンの鎧をここで失うわけには!」

 

 

咄嗟だった。歌いながらガングニールを手にしたのは。どうして拾ったのか、自分でも不思議だ。それでもこれが有効な手段だと直感する。

 

 

「ガングニールもダインスレイフも対消滅などさせてなるものか! たかが小娘1人の絶唱など!」






次の話がキャロル視点ラスト予定です。

そろそろこの物語も佳境になってきました。三部はF.I.Sでの話になります。そこでヒロインは誰だと読みたいですか?時系列はヒロインで変わる予定

  • 月読調一択に決まってる
  • マリア姉さんに春が訪れてもいいじゃない
  • 囚われ中の393
  • デース
  • あえてのフィーネ
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