わたしが奏でた歌が確実に、『ガングニール』も『ダインスレイフ』も『ネフシュタン』も『ダウルダブラ』も、そして『わたし』をも砕いたのがわかる。完全聖遺物同士の対消滅とはいかなかったようだが、確かに砕いたのだ。
「おのれ。絶唱がこれほどとはな」
体中から血が流れるのを感じる。視界は赤く、呼吸も苦しい。口からも血を吐き出している。
「長くはもたないか」
自身の体が限界を迎えていることはわかる。わたしはここまでなのだろう。だけど、もう少しだけ戦う力が欲しい。確かにフィーネはもうボロボロで、奴もこれ以上の戦闘は難しいかもしれない。いや、そうであってもらわないと困るが。それ以上に外で戦う皆が気になっていた。あのツキカゲと言う男はこのフィーネと同等か、それ以上の実力を感じていた。早くわたしが戻らないと。
「独自で、いや無意識に歌と錬金術を融合させたか。天才と言うやつか。ここで殺すには惜しい存在だが、仕方あるまい」
まだ動けるようで、折れたダインスレイフを片手にわたしに近寄ってくるフィーネ。
ここまでか。そう諦めかけたときだった。不意に後ろから声が聞こえる。
「その天才を易々と殺させるわけにはいかないワケダ」
「その子はあーしたちが引き取らせてもらうわ」
いつかの2人組がいたのだ。
「錬金術師風情が忌々しい。しかし、たった2人増えたところで!」
「2人じゃないとしたらどうする?」
わたしが後ろを振り返ると、屋敷に溢れんばかりの錬金術師たちがいた。
「予想外でね。彼女がここまでの錬金術師とは。失うわけにはいかないのさ。我々としてもね」
中でも中心に立ち、ハットを被った男からは強大な力を感じる。
「パヴァリア光明結社か。今これだけの数を相手にするのは、私とて難しい。ましてや統制局長であるお前や幹部たちまでいたのではな。ここは引いてやる。しかし忘れるな。私は何度でも蘇ると」
「ご自由に。引き下がるなら我々も興味はない。そう今はね」
男の言葉を聞くとフィーネはこの場から姿を消した。
「さて、キャロル・マールス・ディーンハイム。君を我々の仲間に引き入れたい。よい返事を期待する」
幹部と呼ばれていた1人だろう。前回はいなかった女性が話しかけてくる。
「わたしにはまだやらなければならないことがある」
連中の言葉を無視するようにわたしは、体をゆっくりと外へ向かわせる。まだ皆が戦っているのだから。
連中は追ってくるわけでもなく、ただわたしの行動を見つめていた。不思議に思ったが、今はそれどころじゃないと急ぐ。外に出たわたしの目に飛び込んできたのは、大地に横たわる4人とツキカゲに追い詰められていたヒカルの姿だった。
そろそろこの物語も佳境になってきました。三部はF.I.Sでの話になります。そこでヒロインは誰だと読みたいですか?時系列はヒロインで変わる予定
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月読調一択に決まってる
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マリア姉さんに春が訪れてもいいじゃない
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囚われ中の393
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デース
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あえてのフィーネ