リムルとシスタはヴェルドラの魔素コントロールを見守っていた。あと少しで終わりそうなのだ。するとヴェルドラが何かを思い付いたかのように手を顎の下にやり実行していく。すると魔素を完全に閉じ込めることに成功したのだ。
二人は疑問に思ったがそれには突っ込んではいけない。なにせヴェルドラなのだ。なんだかんだでできてしまうのだろうと思いヴェルドラを伴って外に出ていく。
「それにしてもなんで急にできたんだ?」
「それはな
「マンガかよ!」
シスタがそう突っ込む。実際質問したリムルですらそう思ってしまったのだ。気になって聞いてみたら聖典という名のマンガからの知識であの荒れ狂う魔素をコントロールしたのだ。
そして三人は洞窟の入り口までやってきた。すると声が聞こえる。何やら言い争っているようだ。
「おい、そこをどけよ!」
「ダメである。我輩は何者も通すなと命じられたのである」
「あの暴風竜が復活したんだぞ!主の危機に動かなくていいのかよ!」
「やれやれうるさい猫ですねぇ。いっそここで」
「やめろディアブロ。それじゃあ仲裁になってねぇ!」
「ここを通してくれ。リムル様は俺も心配だ」
「ウフフ、あなたもなかなかにうるさいわ。消してしまいましょうか」
「あ、それ賛成。一瞬で終わるから」
「我がやろう」
「待つでありんす。シスタ様がみたらお怒りになられます」
なかなかにカオスな状況になっている。これは早く止めないといけないと思う二人。それをみても何も気にしない奴が一人いた。
「あー悪い心配かけたな」
「遅くなってすまなかったよ」
「リムル様、シスタ様安心しましたわ。なにせあの暴風竜が復活したので」
「あーそれなんだけど」
「こっちにいるのがヴェルドラ君です」
「「ちょっと人見知りだけどみんな仲良くしてあげてね」」
リムルとシスタが二人揃って同じことを口にする。まるで前から決めていたかのようだ。まぁ実際のところは二人で思念伝達を行いいうことを決めていたのだ。
「みなも誰だか気になってるだろう。ヴェルドラテンペストだ。我とリムル、シスタの関係を答えてやろう」
みんなは興味津々になって聞く姿勢になっている。そんなに大したことを言うわけでもないと思う。
「それは友達だ!」
それを聞きみんなは喜びながら何か言っているがリムルは顔を真っ赤にし、シスタは手を額に当ててすでに諦めている。
「ヴェルドラ様ご復活心よりお喜び申し上げます」
「
「精霊女王よりはぐれた私どもを拾っていただいた御恩返しきれるものではございません」
「それでそのお体は?」
「これはリムルとシスタが用意してくれたものだ。二人とも我の妖気を抑える訓練にも手伝ってくれたのだぞ」
「ほう、あのオーラを抑える訓練とは。さすがはリムル様。後でその方法を聞いてみましょう」
「おいディアブロよ。貴様今シスタ様のことを無視したのか?万死に値するぞ」
「おやカレラ、それは喧嘩を売っているのですか?」
「そう捉えても構わないよ」
二人の間に殺気が走る。そのほかのテスタロッサは我関せずというところ。なにせテスタロッサにとってはディアブロが何を言おうと関係ないのだ。ディアブロがリムルを慕っているようにテスタロッサもシスタを慕っている。その違いなだけなのだ。
ウルティマはシスタにつきっきりだ。三人の中で最も少女のような外見をしているのがウルティマでそして行動も少女に近い。
「こらこら二人ともやめろ」
「カレラも落ち着け。僕は気にしてないから」
「しかし我が君」
「いいから。ディアブロにとってはリムルの方が大事なんだろう」
「は!それは我と同じということだな」
「あはは……はは。そういうことだな」
若干諦め気味にシスタが答える。そしてソウエイがやってくる。その内容を聞くために会議室にリムルが集まるように指示を出す。実際は恥ずかしいことを早く逃れたいためだが誰も聞かないのでそれはシスタにしかわからないことであった。
街に戻りさて会議を始めようと思うと街の入り口に気配を感じた。リムルも同様の気配を感じているらしい。魔王化により僕とリムルの魔力感知は万能感知に進化しているためにだいぶ広い範囲を感知できるようになった。
そしてやってきたのはフューズだった。その後ろには50人ほどの武装した兵士たち。一体なんのようだろう?
「ブルムンドとテンペストの安全保障条約において馳せ参じた。相手は6万の大軍だと聞いている。我らも対ファルムスの末席に加えてくれ」
その言葉を聞くと幹部の奴らもキョトンとしている。もちろん僕とリムルも口を開けたまま何も話さない。いや話せないのだ。するとリグルドが小声で話しかけてくる。
「使者を送ったのですがどうやら行き違いになってしまったようですな」
「あーフューズ君。もう終わったよ」
「は?終わった?」
「一言で言うとシスタと俺が全滅させちゃった」
リムルはベロを出してまるでいたずらした子どものように言う。けれどフューズの顔は全く笑っていない。
《ここに近づいてくるものがいます。先頭はガゼル・ドワルゴです》
次々からと忙しい。
「久しいなリムルにシスタよ。魔王になったらしいな」
「まぁな」
「仕方なくな」
「ちょっと待ってください。今聞き捨てならないことを言いましたか?魔王?」
「トイレならそっちに」
「シュナ案内してくれ」
「俺が聞きたいのはトイレの場所じゃないですよぉ!」
するとまた誰か来たみたいだ。ソーカが近づいてくる。
「シスタ様、リムル様。この方は魔道王朝サリオンの大貴族エラルドさんだそうです」
なんでまたそんな大物が来たんだよ。まだガゼル王ならわかるけど魔道王朝が来たのか全くわからない。
「あの物今シスタとリムルと呼ばれていたか?」
「ええ、そのようですな」
「そうか貴殿たちが我が娘をたぶらかした魔王リムルと魔王シスタですか!」
そう言いながら超高等爆炎術式を起動し、呪文を唱え始める。いきなり何をする気だ。それにあの魔法式は多分。
しかしその魔法式は不発に終わる。なぜならスッパーン!!と気持ちいいぐらいの音が鳴った。
「ちょっとパパ!いきなり何しに来たの」
しばいた張本人はエレンだった。さっきの我が娘ってまさかエレンのことか?するとエレンってすっごいお嬢様なんじゃと思ってしまうシスタ。けれど冒険者やってるんだからなんて自由人なんだろう。
「ところでさっき言っていた会議、我々も混ぜていただけますかな?」
「ああ、わかった」
「いつもの会議室には入りきらないかもしれませんが」
「新しいところを手配してくれ。なんなら椅子を人数分用意してからそのほかのものは後で構わない」
「了解しました」
リグルドは走っていく。そこに厄介な奴が来たのだ。
「おい、リムルにシスタよ。この続きはないのか?もう読み終わってしまったぞ」
ヴェルドラはこっち帰ってきてすぐに漫画に没頭し始めたのだ。
だから誰もまだみていなかった。それにしても漫画がなくなると来るなんてなんで自由な奴なんだろう。
「後でな。ヴェルドラ」
「なにぃ!今すぐ出すのだ」
「リムル殿シスタ殿そちらの方は?」
「あー驚かないで欲しいんだけど盟友のヴェルドラ君だ」
「ヴェルドラである。暴風竜と呼んでも構わんぞ」
「「「暴風竜ヴェルドラ!!?」」」
そう言うとその場にまた混乱が起こる。やっぱりみんな知ってるんだよなぁ。ヴェルドラのことって。
そこからかいつまんで2年前のヴェルドラ消滅事件の全貌を話した。
「なるほどヴェルドラの消滅は貴様たちの仕業であったか。しかし暴風竜復活となると西方教会が黙ってはおらんだろう。あそこは特に暴風竜を敵対している」
「もし俺たちが西方教会と敵対したらどっちにつく?」
「それを聞くかリムルよ。我らは西方教会に特に義理もない。こちらにつくであろうよ」
「兄弟子がそう言ってくれると助かるよ」
「それにしても貴様は少し腹芸を覚えよ。シスタはまだできておるが貴様は全くだぞ」
「ぐぅ」
リムルは言われたことに少しショックを受けている。
「それで魔道王朝としてはどう考えておられます?」
「今の時点では難しいですね。けれどエレンなのでしょう。あなたたちの魔王化を促したのは。ならば黙認はできません」
そこで会議室の準備が整い全員が移動する。
「それでは会議を始めさせていただきます」
今回の司会進行役はシュナに頼んだ。ハクロウでもよかったが今回はシュナからやりたいと言ってきたのでやらせてみるのだ。
「ではすでに皆様自己紹介はお済みのようですので各国の代表のみ発表させていただきます。
武装国家ドワルゴンより国王陛下ガゼル・ドワルゴ様。
獣王国より三獣士が筆頭アルビス様。
ブルムンド王国よりギルドマスター兼情報統括補佐フューズ様。
魔道王朝サリオンより大公爵エラルド・グリムワルト様。
そして最後にジュラテンペスト連邦国より盟主改め魔王リムル様、魔王シスタ様」
こうして後に人魔会談と呼ばれる会議が始まったのだった。
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後クリスマスが今のところ一番です。自分の中では多分バレンタインになるかなーと思ってたんで想定外でした