会議は始まりシスタとリムルは少しずつ話していく。今までのことを。
自分たちは転生者であり魔王化に至るまでをおおまかに話始める。
「さてここまで話したが真実を語るには話の内容を変える必要がある」
「どのように変えるおつもりで?」
「返り血で染まった手で友好を求められても恐れられるのが目に見えておる。しかしそれが暴風竜の仕業なら話が別だ。その存在そのものが天災であり誰も異を唱えられん」
「私はこの筋書きを支持します。娘のせいで魔王ができたというようこっちの方がいい」
「パパ…………それって姑息〜」
その瞬間エラルドに何かが刺さったように見えた。しかし話の内容的にはいいと思ってしまう二人。しかしどうしても確認しないといけないことがある。
「反対意見があったら言ってくれ」
「特にヴェルドラには僕たちの罪を背負わせることになるが……」
「クァハハハ、構わんぞ。我は貴様らと共に罪を背負うと決めたのだ」
「ヴェルドラありがとう」
「ありがとな」
そのことにみんなは驚きを隠せない。なにせ暴風竜がいるとはいえ全員が思っていたことはリムルやシスタと名乗る魔王はあくまでも暴風竜の下についており対等とは思っていなかったのだ。しかし実際は違う。暴風竜ヴェルドラ自身が同じ罪を背負うと言ったのだ。
代表及び、その従者は驚きを隠せなかった。
「なるほど、そっちはどうするかわかった。ところでリムル、シスタよ。捕虜はどうするのだ?」
「それは王と王妃は解放する。こちらへの賠償を行わせてファルムス王国は一度滅んでもらう」
「ほほう、それは急ですね」
「しかしリムル殿それは無理じゃないでしょうか?あそこは一部を除きほとんどの貴族が腐っておりますから」
「まぁ実際はそっちが目的なんだけどな。内戦を起こさせて英雄ヨウムを新たな国王にする」
そしてヨウムは立ち上がった。それの話は前もってしてある。ヨウムには辛い立ち回りになるかもしれないがやってくれるだろうと思う二人。なにせこっちが持ちかけた話に対して真摯に向き合い、自分ができることを精一杯やってくれる人間なのだから。
「小僧驚いてはおらんな」
「まぁ旦那たちから聞いてたんで」
そこでガゼルは英雄覇気を使う。あれはリムルも固められてた技だ。しかしヨウムは下がらない。
「ほう」
「旦那たちが信じて託してくれたからやってやるさ。それに好きな女の前ではカッコつけたいものだろ」
「あ、はははははは。ヨウムらしいな」
そこで大笑いしたのはシスタだった。周りの奴らは動揺を隠せない。それはリムルも同様だ。
こんな会議の最中に大きな声で笑うのは本来であればありえないことなのだ。
「お、おいシスタ?どうかしたか?」
「いやこういうのは羨ましいと思ってな。ヨウムはきちんと伝えられただろ」
「旦那…………」
「なるほど、流石はシスタ様だ。物おじしないとは。ドワーフの英雄王よ。こいつはバカだが無責任ではない。あんたのように英雄王と呼ばれる日まで見守ることをこのグルーシスが誓おう」
「で、あるか。困ったことがあれば頼るが良い」
「心強い」
そこからも会議は加速していく。なぜブルムンドがこのテンペストと国交を結んだのか。こちらと西方聖教会の出方を見てからでもよかったのではないのかというのがエラルド公爵の言い分だ。
それに対してのフューズの意見はもっともなものだった。西方聖教会と組むよりテンペストと組みなるべく国としての崩壊を避ける道だったのだ。
「なるほど。納得できたよ。試すような真似をしてすまなかったねフューズ殿」
「めざといなエラルド。リムルとシスタは俺が信用しているのだ。試すも何もないだろうよ」
「そうはいうがなガゼルよ。魔物を信じろと言われてすぐに信じられる方が難しいのだ」
「それで決断は下せたのか?」
「私自身としての決断は下せたがそれを答える前にリムル殿とシスタ殿に一つ尋ねたい」
「ちょっとパパァ!もったいぶらないで早く答えてよ」
エレンに叱られる父親。しかし真面目な話だと思った二人は「魔王覇気」を出す。
「それで何を聞きたいんだエラルド?」
「答えてやる」
「あなた方は魔王としてその力をどう使うおつもりなのか?」
「なんだそんなことか」
「それならとっくに決まっている」
「俺たち二人はみんなが暮らしやすい国を目指しているできるだけみんなが笑って暮らせる国をな。ま、そんな簡単にはいかないだろうけどな」
「そんな夢物語を実現できるとでも!?」
「もちろんそのために僕たち二人は力を手に入れた。力がない理想は戯言だしね。それに理想なき力は虚しいだろ。僕たちはただ力を求めるなんてことはしないよ」
「ははははははは!これは愉快ですな。魔王リムル、魔王シスタ。貴殿たちが覚醒できた理由がわかった気がします。
魔道王朝サリオンよりの使者として貴国ジュラテンペスト連邦国との国交をお願いしたい」
「もちろんこちらこそ」
リムルがそういい周りは歓声が上がる。そこからシスタは休憩なので会議から抜けた。戦いになると頭がよく回るがそれ以外に関してはシスタはそこまで頭が良くない。
いや、頭が良くないという表現はおかしい。昔一度だけリムルの前で計算式を書いてみたらシスタは怒られたのだ。出来すぎるというのも何気に苦労するものだ。
会議から抜けても特にやることはないのでシスタはまた会議室に戻っていく。その途中であるやつを見つけた。先に戻っておいた方が良さそうだと思い瞬間移動で戻るとまた会議が始まっていた。
「悪いおくれた」
「いやいや」
「ちょっと待つでやんす。今は偉い人たちの会議中で」
「うっさいわね!私はこの国にとっての大事なことを伝えきたのよ」
そういいシスタとリムルの前に現れたのは迷宮妖精のラミリスだった。
「この国は滅亡する!!」
「「「なんだってー!!」」」
それに反応したのはベニマル、リグルド、リムルだったがシスタは反応しない。
なにせさっき伝えにきたというのだ。何かあるだろうと黙っていた。
「リムル様この国が滅ぶなど巫山戯だことを抜かしています。どう処分しましょうか?」
ディアブロがラミリスを捕まえてリムルの前に連れていく。それをみた三体の悪魔は悔しそうにしている。
「私が捕まえていたら」
「あーあ失敗しちゃった」
「我もすぐに出来たというのに」
シスタは呆れていた。魔王の一柱であるラミリスをゲームセンターの景品か何かと勘違いしていたのだ。
「げっ!アタシの全魔力でも抜け出せない。只者じゃないわね!」
まぁラミリスの何倍も魔素のあるディアブロから抜け出すのは無理だろう。そのままバタバタしながらリムルが連れていき
「ヴェルドラちょっと相手しててくれる?」
「我は今大いなる謎を解くのに忙しいのだ」
「あぁ、それ犯人○○だから。それじゃあ後よろしく」
そういいラミリスを置いていく。ヴェルドラはショックを受けているがリムルにとってはそれより国の偉い人たちを待たせる方が大変なのだ。
その後も会議は進んでいく。そしてシュナが最後に挨拶をして終わった。
「ラミリス様伝えるなら今ですよ」
「うっさいわね!アタシは今忙しいのよ。ヒロインがこの色男の中から誰を選ぶのか」
ヴェルドラの方を見てみるとやれやれという顔だ。リムルは少しどうしようか悩んでいたがすぐに思いつく。
「おいラミリス。そのヒロインが誰とくっつくか言われたくなければ今すぐ要件を言え」
「は、はい!了解であります」
最敬礼を行いながらリムルに飛んでいく。そしてとうとう話始めた。
ラミリスがここにきた理由を
「クレイマンの発案で
「へぇ!いいじゃん。最高だよ」
「シスタお前何を言って」
「それでそのクレイマンは
「え、ええ。なんでわかったのよ!」
「考えてみれば当然だ。なにせリムルと僕を魔王たちに討たせようとする。するとそっちへの警戒は僕たち二人がしないといけない。そしてクレイマンは僕たちの仲間より自分の方が強いと思っているならその隙にテンペストを襲うに決まっている」
その場にいた全員が納得するような理由だった。しかし各国の重鎮は驚いていた。魔王シスタはこの会議においてもほとんど話すことはなかったし、なんならリムルへの相槌行っていただけなのだ。だからここまで頭が切れるとは思っていなかった。
「その
「まっかせなさい!ラミリス様にかかればあっという間よ」
そしてラミリスは魔法陣を開きある人物に連絡を行っていた。その間にこっちでやることがあるとシスタはいう。
「それならこっちの編成を発表する。まずはファルムス攻略にディアブロ、テスタロッサ」
「お、おいシスタ。テスタロッサもいいのか?」
「なるべくこっちも早く片付けてほしいし王妃とその護衛を連れていくにも人手がいるだろう。そしてクレイマンの軍を撃つのにベニマル、ソウエイ、ハクロウ、ゲルド、そしてクマラ」
「わっちもですか?」
「クマラは元々ジスターヴの出身だ。向こうでの地理を他の奴より知っているはず。頼んだよ」
「うけたまわりやした」
「僕の護衛にカレラとウルティマ。頼んだよ」
「はーい」
「お任せを」
「それじゃあ俺の護衛はシオン、そしてヴェルドラ」
「はい!」
「クァハハハ、任せておけ」
こうしてテンペストは三方向同時に攻略することが決まった。
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