最強の相棒として転生した件   作:麒麟@

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21話

 西方教会内部では問題が起こっている。今野真矢と坂口日向が倒したと言っていたはずの2匹の魔物は新たな魔王として名乗りをあげたのだ。そのことで二人は呼び出されている。

 

 

「何か弁明はあるか?」

「ありません。てっきり倒したものだと思っていました」

 

 

 ヒナタがそう答える。しかしマヤの方は一言も話さない。

 

 

「してマヤの方は何かあるか?」

「ごちゃごちゃうるさい。どつくよ」

 

 

 その言葉に七曜老師と呼ばれるものたちが激昂した。しかしマヤは慌てない。隣にいたヒナタはまたかと思いつつ頭を悩ませる。

 ヒナタ自身自分より団長に向いているのはマヤだと思っている。人当たりもよく、実力も自身よりあるのだ。

 最も実力だけで言えばヒナタとマヤの間にあるものは計り知れない。

 だからこそ七曜老師も黙ってしまう。もしもここでマヤが暴れ出したりでもしたら全員死ぬのがわかっているからだ。

 

 

「て、では貴様らに任務を与える。新たに誕生した二体の魔王を討伐せよ」

「了解しました」

「わかったわよ。もーうるさいな」

 

 

 そういいでていく。七曜老師は各々怒っているがそれを決して爆発させなかったのは正解だと言えよう。こっちの世界に転生してからマヤほど才能と努力を重ねて最強と呼ばれるものはいないのだから。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ヒナタとマヤはすぐに準備を始める。しかし戦いの準備ではない。二人は側近を数人連れてテンペストに向けて出発したのだ。

 

 

「討伐ね」

「えー、わたし嫌だけど。だってあそこの街綺麗って聞いてるし」

「しょうがないわよ。命令だもの」

「なら説得は?それでいいじゃーん」

「とりあえず話をしにいくわよ」

 

 

 そうして馬に乗り極秘に出発したのだった。普段使っている聖霊武装とは別にあるものを渡されていた。あの邪竜ヴェルドラを倒すための武器だと言われているが正直頼りないと思いつつ背中に背負うのだった。

 

 こうして出発すること2週間ほどがたちテンペストの街道に入る。すると全員の鼻にいい匂いがするのだ。

 しかし転生者であるヒナタとマヤには違った。懐かしい匂い。こっちの世界では食べることができなかった匂いなのだ。

 

 その匂いがする店に入ると店員がやってくる。二人はメニュー表を見てすぐに頼んだのだ。

 

 

「とんこつラーメンコッテリで」

「わたしは塩ラーメン。あと餃子2人前」

 

 

 他の聖騎士たちは急に頼むから何を頼んでいいのかわからない。だから二人と同じものを頼んだのだった。そして料理が運ばれてくるとヒナタとマヤは食べ始める。そしてそれは懐かしい味だったのだ。

 

 

「あ、隊長たち食べないんっすか?もらいます」

 

 

 そういい最後の餃子をアルノーが食べる。するとマヤとヒナタは立ち上がり腰にしている剣に手をかける。

 

 

「死にたいのかしらアルノー?」

「殺そっか」

「ヒィ!すんません。もう一度頼みましょう」

 

 

 そうしてもう一度店員を呼び餃子を頼む。しかし

 

 

「すいません、それは中央都市リムル・シスタから取り寄せていて在庫がなくなったんです。すいません」

「いや構わない。よし、アルノーを斬る」

「勘弁してくださーい」

 

 

 アルノーはそう言い逃げる。それを追いかけるヒナタとマヤ。お会計は他の団員たちがすることになってしまったのだった。

 

 そしてその道中魔物から指摘を受けて衝撃が残ったまま首都リムルについたのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 時間は少し遡り魔王の宴も終わりシスタとリムルは自国に帰ろうとする。しかしそれはギィによって阻まれることになる。

 

 

「シスタ貴様は俺のところに来い」

「なんで?」

「少し気になることがある」

「行かなかったら?」

「力尽くでも連れて行く」

「やれやれ」

 

 

 シスタはもう諦めた。こうなってしまっては断る方がシスタだけではなくテンペストまで危ないのだ。

 

 

「リムル先に帰っておいてくれ。ウルティマとカレラも」

「僕も行くー!」

「我もそっちに行くぞ」

「我慢して。僕がいない間テンペストを頼むよ」

「なら絶対帰ってきてね」

「約束だぞ!」

「わかったよ」

 

 

 そういいリムルたちは転移してテンペストに帰る。僕は全員が帰ってからギィと同じく転移してついたのは氷の大地、氷の世界だった。

 

 

「あらギィおかえりなさい。シスタまできたのね」

「ギィに言われてな」

「まぁそういうな。まずはお茶だな」

 

 

 そういうとミザリーがすぐに用意する。ほんと悪魔公(デーモンロード)がこの立場なんてギィはいったいどれほど。

 

 

「それで要件は?」

「シスタに聞きたいことはない。けどやってもらいたいことがある。今回も戦いだ。しかしミザリーとレインでこいつらにも本気で戦わせる」

「なるほどね。けどなんで?」

「お前今野真矢という人間と以前戦っただろう。あれは人でありながら魔王に匹敵する化け物らしい。まぁ俺様からしてみれば塵芥だがな」

「なるほど。それで負けると」

「いやそんなつもりはない。負けるなら所詮はその程度だったということだ。しかし俺はお前を気に入っているつもりだ。だからこの二人に勝って見せろ」

 

 

 ギィはこういうがシスタが負ける可能性を減らしておきたいのだ。口は悪くてもシスタのことを本気で心配していることがわかっているから何もヴェルザードは言わなかった。

 

 

「それじゃあはじめてもらおう」

 

 

 ギィがそういうと二人は戦闘態勢になりレインは分身していき、ミザリーの後ろに何個かの核撃魔法の魔法陣が現れる。

 

 

「ところでギィこの地面の氷も使っていいのかな?」

「構わん」

 

 

 地面を切り氷をそのまま浮かせる。そして最大スピードで何個もの氷をぶつける。二人とも避けながら魔法で破壊して行く。

 しかし本命はそれじゃない。刀を腰に当てて体を加速させ刀には加速、重力によって最速にさせミザリーを斬りかかる。氷に気を取られたようで僕に対しての対処が遅れた。

 

 

「残念」

 

 

 ミザリーを峰打ちで倒す。なんだか悪魔とは言え女の姿を斬るのは気が引ける。ミザリーも納得したのかそれ以上動かなかった。

 そしてレインは分身によって本体がわからない。今回はルウェルの力を借りないようにしている。

 

 

「さて、終わりよ」

 

 

 周り全てが核撃魔法で埋め尽くされる。それを飛んで避ける。

 

 

「終わり。できれば傷つけたくないから降参して」

 

 

 いつのまにか上にいて思いっきり殴られる。かなり痛いと思いつつ体を起こそうとすると馬乗りにされて首筋に爪を立てられる。

 

 

「降参してくれる?」

「さてどうだろう」

 

 

 指を鳴らすとあることが起こった。

 

 

隕石雨(メテオシャワー)

 

 

 僕がそういうとあたり一体が大爆発に巻き込まれる。レインもかわすために避けるがその一瞬が命取りだ。すぐに刀で回り込み首に刀を回す。

 

 

「降参してくれるかな?」

「はぁ、わかった。わたしの負けよ」

 

 

 レインも降参してくれる。これ以上やるのは勿体無いからな。

 

 

「はははまさか本当に勝つまで強くなってるとはな」

「強くなったわねシスタ」

「まぁなんとかだけどな」

「そういうな。ミザリーとレインにバレないように氷をあげたのは驚いたがな。あんな使い方をするとは」

「やっぱりギィからは見えてたか」

「それでなんの能力だ?」

傲慢之王(ルシファー)を持ってる奴に教えるわけないだろ」

「!!?なぜ知ってる」

「数ある究極能力の中で唯一他人のコピーができて全く同じ能力が使えるのは傲慢之王(ルシファー)だけだ。それならギィが知りたがっている理由もわかる。コピーには相手の能力を完全に知る必要があるからな」

「お、そこまで知ってるんならいいや。教えなくて。いつか解析してやる」

 

 シスタがこの結果を知っているのはルウェルによるものだがそれを知っているものは誰もいない。

 ギィは楽しそうに笑った。実際シスタが使った究極能力についてはヴェルザードの解析能力でも何を使ったのかわかっていない。

 

 

「それじゃあ僕は帰るよ」

「ああ、またな」

「また遊びに行くわ」

「待ってる」

 

 

 僕は転移してテンペストに帰る。そして入り口に着くとシュナとクマラに飛びつかれる。

 

 

「!!??なに?」

「心配したんですから。魔王に呼ばれたなんて」

「そうでありんす。心配かけないでください」

「悪かったよ。けどこの体勢恥ずかしいかな」

 

 

 二人とも乗ったまま泣いている。構図的にはなんだか押し倒された感じになっているから周りの目がすごい。

 

 

「シスタ様帰ってきたんだ」

「我が君待っていたぞ」

 

 

 その後ろにはウルティマとカレラもいた。帰ってきたと同時にこっちにきたみたいだ。

 

 

「それで何したの?」

「力比べかな?」

「何か失礼なことを言ってなかったか。あの赤は?」

「何にもなかったよ。カレラもウルティマも殺気抑えて」

 

 

 二人とも力比べと言った途端に殺気を出すから怖いったらありゃしない。それにクマラとシュナがここにいるってことはもうジスターヴの方は終わったってことでいいんだろう。後はテスタロッサだけど。

 

 

「うふふふ、わたしがどうかしましたか」

「テスタ気配消すなよ。びっくりするだろ」

「少し驚かせようと思いまして」

「それでファルムスの方はどうだった」

「後は向こうの取り方次第ですわね。それでご褒美はないんですか?」

 

 

 そう言い僕の顎の下に手をやり顔を近づけてくるテスタロッサ。3人の中で最も妖艶という言葉が似合う彼女なだけあってその雰囲気は凄まじい。

 

 

「おい貴様我が君に何をしている。殺されたいのか」

「ウフフ、少しだけおねだりしてるだけよ。あなたに文句を言われる筋合いはないわねカレラ」

「ふーんそれじゃあ僕も!」

 

 

 ウルティマまで抱きつく。カレラも悔しかったのかカレラも右腕についてきて大変なことになってる。しかしとんでもない寒気がして振り向く。

 

 

「シスタ様?お仕事が残っていますよ」

「シュ、シュナさん?」

 

 

 すぐにシュナは3人の悪魔を振りほどき僕を引っ張って行く。なんでだろう。痛覚無効が発動してるのに耳が痛い。

 しばらく歩いて耳を離してくれる。

 

 

「シュナさん?」

「シスタ様今回は無事で良かったです」

 

 

 そう言い抱きついてきたのでそれ以上は何もいうことなく頭を撫で続けていた。

 その日は結局仕事することなく、部屋でシュナと過ごしたのだった。

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