最強の相棒として転生した件   作:麒麟@

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EーSTさん
ヌヌヌ学院さん評価ありがとうございます


39話

 ヴェルザードやテスタロッサたちは元の場所に戻る。もっとも立っているのは4人で1人は腕の中だが。

 そしてその4人は戦慄する。たとえヴェルザードであってもその間に入ることはできない。入った途端2人の剣気にやられるからだ。死ぬことはなくても致命傷は負わされる。それがわかっているからこそそこには踏み込めないのだ。

 

 

「いくぞ!」

「あぁ、来い」

 

 

 2人は一瞬で交錯する。その瞬間を見れたのはヴェルザード1人だろう。テスタロッサたち悪魔は呆然としていて結果を見守っている。

 2人の位置は入れ替わり一瞬の後結果が目に見える。

 

 

「クソ、僕の負けか」

 

 

 その言葉と同時に背中から大量の血を流して前のめりに倒れ込むシスタ。テスタロッサが慌てて駆け寄る。傷が相当深い。これはすぐに防がないと命に関わるがさっき完全回復薬は使い切ったのだ。

 こんなにもシスタが怪我をすると思っていなかったテスタロッサ。だから最低限しか持ってきていなかったのだ。

 

 

「なにが負けだ」

「ふふ、ギィも随分やられたわね」

 

 

 ヴェルザードの言葉と同時に片腕が飛び、もう片方は半分以上弾け飛んでいる。

 ギィはすぐにシスタに駆け寄る。駆け寄る瞬間に腕は回復したがシスタが人間になっていることに驚いたのだ。そしてその構造はかなりややこしいものでこの姿では少し無理がある。

 すぐに氷で血を止め女性型に変身する。そして演算にて体の組織一つ一つを解析し回復を施していく。途中究極能力も解析しようと手を伸ばしたギィだがそこは完全に防御されていて侵入できなかった。

 それ以上はなにも調べずに治していく。少しすると完全に傷は癒え目を覚ますシスタ。

 

 

「う、ん?そっか僕は負けたんだったな」

「よく言うぜ。魔王なりたてのやつにあそこまで傷つけられたら俺様の負けみたいなもんだ」

 

 

 声の方向に向くシスタ。するとそれが顔に出たのだ。

 

 

「ギ、ギィか?」

「俺様以外に誰がいる?」

「いや、だってその姿」

「あぁこれか」

 

 

 ギィは姿を男に変える。さっきの姿に目に悪い。かなり美人なのだ。テスタロッタたちを見ていなければ一目惚れしていたところだ。

 

 

「それでお前いつから人間になったんだ」

「気付いたか。悪いがこれは言えない」

「そうかそれなら構わんが」

「うふふ、ギィも変わったわね」

「そんなことはない。それとシスタあの刀は二度と作るな。寿命を縮めるぞ。今人間になっているお前はそこまで寿命があるわけじゃないだろう」

「バレてたか」

 

 

 その言葉にテスタロッサは肩を振るわせる。自分たち悪魔には永遠に近い寿命がある。主人であるシスタもそれに近いかそれよりも長い間あったはずなのだ。それが今聞いたのは寿命がないということ。

 

 

「シスタ様その寿命の長さは一体どれくらいなのですか?」

「そうだなぁさっきあれ使ったし後15年ぐらいかな」

「!!??シスタ様それは本当ですか?」

 

 

 テスタロッサがシスタに詰め寄る。15年なのだ。15年でシスタと別れなければならない。そんなことはとても認められないのだ。

 

 

「なにか方法は?」

「分からん。とりあえず今も解析はしてるけど全く進展がない」

「そんな……」

「別に今すぐってわけじゃないから。まだ先だから」

 

 

 テスタロッサはそれ以上なにも言わなかった。シスタが決めたことなのだ。けれど認められないもまた事実。ここで言っても仕方ないのでテンペストに帰ってからまた別の方法を考えるのだ。

 そして話が終わった途端にマヤが目を覚ましたのだ。

 

「ギィ助かったよ。それで僕はなにをすればいい?」

「それならヴェルザードを街に連れて行ってやってくれ」

「??ヴェルザードを?」

「あぁ。と言ってもお前たちの街じゃないがな。どこか人間の国だ」

「はいはい。わかったよ。また後で迎えにくる」

「それで構わん」

 

 

 シスタは転移魔法を使う。さっきマヤの攻撃を受けてから少しだが使える魔法が増えたのだ。他の2人もそれを見て転移魔法を使ってテンペストに帰る。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 テンペストに帰ると誰よりも早くリムルがやってきた。シスタの首を掴みすぐに事務室に連れていく。

 

 

「お、おいリムル。痛い痛い」

「お前がいない間大変だったんだからな!その分今から働いてもらうから」

「鬼だ。鬼がいる」

 

 

 そんな会話を見ながらテスタロッサは別のところに急ぐ。魔力感知に似てすぐに見つけたが距離がある。2人とも別々のところにいるのだ。

 

 

 

「ウルティマ少しついてきなさい」

「なにテスタロッサ。いきなり偉そうなんだけど」

「早くしなさい!!」

 

 

 その強い言葉と裏腹に焦りがあるのを感じたウルティマはそれ以上はなにも言わずにテスタロッサの後ろをついていく。次についたのはカレラのところだった。

 

 

「カレラ少しついてきなさい」

「なに?我は今忙しいのだぞ」

「早く!」

 

 

 カレラもウルティマ同様それ以上はなにも言えなかったのだ。それほどまでに緊迫したテスタロッサを見るのは初めてでなにも言えない。

 そして3人は前にシスタから教えてもらったことのあるジュラの森のある場所に来ていたのだ。

 この場所を知ってるのはシスタとその直属の配下のみ。ここに貼られている結界は特定のものしか入れないようになっている。テスタロッサたちにも詳しくは教えられていない。

 中に入りそれぞれがテーブルに三角になるように座る。

 テスタロッサが紅茶を入れカレラはコーヒーを、ウルティマはここにしかないジュースを入れる。

 

 

「それでテスタロッサはいきなりなんなのさ?ボクたちをここに連れてくるくらいなんだから大変なことなんだと思ってるけど」

「ええ、そのことに関しては話しますわ。まずシスタ様は人間になられたと言うことは知ってますわね?」

 

 

 テスタロッサの質問に対して2人はうなずく。けれど次の言葉を聞いた瞬間恐怖に見舞われたのだ。

 

 

「ならシスタ様が生きられるのは後15年が限界だということは?」

「は?」

「どういうこと?」

 

 

 テスタロッサは全てを説明する。それでも自分が知ってる範囲でのみだが。しかしそれを聞いた2人はなにも言えなくなる。悠久を生きる悪魔だからこそその忠誠は失うこともある。しかしその忠誠を一生誓える相手に出会えたのにたった15年で死ぬなんてとても受け入れられなかったのだ。

 

 

「事実よ。それで」

「ふざけるな!貴様それを受け入れてるのか」

「カレラ!落ち着いて。万が一喧嘩でもしたらシスタ様が」

「クッ!」

 

 

 テスタロッサに掴みかかっていた手は自然と離れた。カレラもシスタから怒られるのは嫌なのだ。ここに来た当初に喧嘩ばかりしていた名残でシスタの前で喧嘩したときに誓ったのだ。言い合いならともかく喧嘩を二度としないと。

 

 

「そこでなのだけれど一度冥界に帰れないかしら?」

「なに?」

「どういうこと?」

「冥界にいる悪魔たちなら何か知ってるかもしれない」

「けどテスタそれって無理じゃない?こっちに悪魔公は全員いるんだし」

「ええその通りよウル。けれど召喚された悪魔たちなら何か知ってるかもしれない。それを聞きに行くのよ」

「なるほど、貴様のやりたいことはわかった。ただここから全員が抜けるとなるとシスタ様に疑われるぞ」

「ええ、だから1人だけよ。誰が行くのかしら?」

 

 

 誰も名乗り出ない。シスタのそばを離れたくないのだ。ましてやそんな雲を掴むような話を信じられるわけがないのだ。

 

 

「じゃあボクがいくよ」

「ウルティマ!?」

「ウル?」

「人間から情報を得た悪魔ならボクの方がいいと思うから」

 

 

 2人は納得した。情報を操ると言う面では3人の中でもウルティマは群を抜いている。ましてや冥界にいる奴らにウルティマが負けるとは思えないのだ。

 

 

「それじゃあシスタ様に一声かけてからいくよ」

 

 

 2人とも納得してテンペストに転移魔法で帰る。そしてシスタの下に急いで向かう。

 

 

「シスタ様!」

「ん?ってかどうしたそんなに急いで」

「ボクにしばらく休暇くれない?」

「まぁ構わないけど、いきなりどうした?」

「冥界にいる奴らで見どころあるのを連れてこようかと」

「そっか。それはウルティマが決めたことなんだな?」

「う、うん。そうだよ」

「ならいってこい。気をつけてな」

「うん、行ってきます」

 

 

 そしてウルティマはシスタに段々と近づきその唇でシスタの口を塞ぐ。

 いきなりこの事でシスタはなにもできない。しかこの場には2人だけではないのだ。テスタロッサたちがいた。それを見ていた2人は目を見開きなにも言わなかった。

 

 

「じゃあねシスタ様!」

「あ、ああ」

 

 

 なにも言わなかったがテスタロッサたちは違う。

 飛んでいた意識が戻ってきた2人はそのことに激情して身体中から魔素が溢れ出したのだ。

 それにいち早く気づいたシスタは暴食之王(ベルゼビュート)でなんとか溢れ出した魔素をくらい尽くす。

 その後にシスタからの説教を受けたのはいうまでもなかった。




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