最近何にもやる気が出なくて
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テンペストに帰ってきたシスタは一目散に鍛冶屋に向かう。中の内装を確認してそれを使うためだ。
あの2人は僕にしか作ってはいけないと言った。それはつまり鍛治も自分でやることなのだが内装すら知らない。
しかし内装をコピーしてしてしまえば後はルウェルがサポートしてくれる。
《お任せください》
頼もしい限りだ。最初大急ぎで入っていった為に鍛治職人を驚いていたが何も言葉を発せずただただその行為を見ていた。
シスタとしてもそちらの方が助かったのだ。何かと言われることが多い立場なのも理解しているが言われたくない場面というものもある。これからやることは誰にも知られるわけにはいかなかった為にジュラの森でも人里離れて誰も来ないところに構えた。
そしてシスタは何重にも結界を張り誰にも入れないようにした。それはテスタロッサ達のことも含んでいる。
そうしてシスタは1人鍛治を始めたのだった。
シスタの気配がして鍛治屋にやってきたリムルだが一足遅かったみたいだ。リムルはあたりを見渡しシスタがいないことを確認するとすぐに出ていく。
鍛治職人達は一度手を止めるがまたすぐに作業にかかる。
リムルはシスタを探していたのだ。あいつが消えたせいで仕事は全てリムルに回ってくる。テスタロッサ達が処理していたが最後はやはりシスタがリムルに回るのがこの街なのだ。
開国祭の後シスタにも仕事が行く予定だったのだがなかなか処理されないからやはりリムルの方に回ってしまうのだった。
「リムル様すごい顔してますよ?」
「いや、シスタに一言文句を言ってやろうと思ってな」
「クァ────ハハハ、リムルよシスタを責めるでないわ」
「??ヴェルドラお前なんか知ってるのか?」
ヴェルドラはシスタを庇う。それを疑うリムル。それは当然なのだ。なぜヴェルドラがシスタを庇うのか意味不明なのだ。
しかしヴェルドラにとっては本当にシスタに助かっているのだ。
ヴェルドラが庇うのは姉に合わなくて済んだからだ。ヴェルドラは気づいていたのだ。姉であるヴェルザードが近づいてきていたことに。しかし聖典を読んでいた為に気づいた時にはすでに遅かった。逃げ出したかったのだが今から逃げ出しても追いかけられるのがオチなのだ。
そこにシスタが飛び出したのを感知してその流れを見ていた。
ヴェルザードはシスタにあったところで別のところに向かったから安心したヴェルドラなのであった。そういう理由があるからヴェルドラとしてもシスタを責める気にはならないのだ。
「はぁ〜〜しょうがない。ディアブロ、シスタを探してこい」
「承知しました」
「お待ちくださいリムル様。その役目私に」
そう言いでたのはテスタロッサだ。ディアブロ不機嫌なる。シスタ様のこととはいえリムル様からの頼みを横取りしようとしているのだ。
それに対して不機嫌になるのは当然のこと。それをわかってるテスタロッサも引き下がろうとはしない。
シスタのことはテスタロッサ自身気になっているのだ。最近のシスタは自暴自棄になっている部分がある。それを止めたいと思っていたのだ。しかしそれももう1人に止められる。
「待って欲しい!その役目我にやらせてくれ」
「カレラ」
「確かカレラだったな」
「その通りだ。その役目我にやらせて欲しい」
カレラの物言いにディアブロの魔素が溢れ出す。しかしリムルはそれを手で制する。カレラのことはよく知らないリムルだがカレラのように馴れ馴れしい言葉遣いもいいのだ。ディアブロ達や街の人達の口調を嫌いではないがカレラ様な口調も気に入っているのだ。
「ならこうしよう。3人で探してこい。そして一番になったものには褒美を渡そう。テスタロッサ、カレラにはシスタを1週間好きにしていいようにする。それは俺から話す」
「「!!!」」
「かしこまりました。お任せください」
テスタロッサ、カレラは張り切る。それぞれの思惑があるだろうがシスタを1週間好きにしていいということはかなりの褒美なのだ。
それとは別の方向でディアブロも張り切っていたのだ。リムルからの命令。そして褒美とくればディアブロが張り切るのも当然なのだ。
3人はその場で転移をしてすぐにシスタの捜索にかかったのだった。
ディアブロはそこまでシスタと関わりがあるわけではない。自身にとっての使える主人はリムルでありシスタではないからだ。しかしリムルからの褒美ということもあり魔力感知を最大にして探し始める。
しかしどこにも反応がないのだ。どこを探してもわからない為に転移の繰り返しでディアブロは探し出したのだった。
テスタロッサはディアブロとは別でなんとなくだが場所はわかっているのだ。
それとなく森に入って行く。主人であるシスタは隠れる時は大体森の中の人気のないところに行くのだ。そしてこれはシスタ自身も忘れていたことだがテスタロッサたち悪魔との魂の回廊を切るのを忘れていたのだ。
そしてテスタロッサやカレラは自身とシスタにその繋がりがあるのを知らない。
しかし本能というのか感覚というのか2人がたどり着いた場所は同じなのだ。実際は何日もかかっているのだが。
「テスタロッサ」
「あらカレラもここに来たのかしら?」
「ああ、我が君を探しているときにな」
2人ともなんの変哲もない場所に辿り着く。しかしこの場の魔素の流れがおかしいことに気がつき核撃魔法を放つが全てその場に消える。
弾くでも燃えるでもなく消えたのだ。
2人はここにシスタがいることを確信して核撃魔法を連発するが全て無駄に終わる。そして無駄に終わったことにより一つの事実を確認する。これは壊せないということ。
ならばどうするかと悩んだがそれは必要なかった。
中からシスタが出てきたのだ。そしてそのタイミングで
「シ・ス・タ様ー」
空間を割くように現れたのはウルティマだった。そしてそのままシスタに抱きつく。
ウルティマはシスタに数日とはいえ会えてなかったから寂しかったのだ。
「「ウルティマ!?」」
「帰ってきてたのか。おかえり」
「うんただいまシスタ様。それとごめんなさい」
「何がだ?」
「探せなかった。シスタ様を元に戻す方法」
「なんだ。そんなことか。気にすんな。僕が悪いんだからな。ありがとウルティマ」
「うん。けど目を治す方法ならあったよ」
「え?」
「こうするの」
シスタの目の傷にウルティマは目の位置を合わせる。そしてその位置でウルティマの目に手を当ててその後にシスタの位置に合わせる。
「シスタ様目を開けて」
「え?」
目を開ける。それによって視界が開けるシスタ。しかしテスタロッサ、カレラは驚く。目を開いたシスタの目はウルティマと同じ金色になっていたのだ。
「な、何をしたの?ウルティマ」
「うーんとね。ボクの目を一時的にシスタ様に移して、その瞬間にシスタ様の細胞とくっつけたんだよ」
ウルティマは軽く言っているがそんなことはなかなかできない。なにせ自分と違う生物に対しての融合に近い現象なのだ。
「それはボクたちの体だよ」
「?あ!そういうことか」
「どういうことだ我が君?」
「テスタロッサ、ウルティマ、カレラの体は最初こそ人間の受肉体だったけど今はボクの分身体だろ。だからそっくりとはいかなくてもほとんど同じ体の構成なんだよ」
「そんなことよりウルティマの目は?」
「ボクの方は大丈夫。超速再生はちゃんと機能してるから」
そういい目を開くウルティマ。本当に目は回復してるのだ。
こう考えてみると超速再生って卑怯だよな。元いた世界じゃ一生裕福に暮らせるだけの能力だ。
「それでは褒美は……」
「「何それ?」」
シスタとウルティマは頭を傾げる。それもそうだ。この2人はそのことを知らないのだ。
だがそんなことよりテスタロッサ、ウルティマ、カレラはシスタの腰にかけられている刀が気になって仕方なかったのだ。
「シ、シスタ様?その刀は」
「これか。ある素材を使っているがそれが何かは内緒だ。というか完成しても
「そうですか」
「まぁそう落ち込むな。しばらくは秘密だがある奴の反応見たらなんとなくわかると思うぞ」
「「「???」」」
3人とも首を傾げるがシスタはそれ以上何も言わない。そしてシスタに促されるようにテンペストに帰って行ったのだった。
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