最強の相棒として転生した件   作:麒麟@

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シスタ陣営オリキャラ最後の1人です
知ってる人は知ってるかもしれませんがあのゲームのキャラです


44話

 リムルとマヤが大急ぎで上に上がってみた光景は驚きのものだった。

 混沌竜とシスタの一騎打ちだ。しかもシスタはそれをやってのけている。リムルは流れないはずの汗が背中に伝っていくような感じが拭えなかった。リムル自身シスタとの力の差はそこまであるものでもないと思っていたのだ。しかし自身が逃げた混沌竜との戦いをシスタはやっている。それを見て戦慄しないわけがなかったのだ。

 マヤもリムルとは違う戦慄を感じずにはいられなかった。ヴェルザードとの戦いで自身は勇者の卵が覚醒したのを感じた。それがもう一つの究極能力を発現させるきっかけにもなったのだ。これでシスタと同等の能力を手に入れることができたと思っていた節がある。

 

 

「リムル擬似魂持ってるか!?」

「あ、あぁ持ってるけど」

「よしミリムさっき言ってたことやるぞ」

「わかったのだ」

 

 

 シスタは飛び退きミリムを中心にして横並びに並ぶ3人。そしてミリムが竜星拡散爆(ドラゴバスター)を放つ。少しして暴食之王を発動するリムルとシスタ。少しして慣れてきたところでシスタが慌て出す。それもそのはず少し前にルウェルから警告が出たのだ。

 

 

《マスター。混沌竜の後ろに生体反応があります》

(は?なんでそんなところに?ってかこのままじゃ瘴気かミリムの攻撃で)

《死にます》

 

 

 シスタはルウェルからの警告を聞いてそれ以上はなにも答えなかった。考えるよりも先に体が動いていたからだ。

 

 

「リムル後は頼んだ」

「は!?おい」

 

 

 ミリムが最強の竜星爆炎覇(ドラゴノヴァ)を放つ。シスタは自身の体に最大の加速を使いそれよりも早く動いて混沌竜の後ろに向かう。1人の女が倒れていて今の状況に気付いていないようだ。

 

 

「おい起きろ。死ぬぞ」

「ん、ここは」

 

 

 そんな会話をしてるうちに混沌竜の半身以上が消えかけていた。シスタはすぐに誓約之王(ウリエル)を発動して防ぐがすぐに破壊されていく。

 まだ寝ぼけているみたいだがまだ動きそうにない。体に引っ張って連れていくにも加速を使ったままじゃ腕がちぎれる可能性がある。

 

 

「おい!シスタ死ぬぞ」

「仕方ない。使いたくなかったんだけどなー。時間凍結(エターナルタイム)

 

 

 シスタが使ったのは範囲的な時間停止だ。この世界では全ての時が止まる。

 ヴェルザードとかの停止とかとは違いこの場だけの時間を止めたのだ。そしてこの空間では発動したシスタは動ける。ミリムも動けるようだ。しかし混沌竜やリムルは動く気配はなくもちろんシスタの隣で倒れているやつもだ。シスタはすぐに抱き抱えその場から離れる。

 そして技を解除すると何事もなかったかのようにシスタたちがいた場所を抉り取ったのだった。

 

 

「あたしがあそこにいたら」

「まぁ死んでたな」

「助かったよ。ありがとう」

「それはいいけどどこからきたんだ。あんなところで寝てるなんておかしいだろ」

「それは[グゥ〜〜〜]〜〜///」

 

 

 言いかけた途端に腹の音がなってしまった。恥ずかしかったのか腹を押さえて顔を赤くしている。

 それにしてもかなりの美人だ。長い銀髪に琥珀色の目。そして銀髪を片方の方でまとめていて目には丸眼鏡。それにテスタロッサと変わらないほどのスタイル。これが向こうの世界ならモテモテだろうなと思いながら話を続ける。

 

 

「とりあえず僕の国に来るか?飯ぐらい出すよ。その後どうするかは自分で考えてくれ」

「頼む」

 

 

 そこからはリムルたちに事情を話して先に帰ることにしたマヤは転移できるが今のやつはできない。

 街に行き食堂に向かう。ゴブイチがいたので料理をお願いする。

 

 

「ゴブイチ料理を頼むよ。軽いやつで。僕のじゃなくてあいつに」

「了解しましたシスタ様」

 

 

 ゴブイチは手際良く食材を切っていき炒めていく。その間に話すこともあるかと思ったがもう話す気力すらわからないようだ。

 机に突っ伏して動く様子はないが死んではいないので何もしない。

 

 

「ところでこの子は?」

「混沌竜の後ろに倒れてた」

「なんでそれでどこも侵されてないの?」

「マヤもっと深く観察しろ」

「えー?え!この子」

 

 

 マヤは驚きを隠せない。シスタも初めて見た時は驚いたがもう驚かない。この世界では理不尽なことが多いのだ。

 

 

「お待たせしました」

「ありがとう。ほら」

 

 

 目の前に理不尽な奴が1人いるのだ。拾ったいや助けたやつの魔素量はテスタロッサたちを大きく上回る。それどころか魔素量だけならシスタと同等なのだ。

 それを隠す様子がないしそして混沌竜からの腐食を防げた理由もわかる。

 その魔素の放出で防いでいたのだ。

 

 

「うま、この飯美味いよ」

「何日ぶりの飯なんだ?」

「3日ぶりかな。ほんとに死ぬかと思ったよ」

「それなら食べたら少しだけ付き合ってくれ」

「わかったよ」

 

 

 食べ終わるのを待ってから移動する。場所はシスタの家だ。和室もあるのでそこに通す。暖かいお茶を用意して和菓子を出す。

 そして少し話を始める。

 

 

「さて名前は?」

「和泉ユキだよ」

「そっか和泉質問していいか?」

「あぁ」

「それなら「シスタ様!!」お前ら勝手に」

「全くなぜワタシを連れていかなかったのだ」

「ボクも行きたかったよ」

「ワタクシも行きたかったですわ」

 

 

 ユキは驚く。3人入ってきたのだが3人とも多種多様な美人や美女、可愛い系なのだ。しかしとてもじゃないけど人間とは思えない。埒外の存在であるが故にこの美しさなのだと思ったユキなのだった。

 

 

「ユキの考えは当たってるぞ。3人とも悪魔だ」

「っ!なんであたしの考えを?」

「だって入ってきてから目を離してないじゃないか。なんとなくわかるよ」

「それでこいつは一体なんなのだ?我が君の新たな下僕か?」

「おいおい言い方。そうそうそれを聞こうと思ってたんだ」

「なにを?」

「うーんここからどうするか。一つはここに住む。二つ目は僕の直属の配下になる。そしてこれはあまりお勧めしないけどこの街を出ていく」

「あたしからもいくつか質問していいか?」

「構わないよ」

「この街で暮らすのに何かデメリットはあるのか?」

「うーんそうだな。特にはないけど仕事はしてもらう」

「なるほど。なら二つ目あんたの配下ってのはどういう意味だ?」

「口の聞き方を」

「テスタ落ち着け」

 

 

 言葉と手を使うことでテスタロッサを抑える。他の2人も何かしそうだったがここでは何もできない。同じく感情をうまくコントロールして耐えたのだった。

 

 

「それで二つ目だけどまず自己紹介しておこうかな。この国テンペストの盟主兼魔王のシスタテンペストだ。そして僕の直属の配下は今6人いる。さっきからそこでぐうたらしてるマヤとここにいる3人後2人は街で買い物をしてるよ。そして」

「ちょっと待ってくれ!魔王?国の盟主?一番偉くて魔王ってあの御伽噺とかに出てくるあの魔王?」

「うーん名手に関してはその認識だと思う。嫌だけど。魔王についてだけど簡単に話すとこの世界には9人の魔王がいるんだよ。そのうちの一柱」

「頭が追いつかなくなってた」

「最後に三つ目のデメリットはまぁこの世界にはいろんな種族がいる。この国は結界が貼ってあるし僕はもう1人の魔王もいる。だからそうそう攻められることはないけど外となると話は別。ここにいるマヤたちほど強い奴がいる可能性もあるし、話が通用しない奴もいる。殺される危険があるってことだな」

「わかった。少し考える時間をくれ」

「そうした方がいいよ。テスタロッサついてやっていってくれ。後質問には必ず答えること」

「承知致しましたわ」

「それと欲しいものがあったら遠慮しなくていいから。とりあえずこれを渡しておく」

 

 

 そういいシスタは星金貨を1枚渡す。それを見たユキは綺麗さに感動を覚えたが一枚だけでどうしろと問う。それもそうだ。この世界の貨幣の価値なんてわかるわけもないが一枚だけでなんとかできるわけもない。

 

 

「それ一枚で金貨100枚分の価値があるから今日1日は大丈夫だよ。それとテスタロッサもし足りなかったら僕の名前を出しておいてくれ。後その店の記録と。後で払いにいく」

「承知致しましたわ」

 

 

 2人はでていく。マヤは出ていったのを確認してからシスタに問いかける。

 

 

「あの子どうするつもりなの?」

「さぁどうするんだろ」

「シスタがその気になったら支配出来るでしょ。あれだけの子を手放すのは惜しいよ」

「そうかもな。けどわかってて言ってるだろ」

「もちろん。そんなことする奴ならここまで一緒にいないし」

「そっか」

 

 

 支配なんて興味がない。そんなことをするならそいつを知る方がよっぽど面白いのだ。もっとも知ってもいずれ来る別れの時には全員との別れを振るつもりだが今そんなこと気にしても仕方ない。

 悪魔たちが裏切るならそれまで。マヤやビアンカ、フローラが裏切っても何も咎めるつもりもない。結局それが僕自身の器ということなのだから。

 

 

「さて何するか」

「久々に本気で戦わない?」

「やだ」

「即答なのひどくないかな?」

 

 

 マヤと本気で戦うなんてごめんだ。街が壊れかねないし迷宮にそういう施設があるのだがそれはあくまでもトレーニング用。決して本気で戦うようではないのだ。ましてや2人とも究極能力を持っている。そんな2人が戦ったらどうなるかなんて目に見えているからだ。

 

 

「あ、そうだカレラ」

「ん?なんだ我が君」

「そういえばアゲーラって刀持ってたけど使えるの?」

「そうだな。私も刀だけならアゲーラには敵わないほどだな」

「へぇ。また今度手合わせしたいって言っておいてくれ。まだ魂の回廊が繋がってないからわかりにくいんだよ」

「任せておいてくれ。もちろん伝えよう」

 

 

 カレラは大きい声で言ったがシスタの家ということもあり家中にその声が響いたのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 一方その頃テスタロッサたちはというと2人で歩いて街を散策していた。ユキ自身金を渡されたのだがどこで使おうか悩んでいるのもあったしそれに入りにくいのがもっともだ。

 

 

「テスタロッサさんでしたっけ?」

「ええ、その通りですわ」

「この世界のこと少し教えて欲しいんだけど」「構いませんが少し長くなるかもしれませんわよ」

「構わない。だから教えてくれ」

「かしこまりました」

 

 

 テスタロッサはユキを連れて近くの喫茶店に入る。座ってからメニューを見て頼み少しずつ話していく。自分たちの種族。この世界の情勢。魔王たちの力バランス。もっともテスタロッサはシスタが第一なので少しばかり嘘をついたりもしたが間違ったことは言っていない。

 

 

「これが最後の質問なんだがなんであいつのためにそこまで親身になれるんだ?話を聞いただけでも良くわかるぐらいに」

「??では質問に質問で返しましょう。好きな人のために尽くすのに理由がいるのでしょうか?」

「っ!!確かにな。つまんない質問をした」

「お気になさらずに」

 

 

 そこからも2人は歩いて街を散策してユキは何着かの服を買うことにした。まだ空間支配も保存もできないので手に袋を持ち歩く。

 

 

「それではそろそろですわね」

「あぁ、今日はありがとな」

「それで心は決まりましたの?」

「あぁあんたの意見を聞いてな」

 

 

 ユキは笑いながらそう答えてテスタロッサとともにシスタの家に向かって歩き出したのだった。




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