最強の相棒として転生した件   作:麒麟@

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45話

 ユキたちが家に着いた時シスタたちもまた家でゆっくりしていた。

 

 

「シスタ様失礼します」

 

 

 テスタロッサがそういうと扉が開かれる。さっきの和室ではなく今度は机を挟んで対面にソファーが置いておりその奥にシスタが座るような形の部屋だ。

 

 

「ユキは決めたのか?」

「あぁ、決めたよ」

「ならどうする?」

 

 

 シスタの言葉にその場に膝をつくユキ。形から入ろうしてそして膝をついたがシスタに止められる。

 

 

「そういうのはいらないよ」

「シスタ様にお仕えさせていただきたいです」

「それもいらない。普段通りでいいから。式典とかの時だけちゃんとやってくれればそれでいい」

「わかったよ。これから頼むな」

「あぁ、こちらこそよろしく」

 

 

 ユキはこの世界のことを聞いてとりあえずはシスタに仕えることにしたのだ。この世界の頂点ともいうべき魔王。その上の確認されている3体の竜種。人間にも恐ろしい力を持った奴がいるそうだし今ここを出ても死ぬのがわかっているだけだ。

 

 

「それであたしは何をしたらいい?」

「まずは力をつけてもらう。その膨大な魔素も使えなきゃただのおもちゃだ。それに慣れてもらうためにテスタロッサ、ウルティマ、カレラの3人から1週間ずつ教えてもらう。テスタロッサからは魔素のコントロール、カレラからは魔素による瞬発的な破壊力の出し方。ウルティマからは耐性を獲得してもらう」

「??わかった」

「それで武器を作るが何がいい?大概のものは作れると思うぞ」

「それなら銃かな。なんか刀よりしっくり来そうだし」

「なるほどな。まぁやってみるか」

「シスタ様が作るの?ボクには?」

「お前ら3人は前にもあげただろ」

「ならアタシは??」

「お前は自分の剣があるだろうが!!」

 

 

 そんなこんなでシスタが銃を作ることが決まった。ある機能をつけてみようと思って内心笑うがルウェルがいないととてもじゃないができそうにない。こんな時はルウェルに頼るのが正解なのだ。

 

 

《都合のいい時にしか使ってない気がしますが》

 

 

 何が幻聴が聞こえた気もするが何も聞こえなかったと聴かないふりをしたシスタなのであった。

 

 

「ユキの修行は3週間。それが終われば確認でテストをしてもらう」

「テスト?」

「実践形式での確認だ」

「誰がやるの。もしかしてアタシ?」

「お前にやらせるわけないだろ。加減も知らないのに。ズレたが戦うのは僕だ」

 

 

 その場にいた全員が驚く。シスタは確かに力加減もしっかりしてるので力を図るにはもっともな相手だ。しかし国の盟主、魔王が直々に力を図るなんてなかなか聞かないことなのだ。

 

 

「というわけで今日、明日はゆっくりしててくれ。けど夜9時にはここに来てくれよ。幹部全員招集するから」

「了解」

「あと他のやつは言葉遣いうるさいから気をつけてな」

「え?努力するよ」

 

 

 シスタはその言葉を聞き不安にもなるが最悪の場合なんとかしようと思って幹部たち全員に自然伝達を飛ばす。

 あと会議まで1時間ほどだが段取りを進める。リグルドたちのところに赴き話を詰めていく。場所はテンペストでも一番でかい会議室。それでも全員を呼ぶとやや椅子が足りないので追加で持っていく。

 

 

「シスタ様の手を煩わせるなど」

「リグルドいつもなら頼むが今回は僕から急遽言い出したことなんだから手伝うに決まってるだろ」

「しかし」

 

 

 まだ納得していないリグルドだが何も言ってこないところを見ると渋々という感じだろう。そもそも運ぶ椅子自体はそこまで多いわけでもないので時間がかかるほどではない。

 

 

「それでは私はこれで」

「あぁ、後は時間になったら頼むよ」

「もちろんです!お任せください」

 

 

 さて司会を誰に頼もうかな。シスタがうろうろしながら考えていると前からユキを連れたテスタロッサたちがやってきた。

 

 

「会議室の隣にいてくれ。こっちで合図するなら」

「了解」

 

 

 そう言いながらも顔は少し強張っている。まぁ会ったこともない奴らたくさんのところに放り込むわけだからな。手助けはするつもりでも自分で切り開いていかないといけないところなのだ。

 

 

「集まってきたな」

「シスタ今日はなんの集まりだ?お前から集めるなんて珍しい」

「まぁ新しいやつの紹介かな。それに見ると驚くぞ」

「何に?それともこの街中で感じてる魔素はそいつか?」

「内緒。まぁ楽しみにしといてくれよ」

「はいはい、厄介なことを持ち込まないでくれよ」

「失礼だな。今まで厄介なことなんて」

 

 

 シスタはそこまで言いかけて言葉を止める。今まで厄介ことを持ち込んだ記憶はないけど回した記憶はあるのだ。シスタの書類をリムルに回したこともあったから何もいえない。

 

 

「まぁ大丈夫だと思うよ……多分」

「おいおい勘弁してくれよ」

 

 

 シスタの言葉に言葉が出てこないリムル。また厄介なことに巻き込まれないという思考が頭を巡る。

 そんなことを話してる間に全員が集まった。ベニマルやリグルドは顰めっ面で座っている。何か重大発表があるとか勘違いしているのだろうか?

 

 

「それじゃあ集まったことだし始めるよ」

 

 

 全員がよく返事してくれるがそこまで求めているわけではないのだ。

 

 

「シスタ様それであの3人は?」

「3人って?」

「テスタロッサたちですよ」

「まぁそこは気にすんな」

「気にしますよ!シスタ様からの呼び出しに来ないなんて」

 

 

 ベニマルは怒っているが一応いるんだけどなぁ。隣の部屋にいるんだよなぁ。ユキはともかくあの3人は魔素を隠せるからなかなかバレない。

 最も隣の部屋から感じるこの異様なまでの圧に何かあるのだろうと気付いている奴もいるだろうけど。

 

 

「今日集まってもらったのは新しい僕直属の配下?下僕(シモベ)?うーんよくわからんけどできたからだ。だから「クァハハハ我も混ぜるがよい」ヴェルドラ人の話を遮るなよ」

 

 

 シスタからの圧にヴェルドラも悪かったとおもったのか静かになる。

 

 

「わ、我もそんなつもりはなかったのだよ。ほんとだよ。ただ我も会議に混ざりたかっただけで」

「わかったからはい座って。ラミリスも」

 

 

 ヴェルドラの後ろで怒られないように隠れていたラミリスもその隣に座る。これ以上何かいうとシスタからの怒りを買いかねないのだ。

 

 

「それじゃあ改めて紹介するよ。入ってきていいよー」

 

 

 すると部屋の扉からノック音がする。そしてテスタロッサ、ウルティマ、カレラが入ってくる。その後にユキが入ってきて全員に緊張感が走る。それを感じ取ったのかユキも顔が強張るがシスタを見つける。またシスタも笑う。

 

 

「シスタ様の配下になった和泉ユキだ。これからよろしく頼む」

「ま、そういうわけだからソウエイもそう殺気をはしらせない」

 

 

 口調が気に入らなかったのかそれとも不明な人物に対しての警戒なのかそれはソウエイにしかわかったからわからないけどさっきが一番出ていたからシスタが止める。

 

 

「は!」

「それじゃあ今回のもう一つの案件。ルミナスのところにいく面子をここで決めようか」

「!!おい!」

「まぁまぁいいじゃん集めたのもそれも理由なんだしさ」

「はぁ……おまえにはほとほとやられるよ」

「それじゃあリムルは決まってるのか?」

「まぁな。今回はシオンとディアブロを連れていく」

 

 

 その言葉を聞き2人とも顔色が明るくなる。2人ともお互いに置いていかれるのは嫌だったからだろう。

 まぁベニマルにはこの国の防衛があるし連れて行けない。ヴェルドラなんか連れていくとルミナスと喧嘩しかねないし無理。その他の候補もそれぞれの分野の仕事があるから抜けるのは難しいだろう。その点で言えばシオンとディアブロは仕事がないわけではないが抜けてもそこまで支障になるわけではない。2人ともリムルの秘書だと言って聞かないし。

 

 

「それでシスタは?」

「うーん誰にしようかな。ビアンカとフローラ。後修行が間に合ったらユキだな」

「やった」

「かしこまりましたわ」

 

 

 悪魔3人娘は明らかに落ち込んでいるがシオンとディアブロが抜ける以上あの3人かもしくはビアンカ、フローラが残ってないといけないのだ。戦力的に全員連れていくとテンペストが手薄になる。それにテスタロッサは前回ギィのところに行ったし、ウルティマはルミナスのところで暴れてたみたいだから無理。カレラはそもそも暴走列車だから連れていくと大変だ。

 

 

「それになんだか今回は嫌な予感がする。もしかするとお前ら3人も呼ぶかもしれないからそのつもりでいてくれ」

「かしこまりましたわ」

「はーい」

「了解だ我が君」

「あたしは!?あたしは」

 

 

 忘れてた。マヤのこと。元西方聖教会の人間がいかないとなるとややこしくなる。

 しかし連れていくのもめんどくさいというのがシスタの本音だ。

 

 

「はぁ行きたいのか?」

「もちろん!!というか無理矢理でもついていくけどね」

「仕方ないから。ベニマル、マヤが抜けても平気か?」

「大丈夫ですよ。俺たちのこと信頼してください」

「信頼してるよ。それなら任せる」

「お任せを」

 

 

 ベニマルからの頼もしい言葉にシスタもリムルも安心する。そこまで強い奴が攻めてきてもなんとか時間が稼げるだろう。もっともヴェルドラがいる以上この国に攻めてくるバカはいないだろう。

 

 

「それじゃあ今回決まったことを頼んだ!」

「は!」

 

 

 全員からの強い返事を聞きシスタとリムルは退席しようとしてシスタが立ち止まる。

 

 

「ラミリス頼みがある」

「ケーキで引き受けるのよ」

「全く。3つ出すよ」

「喜んで引き受けんのさ」

「僕の部屋を改造と後復活の腕輪を4つ作ってくれる。回数は無限のやつ」

「了解なのよさ。明日までには仕上げておくから来るといいのよ」

「了解。頼むだぞ」

 

 

 ラミリスは急いで飛んでいく。全くケーキ3つでいうことを聞いてくれるなんてな。まぁこの世界ではケーキなんて代物高くてなかなか手が出せないのも事実だからしょうがないと言えばしょうがないけど。

 

 

「それでは宴ですな」

「なんでだよリグルド」

「新たな仲間ですぞ。これは宴を開かねば」

 

 

 こうなった時のリグルドは止められないシスタ。仕方なしに許可をするが今日できると思っていない。

 

 

「では明日の夜にしますぞ」

「はぁ〜許可する」

「了解しました」

 

 

 リグルドはシスタに返事をしてすぐさま出ていく。ここからまた宴が始まるのかと憂鬱になるシスタ。シスタも宴が嫌いなわけではない。しかし酒が振る舞われるという場面においてどの世界、どの場面においても下のものは上のものに対して注ぎに来るのだ。シスタはそれが苦手で仕方がない。

 一人一人に相手をしているだけでもシスタは疲労が溜まって仕方なかった。

 

 

「やれやれだな」

「シスタ様我らにお任せを」

「何を?」

 

 

 歩きながらテスタロッサがそういう。今がわからないシスタだがウルティマもカレラも意味がわかっているようだ。

 

 

「なんのことだよ」

「あなたは全く、いえ初めてなら仕方ないというべきなのかしら」

「??」

 

 ユキはそんなことはわからないという顔で傾げているが正直のところシスタにもはっきりとわかっていないのだ。

 

 

「そういえばユキはどこに泊める?」

「シスタの家で構わないよ。お前を信用してるからな」

「口の聞き方に「待て」は!」

 

 

 カレラがキレかけたがシスタが止める。というかお前もそんな愚直の時あるだろ、とくたびれるシスタだがここで突っ込むのはやめておく。またややこしいことになりそうだからだ。

 

 

「それじゃあうちで寝るか。寝るところは決めていいから」

「了解」

 

 

 こうして全員が別れシスタとユキは家に戻って歩き出す。家につきユキは家に入る。さっきの会議で相当疲れたのか倒れたきり起き上がる気配がない。

 

 

「どうした?」

「なんであんな化け物ばかりなんだよ。特にあいつ」

「あぁヴェルドラか。けどそれ本人の前で言うと怒るからな。あいつ呼ばわりは」

「気をつける」

「それと少し出かけるから。どこかいくなら金を渡すぞ」

「いやいらない。少し休ませてもらうよ」

「そうか。食べ物ならそこに入っているから」

「ありがとう」

 

 

 そう言いながらもシスタは出ていく。いく先は工房だ。

 着くと同時に銃の設計図を頭に思い浮かべて一つずつ作っていく。そしてグリップのところにある仕掛けを施して完成する。

 そして工房から出るとウルティマが待っていたのだ。

 

 

「シスタ様のおそーい」

「?なんだ?」

「一緒に寝るんでしょ」

「あ"!」

「シスタ様?」

「いやなんでもない。帰るか」

「うん!!」

 

 

 ウルティマは本当に嬉しそうに笑いながら2人は帰路についたのだった。

 




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