次からはもう少し早く描けるように頑張ります
ユキは眼前の戦いを見て自分が嫌になる。一度目は失敗してもシスタが頼ってくれている自分に。何よりそこまでしてもらってもまだ覚悟が決まらない自分に。テスタロッサたちに言われてようやく目が覚めた。
「テスタロッサ正直あたしじゃあの戦いの全てを見ることができない。だから教えてくれないか?」
テスタロッサは後ろを向きユキの顔を見る。その顔を見て返事はしなかった。しかし魂の回廊によってシスタにお願いしていたのだ。
(シスタ様、今から30秒ほど同じ攻撃をしてもらうことは可能ですか?)
(はい?いやそういうことか。まぁやってはみるが期待はするなよ)
(はい)
テスタロッサの返事は期待のこもった返事だったことにシスタは顔を顰める。しかしその様子は相対しているマヤにしか分からず、マヤも今は感情がないために気にしなかった。
「はぁ、やるか」
シスタは刀の操作に全てを振り速度を上げる。そしてマヤを磔にしたのだ。動けなかったら30秒はなんとか行けるだろうと判断したためだ。段々と刀のスピードを上げる。
マヤの体に停止をかけるが効かないために刀に加速を使う。そして段々とスピードが上がっていく。ただ一度でも落ちてしまうと加速の効果が切れてしまうためになんとか落ちないように保っている。
(これ思いついたけど魔素の消費が半端じゃない。長続きしないぞ。早くしてくれ)
チラリとシスタに見られたユキはトリガーに手をかける。そしてその指を動かしたのだ。乾いた音が響く。しかしそれに気づいたのはシスだと見ていた奴らだけだった。マヤは剣を防いで気づいていない。正確には弾いた時に出る音で気づいていないのだ。
刀の間を正確に縫うように一発の弾丸が飛ぶ。それはそのままマヤの左手に当たり刀を落とす。その瞬間にシスタはマヤとの距離を一瞬で詰めて手を魔素を集める。それに気づいたマヤは右で刀を取り横薙ぎに振るう。
シスタは素手で、マヤは刀で互いが互いに最後の攻撃だとわかったからその一撃の破壊力すごかった。爆炎が上がり立っていたのはシスタだった。
「ったく無駄に疲れさせやがって。ユキいい攻撃だったな」
「あ、あぁ」
ユキはそういうと顔を赤くしながらそらす。マヤはシスタの手に倒れ込むようにして動く気配がない。
「あとこいつ起きるまでここで寝かせてやってくれ。頼んだ」
「あ、おい!」
シスタはそれだけいうと部屋から出ていく。そして誰もいないことを確認するとその場に倒れ込む。地面に当たるかというところで体が持ち上げられる。
「あの最後の攻撃当たってたんですね」
「フローラ。それにビアンカまで気づいていたのか」
「ちょっと爆炎のせいで見えにくかったけどね」
あの瞬間シスタの手はマヤの心臓を貫いた。貫くと同時に回復をしたためになんとかなったがマヤの刀はシスタのお腹付近を半分ぐらいまで切っていたのだ。シスタはバレるとまずいので瞬間的に回復薬をかけたがほとんどかからず変な感じでくっついたのだ。その間も血が流れて今貧血と傷のせいで倒れたというわけだ。
「ではシスタ様回復致しますので横になってください」
「なんで?このままで良くない?」
「見られたら……な」
「了解」
ビアンカは言葉を聞いて結界を張る。しかしそれは外から見えないように張ってくれる。その結界の規模は小さいが移動できるようだ。その中を誰にもバレないように移動したながらシスタの隠れ家の方へ歩いていく。
「ここなら結界を解いても大丈夫でしょ」
そういいビアンカは指を鳴らす。すると結界は消えシスタは寝かされる。フローラは回復しながら話し始めた。
「シスタ様無茶ばかりしないでくださいませ」
「しかしな……」
「私たちは頼れませんか?」
「いや……そういうわけじゃ」
「フローラそれ以上はダメだよ。シスタの性格わかってるでしょ」
「はい。ですが私たちの力も使って欲しいです」
ビアンカとフローラはあの地下での戦いを見ていた。そしてシスタならと助けたのもある。あの時躊躇うことなくマヤを転移で飛ばして離脱させたからこそ2人は信頼できると感じてついてきたのだ。
「わかりました。なるべく私たちを頼ってくださいとだけ愚痴を言わせてもらいます」
フローラはそれだけ言って体を治していってくれる。
体の傷は塞がったが魔素がそんなに早く回復するわけがないのでソファーに体を落とす。今回のメンバーは決まった。
《解析が終わりました》
(で、なんだったのあれ)
《所謂嫉妬ですね。それが進化とともに膨張したものかと》
(へー嫉妬ね。って嫉妬!?あいつが何に)
《マスターよく女心がわからないと言われるのでは》
(そんなこと……ないと思う)
ルウェルも呆れて何も言ってこなかった。ただ嫉妬うんぬんは置いといて二度と暴走しないように祈ろう。また暴走されたら止められるかも疑問だし。
「少しゆっくりしていてください」
「わかったよ」
フローラは立ち上がりキッチンに向かう。そしてコーヒーを作る。ビアンカもそうだがこの2人料理のレベルが高い。シュナともいい勝負するほどに。部屋全体にコーヒーの匂いが充満していく。
そして目の前に持って来てくれる。置いたコーヒーと砂糖があるがほとんど砂糖入れない。
ビアンカは味覚がおかしくなるんじゃないかというぐらい入れるがまぁそこは気にしない。
「さてと一息ついたところでそろそろすり合わせするか」
「なんの?」
「ルベリオスの裏について」
「それを知ってるの?」
「まぁ僕じゃなくてテスタロッサが集めて来てくれた情報なんだけどまだ仮だから他の奴には他言無用で」
「了解」
「了解しましたわ」
「ルベリオスに行く当たって今回手を出してくるのはおそらくロッゾ一族だ」
2人はロッゾと聞いても頭の上に疑問符が浮かんでるのがわかるぐらいになっている。まぁこの世界に詳しいわけではないし、実際僕も詳しくは知らない。ただこの西側諸国の裏で暗躍している物たちだということだけわかった。そしてあのマリアベルの祖父というか育て親がいるらしい。
ならリムルと僕は恨まれていてもしょうがないと思う。
「さてとここまで話したが2人には頼みたいことがある。過保護だとはわかっていてもユキの警護をどっちかに頼みたい。もちろん僕も意識しているが今回は嫌な予感がするからな」
「了解。私が着くよ」
「ならわたくしはマヤ様に」
「それで頼む。あいつも来る予定だが暴走しないとも限らないしな」
「任せてください」
そこからはたわいのない話が続く。ある程度の時間が経つとその部屋がノックされる。部屋というより家といったほうがいいが。この場所を知っているのはシスタ直属の配下のみ。
部屋の扉を開けるとマヤがいた。その後ろに控えるようにテスタロッサたちがいて何も言わない。
「シ、シスタあの……」
「あー腹減った。何か食べに行こう」
シスタはマヤの言葉を遮るようにわざと大きな声を出す。それに気づいたのかそれともただ言葉に従ったのか全員移動する。シスタの部屋に着くとすぐに用意を始めるメンバー。いつ来たのかはたまた最初からいたのかは分からないがシュナもいた。
「さぁお召し上がりください」
シュナは料理を用意してくれる。今日は天麩羅のようだ。全員が箸を使う。僕が使っているのを見てテスタロッサたちは真似をしたみたいだ。はじめは手で食べていたのだが何故か品があったのだ。それでもいいかと思ったがテスタロッサたちが箸を使い始めたのだ。
テスタロッサは良かったがウルティマが一番大変だった。ポロポロこぼすし、食べ物を掴めないなどよくあった。
「シスタ様何考えてるの?」
「いやウルティマも成長したな〜と思って」
「嫌味を言われた〜!!」
ウルティマは何故か胸を押さえながらそういい悶える。何故押さえたのかはシスタには皆目検討つかないがみんなからの視線がシスタに刺さる。何故かシュナまでも下を向いて胸を押さえているが意味がわからないといった感じのシスタ。
「?どうした。前より箸の使い方が成長したなと思っただけなんだけど」
「〜〜〜///シスタ様のバカァ!」
「グハァ!」
ウルティマはシスタの腹を殴り飛び出していく。
「シスタ追いかけて」
「え?」
「いいから早く!」
マヤの強い言葉に押されるように部屋から飛び出していくシスタ。
「いいのですか?」
「うん、まぁシスタも悪いし今回に言えばテスタロッサ達にも助けられてるしこれぐらいはね」
「ふん、相変わらず情けないやつだな。我が君がそんなの気にするわけないだろう」
「わかってるよ。だからこそかな」
マヤは顔を伏せてそういう。カレラはこいつ何をいっているんだという顔だがテスタロッサは意味が分かっていた。
自分自身が許せないのだろう。例えシスタ様が許しても自分が許さない。
一体ウルティマはどこまで走っていったんだ。
街中を走り回ってみるが見つからない。魔素を感じてみるが完全に隠しているようで見つかる気配がない。
1時間ほど探しても見つからないので家に帰って来て入ろうとすると見つけた。
「よっと。こんなところで何やってんだ?」
「シスタ様のバカ」
「悪かったって」
「じゃあ今からやることに拒否しないでね」
「はいはい」
あぐらをかいていたシスタの足にウルティマは寝転がる。そしてシスタの手を掴みそのまま頭を往復させる。そして手を離す。
「シスタ様続けて」
「仰せのままに」
シスタはウルティマの頭を撫でる。そして思ったことあるけど本当にこいつ髪サラサラ。一応同じのを使っているはずなのに。目を閉じて寝転んでるから猫のような感じがするがめちゃくちゃかわいい。
「シスタ様?」
「あ、悪い止まってたな」
「何か考え事?」
「いやなんでもない」
本当になんでも。
こんな日々も楽しいと思ってるの全てシスタとしての仮面を剥ぎ取れば全てが真っ黒なのだ。だからこそあの虚無というエネルギーを発現できたということもある。あのエレルギーは今の僕で発現できるものではないとルウェルは言っていたが可能性の一つとして僕自身の黒さから生まれたものだと言っていた。
しばらくウルティマの髪を撫で続けていると今度はこっちが眠たくなって来た。寝るわけにはいかないと思ったがとうとう限界が来てしまい落ちてしまった。
「シスタ様ゆっくり休んでね」
ウルティマは起き上がり今度はシスタを自身の膝に乗せる。ウルティマはシスタの記憶のかけらを見たことがあるためにシスタの苦しみが少しわかるのだ。そうしてウルティマは日が昇るまでシスタのことを寝かし続けたのだった。次の日起きて早々シスタが慌てたのはいうまでもない。
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