yuーsuzuさんありがとうございます
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街に帰ると早速宴会だ。この街の凄いところの一つで宴会と決まったらその日にすぐに実行してしまうところである。
結局その日に宴会することになった。
町をあげての宴会は何度見ても凄いと思う。こんな規模の宴会日本ではできるわけもなくこっちの世界では簡単にできてしまう。
宴会も始まり何故か僕とリムルから一言ずつもらうとリグルドが言い出して言うことになった。
「えー今回の
すると全員から歓声が上がった。みんなもおそらく自分に足りてない所を自覚した上で一人一人がそれを補うと覚悟した上での叫びだろう。僕にはこんなふうにみんなを鼓舞するのは無理だな。
「それではシスタ様も」
「あ、うん。正直に言うと僕にはリムルみたいに言うのは苦手なんだよ。だから一言だけ。みんな今日はお疲れ様。これからもこういうことがあるかもしれないからみんなよろしく。今日はお疲れ様!」
それでも歓声が上がった。本当にみんなよくしてくれている。僕の感性も少しずつ変わってきているように思える。
元の世界では人間も自分も大嫌いだった。それは転生したこっちの世界でも変わらないと思っていた。けれどここにいる奴らと関わることで少しずつだけど認識が変わってきている。
「シスタ様隣よろしいですか?」
「シュナ構わないよ。あれ?リムルの方に行ってたんじゃないの?」
「いえシスタ様とご一緒したくてこちらにきました」
「ほへぇ〜。どうしたの?」
「今日はありがとうございました」
「気にしなくていいって」
「はい、シスタ様ならそういうと思いまして言うのはやめにします」
おお、急だな。しかし何度も謝られる方がよっぽどしんどいからこっちの方が助かる。そう思っていたら硝子の皿の上にこの宴会には出ていない料理があってそれを僕に渡してきた。
「これは?」
「わたくしが初めて作った料理です。お口に合うかわかりませんが」
そこに乗ってたのは寿司だった。いや、僕はみたことあるし食べたこともあるけどシュナにとっては初めて作るはずのものだ。
それに醤油に近いものまで作られている。シュナは一体どこまで料理できるんだ?
「あの、いやでしたか?」
「いや、そう言うわけじゃない。驚いただけだよ。もらうよ」
食べるとうまいの一言だった。酢まで近いものを再現していて本当にうまい。全部食べそうになったがそこは止めておく。
「お口に合いませんでしたか?」
「違う違う。美味かったよ本当に。けど僕だけじゃなくてシュナも食べようよ。そっちの方が美味しいからさ」
シュナも食べ始めてあっという間になくなった。シュナには別のところも回るように伝えて俺も別のところに行く。特に行くところはなかったがいろんな所を回っていくとなかなかみんな楽しそうだ。
「シスタ。楽しんでるか?」
「リムルか。楽しんでるよ。こっちはこっちで。それにそっちは大変だったみたいだな」
「これに関しては突っ込まないでくれ。俺としても恥ずかしいんだ」
リムルはおそらくシオンたちに女装をさせられたんだろう。普段でもたまにされているが酒が入ったシオンに流された感じみたいだ。
「けど似合ってると思うぞ」
「ほほう、シスタくんはそういうことをいうのかね。ならば君にも着てもらおうじゃないか」
「い・や・だ!」
「待て!シオンって酔ってるしソウエイ、シスタを捕まえろ」
「御意」
「待て待て待てやめろソウエイ」
「リムル様の命令なので」
そう基本テンペストでは僕たち2人がトップに立っているが基本的には全員リムルの方を優先させている。これは俺から言ったことでいずれ直近の下に欲しいと思った奴がいた時はリムルとの秘密の約束だ。
「やめろってのソウエイ」
「申し訳ありませんシスタ様。リムル様からの命令ですので」
結局俺はソウエイから逃げることができず酔ったシオンやシュナ、女のゴブリンたちに着せ替え人形にさせられていく。ワンピースやスカートなんかもはかされて涙は出ないけど泣きそうだ。
リムルは後で同じ目にもう一度合わせてやると内心決めた。
「シスタ様可愛いです」
「それを僕に言うのはどうかと思うよ」
「シスタ様次はこれを!」
シオンが酔いながら出してきたのは軍服だった。これなら大丈夫、というかなんでこれを出してきたのかわからずとりあえず着替えにいくと理由がわかった。
上は普通の軍服だけど下がスカートだ。なんてもの着させるんだと思いながらも着てみると想像以上にスカートが短い。
こんなの着て出ていけなんてある意味自殺したくなる。とりあえず出ていくと全員の反応に困った。
「これは……」
「みてはいけないものを見てしまった気分です」
「よく似合ってます!」
「あははシスタよく似合ってるぞ」
「勘弁してくれ!」
僕はすぐに元の服に着替えた。全く宴会なのにいつの間にかファションショーみたいになってるのなんでだろう。
もう気にしてられない。そう思いそこからは普通に食事をし始めた。みんなも酒に酔っているのかその場で寝た奴もいたため何人も家に運び出した。
リムルも途中から参加してくれたおかげでなんとか全員家に送り届けた。最後にはだいぶ片付けて残るは一つのテーブルになった。
そこで最後まで手伝ってくれていたリグルドも帰らせて僕とリムルだけになった。
「それでシスタの目にかないそうなやつはまだ来ないか?」
「その言い方はあれだけどまぁまだいないな。また見つかったらリムルにも言うよ」
「あぁ、早く見つかるといいな」
「リムルがソウエイとかを使わなければ俺は今日捕まらなかったからな!」
「はは、それはお互い様だろ」
憎まれ口を叩きながら僕たちは帰っていく。最後の机はもちろん片付けたよ。そうしとかないと明日リグルドとかが自分のこと責めそうだしね。
家に帰り作ってもらったベッドに入って眠る。最近は疲れを感じる体なのか夜はよく眠れる。何せベッドに寝転ぶと僕の体がどんどん沈んでいく。一定のところで止まるけどだいぶ気持ちいいベッドだからよく眠れるのかもしれない。
朝起きて起き上がろうとすると起きれない。何故かと思い体の上を見てみるとシオンが僕の上に乗っている。この部屋鍵はかけてないけどなんでここに?
とりあえずシオンを起こさないようにスライム系になり転がりながらベッドから降りた。
それにしてもなんでシオンがここにいるのかは不思議だ。なんとなく候補はつくけど。おそらくリムルのところに潜り込もうとして僕のところに来たのか。それか酔っぱらった勢いなのかはわからないけどとりあえずまだ寝かせておこう。
僕は部屋を出てリビングに行くとシュナがいた。
「シスタ様だけですか?」
「??もしかしてシオン?」
「はい、起こしてきますと言うから任せたのにシオンは全く」
「いや構わないよ。ゆっくり寝かせてあげて。
「いえわたくしは大丈夫です。それより昨日なにかいたしませんでしたか?」
多分昨日の途中から記憶がないんだろう。酒特有の症状だけどまさか魔物にまで適用するとは。まぁ昨日の事は伏せておこう。無礼講だし僕が犠牲になってみんなが盛り上がってくれたならよかったと思う。
「いや何にもなかったよ」
「そうですか。良かったです。こちらが朝食になります」
シュナは朝飯を出してくれる。こんなことしなくてもいいと言っているけどシュナがそこは聞いてくれない。この後もまだまだシュナは自分の仕事があるからいいと言ってもきてくれるから感謝だ。
そんなこんなでまた1日、1日と過ぎていった。