最強の相棒として転生した件   作:麒麟@

50 / 62
長いこと投稿しなくて申し訳ないです
その間にもお気に入りが増えてて嬉しいです


50話

 いよいよルベリオスに行く日。先導は全てリムルに任せてある。僕が面倒見なきゃいけない人物は全て目の届く範囲にいる。

 

 

「それにしてもなんか旅行って感じだな」

「まぁいいんじゃない。たまには」

「マヤお前ははしゃがないんだな」

「まぁ、わたしからすれば里帰りみたいなものだしね」

「そんなもんか?」

「そんなものなの」

 

 

 マヤは付かず離れずでシスタたちの行軍についていく。まぁ行軍なんて仰々しい言い方だが5人しかいない。シスタとマヤ。ユキ、ビアンカ、フローラの5人だけだがここで進んでいるメンツの中ではトップの実力を持っている。

 

 

「それでどんなところなのルベリオスって?」

「うーんテンペストとは違うけど発展してる国だよ。フローラやビアンカ、ユキにとっては驚くんじゃないかな?」

 

 

 ビアンカの質問に淀みなく答えるマヤ。シスタも正直そこまでわからない。正直そこまで発展していても驚くことはないだろうと思っていたのだ。

 しかし次の日についた時には驚かされた。ここまで発展しているのかと度肝を抜かれたほどだ。

 

 

「さてと本番は明日だから各々今日は自由で。金は渡しておくよ」

 

 

 シスタは驚きを隠すようにそういう。それに気づいたものは少ない。全員が金を受け取り別々の方向に歩き出す中マヤとユキだけが残った。

 

 

「何してるんだ?行って構わないぞ」

「わたしはここにいるよ」

「アタシもだな」

 

 

 2人ともそうは言っているがテコでも動きそうにない。とりあえずシスタは2人を連れて歩き始めた。2人とも何も話さないために気まずい空気が流れている。シスタ自身無言が嫌いというわけではない。ただそれにも空気がある。今流れている空気はどうにも苦手だ。張り詰めているというかなんというか。

 

 

「とりあえず甘いものでも食べるか」

「あぁ」

「りょーかい」

(誰かこの空気なんとかしてくれ)

 

 

 シスタのその願いを聞き遂げたのかある人物がシスタたちの前に現れた。

 

 

「やっと見つけたわ。あなたたちリムルとは別行動なのね」

「あ、ヒナタ」

「はぁまたこの状態か。全くしょうがないわね」

「へ?」

「マヤのことだからどうせ何かやらかしてショック受けてるんでしょ」

「はぁ!?違うし」

「ならこの空気は何よ。あなたがやらかすことなんていつものことでしょ。聖協会にいた時だってイライラして書類破るわ、まともにやってるかと思ったら他の人間に押し付けて自分は遊びまくるわ、それに極めつけだってあなたわたしのこと「あ、あぁーそれはダメ!」何よ」

 

 

 マヤの声がヒナタの言葉をかき消す。それどころか周りの人間まで驚いてこっちを見てくる。

 とりあえず立ち上がり頭を下げ何もないとの意思表示。すぐにヒナタも同様のことをする。

 マヤは顔を赤くして立ち上がれないほど真っ赤になっていた。

 

 

「それでその内容ってなんなんだ?言えないほどか?」

「ええ、そうね。自業自得とは言えまさかここまで否定されちゃあね」

「うぅ〜」

 

 

 机に蹲りながら唸りをあげるマヤを横目にシスタはヒナタの方に向かう。ここにきたのはおそらくマヤに会うためだけじゃあない。

 

 

「さてと本題を聞かせてくれ」

「さっきリムルたちにも話したのだけれど会議中は絶対にキレてはダメ。この会議はあなたたちのところのように纏まることはないわ。そしてあなたたちを下につけようと言葉を回してくる。だからこそ」

「ん、りょーかい。キレなかったらいいんだな」

「え、ええそうだけれどできるのかしら?リムルからの話だとあなたかなりの短気みたいだし」

「あいつ失礼なやつだな。僕がキレるのは多分なかったはず」

「いーやあったよ。あの時。あの人間を「マヤ」ごめん」

 

 

 マヤは言葉にしてはいけないことをしようとした。それをシスタが止めたがヒナタもユキも首をかしげた。しかしそれ以上踏み込むとシスタが暴れかねないと判断した2人は何もいうことなく目の前の甘味を味わう。

 

 

「そうだヒナタここで暴れられる場所ってあるか?」

「あるにはあるけど騎士団の修練場とかなら」

「そこに行こう。マヤ、ヒナタ相手してくれ」

「は、はぁ!?なんで」

「特訓だよ。僕にはこんなものじゃ足りないぐらいの力がいるからな」

 

 

 ヒナタは手を頭に当てて修練場に向かう。その後ろについていくように3人が歩く。修練場に着くとすごい騒ぎになった。

 

 

「ヒ、ヒナタ様、それにマヤ様もどうされましたか?」

「少し修練場を借りる」

「承知しました」

 

 

 見張りにそう伝え修練場に向かう。中に入ると特にこれ言ったものは置いてなく端に鎧やら剣が置いてあるだけだった。

 

 

「さてとやるか。ユキ出てろよ」

「あ、あぁ」

 

 

 ユキの返事を聞いて指を鳴らすシスタ。するとに誓約之王(ウリエル)よる結界が張られる。中でどれだけ暴れても外には影響しない。

 3人が刀を抜きそれぞれ構える。シスタも刀を抜くがやはり一本だけだ。一瞬の静寂の後3人が3人とも動く。

 マヤとヒナタは斬りかかるがシスタはそれを刀を使って受け流す。

 そんな斬り合いが行われている様子を聖騎士たちは固唾を飲みながら見守る。しかし1分、2分と経ってもシスタからの攻撃は一切ない。

 

 

「どういうつもりかしら?」

「んー、修行中」

「くそ、シスタ本気出すよ」

 

 

 マヤの言葉を聞くとシスタは一段階警戒を上げる。この戦闘中シスタは一度も思考加速を使っていない。いつ切られてもおかしくない状態なのにマヤの本気という言葉。

 刀が光り輝く。それを見た瞬間ヒナタは距離を取る。

 崩魔霊子斬(メストスラッシュ)だったからだ。ヒナタも日々努力を欠かさず強くなっているがそれを実感すればするほど自信とマヤとの差を感じてしまう。

 マヤはそんなこと梅雨知らず構えをとる。放つのは全ての破壊力を乗せた上段からの振り下ろし。それに対してのシスタのとった行動は最低限の魔素を刀に流してのマヤの刀の受け流しだった。

 コンマ数ミリずれたら自身が受けたダメージは計り知れない。しかしシスタはルウェルの補助なしにそれをやって退けた。

 

 

「はぁ〜ショック」

「ここまででいいや。ありがとな」

「あなたの戦い方おかしいわよ」

「なにが?」

「なぜそこまでするの?こんな戦い方してたら死ぬわよ」

「おやおや団長とあろう人が魔物のしかも魔王の心配ですか?」

「茶化さないで」

「はぁ、どうしても力がいるんだよ。誰にも負けないためにな。力だけじゃ限界があるから殻を破るために一足飛びで技術を磨いてる最中ってわけ」

「マヤあなたは知ってたの?」

 

 

 疲れたのか寝転んでいたマヤにそれを聞く。マヤはあの時の当事者の1人だ。知らないわけがない。しかしここで本当のことを答えるかどうかはまた別の問題だ。

 

 

「もちろん知ってるよ。あたしも当事者だし。だからシスタに全力で応えるしあたしももっと強くならないとね」

「はぁ……あなたたち似たもの同士ね」

 

 

 ヒナタは心底呆れる声でそう言う。言い返せないので何も言わないがシスタは一つだけ引っかかる。マヤと似てるなんてなんて心外な。

 

 

「マヤとは似てないだろ。あんなにわがままじゃないし」

「む、あたしそんなにわがままじゃないよ」

「「えぇ〜」」

「ヒナタまで!?」

 

 

 3人が顔を合わせて笑う。修練場はいつの間にか人だらけになっていてヒナタが怒って全員を修練に戻す。まぁ気持ちはわからなくもないがほとんど全員が来ると言うのはどうかと思う。

 

 

「ところでアタシの存在忘れてるだろ」

「!!そ、そんなことないけど」

「忘れてたな」

「そんなことないですよユキさん。さっさ宿に向かいましょう」

「なんか強引に終わらせようとしてないか?」

 

 

 まやの言う通りユキの存在を忘れていた。完全に途中から頭から抜けていて下手に出ないと後が怖い。

 宿に着くと部屋が3つ予約されていた。一応襲撃用にリムルとの宿は別々だ。お互いの位置に瞬間的に転移できるようにしてある。

 

 

「それで3つどう分ける?」

「あたしはシスタと一緒の部屋ー」

「冗談言ってないでさっさと分けるぞ」

「冗談じゃないのに」

「それじゃあビアンカとマヤ、フローラとユキ、僕は1人な」

「けどそれじゃあ襲撃の時に」

「1人で充分だ」

「ぶー」

 

 

 マヤは嫌々文句を言いながらもビアンカに引っ張られて部屋に連れていかれる。

 シスタは部屋に結界を張りある魔法を使う。

 

 

「悪魔召喚」

 

 

 すると出てきたのは3体の悪魔。それぞれがこの時間を待っていたようでひざまついている。

 

 

「お待ちしていましたわシスタ様」

「待っていたぞ我が君」

「待ちくたびれちゃったよ」

「悪い悪い。色々あってな。それでどうだった?」

「結論から申しますと既に何人ものものがいますわ。その中でもグランベル翁と呼ばれるものにはお気をつけください。その配下にも何体か厄介なものが」

「そっかありがとなテスタ」

「恐縮ですわ」

「それでウルティマの方は?」

「うん調べさせたけどそっちの方は何もないみたいだよ」

「ごくろうさまウルティマ」

「カレラは?」

「あの国はとてもじゃないが入りにくいな。想像に以上に厳重だ。表向きは豊かに暮らしているが俯瞰的に見ると奴隷に近い」

 

 

 シスタが顔を歪めながら詳細を聞く。怒りが込み上げてくるが途中で消えてしまう。それを感じたのはシスタだけだったがやっぱりなと自分自身に呆れてしまう。目の前の3人やマヤ、ビアンカ、フローラ、ユキに助けられているがやはり自分はどこまで行っても転生前から何も変わっていないということだった。

 

 

「わかった。今回はここまでで構わない。3人とも呼び出して悪かったな。あとは自分の仕事に戻ってくれ」

 

 

 3人とも返事をして転移する。シスタはベッドに寝転ぶと全ての情報を整理する。帝国のことは今は放っておいていい。ただ今回のグランベル翁は放って置けない。

 最悪僕が相手しないといけない。それだけは避けたいのだけれど状況が状況だしな。確実に勝てると言えば僕がリムル、ビアンカ、フローラだけだと思っている。

 

 

「全くこの世界は強い奴が多すぎる」

 

 

 誰も返事をしない独り言に意味はなかった。シスタ自身がそう思っていただけで本当の意味は別にあったことをシスタ自身は知らない。

 

 

 




評価やお気に入りが増えると嬉しいです
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。