最強の相棒として転生した件   作:麒麟@

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51話

 シスタが眠りにつくとそれを見過ごすまいと動き始めた人物がいた。

 

 

「どこだここは?」

「よく来ましたね。シスタ=テンペスト」

「よく来ただと?お前がここに連れ込んだろう」

「ふふ、その生意気な口も素敵。あなたの化けの皮が外れたところがとても」

「わかったわかった。ところで俺を連れ込んだ理由は?」

「そこから話します。まず私の名はアンピトリテ神の一柱です」

「アンピトリテたしか逸話の中ではポセイドンと婚約した神だったか」

「その通りですわ。まずあなたを召喚した理由から話さないといけませんわね」

「召喚?」

「まずはじめにあなたがいる世界は一層。そしてあなたがこの世界に転生したのは完全にイレギュラーですわ」

「なるほどこの世界いや、世界は何層かあるわけだ」

「その通りですわ。全十層ありますわ」

「けど疑問に浮かんでくるのはなぜいまその話を?」

「あなたが異分子だからです」

 

 

 なるほどここまでの話を考えると俺は本来この世界に呼ばれるはずがなかった存在だった。そして十層あることから考え導き出されることは。

 

 

「なるほど俺はその十層を支配下に加える、もしくは協定を結ぶと言うことか」

「ええ、話が早くて助かりますわ」

「ちなみに聞くけどニ層の敵の強さは?」

「そうですね。あなたの世界で言うところの竜種全員で挑んでも勝てない程度でしょうか」

「マジか。聞き方を変える。魔素量で言うと?」

「最低でも1億は超えてないと厳しいですかね」

「なるほどね。その話を受ける、受けないにしてもこれだけは聞いておかないといけないんだけどお前の力を借りてあいつを殺すことはできるのか?」

「その質問に対しての答えはあなたの意思次第ですね」

「なら受ける。それなら?」

「可能ですがそれはあなたの体を遥かに超える強さ。地道に努力してそれと同様に体の強度が上がるのとはわけが違います」

「それが聞けただけで十分だ。その話受けるよ」

「そうですか。まだお話したいですがここまでのようですね」

「は?」

 

 

 そういうときえるアンピトリテは消えていき次に来たのは腹への衝撃だった。

 

 

「ぐへぇ!」

「いつまで寝てるのよ」

「すいませんマヤさん止められませんでした」

「寝すぎだよったく」

 

 

 すでに4人来ていた。マヤは僕の腹に飛び込んできたみたいだ。起き上がり服を着替える。4人は放り出してだが。

 一応会議に出席するとのことだったのでそれなりに綺麗な格好をしていく。

 宿を出ていくとすでにリムルたちが僕のことを待っていた。

 

 

「悪い悪い」

「気にしなくていいぞ。まだ時間までずいぶん時間がある」

「そうか。どうする。僕たちは最後に行くか?」

「いや初めての出席だしなるべく早くついておこう」

 

 

 リムルと僕。それにシュナとマヤを出席させることになった。今回はユキとマヤで悩んだが決めてはマヤの認知度だった。ヒナタ同様西側だけではなく東側にも顔が知れている。

 4人は正装を着て会場向かう。場所を見て会議室に入るとすでに何人か待っていた。まだ時間まではかなりあるがここにきているということはそれなりに人格ができていることなのだろうか。

 そして円卓の席が全て埋まる。少しずつ話は進んでいくが明らかに作為的な進め方だ。リムルはなにも話さないが明らかに怒りが溜まってきている。そして我慢がきてのだろう。

 

 

「お前ら魔王に対して殿って舐めてるよね?」

「い、いえそのようなつもりは」

「全くそんな気はありません」

 

 

 ヒナタが呆れたように手を頭に当てている。僕もこんな状況じゃなければまず間違いなく呆れている。なんとか顔に出さないようにしているが後ろがすでに限界のようだ。

 後ろから怒気がすごい当たってくる。これは間違いなくマヤだろう。横目から後ろを見てみるとユキがなんとか抑えようとしているがもう止まらない。

 

 

「あんたらさぁ仮にも魔王2人に対してその言い方はないんじゃないの?なんなら西方国全てと戦ってもいいよ。戦うのはシスタと私、それにシスタ直属の部下だけでも勝てるよ」

「おいマヤ」

「シスタは黙ってて!」

「はい……」

 

 

 シスタはその言葉で静かになる。他に人間から見ると魔王が尻に敷かれているように見えるが実態を知っている人間は笑いを堪えるので必死だ。さっきまで怒っていたリムルでさえ何も言わなくなっている。

 

 

「それでヤルの?ヤラナイの」

「じ、人類の守護者が何を言っている」

「そうだ。率先して戦うなんてふざけるな」

「はぁ、別にこっちは無理に入れろだの、無理な価格での取引をするとか言ってない。それでも入れないならあと残ってるのは力だけでしょ」

 

 

 その言葉に全員が沈黙する。この世界の事実を今マヤは突きつけたのだ。言葉で無理なら武力で解決するしかない。確かにそうだけれど直球すぎる。

 

 

「はぁ落ち着け」

「シスタ、けど」

「落ち着けと言ってるんだけど?」

「うぅ、りょーかい」

 

 

 マヤは大人しくシスタの後ろに立つ。今の言葉は予定外だったがある意味いい雰囲気を作ってくれた。

 

 

「さてと話を進めたいと思ってるんだけど別にマヤの言ったことも僕自身間違いではないとは思っている。言葉で通じないなら武力行使もありだ。それに僕たちだけで十分というのも言葉通りだ。この呼び方はしたくないが配下に原初の白(ブラン)原初の黄(ジョーヌ)原初の紫(ヴィオレ)がいる。それでもやるか?」

「っ!それは……」

「それでもいいならやろうか」

「こちらこそ失礼致しました」

 

 

 1人が頭を下げると全員が頭を下げてくる。それ以上は何もいうことなくリムルに任せることにした。

 

 

《テスタ、ウルティマ、カレラ今いけるか?》

《もちろんですわ。シスタ様からのお話とあればどのような状況でも断ることなどありません》

《すまない。僕がお前たちのことを原初の白、原初の黄色、原初の紫と呼んでしまった》

《ふふ、お気になさらないでください。シスタ様がそう呼ばれるということは何か理由があるのでしょう。ウルやカレラもそれはわかっています》

《我が君が気にすることはない。魔王ルミナスの件も知っている》

《うん、あのときは嬉しかったよ》

《掘り返すのはやめてくれ》

 

 

 シスタは繋いでいた回線を切る。恥かしくなったので切ったのだ。その間に何やら西方議会に加入することが決まっていた。後でユキに詳しく教えてもらおう。

 リムルが先にたちシスタが立ち上がる。それは魔王間の間でもパワーバランスを匂わせるためだ。古き魔王たちはその長い年月によってそれぞれの力が大まかにではあるが世界中に知られている。

 しかしここにいるのは新人もいいところだ。だからこそ力はわからない。しかもリムルはヒナタに負けたという噂まで流れている。

 しかし原初の悪魔はここにいる人間より遥かに長く生きてその恐ろしさが各地に伝わっている。だからこそ恐れられているのだ。

 

 

「シスタ帰るか」

「ふぇ?もう終わったのか」

「お前聞いてなかったな」

「途中からは」

 

 

 リムルとシスタの2人しかいないために怒っているが他の人間がいたらこうはなっていない。

 その様子を見たマヤは笑っているがユキは呆れている。結局宿に着くまでシスタは怒られっぱなしだったのだった。

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