最強の相棒として転生した件   作:麒麟@

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59話

 アルゴスで見ていると何故かテスタロッサがドワーフ王国にいた。あいつ確か帝国に行くとか言ってたような気がするんだが。

 

 

《ドワーフ王国だけヴェルグリンドの出現が早かったのでテスタロッサを回したのだと思われます》

 

 

 なるほどね。まぁビアンカとフローラも行っているから何があっても死ぬことはないだろう。少ししてこちらにもヴェルグリンドが現れる。

 その他には中華服がよく似合う扇子を持っていてそれには羽までついている。

 

 

 [ヴェルドラでてらっしゃいな]

 

 

 その一言は迷宮の中で響く。本来外で話したことが中で聞こえるなんてあり得ないことだ。そこは流石の一言に尽きる。

 

 

「ぎゃわ!姉上が来たぞ」

「師匠ど、どうする?」

「何このまま籠っておれば姉上は何も出来ぬ。そのまま迷宮の罠にかかってしまえばよいのだ」

 

 

 ヴェルドラがそんなことを言う。中のことが見えていないからだろう。けれど外の声が聞こえるのだ。中の声が聞こえてもなんら不思議じゃない。

 

 

 [ヴェルドラちゃんなかなか面白いことを言うのね。それなら]

 

 

 ヴェルグリンドは手に槍をつくる。あれはやばい。そろそろ僕が出たほうがいいか。ラミリスが慌てている。それを躊躇いなく放つと50階層まで吹き飛んだとの報告が飛んでくる。

 

 

「ありゃまぁ。ヴェルグリンドも今回は本気か」

「ウソ……階層ごと吹き飛んじゃった」

「まぁあれを止めないといけないからな。ヴェルドラ僕が出ようか?」

「いや我が出よう。シスタはここにいるものを守っていてくれ」

「了解。負けるなよ」

「クァハハハ。我は最強なのだ。姉上だろうと負ける気はないとも」

 

 

 ヴェルドラはそう言って迷宮から転移していく。そういうことなら手を出すのも僕が戦うのも野暮だ。僕自身自分の戦いを邪魔されるとキレる。ましてやあいつとの戦いを邪魔でもされたらたとえ誰であっても殺すだろう。

 そんなことを考えてるうちに2体の竜種が向き合う。2体は軽い殴り合いから互いにスキルを使い始める。そんな戦いを僕はただ見ることにした。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ドワーフ王国内会議室では大慌てになっていた。ヴェルグリンドが出現したのだ。これはダメだろうとガゼルは思う。ガゼル自身テンペストでヴェルドラを見ていたため力の差は歴然だが一矢報いると思っていたが本気の竜種を見てこれはダメだと思った。あの時のヴェルドラはかなり魔素を押さえていたが本気になるとここまで違うのかと絶望する。しかも急に現れた軍隊もかなりの猛者が乗っている。

 

 

「ガゼル王お久しぶりですわ。早速なのですがヴェルグリンド様はわたくしたちが相手をしてもよろしいですか?」

「テスタロッサ殿か。それは願ってもないことだ。正直にいうと我らでは手も足も出ないのでな」

「かしこまりましたわ。では」

「テスタロッサ〜負けたら私が変わってあげるからね」

「ビアンカさん!」

 

 

 

 テスタロッサは何も言わなかった。わかっていたのだ。あれがビアンカなりの励ましだと。ガゼル王のことは何も心配しなくていい。だからこそ全力で戦えとそう言っていたのだ。

 

 それはテスタロッサだからわかった。カレラやウルティマは実際にかなり怒っていたのだがそれでもこれから戦う相手を前に冷静さを失ってはいない。それだけのプレッシャーを放っているのだ。

 

 

「さて、やりましょうか」

「ふふ、そうですわね」

「テスタ笑ってどうしたの?」

「いえシスタ様ならやりたくないと言いつつ最後には勝つのを思い出しただけよ」

 

 

 テスタロッサの言う通りシスタは口ではめんどくさい、やりたくないなど言うがなんだかんだで終わらせるのだ。実際シスタは一度だけ負けている。その事実を知らないテスタロッサにしてみれば怪我をしたが勝ってきたと思っているのだ。

 

 

「確かにシスタならそう言うわね」

「!!?我が君を知っているのか!」

「知っているの何も色々と交流があるわ。あの子が急に強くなったでしょ。少しだけ力を与えてあげたのよ」

 

 

 3人に初めて聞かされる新しい事実。シスタ様のことは信頼している。いや3人とももはや信頼という言葉では足りない。そのシスタ様から信頼されようと努力を重ね向こうにいた頃より遥かに強くなったつもりだった。いつかシスタ様から頼ってもらえるように努力をしてきたがまだまだ足りないことがわかった。

 

 

「シスタ様、ボク達に教えて欲しかったな」

「ふふ、そうね。けれどそれはわたくしたちが不甲斐ないからよ」

「それもそうだ。まずはヴェルグリンド様を倒すところから始めよう」

 

 

 3人が魔素を上げるのに対してヴェルグリンドはどこ吹く風だ。3人よりも後ろの2人を気にしている。あの2人そこが見えないのだ。シスタも一体どこであんな子達を味方にしたのか。そして原初と竜種の戦いは始まった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 マヤは今ある結界内に囚われていた。リムルについてきて転移した途端にここに連れてこられたのだ。けど気は抜けない。目の前にいるのは誰か知らないけどその隣にいる人物はよく知ってる。

 

 

「ヴェルグリンド」

「あら久しぶりね。あなた昔シスタを殺しにきた人物ね」

「そんな昔のこと言われてもわからないなぁ」

 

 

 マヤは腕を振りかぶる。その瞬間にヴェルグリンドのいる周りが魔法陣が現れて次々に放たれて行く。放たれるのは霊子崩壊(ディスインティグレーション)だ。究極能力を上乗せしているので一撃の強さは昔とは比べ物にならない。そして魔法陣が消えて少ししてから煙が晴れる。

 しかしそこには無傷のヴェルグリンドと椅子に座ったままの人物がいた。

 

 

「なるほどね。それが王宮要塞(キャッスルガード)か」

「あ、おいマヤ。何いきなり放ってんだ」

「えー。ここで殺せたらラッキーだし、それに元々効くとは思ってなかったから」

「はぁ、シスタはいつもどうやってマヤをコントロールしてるんだ?」

 

 

 リムルは頭を抱えながら少なくないシスタへの敬意を覚えたのだった。

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