ペプシマンIN幻想郷Ⅲ-Ⅰ
幻想郷におけるペプシマンの一日は早い。
まず、彼は6時には目を覚ます。そして、霊夢から教わったやり方で布団を片づけると、まずは神社の前でお祈りする。
「今日もペプシが多くの人に飲まれますように」
そうお祈りした後、彼はまず自動販売機の充電を行う。ハンドルを掴んで1時間ほど回し続けるのだ。そして、充電が完了するころに、大体霊夢が起きだす。
「ペプシマン。私朝食作るから神社の掃除やっといてー」
「うむ、わかった」
霊夢の言葉に頷くと、彼は箒で神社前の掃除を始める。道の上に落ちている砂や落ち葉を一か所に纏め、道を綺麗にしていく。
「お、今日もせいが出てるんだぜ」
不意に空から声が降ってきたのでペプシマンが上を見上げると、そこには箒に跨る魔理沙の姿があった。
「おや、魔理沙さん、おはようございます」
「おはようなんだぜ」
互いに挨拶をかわすと、魔理沙は地上に降りて、そのままペプシコーラを一本購入する。
「今日も幻想郷を走り回るのか? 大変なんだぜ」
「これも私の使命だからな。特別苦と言うわけでもないさ」
「へー、まぁ、頑張れよ」
そう言うと、魔理沙は箒に乗って空を飛び、どこかへと飛び去って行った。
それを見送るとペプシマンは掃除を再開する。そして大体掃除が終わってきたころ、突如鳥居のほうから何やら砂埃と激しい音が聞こえてきた。
「む……なんだ?」
ペプシマンがそちらに視線を向けると、なにやら鳥居の下、石階段からものすごい勢いで砂煙がこちらに向かってくる。そしてその中心には大きな角を生やした少女が走っているのだが、ペプシマンがそれを認識する前にその少女の体当たりによって吹き飛ばされた。
「アーーー!」
吹き飛ばされたペプシマンはそのまま賽銭箱に激突。賽銭箱を吹き飛ばし、自身も二回バウンドして地面に倒れた。
「な、何の音!?」
音を聞きつけた霊夢が現れると、少女はそのまま霊夢に突撃し、彼女に抱き着いた。
「霊夢! 結婚するって本当なのか!? なんで何も言ってくれなかったんだ!?」
「はっ? 何言ってるのよ萃香」
少女……萃香の言葉に霊夢が困惑の表情を浮かべると、萃香は懐から新聞紙を取り出して霊夢に突き出した。
「なによ、新聞?」
霊夢がそれを受け取り目を通すと、そこには射命丸による霊夢とペプシマンに関する記事が書かれていた。だが、その内容はかなり誇張や脚色されており、特に目を引くのは「博麗の巫女、妖怪と同居。結婚も視野に入れているのか?」である。
「はぁ……あのバカは……。萃香、私は結婚なんてしないから」
「ほ……本当か?」
萃香の不安げな視線に霊夢は頷く。
「あいつはあくまでビジネスパートナーよ。ほらペプシマン、あんたも挨拶しなさいよ」
霊夢の言葉に地面に倒れていたペプシマンはなんとか立ち上がり、萃香に右手を差し出す。
「初めまして萃香さん。私はペプシマン、霊夢さんの言った通り私と霊夢さんにそういった事実はないので安心してほしい」
「そうか。ごめんね、吹き飛ばして。私は萃香、よろしく」
「うむ、よろしく萃香さん」
二人が握手する様子を見て霊夢は軽く頷く。
「それじゃ、もう朝食できたから食べるわよ。萃香も一人前なら用意してあげるから食べていきなさい」
「お、食べてくよ。でも一人前って少なくない?」
「家には余裕なんてないのよ。ペプシマン、さっさと稼ぎなさいよ」
「う、うむ。わかった」
霊夢の叱咤にペプシマンは頷くと、萃香と共に朝食を頂くことになった。